JPH0661096B2 - 自己移動状態抽出方法 - Google Patents

自己移動状態抽出方法

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JPH0661096B2
JPH0661096B2 JP60143187A JP14318785A JPH0661096B2 JP H0661096 B2 JPH0661096 B2 JP H0661096B2 JP 60143187 A JP60143187 A JP 60143187A JP 14318785 A JP14318785 A JP 14318785A JP H0661096 B2 JPH0661096 B2 JP H0661096B2
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晃徳 森
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、並進と回転を伴って移動する移動体にあっ
て、当該並進方向および回転を抽出するための自己移動
状態抽出方法の改良に関する。
<従来の技術> 人間の目に相当するカメラ等の撮像素子の視野中に得ら
れた外界情報から、この撮像素子を搭載する移動体の自
己移動状態、すなわち当該移動体の並進方向と回転を精
度良く合理的に、簡単に抽出することは、将来的に見て
も実に多くの産業分野から実現を期待される技術となっ
ている。
簡単に考えても、例えば移動ロボットの自己制御のため
への応用等があるし、逆に、移動体から見た対象物の情
報が得られることから、その対象物の三次元的な構造解
析等における有力な手助けにもすることができる。
こうしたことから、従来においても、数多くの人々がこ
の種の研究に勤しんできたが、中でも移動体の移動に伴
う視野中の物体の流れ、いわゆるオプティカル・フロー
(角速度で表される)と呼ばれる外界の流動パターンか
ら自己移動状態を抽出するという手法に、下記の文献
,にて代表されるものがある。
:Parzdny,K. “Egomotion and relative depth map from optical fl
ow.” Biol.Cyernet.36,87-102 (1980) :Longuet-Higgins,H.C. and Prazdny,K. “The interpretation of a moving retinal imge.” Proc.R.Soc.Lond.B,208,385-397(1980) 上記文献に示される方法は、三つの回転変数を全て変
化させて上けに合うものを選び出す点に特徴があり、上
記文献に記載された方法は、雑音に弱い角速度の一階
および二階の空間微分を多数使用する点に特徴がある。
<発明が解決しようとする問題点> しかるに、上記文献,に示されたような手法は、未
だなお、満足すべき結果を導いてはいない。いづれも大
変複雑で演算に多大な時間が掛かり、その割には不安定
等の欠点を有している。
そしてこうした従来技術では、その原理上、目に相当す
るカメラは移動体に対し固定され、能動的には動かない
ことを前提としているため、視線方向の対象物は“目”
の網膜に対して動いてしまい、これを明瞭に見ることが
できないという欠点も有している。
本発明はこうした従来法の欠点を解決すべく、簡単かつ
明確な手法により、移動体の自己移動状態を抽出できる
新たな手法の提供を図って成されたものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明を成すにあたり、上記した従来法をなべて深く検
討した所、カメラが移動体に固定されていて移動体の動
きに伴ってしか動かないという事実、したがって対象物
を明瞭に見ることができないという欠点が、結局は他の
欠点の原因ともなっていたことが分かった。
そこで本発明者は、まずこの受動的な方法、ないしカメ
ラは移動体に固定されているものとする従来の既製概念
から脱却すべく、鋭意研究の結果、人間等の高等動物が
行なっている視覚情報処理の手法や視覚器官の構造にな
らった能動的な自己移動状態抽出法を提供できないかと
の発想を得た。
すなわち、高等動物の場合、大体の場合、視線方向の物
を明瞭に見ながら移動しており、それでいて自己の移動
方向を認識している。
これは、高等動物の場合、運動対象物を視野の中心に提
供すると当該対象物の動きとして知覚するためと説明さ
れている。
このような心理学的知見に加え、目の構造的要因の一つ
を考えると、上記のように視野の中心と周辺部を規定す
る網膜は略ゞ球面であり、外界は半球面に投影される。
このような知見に基づいた結果として、本発明は次のよ
