JPH065709Y2 - ハ−ベスタの脱穀装置支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、走行機体の荷台上に着脱自在に脱穀装置を搭
載してあるハーベスタの脱穀装置支持構造に関する。

〔従来の技術〕

従来の上記構造としては、例えば実開昭60-149932号公
報に示されるように、脱穀装置の下部フレームに、前後
一対の支持脚を下方に出退揺動自在に設け、脱穀装置の
取出し方向下手側に位置する支持脚は、脱穀装置の重心
位置の下方近くに配備されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕 上記した構造は、脱穀装置を例えば荷台から降ろす際
に、脱穀装置を荷台上に沿ってスライド移動させ、取出
し方向上手側に位置する支持脚が突出揺動した後、更に
スライド移動させて取出し方向下手側に位置する支持脚
が突出揺動した時点で、脱穀装置を少し外方側に傾斜さ
せて重心位置を荷台上から移動させて地面上に接地支持
させることができるよう、作業労力を軽減させるために
取出し方向下手側に位置する支持脚を脱穀装置の重心位
置の下方近くに配置させたものである。

ところが、上記従来構造では、脱穀装置の取出し接地状
態で安定支持させるために、前後の支持脚を近接させる
必要があり、傾斜地等では接地姿勢が不安定になるおそ
れがあった。

本考案は、簡単な構造改良で脱穀装置を安定姿勢で接地
支持させることができるハーベスタの脱穀装置支持構造
を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、冒頭に記載したハーベスタの脱穀装置
支持構造において、前記脱穀装置に固定された下部フレ
ームに、この下部フレームから前記脱穀装置の積み降ろ
し方向一端側へ延長突出する位置と、前記下部フレーム
の長さ範囲内に引退する位置とに亘り該下部フレームに
沿って出退自在な支持フレームと、下方に出退自在なス
タンドとを備え、前記延長突出した位置において、前記
支持フレームの引退位置への退入を阻止するロツク機構
を設け、延長突出した前記支持フレームと突出揺動した
前記スタンドとによって前記荷台から取り外した前記脱
穀装置を接地安定支持可能に構成してある点にあり、そ
の作用、効果は次の通りである。

〔作用〕

荷台から脱穀装置を降ろすときは、前記支持フレームを
下部フレームから取出し方向機体外方側へ延長突出させ
て、ロック機構によりその位置でロックし、脱穀装置を
その重心位置が荷台の端部近くに至るまでスライドさ
せ、スタンドを下方に突出揺動させる。そして、重心位
置が荷台の外方側に移動するよう少し脱穀装置を傾ける
ことで、脱穀装置が前記支持フレームの突出端とスタン
ドとによって接地支持される。

〔考案の効果〕

その結果、下部フレームから下方に出退揺動するスタン
ドを脱穀装置の重心位置の下方近くに配置した場合であ
っても、下部フレームの端部から外方側に延長突出した
支持フレームによって、前後の接地間隔を充分大きくと
ることができ、脱穀装置を長い接地間隔で安定的に接地
支持させることができるものとなった。

〔実施例〕

第５図に示すように、クローラ走行装置(1)及び原動部
(2)を備えた走行機体(3)の荷台(4)上に、着脱自在に脱
穀装置(5)を搭載して運搬車兼用型のハーベスタを構成
してある。

前記脱穀装置(5)の左側部には、該装置の穀稈投入口(6)
に向けて、穀稈を供給するために、穀稈を載置する穀稈
供給台(7)を設けてあり、この穀稈供給台(7)には、載置
された穀稈を自動で前記投入口(6)に向けて搬送する供
給搬送装置(8)を装備してある。前記供給搬送装置(8)は
前後一対の無端回動チェーン(8a),(8b)から構成され、
前記穀稈供給台(7)の穂先側端部には穂先案内板(9)を立
設してあり、株元側には長稈用株元支持板(10)を延設し
てある。そして穀稈供給台(7)の外側部には、予備穀稈
受台(11)を設けるとともに、この予備受台(11)には着脱
自在に補助板(12)を取付けてあり、この補助板(12)は穂
先側および株元側のいずれにも取付可能に構成してあ
る。

次に脱穀装置(5)の支持構造について詳述する。

第１図及び第３図に示すように、脱穀装置(5)の下部に
は前後方向に延びる下部フレーム(13)を設けてあり、こ
の下部フレーム(13)には前後に夫々左右一対のゴム製支
持転輪(14),(14)を支持軸(15)(15)によって支承してあ
り、脱穀装置(5)を荷台(4)上面に沿って人為的に容易に
引張り操作可能となるよう支持転輪(14),(14)によって
脱穀装置(5)を支持する構造となっている。又、前記支
持転輪(14),(14)は、脱穀装置(5)装着時には荷台(4)上
面に形成した凹部(16),(16)に凹入して、下部フレーム
(13)の下面が荷台(4)面に安定よく載置固定するように
してある。

