JPH0665060A - 治療薬を送達するための親水性クリーム - Google Patents

治療薬を送達するための親水性クリーム

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JPH0665060A
JPH0665060A JP5151887A JP15188793A JPH0665060A JP H0665060 A JPH0665060 A JP H0665060A JP 5151887 A JP5151887 A JP 5151887A JP 15188793 A JP15188793 A JP 15188793A JP H0665060 A JPH0665060 A JP H0665060A
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galactomannan
guaran
hydrophilic cream
buffer
enzyme
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JP5151887A
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Gordon J Dow
ゴードン・ジェイ・ダウ
James R Rasmussen
ジェイムズ・アール・ラスムッセン
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Original Assignee
Genzyme Corp
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    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
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    • A61K47/36Polysaccharides; Derivatives thereof, e.g. gums, starch, alginate, dextrin, hyaluronic acid, chitosan, inulin, agar or pectin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適当な増粘剤により増粘された、創傷部位へ
の治療薬の効果的な送達が可能であり、創傷清浄効果に
優れた親水性クリームの提供。 【構成】 水性担体、創傷清浄化酵素、創傷治療薬およ
び抗細菌剤からなる群より選択される治療薬、ならびに
非発熱原性の種子ガラクトマンナン増粘剤からなる開口
した創傷または粘膜に適用するための親水性クリーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中性の治療薬および荷
電した治療薬の双方を、開口した創傷および粘膜に送達
し、浸出液の存在下であっても、それらの治療薬を治療
部位に維持しておくように設計された、適当な増粘剤を
伴った滅菌親水性クリームに関する。また、グアーガム
から非常に高度に精製れたグアラン標品を得る方法およ
びその標品に関する。
【0002】
【従来の技術】熱傷、漬瘍および外科的切開のごとき開
口した創傷は、毒素、免疫原および発熱原を含めた汚染
物質の全身的なシステムを提供する。拡張した体表面が
含まれる熱傷の局所的治療の場合、多量の局所治療薬を
患者に適用する必要がある。例えば、体重70kgの熱
傷患者の全体表の50%に1.0mmの厚さの局所用ク
リームを適用する場合、約850gのクリームが必要で
ある。したがって、局所的治療薬中1%の汚染物質は、
患者に8.5gの汚染物質を適用することになる。
【0003】創傷清浄化酵素および創傷治癒因子のごと
き多くの局所的治療薬は、生理学的pHにおいてはもと
もと幾分荷電したペプチドまたは蛋白である。イオン交
換クロマトグラフィー樹脂に見られるように、イオンの
相互作用により荷電分子が逆に荷電した高分子増粘剤と
結合する。高分子ポリマー増粘剤に対する治療薬の強力
な会合は、治療薬の創傷部位への拡散を阻害し、治療薬
の創傷部位への送達あるいはその治療的効果を妨げる可
能性がある。したがって、水溶液中生理学的pHにおい
て荷電しておらず、基本的に汚染物質を含まない増粘剤
が適当である。
【0004】ガラクトマンナンは、自然界に比較的広く
分布し、ある種の植物の細胞壁および胚乳中、ならびに
種々の菌類の菌糸に存在が確認されている。特に本発明
の実施に有用と思われるガラクトマンナンは、種子ガラ
クトマンナンである。種子ガラクトマンナンは、植物起
源の多糖であり、エイ・エム・ステフェン(A.M.Stephe
n)、ザ・ポリサッカライズ(The Polysaccharides)1
15〜116ページ(1983年)に記述された性質を
有する。一般的に用いられる2種の種子ガラクトマンナ
ンはグアーガムおよびローカストビーンガム由来であ
る。これら2種の種子由来のガラクトマンナンを区別す
る特徴は、それらのガラクトースに対するマンノースの
組成比である。グアランはマンノース:ガラクトースが
2:1であり、ローカストビーンガムは4:1である。
これらの多糖はいずれもイオン化しうる基を有しておら
ず、よって、水溶液中では荷電していない。
【0005】水溶液中に溶解すると、グアランは高粘性
を有し、グアランの未精製形態であるグアーガムは、か
つて、食品、ローションおよびクリームの増粘剤ならび
に錠剤の結合剤として使用されていた。グアランは、そ