うな構成の能動的な自己移動状態抽出方法を提供する。
並進と回転から成る移動をしている移動体の当該並進方
向と回転を、外界の流動パターンに伴う角速度の場に基
づいて抽出する自己移動状態抽出方法であって; 上記外界の流動パターンの投影面を球面とすると共に; 上記移動体の回転とは独立に視野の中心部の対象物を追
跡する回転を加え; 該追跡回転により、上記移動体に並進運動のみが存在す
るときに上記対象物をあらかじめ定められた緯度の基本
回転軸で追跡した場合に生ずる角速度の場と等価な場を
作り; 該等価な場に基づいて移動体の並進方向および回転を抽
出すること; を特徴とする自己移動状態抽出方法。
<作 用> 本発明の構成による自己移動状態抽出方法は、 対象物が明瞭に見えるようにそれを目で追う, 動物の目の網膜は球面に近い, 視野の周辺部が自己移動知覚に寄与している, 等の高等動物が有している目の構造や行動を模した能動
的なものとなっている。
そして、移動体の回転(原回転)に加え、視野中心部に
ある対象物を能動的に追跡できる独立な追跡回転を加え
ると、並進と回転をしている移動体が、回転はせずに並
進のみしかしていないとしたときにあらかじめ定めあれ
た緯度の基本回転軸で対象物を追跡した場合に生ずる視
野中心部と周辺視野に生ずる角速度(オプティカル・フ
ロー)の場と等価なものを作ることができる。
したがって、一般に上記の基本回転軸を特に緯度90度の
軸とすれば、上記等価なオプティカル・フローの場から
通常の簡単な幾何学的ないしはまたベクトル的な演算に
より、移動体の並進と原回転とをもっとも用意に、かつ
信頼性良く抽出することができる。
<実施例> 視野を規定する外界の投影面は、平面や球面等が考えら
れるが、本発明においては、記述した理由から、平面射
影は採用せず、添付の図面における望ましい実施例に示
されているように、外界は点Oを投影中心とする極射影
で半球面の上に投影される。
投影半球は説明の便宜上、点Oに関して点対称となるよ
うに上下反転して示してあり、また半径は“1”に正規
化して取扱う。
この実施例では、簡単のため、オプティカル・フローの
の抽出部は緯度0度の視野の中心部Aと緯度90度の大円
上にのみ、設けられているものとする。大円上の角抽出
部に用意されているものは、角速度であるオプティカル
・フローの緯度成分Uθ、経度成分Uφ、の経線との
成す角度a、およびの大きさVを格納するためのレジ
スタである。
値Vの上にバーを引いた、“”はベクトルであること
を表し、以下の英字記号についても同様と約束する。
視野の中心部Aではオプティカル・フロー の大きさVAと、 が水平線となす角度φAを格納するレジスタが用意され
ている。
抽出したいものは、並進方向と球面との交点Tの緯度θ
Tと経度φT、回転軸と球面との交点Rの緯度θRと経度
φR、および回転速度W、の五つのパラメータである。
回転ベクトルは大きがWでその方向が回転軸に沿った
三次元ベクトルである。
まず、並進方向を規定する二つのパラメータの中、経度
φTの抽出から述べ始める。
視野の中心にある対象物を追跡した結果、移動体のもと
の回転(原回転)との間の合成回転として、 “移動体が並進運動しかしていないときに対象物を緯度
90度の回転軸OR″の回転″で追跡した状態” を作る回転′を考えると、この回転′の回転軸と球
面との交点R′は と直交する大円上にある。
したがって、この交点R′の緯度をθT′とし、経度を
φR′とすると、当該交点R′の経度φR′は上記したこ
とからφA+π/2となり、回転速度W′はVA/sinθR′と
なる。
この回転W′によって緯度90度の位置に追加されるオプ
ティカル・フローの緯度成分は経度によらず一定値α
(=VA/tanθR′)である。
なお、追跡前の点Q(π/2,φ)における緯度成分をU
θ(φ)とする。
しかるに、先に述べた状態、すなわち “移動体が並進運動しかしていないときに対象物を緯度
90度の回転軸OR″の回転″で追跡した状態” では、大円AT上のオプティカル・フローは全て大円に
平行になる(つまり緯度成分がない)。
したがって、回転′の回転軸に関する緯度成分θR
を変化させて、 ζ=|Uθ(φ)-α|+|Uθ(φ+π)-α| を最少にするようなφを探せば、それが求めるべき並進
方向の一つのパラメータであるφTになり、この作業
は、結局、 ζ′=|Uθ(φ)-Uθ(φ+π)| を最少にする操作と同じなので、経度φTは直ちに求め
ることができる。
したがって、 UθT)=VA/tanθR′ …1) からθR′、ひいてはW′も求まる。
次いで、回転″の抽出とθTの抽出について述べる。
既述した定義により、合成回転″の回転軸と球面との
交点R″の緯度θR″はπ/2であり、経度φR″はφT-
