JPH0653263U - き電線吊架体 - Google Patents

き電線吊架体

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JPH0653263U
JPH0653263U JP5025392U JP5025392U JPH0653263U JP H0653263 U JPH0653263 U JP H0653263U JP 5025392 U JP5025392 U JP 5025392U JP 5025392 U JP5025392 U JP 5025392U JP H0653263 U JPH0653263 U JP H0653263U
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俊宣 宮崎
和夫 庵原
邦彦 中神
建蔵 門谷
浩一 山口
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Dengyo Inc
Central Japan Railway Co
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Dengyo Inc
Central Japan Railway Co
Showa Denko Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2本の垂直支柱の間に、中央に架線吊架金具
を取付けた複合がいしを渡し、両端を垂直支柱と結合し
てなるき電線吊架体。 【効果】 従来の磁器懸垂がいしでV字形に架線吊金具
を吊下げていたやぐら吊架体に比べて、全体を小型軽量
化でき、かつ鳥や蛇が侵入しても絶縁離隔が短縮され
ず、閃絡事故をおこすことがなく、強風時のき電線のゆ
れを小さくできる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は新幹線電車線路等に適したき電線吊架体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電車線路では変電所からの高圧電流を、まずき電線に流し、そこから適宜トロ リー線に供給している。新幹線電車線路のき電線は一般にカーブ個所では、やぐ ら吊架体により吊架している。図4および図5はこのやぐら吊架体の概略を示す 正面図である。 やぐら吊架体はレールおよび電車線を高所でまたぐように設置された固定ビー ム2の上におかれる。図4は固定ビームの端におかれた場合で、やぐら吊架体の 垂直支柱3の一方は固定ビームの柱1にボルト結合し、他方は固定ビーム2に装 着したバンド4にボルト結合している。図5は固定ビームの端より離れた位置に おかれた場合で、両側の垂直支柱とも、バンド4にボルト結合している。
【0003】 やぐら吊架体の垂直支柱3の上部には水平ビーム5を渡し、すみを当て板6を 介して強固にボルト結合している。以上の部材は全て鋼材でできている。垂直支 柱3と水平ビーム5の結合は、当て板があるために特に変形しにくく、これに対 して垂直支柱3と固定ビーム2のバンド4による結合は比較的変形し易い。 当て板6には新幹線電車線路では一般に笠径250mmの磁器懸垂がいし(通 称250EP−J)7が、片側に5個ずつ連結され、その中央には架線吊金具8 がピン結合で吊下がる。この垂直支柱3、水平ビーム5、当て板6、磁器懸垂が いし7および架線吊金具8の全体をやぐら吊架体と称している。
【0004】 中央の架線吊金具8に、き電線を把持させることになる。き電線は張力を加え て張ってあるので、カーブ個所では水平横方向の荷重を受ける。またき電線の質 量が垂直方向の荷重として加わる。一般にやぐら吊架体1個所当り、垂直荷重W は約1kNで水平横荷重Tは約2kNであり、総合的な荷重Pは約2.3kNで 角度θが約65°の方向に働らく。このθ方向の荷重は主に中央の架線吊金具8 の左側の磁器懸垂がいし連が受けることになる。このときに右側の磁器懸垂がい し連がたるみ、架線吊金具が上方に浮上がらないように、磁器懸垂がいしの取付 け角度θ´は、θよりも大き目に設定している。