の粘弾性により、漬瘍、外科的切開および熱傷患者の痂
皮への、および粘膜への薬剤送達担体の興味深い増粘成
分といえる。グアランはこれらの患者の循環系に入るこ
とができるため、汚染物質の少ない、特に蛋白およびエ
ンドトキシン含量の少ないグアラン標品が望ましい。
【0006】粘性のある滅菌親水性クリームの使用に関
する1つの示唆は創傷清浄化酵素のごとき治療薬の熱創
傷部位への送達である。熱傷の痂皮の酵素的創傷清浄化
は、血液の損失および外科的外傷を最小限にとどめる外
科的切開に対する興味深い創傷清浄化法であり、生物学
的特異性があるにせよ、壊死および生細胞を区別するこ
とができる。熱傷痂皮の主成分が変性蛋白であるため、
種々のプロテアーゼが創傷清浄化酵素として開発されて
きた。
【0007】アナナイン(ananain)およびコモサイン(co
mosain)は、粗ブロメラインの2種の主なプロテアーゼ
成分として同定されており、1992年4月21日付け
の米国特許第5,106,621号に充分記載されてお
り、その関連する開示部分をここに一体化させる。これ
ら2種のプロテアーゼは粗ブロメライン中の可溶性蛋白
の約5%を占め、パイナップル茎粉末からクロマトグラ
フィー的に精製でき、充分特徴のはっきりとした標品が
得られる。
【0008】酵素的創傷清浄化剤の送達に関する都合良
い担体は、安全で、酵素の送達に有効で、創傷部位に蛋
白分解酵素を維持するに十分な粘性を有し、創傷面を水
和するに十分な親水性を有し、創傷部位からの浸出液を
吸収でき、適用が容易であり、創傷部位を浄化するもの
でなくてはならない。アナナインおよびコモサインプロ
テアーゼを有効な担体中に処方する試みが、2つの理由
のためになされてきた。第一の理由は、既知の局所用ク
リームおよびゲルは、創傷部位に適用した場合に非常に
軟化し、創傷からの液体により希釈されると創傷部位か
ら移動してしまうことである。第二の理由は、アナナイ
ンおよびコモサインシステインプロテアーゼはpI>
8.5において強力に陽性であり、生理学的pHにおい
て処方した場合、イオン的相互作用により、多糖および
合成ゴムのごとき一般的に用いられる陰性の増粘剤に結
合することである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、創傷部位へ
の治療薬の効果的な送達のための適当な増粘剤を開発す
ることを目的とする。また、適用すべき部位に適用した
場合、あまり粘性が高すぎず、ベトつきが少なく、しか
しながら、体液で希釈されても粘性を保つクリームを開
発することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく、増粘剤およびクリームについて鋭意研究を
行った。その結果、創傷清浄化酵素、創傷治療薬および
抗細菌剤ならびに基本的に荷電しておらず、発熱原を含
まない種子ガラクトマンナン、好ましくはグアーガムま
たはローカストビーンガム由来のガラクトマンナンから
なる群から選択される治療薬からなる開口した創傷に適
用するための粘性のある親水性クリームを開発し、本発
明を完成するに至った。
【0011】熱傷または漬瘍による壊死組織の創傷清浄
化については、治療薬が1種またはそれ以上のシステイ
ンプロテアーゼからなるものとする。好ましくは、シス
テインプロテアーゼが、パイナップル茎粉末由来のアナ
ナインおよびコモサインであり、ガラクトマンナン増粘
剤が、精製により蛋白およびエンドトキシンのレベルを
減じたグアランとする。
【0012】治療薬とともに処方する親水性クリーム
を、典型的に、創傷の痂皮のごとき壊死組織に適用し、
創傷清浄化酵素を担体から組織へと拡散させる。数時間
以上にわたり1回以上の適用を含む、適当なクリーム塗
布を行った後、創傷部位を浄化し、クリームを除去す
る。
【0013】好ましくは、本発明により調製する親水性
担体は、高度に精製した種子ガラクトマンナンにより増
粘したo/wクリームベースからなるものとし、好まし
くはローカスとビーンガムまたはグアランからなるもの
とする。本発明により調製する創傷清浄化剤は、2種の
パイナップル茎粉末由来の陽性システインプロテアーゼ
であるアナナインおよびコモサインからなり、グアラン
により増粘した親水性クリーム担体中に存するものとす
る。付加的な成分は、酵素活性化剤および細菌の増殖を
抑制する保存剤を含んでいてもよい。
【0014】親水性クリーム担体は、2種の鍵成分から
なる。1つはo/wクリームベースであり、もう1つは
高度に精製したグアランまたはローカストビーンガムで
ある。
【0015】親水性クリームベースは、次表の公称およ
び好ましい濃度範囲の、以下の成分を含有していてもよ
い(数値は重量%)。成分 公称濃度 好ましい濃度 油性物質 (油層) 0.5〜60 5〜40 乳化剤 0.2〜10 1〜5 抗菌剤 保存剤 0.05〜2.5 0.2〜1.5 添加物 0〜20 0〜5 精製水 QSAD*100 QSAD100 添加物は、緩衝剤(りん酸ナトリウムのごとき)、保湿
剤(グリセリンまたはソルビトールのごとき)および当
業者に知られた他の賦形剤を含んでいてもよい。 *QSADは調製に十分量を表す。
【0016】グアランはグアー種子(シアモプシス テ
トラゴノロブス(Cyamopsis tetragonolobus))の胚乳
から抽出したガラクトマンナンである。食品に使用する
等級のグアーガムは、デラウェア州ウィルミントンのア
クアロン社(Aqualon Company,Wilmington,DE)および
ニュージャージー州クリフトンのハイテック・ポリマー
