JPH0656357B2 - 粘度測定計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半流動物の粘度を電気信号として取り出すた
めの粘度測定計に関するものである。

〔従来の技術〕

チョコレートやみそ等の粘性のある材料の特性を測定し
たり、製造工程を管理するために、粘度の計測が必要に
なることがある。また、砂糖の製造を行う設備である結
晶缶においては、製造過程の進行状況に応じて糖液の補
充や差水を自動的に行うために、糖液の濃縮状態、結晶
の析出、成長の具合を測定する計器（「固さ計」と言わ
れている。）が用いられる。この場合は、粘度と結晶密
度の総合量を測定することになり、単なる粘度の計測で
はないが、本明細書においては、この場合も含めて「粘
度」ということにする。

従来、この種の半流動物の粘度を計測する手段として、
モータによって回転する羽根を半流動物を入れた容器の
中に挿入し、モータの負荷電流の大きさによって粘度を
換算するという装置が一般的である。

回転羽根による方法であると、羽根を設けている局所的
な部分の粘度しか測定できず、撹拌効果も余り期待でき
ず、羽根を広くすると大きな駆動トルクを要するという
問題がある。

更に、回転羽根を容器の中に挿入する場合に解決しなけ
ればならないのは、ベアリングのシールの問題である。

第３図に示すのは、シールの問題を解消するために工夫
された水シールの構造である。同図において、１１は結
晶缶、１２は直流モータ、１３は回転軸、１４はシール
筒、１５は円板、１６は突起、１７はシール筒１４にシ
ール水を供給するためのシール水入口、１８及び１９は
ベアリング部、２０は排水口である。

この水シールは、シール水入口１７からシール水を供給
することにより、シール筒１４内の圧力を結晶缶１１内
の圧力より高くし、ベアリング部１８及び１９からシー
ル死を溢出させることによりベアリング部１８を通して
結晶缶１１内の半流動物が外部に出ないようにしたもの
である。

しかしながら、このような水シールは、構造が複雑であ
るとともに保守、点検が困難であり、またコストアップ
にもつながるという問題点があった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ある程度広
い範囲の粘度を測定でき、撹拌効果も高く、かつシール
を容易にした粘度測定計を提供することを目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の粘度測定計は、基端部が駆動モータによってす
りこぎ駆動される抵抗棒の中途をすりこぎ運動の支点と
して容器壁に支承し、同抵抗棒の支点より先の部分を半
流動体の中に浸漬し、前記駆動モータにかかる負荷の大
きさによって半流動体の粘度を測定する構成を特徴とす
るものである。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に記載した実施例に基づいて具体的
に説明する。

第１図は本発明の第１実施例の一部切欠正面図であり、
１は容器壁、２は駆動モータ、３はアーム、４はベアリ
ング、５は抵抗棒、６は可撓シール板、７は羽根、８は
支柱である。

可撓シール板６は、燐青銅などのばね材料で作り、同心
円状の溝を形成することによりすりこぎ運動の支点の揺
動運動に追従できるようにする。この可撓シール板６の
中心に抵抗棒５を通して上下よりナットで固定すること
により、完全にシールを図ることができる。

第２図は本発明の第２実施例を示すものである。第１実
施例と異なるところは、すりこぎ運動の支点に球面軸受
９を用いることにより、半流動物から抵抗棒５が受ける
反力が、シール板６にかかるのを防止したものである。
この場合の簡易なシール構造としては、球面軸受９とは
別の個所のシール部が円錐運動するのに対応するため
に、ベローズ１０をシール部としたものである。

これにより、抵抗棒５が半流動物から反力を受けても、
球面軸受９はその力を充分に耐えることができるので機
械的に安全である。

なお、シールの方法としては、上記のように可撓シール
板６を使用したり、ベローズ１０あるいはゴムチューブ
シール等の可撓性部材を使用することにより構造が簡単
となるが、従来のようなエアパージ、水パージによる方
法も適用することができる。

このような構成により、抵抗棒５は容器内においてすり
こぎ運動をし、そのときの抵抗の大きさはモータ２の負
荷電流等の大きさに対応するので、予め負荷電流とその
ときの半流動物の粘度とを測定しておくことにより、負
荷電流等の大きさから粘度を計測することができる。

第４図は本発明と従来の回転羽根式による粘度測定対象
の半流動物の範囲を示すものであり、(a)は本発明、(b)
は従来の場合を示す。(a)に示すように、本発明では円
錐状の部分が抵抗棒５が半流動物から抵抗を受ける領域
であり、(b)の場合に比較して領域が拾いため、平均的
な粘度を測定することができる。

抵抗棒５の抵抗を大きくするには、抵抗棒の先端を２つ
又は３つ以上に分岐する方法を採ることができる。

〔発明の効果〕

上述したように本発明によれば、抵抗棒は回転せずすり
こぎ運動をするので、回転羽根による従来の粘度計に比
較して、より広い部分を動き、従って半流動物の平均的
な粘度の測定ができ、撹拌効果も高く、更に駆動トルク
も小さくてすむ。

また、シール方法も、可撓性シール板やベローズを使用
することができ、従来のような複雑なシール構造を必要
とせず、またすりこぎ運動の抵抗に応じたモータの負荷
電流等の計測により粘度を電気的に計測することができ
るという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ本発明の第１及び第２実施
例の一部切欠正面図、第３図は従来の水シール機構を示
す説明図、第４図は本発明と従来の動作の比較をするた
めの説明図である。 １：容器壁 ２：駆動モータ ３：アーム ４：ベアリング ５：抵抗棒 ６：可撓シール板 ７：羽根 ８：支柱 ９：自在軸受 １０：ベローズ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基端部が駆動モータによってすりこぎ駆動
   される抵抗棒の中途をすりこぎ運動の支点として容器壁
   に支承し、同抵抗棒の支点より先の部分を半流動物の中
   に浸漬し、前記駆動モータにかかる負荷の大きさによっ
   て半流動物の粘度を測定する構成を特徴とする粘度測定
   計。