π/2である。したがって後はW″とθTが分かれば良
い。
しかるに、追跡中の点R″のオプティカル・フロー は回転成分を含んでないので、当該VR″と経線とのなす
角度aR″がそのままθTとなる。
点Tにおけるオプティカル・フロー が存在すれば、それは並進成分を含んでないので、合成
回転(=基本回転)の速度W″はVRとなるが、ここで
は、視野の中心と緯度90度の場所にのみ、オプティカル
・フローの抽出部が設けられているものとしたため、こ
れに基づいての合成回転の速度W″に関する別な抽出法
につき説明する。
この回転速度W″は、緯度が90度の大円上の任意の点Q
(π/2,φ)のオプティカル・フロー の緯度成分Uθ(φ),経度成分Uφ(φ),および大円ATと
大円AQのなす角度a(=θT−φ)から次式)2)によって
求まる。
すなわち、大円ATと弧QTとのなす角度をtとする、
球面幾何により、 tanθT=tan t/sin a … であり、また、点Qにおける局所平面幾何より、 tan t=Uθ(φ)/(Uφ(φ)−W″・cos a) … であるので、これら,式よりtan tを消去し、W″
につき解くと、次式2)となる。
上記の式は、 “点Q(π/2,φ)のオプティカル・フロー から回転″の寄与分を減じたものが点Tの方向を向
く” という法則から得たものである。
もし点R″にオプティカル・フローが存在しないときに
は、オプティカル・フローの存在する二点で上記法則を
適用すれば、やはいW″とθTは同時に求めることがで
きる。
以上のようにして、追跡回転′および合成回転″が
求まれば、既述した関係から =″−′ …3) であるので、求めるべき原回転、すなわち移動体の回転
も求めることができる。
なお、上記実施例においては、追跡回転を取り入れるこ
とにより、 “移動体が並進運動しかしていないときに対象物を緯度
90度の回転軸OR″の回転″で追跡した状態” という概念を導入したが、これを一般化して、 “移動体が並進運動しかしていないときに対象物をあら
かじめ定められた緯度x度の回転軸の基本回転で追跡し
た状態” というように変えても良く、そうであっても従来法に比
せば簡単であり、利点も有するので、本発明の要旨中で
はそのようになっているが、上記実施例中に示されたよ
うな緯度90の回転軸を採用する場合に比してはあえて複
雑化することになるので、本発明の実用化の上では緯度
90度以外の合成回転を考えることは余り実際的ではない
かも知れない。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明によれば、従来のこの種の
自己移動状態抽出法では不可能であった対象物を明瞭に
見る(対象物のオプティカル・フローを消去する)こと
が可能となる外、移動変数を変化させる手続が不要なこ
と、視野の中心と視野周辺のオプティカル・フローのみ
で自己移動状態の抽出が可能なこと、空間微分を行なっ
ていないので雑音に強いこと等々の利点を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を説明する説明図である。 図中、Aは視野の中心、Oは極射影の中心、Tは並進方
向と投影球面との交点、Rは原回転の回転軸と投影球面
との交点、R′は追跡回転と投影球面との交点、R″は
合成回転と投影球面との交点、,′,″は各々の
回転ベクトル、Qは緯度90度の点、である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】並進と回転から成る移動をしている移動体
    の当該並進方向と回転を、外界の流動パターンに伴う角
    速度の場に基づいて抽出する自己移動状態抽出方法であ
    って; 上記外界の流動パターンの投影面を球面とすると共に; 上記移動体の回転とは独立に視野の中心部の対象物を追
    跡する回転を加え; 該追跡回転により、上記移動体に並進運動のみが存在す
    るときに上記対象物をあらかじめ定められた緯度の基本
    回転軸で追跡した場合に生ずる角速度の場と等価な場を
    作り; 該等価な場に基づいて移動体の並進方向および回転を抽
    出すること; を特徴とする自己移動状態抽出方法。
JP60143187A 1985-06-28 1985-06-28 自己移動状態抽出方法 Expired - Lifetime JPH0661096B2 (ja)

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JPS623663A JPS623663A (ja) 1987-01-09
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