ズ・インク社(Hi-Tek Polymers Inc.Clifton,NJ)をは
じめとする多くの業者から商業的に入手できる。食品に
使用する等級のグアーガムの技術的規格によると、不純
物として少なくとも4%の蛋白を含んでいる。この不純
物を含む製品は滅菌された形では販売されておらず、し
ばしばグアーガム1gあたり500コロニー形成単位を
越える微生物が混在している。また、ウサギの発熱試験
(USPXXII、1515ページ)において食品に使用す
る等級のグアーガムは発熱性であり、カブトガニ血球溶
解物試験(USP XXII、1493ページ)においてm
gあたり約5エンドトキシン単位という高い反応性を示
した。
【0017】非常に高度に精製されたグアランを、限外
濾過および溶媒沈澱工程の組み合わせにより調製でき
る。文献(エフ・スミス(F.Smith)およびアール・モ
ントゴメリー(R.Montgomery)、ザ・ケミストリー・オ
ブ・プラント・ガムズ・アンド・ムシラクズ(The Chem
istry of Plant Gums and Mucilaqes)(1959年)
参照)記載の方法で調製されたか、あるいは、業者(デ
ラウェア州ウィルミントンのアクアロン社(Aqualon Co
mpany、Wilmington、DE))から購入した食品に使用する
等級のグアーガムが、本発明の出発物質として適当であ
る。0.25%ないし0.5%、好ましくは0.25%の
濃度にガムを水溶液中に懸濁する。水溶液は、塩(例え
ば、塩化ナトリウムまたは酢酸ナトリウム)および/ま
たは緩衝剤(例えば、トリスまたは酢酸塩)を含有して
いてもよい。溶液のpHは、pH3ないしpH9の間、
好ましくは約6.5である。所望であれば、メチルパラ
ベンのごとき抗菌剤を添加してもよい。
【0018】4℃ないし80℃の間で溶解を行うことが
でき、ゆるやかに溶液を撹拌あるいは振とうして溶解を
促進してもよい。溶液の粘度が1時間以上たっても増加
しなくなった時点で溶解が完了したとみなす。溶解後、
濾過すべき好ましい段階で、溶液を遠心分離または濾過
し、不溶物を除去してもよい。種々の市販の濾紙を使用
できる。例えば、NA1000フィルター・カートリッ
ジ(カリフォルニア州サクラメントのエフピーアイ・イ
ンク社(FPI Inc.,Sacramento,CA))により、大きな不
溶粒子を除去する。さらなる濾過工程により濾過を行
い、溶媒沈澱を行ってもよい。例えば、NA600フィ
ルター・カートリッジ、NA45フィルター・カートリ
ッジおよび0.2μポシダイン(Posidyne)フィルター
・カートリッジ(ニューヨーク州グレンコアのポール社
(Pall;Gleln Core,NY))により、、以下の沈澱工程に
適した透明な溶液を得る。他のフィルターの組み合わせ
も可能である。濾過工程にて、発熱原性物質の大部分を
除去することができる。
【0019】C1〜C4アルコールまたはアセトンのごと
き水混和性溶媒と混合することにより、グアランを濾液
から沈澱させる。好ましい溶媒としてはエタノールまた
はイソプロピルアルコールが挙げられる。グアラン溶液
を溶媒に添加、あるいは溶媒をグアラン溶液に添加のい
ずれかにより、満足な沈澱が得られるが、後者が好まし
い。エタノールを溶媒として用いた場合、エタノール:
グアランの体積比を1.5:1とすると満足な沈澱が得
られる。大部分のグアランは繊維状に沈澱する。グアラ
ンを集め、95%水性エタノールで洗浄し、ついで、凍
結乾燥または真空乾燥にて乾燥する。
【0020】本法により調製したグアランは蛋白含量
(<0.2%w/w)およびエンドトキシン含量(0.0
3エンドトキシン単位;USP XXII、1493ペー
ジ)が著しく減少しており、ウサギに33mg/kg
(USP XXII、1515ページ)で系統的に投与した
場合、非発熱原性である。そのうえ、該種子ガラクトマ
ンナンはその粘弾性を保持しており、高分子である。
「非常に高度に精製した」および「発熱原性のない」と
いう語はこれらの一般的性質を有する種子ガラクトマン
ナンを定義するものである。
【0021】別々の水層および油層を60〜70℃で混
合することにより、高度に精製したグアランにより増粘
したo/wエマルジョンのごとき親水性クリーム担体を
処方してもよい。水層は、保存剤および種子ガラクトマ
ンナン増粘剤、および所望により緩衝剤を含有していて
もよい。油層は、水不溶性成分を含有する。担体の親水
性を最大にするには、油層を40重量%以下に、好まし
くは約5%ないし30%の間とする。本発明の目的の適
当なo/w親水性クリーム担体は、例えば、フォックス
(Fox)に1973年9月25日に付与された米国特許
第3,761,590号および以下の処方AおよびBに記
載される:処方A 重量パーセント セチルアルコール 12 白ロウ 1 鉱物油 3 プロピレングリコール 5 イミド尿素 0.3 ポリオキシエチレンステアリルエーテル (ブリージ72) 0.6 ポリオキシエチレンステアリルエーテル (ブリージ721) 4.0 ガラクトマンナン 2.5 精製水 100.0とするに十分な量処方B 重量パーセント 白灯油 7.0 イソステアリルアルコール 5.0 モノリノレン酸グリセリド 5.0 セチルアルコール 1.5 ソルビトール溶液USP 5.0 ベンジルアルコール 1.5 ポリオキシル40ステアレート 3.5 ポリオキシエチル(4)ラウリルエーテル 1.0 ガラクトマンナン 2.5 精製水 100.0とするに十分な量
【0022】o/wエマルジョン型のいかなるクリーム
も本発明の目的に適する。しかしながら、最も好ましく
は、アナナインおよびコモサインまたは他の荷電した治