【0005】 一般に新幹線電車線路では高電圧部と大地電圧部の離隔は、落雷時の閃絡をお こさせないように300mm以上とることになっている。そこで図4のh1およ びh2は300mm以上が必要である。ここでθ′を65°以上にして、かつh2 を300mm以上にするため、当て板6を大きくし、その隅に磁器懸垂がいしの 上端を取付けている。
【0006】 やぐら吊架体は上記したような構造のため、その幅dと高さHがかなり大きな ものとなる。それに応じて垂直支柱3や水平ビーム5も重くなり、磁器懸垂がい しも10個で約60kgの重さがあるので全体としてはかなりの重さとなる。こ れを保持するバンド4や固定ビーム2に負担がかかり、また架設工事が大がかり となる。
【0007】 さらに中央の架線吊金具8の上のA部にカラスがとまりやすく、羽根を伸した ときに水平ビーム5との絶縁距離がせばまり、閃絡事故をおこすことがある。ま た、蛇が水平ビーム5を伝わり、中央部から架線吊金具8へ下ろうとして閃絡事 故をおこすこともある。これらの閃絡事故をおこすのは、やぐら吊架体の基本的 な形状、つまり金属導体(大地電圧部)の枠があり、その上部の隅よりV字形に 絶縁体で架線吊金具を吊っている形状に原因がある。すなわち、V字形の中央は カラスに快適な休憩場所を提供し、また離隔h2が最小におさえられている点に ある。なお固定ビーム(鋼管)2の上にはカラスはとまりにくく、また離隔h1 は余裕をみて十分に長くとれるので問題はおきていない。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は従来のやぐら吊架体の欠点である、大形で重く、鳥・蛇による閃絡事 故をひきおこし易い構造とは異なる。新規な構造のき電線を提供するものである 。 なお先に水平横荷重を約2kNとしたが、強風時にはき電線が横方向の風圧を 受け、この荷重が加わるため、最大で約4kNに達する。この水平横荷重が増大 することにより、角度θが大きくなりθ>θ′になると架線吊金具が上方へ動く ようになり、絶縁離隔h2がさらに短縮される傾向にあるが、本考案の吊架体で は、そのような問題点もなくなる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、2本の垂直支柱の間に、中央に架線吊架金具を取付けた複合がいし を渡し、両端を垂直支柱と結合してなるき電線吊架体に関する。
【0010】 図1および図2に本考案の一実施例になるき電線吊架体の正面図を示す。やぐ ら吊架体における水平ビームをなくす代りに、複合がいし9を2本挿入し、その 中央に架線吊金具8を取付けた構造で、全体が漢字「門」に似ていることから、 以下門型絶縁吊架体と呼称する。水平ビームの役割りを兼ねる複合がいしが絶縁 体なので、磁器懸垂がいしは不要である。
【0011】 図3は本考案に用いられる複合がいしの一実施例を示す。一部載断正面図であ る。複合がいし9は、荷重をになうFRP(ガラス繊維強化プラスチックス)ロ ッド10に、耐トラッキング性、耐候性のよい例えばエチレンビニルアセテート や変成シリコーンのカバーチューブ11と笠付カバー12をかけ、両端にはフラ ンジ金具13を一体に接合してなる。笠付カバー12は表面もれ距離を長くして 、表面が汚損湿潤した場合の沿面閃絡電圧を十分に高くするためにある。一般に 250mm磁器懸垂がいし1個当りの表面もれ距離は約280mmであり、5個 連では約1400mmとなる。これに対して複合がいしでは、図3に示すように 笠10枚でほぼこれと同じ表面もれ距離となる。したがってさらに笠枚数を多く して表面もれ距離を長くでき、そのようにすると、従来は重汚損地区で磁器懸垂 がいしに定期的な洗浄、清掃、あるいはシリコーンコンパウンド塗布などの保守 を実施していたのが、複合がいしでは全く不要になる。
【0012】 しかし本考案の目的は第一に、き電線吊架体の小型軽量化と、鳥、蛇などによ る閃絡事故をなくすことにある。それには、まずカラスがとまりにくくするとと もに、とまっても絶縁離隔を短縮しない構造にする必要がある。また架線吊架体 から余計な部品をのぞくとともに、高さと幅を小さくする必要がある。しかしそ の場合に架線吊架体としての強度が弱くなってはならない。