前記下部フレーム(13)の左右前端は夫々、開口してあ
り、その内方側に、平面視略コ字形の支持フレーム(17)
を内嵌させてある。第１図に示すように、前記支持フレ
ーム(17)の下面側一部には、ラックギア(18)を設けると
ともに、前述した支持転輪(14),(14)の支持軸(15),(15)
の下部フレーム(13)内方側には、前記ラックギア(18)に
咬合うピニオンギア(19)を固定してある。従って脱穀装
置(5)を取外すために、外方側に引張り操作すると、前
記支持転輪(14),(14)が回転するに伴い、前記ピニオン
ギア(19)が回転し、支持フレーム(17)が自動的に下部フ
レーム(13)に対して相対的に外方突出するとともに、荷
台(4)への押込み装着時には支持転輪(14),(14)が逆回転
されて支持フレーム(17)が下部フレーム(13)の機体内方
側に自動的に引退するよう構成してある。

そして前記下部フレーム(13)の後方端付近には、脱穀装
置(5)をその重心がほぼ荷台(4)端部付近まで引張り出し
て、下方に傾斜する状態において、支持フレーム(17)の
退入を阻止するロック機構(A)を設けてある。

つまり第４図に示すように、下部フレーム(13)の後端左
右夫々に支持ブラケット(23),(23)を取付け、この支持
ブラケット(23),(23)夫々に亘って固定用係合ロッド(2
4)を延設し、且つ、摺動自在に支持してある。そして該
係合ロッド(24)には、下部フレーム(13)の左右夫々の右
側面(13a),(13b)に沿って下方に略Ｌ字形の係合ピン(2
5),(25)を形成するとともに、バネ(26)によって左方向
に付勢してある。又、下部フレーム(13)の各右側面(13
a),(13b)には、係合ピン(25),(25)が挿通する挿通孔(2
7),(27)を形成し、支持フレーム(17)が外方に張出した
状態において、支持フレーム(17)に形成した係合孔(2
8),(28)に、前記バネ付勢力によって自動的に係入し、
その退入を自動ロックするように構成してある。そして
前記ロック状態を解除する場合には、係合ロッド(24)に
設けた把手(29)を右方向に引張り操作し、わずかに回動
させてロック解除を行えるよう構成してある。

前述したように、支持フレーム(17)をロックすることに
よって脱穀装置(5)のずり落ちを阻止するのである。

又、前記下部フレーム(17)の脱穀装置(5)の重心付近に
は下方に向け出退揺動するスタンド(21)を備えてあり、
第２図(イ)に示すように、前記ロツク機構(A)により脱穀
装置(5)が受止め係止した状態で、このスタンド(21)を
下方揺動させて、脱穀装置(5)を前記支持フレーム(17)
とスタンド(21)とにより接地支持するよう構成してあ
る。

〔別実施例〕

前記支持フレーム(17)は人為的に出退させる構造のもの
であってもよく、又、機体左右方向中央に単一の支持フ
レーム(17)を設け、前記スタンド(21)を左右に一対設け
てＴ字形に構成する構造であってもよい。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るハーベスタの脱穀装置支持構造の実
施例を示し、第１図は要部の一部切欠側面図、第２図は
脱穀装置の着脱動作を示す側面図、第３図は要部の平面
図、第４図はロック機構を示す縦断背面図、第５図は穀
稈供給台の斜視図、第６図はハーベスタの全体側面図で
ある。 (3)……走行機体、(4)……荷台、(5)……脱穀装置、(1
3)……下部フレーム、(17)……支持フレーム、(21)……
スタンド、(A)……ロツク機構。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】走行機体(3)の荷台(4)上に着脱自在に脱穀
   装置(5)を搭載してあるハーベスタの脱穀装置支持構造
   であって、前記脱穀装置(5)に固定された下部フレーム
   (13)に、この下部フレーム(13)から前記脱穀装置(5)の
   積み降ろし方向一端側へ延長突出する位置と、前記下部
   フレーム(13)の長さ範囲内に引退する位置とに亘り該下
   部フレーム(13)に沿って出退自在な支持フレーム(17)
   と、下方に出退自在なスタンド(21)とを備え、 前記延長突出した位置において、前記支持フレーム(17)
   の引退位置への退入を阻止するロツク機構(A)を設け、 延長突出した前記支持フレーム(17)と突出揺動した前記
   スタンド(21)とによって前記荷台(4)から取り外した前
   記脱穀装置(5)を接地安定支持可能に構成してあるハー
   ベスタの脱穀装置支持構造。
2. 【請求項２】前記支持フレーム(17)が前記脱穀装置(5)
   の荷台(4)上での摺動移動に連動して前記下部フレーム
   (13)から出退するものである実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のハーベスタの脱穀装置支持構造。