療薬と相互作用しうるイオン性物質を含有しないものと
する。好ましいクリームは、40重量%以下の油層を有
し、最も好ましくは5ないし30%の間とする。当業者
に知られた種々の成分を親水性クリームに含有させても
よいが、抗菌剤、保存剤、抗酸化剤、薬剤安定化剤、活
性化剤および緩衝剤に限定するものではない。
【0023】担体中の種子ガラクトマンナン含量は、一
般的には約0.2%ないし約7%であり、好ましくは2
%ないし4%である。
【0024】手順に従って担体を、ガラス製ビーカー中
に1kgのスケールで調製することができる。スタティ
ック・ヘッド・ホモジナイザーを備えた研究室用ミキサ
ーまたは高速プロペラ・ミキサーを用いてグアランを懸
濁してもよい。好ましくは、グアランを室温で素早く加
え、水層の粘度が、グアランの分散がもはや機械的に不
可能であるところまで上昇する前に、均一な懸濁液とす
る。標準的な研究室用高速ミキサーにより、熱油層を熱
水層中に混合する。
【0025】別法として、製造中に大量のグアランを均
一に親水性クリーム担体に取り込ませてもよい。このこ
とは、油層を水層に添加した後すぐに、激しく撹拌しな
がらグアランを熱エマルジョンに素早く加えることによ
り、達成できる。
【0026】調製した担体を、滅菌バイアルに入れてバ
ッチ方式で熱滅菌するかまたは担体を適当なジャーに分
取し熱滅菌、たとえばオートクレーブする。滅菌した
後、油層の分散を維持させるために、70℃以下になる
まで担体を水性ベース中に混合する。ビンの中での最終
的な滅菌の場合には、冷却している間、ビンを振とう
し、必要な分散を維持する。
【0027】陽性のシステインプロテアーゼであるアナ
ナインおよびコモサインは、本発明の好ましい創傷清浄
化酵素である。本明細書中、「創傷清浄化酵素」なる語
は、熱創傷部位および真皮漬瘍から壊死組織を除去する
能力のある酵素を意味する。
【0028】パイナップル茎粉末から、溶媒抽出、2度
のイオン交換クロマトグラフィー工程および透析濾過を
含む精製手順により、アナナインおよびコモサインを一
緒に精製する。2番目のイオン交換クロマトグラフィー
工程を逆相樹脂によるクロマトグラフィーに置き換えて
もよい。しかしながら、イオン交換クロマトグラフィー
が好ましい方法である。pH4.0〜9.0の水性緩衝
液、好ましくはpH5.0の酢酸ナトリウムを用いて、
パイナップル茎粉末からの抽出をすることができる。ポ
リスルフォエチルアスパルトアミド(メリーランド州コ
ロンビアのポリエルシー社(PolyLC,Columbia,MD))お
よびS−セファロース(ニュージャージー州ピスカタウ
ェイのファルマシア社(Pharmacia,Piscataway,NJ))を
はじめとする種々の陽イオン交換樹脂、好ましくはS−
セファロースを用いてイオン交換クロマトグラフィーを
行うことができる。pH5.0にて、0.6M以下の低濃
度の緩衝剤/塩により、汚染物質を溶出することによ
り、最初のS−セファロースカラムでの精製を行い、つ
いで、高濃度の緩衝剤/塩により、部分精製されたアナ
ナインおよびコモサインを含むフラクションを溶出す
る。
【0029】2番目のS−セファロースカラムでの精製
を、イオン強度効果およびpH変化の組み合わせにより
行うことができる。結合親和性の低い残存汚染物質を、
低濃度の緩衝剤/塩により溶出し、ついで、pHを上げ
て、好ましくはpH9.0の炭酸ナトリウム緩衝液に
て、さらに汚染物質を溶出する。pH9.0で塩濃度を
上げるか、またはpH5.0における高濃度の緩衝剤/
塩により、一緒に精製されるアナナインおよびコモサイ
ンを、2番目の陽イオン交換カラムから溶出することが
できる。2番目のイオン交換クロマトグラフィー工程に
好ましい溶出緩衝液は、pH5.0の1.6M酢酸ナトリ
ウムである。
【0030】別法として、2番目のイオン交換工程を、
ポリスチレンジビニルベンゼン(マサチューセッツ州ケ
ンブリッジのパーセプティブ・バイオシステムズ(PerS
eptive Biosystems,Cambridge,MA))のような好ましい
クロマトグラフィー担体を用いた逆相クロマトグラフィ
ーに置き換えてもよい。pH5.0〜9.0の高濃度の緩
衝剤/塩中の逆相クロマトグラフィー系に酵素を適用
し、ついで、C1〜C3アルカノールを含む水性緩衝液で
逆相樹脂から酵素を溶出することができる。アナナイン
およびコモサインを一緒に溶出するに好ましい緩衝液
は、pH5.8の20mM酢酸ナトリウムおよび150
mM NaCl中36%エタノールである。
【0031】一緒に精製されたアナナインおよびコモサ
インの塩濃度を、透析、ゲル濾過クロマトグラフィーま
たは透析濾過であるような好ましい方法をはじめとする
多くの方法で、減少させることができる。
【0032】さらに、共溶媒としてアルカノールを用い
た場合、同様な透析、ゲル濾過クロマトグラフィーまた
は透析濾過法により、アルカノールを除去することがで
きる。分子量10,000ダルトンを排除限界とするY
M−10膜(マサチューセッツ州ダンバースのアミコン
社(Amicon,Danvers,MA))を用いた限外濾過により、
精製および透析濾過した酵素を濃縮することができる。
【0033】精製したプロテアーゼ混合物は、15%S
DS−ポリアクリルアミドゲルのクーマシー染色により
2本の主なバンドを示す。23,800ダルトンに相当
する移動度を有する蛋白バンドはアナナインであり、2
4,400ダルトンに相当する移動度を有する蛋白バン
ドはコモサインである。典型的に、使用時において、コ
モサインに対するアナナインの比率は、重量比で約5.
5:1である。プロテアーゼを凍結乾燥により単離し、
典型的に、使用時において、0.5〜5.0%となるよう
に、滅菌親水性クリーム中に処方する。
【0034】本発明の実施に利用される他の治療薬は、
細菌の増殖を抑制するかまは細菌を撲滅すると定義され
る抗菌剤、ならびに成長因子および創傷の治癒を早める
薬剤と定義される創傷治療薬を含む。
【0035】有効な治療薬を創傷部位に放出する送達担
体の有効性を、生体外で、適当な溶媒による治療薬の抽
出性を試験することにより、評価することができる。創
傷清浄化酵素であるアナナインおよびコモサインの担体
からの放出を評価するのに好ましい溶媒は、pH6.5
の50mMりん酸のごとき水性緩衝液である。担体およ
び溶媒の振とうまたは混合をはじめとする、多くの機械
的方法のいずれによっても、抽出を行うことができる。
【0036】抽出操作に続いて、遠心分離により不溶物
を除去することができ、上部の油層から水層をピペット
で単離する。抽出溶媒に放出された治療薬の量を、いか
なる適当な分析法によっても、評価することができる。
創傷清浄化酵素であるアナナインおよびコモサインのご
とき蛋白の放出に関しては、プロテアーゼ活性および放
出蛋白量の双方を定量することができる。
【0037】アナナインおよびコモサインの活性を、高
度に特異的な市販の色素生成基質により評価することが
できる。以前、アナナインおよびコモサイン測定用とし
て同定された、2種のかかる基質であるbz−FVR−
NHMecおよびz−RR−NHMecは、1992年
4月21日付けの米国特許第5,106,621号にそれ
ぞれ記載されている。同様の方法で、これらのクマライ
ド結合ペプチド基質(NHMec)、p−ニトロアニリ
ド結合類似体(pNA)、bz−FVR−pNAおよび
z−rr−pNAは、アナナインおよびコモサインに対
し、同様の特異性を示す。蛋白を基礎とした治療薬の放
出を、いかなる標準的な蛋白分析法、好ましくはブラッ
ドフォード(Bradford)分析により評価することができ
る。
【0038】本発明のガラクトマンナンで増粘した担体
は、増粘剤を含まないように処方した担体と比較した場
合、創傷清浄化酵素アナナインおよびコモサインの放出
において、効果的である。陰イオン性多糖増粘剤である
カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびキサンタ
ンガムとともに処方した担体は、送達に関してより効果
的でなかった。
【0039】創傷部位への治療薬の送達における、ガラ
クトマンナンで増粘した親水性クリーム担体の有効性
を、適当な動物モデルを用いて評価することができる。
熱傷の痂皮へのアナナインおよびコモサイン創傷清浄化
酵素混合物の送達における、ガラクトマンナンで増粘し
た担体の有効性を評価するために、ブタの皮膚全厚にわ
たる熱傷のモデルを用いた。担体中の治療薬を適当な濃
度で処方する。精製した創傷清浄化酵素を、治療期間1
0時間にわたって、乾燥した皮膚全厚にわたる傷の完全
な創傷清浄化を達成するに十分な濃度となるよう担体中
に処方した。
【0040】いかなる適当な治療処方も、10時間にわ
たる治療期間において2および5時間目の創傷清浄化酵
素の適用についての好ましい処方による治療薬の送達に
よる。治療薬とともに処方した親水性クリームを、創傷
清浄化酵素アナナインおよびコモサインの送達に関して
好ましい適当な1.5mm〜2.0mmの厚さで適用する
ことができる。治療期間において、バイオクルージブTM
(ニュージャージー州ニュー・ブランズウィックのジョ
ンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson,Ne
w Bruswick,NJ))またはテガダーム(ミネソタ州セン
ト・ポールの3M社(3M,St.Paul,MN))のごとき密閉包
帯で創傷部位を覆ってもよい。
【0041】顕微鏡的方法を用いて、酵素的創傷清浄化
剤の有効性を評価してもよい。皮膚全厚にわたる熱傷の
創傷清浄化の評価については、痂皮の量および創傷部位
に残存する体毛の量の両方を用いた。4匹のブタについ
ての創傷清浄化試験の結果は、ガラクトマンナンで増粘
した担体が、有効に創傷清浄化酵素アナナインおよびコ
モサインを送達することを示した。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。 実施例1−高度に精製したグアランの調製 80℃で3時間以上混合しながら、625gのグアーガ
ム(デラウェア州ウィルミントンのアクアロン社(Aqua
lon Company,Wilmington,DE))を、250Lの注射用
水(USP)中に水和させる。混合物をペリスタリック
・ポンプにて、NA600膜(5μm、18平方フィー
ト)およびNA45膜(0.3μm、18平方フィー
ト)のセルロース深型フィルター・カートリッジ(カリ
フォルニア州サクラメントのエフピーアイ・インク社
(FPI Inc.,Sacramento,CA))を通過させる。操作中に
フィルター・カートリッジが詰まった場合には交換す
る。グアラン含有溶液すべてを処理するのに、全部で3
個のNA600フィルター・カートリッジおよび2個の
NA45フィルター・カートリッジを要した。グアラン
含有溶液を0.2μmポシダイン・フィルター・カート
リッジ(ニューヨーク州グレンコアのポール社(Pall;G
len Core,NY))を通す濾過により、発熱原物質をさら
に減少させた。全溶液を処理するのに、約6個のポシダ
イン膜カートリッジ(20インチ)を要した。グアラン
をさらに精製し、1.5倍容の95%エタノールを濾液
に添加することにより集めた。沈澱となったグアランを
沈降させ、30Lの95%エタノールで2回洗浄した。
最終的に精製したグアラン多糖を遠心分離によって集
め、40℃で100ミリトールにて24時間乾燥させ
た。本法により精製したグアランは、表1に示した一般
的性質を有していた。表1 非常に高度に精製したグアランの性質 性質 試験方法 ガラクトマンナン含量 >95% 単糖の分析 外観 白色繊維状 肉眼観察 または粉末 分子量 1.0〜2.0×106 SEC MALLS ダルトン TSK PW4000 −PW6000 0.5%溶液、pH=10 蛋白含量 <0.2% ブラッドフォード 微量分析(BSA標準) エンドトキシン・レベル <0.03EUmg-1 USP LAL試験 発熱原性 非発熱原性 USP発熱原試験 (33mgkg-1
【0043】実施例2−プロテアーゼ混合物の調製 使用緩衝液は、緩衝液A:0.3M酢酸ナトリウム(p
H5.0)、1.0mMEDTA;緩衝液B:0.375
M酢酸ナトリウム(pH5.0)、1.0mM EDT
A;緩衝液C:0.6M酢酸ナトリウム(pH5.0)、
1.0mM EDTA;緩衝液D:1.5M酢酸ナトリウ
ム(pH5.0)、1.0mMEDTA;緩衝液E:50
mM酢酸ナトリウム(pH5.0);緩衝液F:63m
M酢酸ナトリウム(pH9.0)、25mM塩化ナトリ
ウム;緩衝液G:0.5M酢酸ナトリウム(pH5.
0)、1.0mM EDTA;緩衝液H:20mM酢酸ナ
トリウム、1.0mM EDTA。2kgの粗パイナップ
ル茎粉末(ニューヨーク州ニューヨークのエンザイム・
ディベロップメント・コーポレーション社(Enzyme Dev
elopment Corporation,New York,New York))を、混合
しながら20Lの緩衝液Aにて抽出した。1時間後、
5,900g、25分の遠心分離、ついで、公称0.2μ
mのフィルター・カートリッジ(ニューヨーク州ボヘミ
アのザルトリウス社(Sartorius,Bohemia,NY))による
濾過からなる方法により不溶性粒子を除去した。得られ
た透明な上清を、緩衝液Bであらかじめ平衡化しておい
た18LのS−セファロースカラム(ニュージャージー
州ピスカタウェイのファルマシア社(Pharmecia,Piscat
away,NJ))に適用した。続いて、126Lの緩衝液B
で樹脂を洗浄し、ついで、緩衝液Cで洗浄した。陽性シ
ステインプロテアーゼであるアナナインおよびコモサイ
ンは、36Lの緩衝液Dとともに溶出した。このプロテ
アーゼのフラクションを、2番目のS−セファロースカ
ラムにより、さらに精製した。アナナインおよびコモサ
インを含むフラクションを、脱イオン水で4倍に希釈
し、緩衝液Eで平衡化した3LのS−セファロースカラ
ムに適用した。続いて、6Lの緩衝液Eでカラムを洗浄
し、9Lの緩衝液F、6Lの緩衝液Eおよび18Lの緩
衝液Gで洗浄した。 精製されたアナナインおよびコモ
サインを、8Lの緩衝液Dで溶出した。このフラクショ
ンを、アミコン・スパイラルYM−10膜を用いて、緩
衝液Hに対して透析濾過した。最終緩衝液濃度が20m
M酢酸ナトリウム、1.0mMEDTAの時点で透析濾
過を完了した。続いて、アナナインおよびコモサインプ
ロテアーゼを、同じ透析濾過システムを用いて、50m
g/mLにまで濃縮した。濃縮したプロテアーゼ溶液
を、12.5±2.0mMのL−システイン濃度となるよ
う調節し、ついで、凍結乾燥にて精製プロテアーゼを単
離した。
【0044】実施例3−グアランで増粘した親水性送達
担体の処方 70℃のウォーターバス中の2Lビーカー中で、100
gの白灯油(ペンシルバニア州バトラーのペンレコ社
(Penreco,Butler,PA))、150gのステアリルアル
コール(オハイオ州ダブリンのシェレックス・ケミカル
・カンパニー・インク社(Sherex Chemical Co.,Inc.,D
ublin,OH))40gのミリスチン酸イソプロピル(ペン
シルバニア州フィラデルフィアのイノレックス・ケミカ
ル・カンパニー社(Inolex Chemical Co.,Philadelphi
a,PA))、2.5gのソルビタンモノオレエート(デラ
ウェア州ウィルミントンのアイシーアイ・スペシャルテ
ィー・ケミカルズ社(ICI Specialty Chemicals,Wilmin
gton,DE))、22.5gのポリオキシル40ステアレー
ト(デラウェア州ウィルミントンのアイシーアイ・スペ
シャルティー・ケミカルズ社(ICI Specialty Chemical
s,Wilmington,DE))、2.4gのプロピルパラベン(ペ
ンシルバニア州フィラデルフィアのイノレックス・ケミ
カル・カンパニー社(Inolex Chemical Co.,Philadelph
ia,PA))を混合することにより、油層を調合し、全て
の成分を融解し混合し、溶解させた。まず、担体緩衝液
を調製することにより、水層を調合した。緩衝液は、1
305gの注射用水(USP)中に、11.34gの1
塩基りん酸ナトリウム1水和物(ケンタッキー州パリス
のマリンクロッド・スペシャルティー・ケミカルズ社
(Mallinckrodt Specialty Chemicals,Paris,KY))、
1.84gの水酸化カリウム(ケンタッキー州パリスの
マリンクロッド・スペシャルティー・ケミカルズ社(Ma
llinckrodt Specialty Chemicals,Paris,KY))を含有
していた。緩衝液のpHを、水酸化カリウムまたはりん
酸ナトリウムのいずれかにより、6.5±0.1に合わせ
た。616gの緩衝液に、3.0gのメチルパラベン
(ペンシルバニア州フィラデルフィアのイノレックス・
ケミカル・カンパニー社(Inolex Chemical Co.,Philad
elphia,PA))および50gのグリセリン(オハイオ州
シンシナティのクアンタム・エメリー・ディブ社(Quan
tum,Emery Div.,Cincinatti,OH))を添加した。上記物
質を混合することにより溶解した後、27.5gの実施
例1の高度に精製したグアランを激しく混合しながら添
加し、5秒以内に均一なグアランの懸濁液を調製した。
調合した水層を、さらに10分間混合し、粘度を増加さ
せた。2層を混合するために、まず、調合した水層を、
ウォーターバス中で65ないし70℃の間に加熱した。
調合した70℃の油層を水層に添加し、10分間混合し
た。50gの担体を、ポリエチレン製スクリューキャッ
プ栓のついた100mLのパイレックスガラス製コンテ
ナーに分注し、ゆっくりと排気することにより121
℃、15分間オートクレーブした。オートクレーブ室が
室温になったらすぐに、ビンを取り出し、ビンが50℃
以下になるまで、2分おきに約10秒間ずつ、手で振と
うした。
【0045】実施例4〜7−他の多糖増粘剤を用いたク
リームの調製 高度に精製したグアランに代えて、他の多糖増粘剤を用
いた以下は、実施例3記載により製品を調製した。増粘
剤を、適当な粘性のある標品を与える高度に精製したグ
アランと同程度の濃度に処方した。以下の標品を処方し
た: 実施例4 増粘剤を含有せず 実施例5 25gローカストビーンガンム含有 実施例6 27.5gキサンタンガム含有 実施例7 20gカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム含有
【0046】実施例8−創傷清浄化処方の調製 実施例2の創傷清浄化酵素混合物を、適用直前に、担体
中に凍結乾燥酵素粉末を混合することにより、実施例3
〜7の担体中に処方した。実施例9記載の適用について
は、通常、酵素を5%(w/w)の濃度で、実施例10
記載の適用については、4.5%の濃度で処方した。
【0047】実施例9−酵素送達有効性に関する生体外
分析 実施例3〜7記載の創傷清浄化処方の0.5mLを、そ
れぞれ2.0mLのpH6.5の50mMりん酸緩衝液に
て抽出した。創傷清浄化処方を3ccの注射筒に入れ、
注射筒を三方コックを介して抽出用緩衝液の入った別の
3ccの注射筒に接続することにより、抽出を行った。
抽出用緩衝液を、創傷清浄化処方の入った注射筒に三方
コックを介して機械的に移し、ついで、緩衝液の入って
いたもとの注射筒に戻した。この操作を10回繰り返し
た。14,000g、4分間の微量遠心分離により、残
存する担体成分を、抽出系から除去した。生じたペレッ
トと微量遠心チューブの上層の比重の小さいフタ状物と
の間から、約0.4mLの水層を、22ゲージ注射針に
適合する注射筒を用いて抜き取った。水層の酵素含量
を、蛋白および酵素活性の両方により測定した。蛋白定
量は、ブラッドフォード・プロテイン・アッセイ(メリ
ーランド州ベセスダのバイオ・ラッド社(Bio-Rad,Beth
esda,MD)を用いて行った。活性測定は、発色性のbz
−FVR−p−ニトロアニリドおよびz−RR−p−ニ
トロアニリドプロテアーゼ用基質(ペンンシルバニア州
フィラデルフィアのバケム・バイオサイエンス・インク
社(Bachem Bioscience Inc.,Philadelphia,PA))を用
いて行った。p−ニトロアニリド基質の保存溶液は、以
下の組成である:最終体積1.0mL中、pH7.5のH
epes緩衝液、5.0mML−システイン、0.1mL
の20mMbz−FVR−pNAアナナイン測定用基質
または0.04mLのz−RR−pNAコモサイン測定
用基質のいずれか、および0.05mLの適当に希釈し
た水層。基質としてbz−FVR−pNAを用いる場合
には、水層を400倍に、基質としてz−RR−pNA
を用いる場合には、40倍に希釈した。抽出分析の結果
を、酵素活性および増粘剤なしで処方した担体から抽出
した蛋白の量に関して、以下の表2に示す。 表2:創傷清浄化酵素抽出分析 担体 抽出された酵素単位* 抽出された蛋白* 増粘剤 bz−FVR−pNA z−RR−pNA なし 1.0 1.0 1.0 グアラン 0.9 0.9 0.9 ローカストビーンガム 0.9 0.9 0.9 キサンタンガム <0.1 <0.1 <0.1 カルボキシメチル 0.9 0.7 0.9 セルロース *増粘剤なしで処方した担体で得られた値に対する相対
値 これらのデータは、アナナインおよびコモサインが、ガ
ラクトマンナンで増粘した担体から、同程度に効率良く
抽出されうることを示す。陰性のキサンタンガムで増粘
した担体から抽出した場合、抽出された酵素量は最少で
あり、カルボキシメチルセルロースで増粘したクリーム
から抽出した場合、2種の酵素の抽出量が異なってい
た。
【0048】実施例10−有効性の生体内での適用 4匹の麻酔したブタ(〜50kg)のそれぞれの背中に
皮膚全厚にわたる12カ所の3.5×3.5cm四方の傷
を負わせた。オーブン中で100℃に加熱した12.2
5cm2の面積を有する60グラムのアルミニウム・ブ
ロックで、熱傷を形成させた。動物の皮膚表面に、1.
2×104Paの力で45秒間、押し付けた。熱傷を形
成した後すぐに、傷からケラチン層を、ガーゼで拭き取
ることにより除去し、傷を約24時間乾燥させた。処理
後、ブタを再び一旦麻酔し、それぞれの創傷部位に2.
2gのグアランで増粘した創傷清浄化処方を適用し、適
用物を密閉包帯、バイオクルージブTM(ニュージャージ
ー州ニュー・ブランズウィックのジョンソン・アンド・
ジョンソン社(Johnson&Johnson,New Brunswick,NJ))
で覆った。5時間後、処方を除去し、創傷清浄化された
痂皮をプラスチック製薬さじでかき取り、部分的に創傷
清浄化した傷を、生理食塩水を浸したガーゼで拭浄し
た。ついで、さらに2.2gの創傷清浄化処方を、それ
ぞれの傷に適用し、さらに5時間創傷清浄化を進行させ
た。処理後10時間で、5時間の時点で記載したよう
に、傷を洗浄創傷清浄化酵素、創傷清浄化の程度につい
て顕微鏡的に観察記録した。
【0049】顕微鏡的評価:顕微鏡的評価を、2つのマ
ーカーに基づいて行った;すなわち、融解したコラーゲ
ンに対する創傷清浄化および真皮深部にある毛胞のごと
き壊死細胞に対する創傷清浄化である。以下の基準を用
いた。スコア 創傷面の様子 0 創傷清浄化なし 1 毛胞上のみ痂皮清浄化 2 幾分体毛除去、痂皮清浄化 3 全体毛除去、痂皮清浄化 10時間の処理期間後、すべての創傷は、平均スコア
2.66(N=40)で、優れた清浄化を示した。これ
と同じモデルを用いて、無処理の創傷あるいは担体のみ
で処理した創傷は、スコア0を示す。これらのデータ
は、ガラクトマンナンで増粘した担体が、創傷清浄化酵
素の送達に効果的であることを示す。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、適当な増粘剤により増
粘された、創傷部位への治療薬の効果的な送達が可能で
あり、創傷清浄効果に優れた親水性クリームが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・アール・ラスムッセン アメリカ合衆国02142マサチューセッツ州 ケンブリッジ、ケンブリッジ・パークウェ イ75−83番 イー−411

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性担体、創傷清浄化酵素、創傷治療薬
    および抗細菌剤からなる群より選択される治療薬、なら
    びに非発熱原性の種子ガラクトマンナン増粘剤からなる
    開口した創傷または粘膜に適用するための親水性クリー
    ム。
  2. 【請求項2】 o/w型である請求項1記載の親水性ク
    リーム
  3. 【請求項3】 ガラクトマンナンがグアーガムまたはロ
    ーカストビーンガム由来である請求項1記載の親水性ク
    リーム。
  4. 【請求項4】 ガラクトマンナンがグアランである請求
    項3記載の親水性クリーム。
  5. 【請求項5】 創傷清浄化酵素がパイナップル茎粉末由
    来である請求項1記載の親水性クリーム。
  6. 【請求項6】 酵素がアナナイン(ananain)およびコモ
    サイン(comosain)である請求項5記載の創傷清浄化酵
    素。
  7. 【請求項7】 開口した創傷が熱傷または漬瘍である請
    求項1記載の親水性クリーム。
  8. 【請求項8】a)水和ガラクトマンナン水溶液から不溶
    性物質を除去し、 b)該溶液を陽性の膜に通して発熱原性物質を除去し、 c)該溶液から非発熱原性ガラクトマンナンを沈澱させ
    る工程からなることを特徴とする非発熱性の種子ガラク
    トマンナンの製法。
  9. 【請求項9】 ガラクトマンナンがグアランである請求
    項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項8の方法により調製される発熱
    原を含まないグアラン。
JP5151887A 1992-06-26 1993-06-23 治療薬を送達するための親水性クリーム Withdrawn JPH0665060A (ja)

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