【0013】 そこで本考案の門型絶縁吊架体では、水平ビームの代りに複合がいしを用いる ことで、幅d′と高さh1、H′を低減し、加えて磁器がいしの約1/5の質量 の複合がいしの使用によって、全体の重量を著しく軽減できる。しかし複合がい しの部分が変形しにくいように、FRPロッドの径は十分に太くし、両端の金具 はフランジタイプとし、垂直支柱ならびに複合がいし同士を強固にボルト結合で きるようにしている。 複合がいしの材質には特に制限はなく、既に公知の材料が用いられる。
【0014】
【作用】
本考案の門型絶縁吊架体(図1、2)は従来のやぐら吊架体(図4、5)に比 べて、全体の高さは図4のh2のぶんだけ低くてすみ、幅は当て板6が不要とな るぶんが狭くてすむ。水平ビーム5と複合がいし9の質量はほぼ同じであり、垂 直支柱3が短くなり、当て板9と磁器懸垂がいし7がなくなったぶんの約100 kgの質量が軽減される。またカラスがとまり易いのは、強いてあげれば図1お よび図2のB点であるが、この位置にカラスがとまっても絶縁離隔を狭める恐れ はない。 図4に示すP方向の総合荷重が加わっても、複合がいしの変形はわずかであり 、やぐら吊架体の場合のように磁器懸垂がいし群が大きく移動するため、き電線 の位置が大きく変るということはない。つまり、強風によるき電線のゆれは小さ くなる。また磁器懸垂がいしは互いにピン結合であり、風によるゆれでピンの亜 鉛めっきがまもうして内部の鋼材が錆び細ってくるが、複合がいしはフランジ金 具を強固にボルト結合しているのでまもうする心配はない。
【0015】
【実施例】
本考案の実施例を説明する。 従来のやぐら吊架体では高さ2.1m、幅2.15mのものを、本考案の門型 絶縁吊架体では高さ1.4m、幅1.67mに低減でき、全体の質量は約120 kg軽減できた。ここで複合がいしは直径50mmのFRPロッド(エポキシ・ Eガラス引抜成形品)を用い、全長は約830mmである。複合がいしのカバー チューブと笠付カバーの材質は、充てん剤として水和アルミナを30重量%添加 したエチレンビニルアセテートとし、笠径は135mmと115mmのものを交 互に配し、全体で10枚とした。また金具は溶融亜鉛めっきをほどこした錆鉄で ある。中央の架線吊金具に、垂直荷重1kN、水平横荷重2kNを加えた状態か ら、強風時を想定し垂直荷重はそのままで水平横荷重を4kNにした場合の、き 電線把持部の移動は、やぐら吊架体では30mmなのに対して、門型絶縁吊架体 では10mm以下であった。つまり、き電線の風によるゆれの幅は1/3以下と なる。カーブ個所における曲率中心に向っての移動は、き電線の下方へのたるみ となってあらわれる。やぐら吊架体では、このたるみを考慮してh1を800m m以上にとっているのであるが、門型絶縁吊架体の場合はこのh1も縮少できる 可能性があるので、さらに小型軽量化が可能である。
【0016】
【考案の効果】
本考案の門型絶縁吊架体は、2本の垂直支柱を結合する水平ビームを複合がい しに置換え、その中央に直接架線吊金具を取付けるので、従来の磁器懸垂がいし でV字形に架線吊金具を吊下げていたやぐら吊架体に比べて、全体を小型軽量化 でき、かつ鳥や蛇が侵入しても絶縁離隔が短縮されず、閃絡事故をおこすことが ない。さらに強風時のき電線のゆれを小さくできる効果がある。 その門型絶縁吊架体を構成する複合がいしは、十分に太いFRPロッドを芯に して耐トラッキング性、耐候性のよい笠付カバーでおおい、両端にフランジ金具 を接合してあり、このフランジ金具と垂直支柱を強固にボルト結合することによ り、絶縁をかねた変形しにくい門型構造体となる。また複合がいしの表面もれ距 離は磁器懸垂がいし連のそれよりも長くとれるので、従来は磁器懸垂がいし部の 定期的な清掃、洗浄、シリコーンコンパウンド塗布などのメンテナンスを実施す る必要のあった重汚損地区においても、メンテナンスフリーで使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すき電線吊架体の正面図
である。
【図2】本考案の一実施例を示すき電線吊架体の正面図
である。
【図3】本考案に用いられる複合がいしの一部載断正面
図である。
【図4】従来のやぐら吊架体の正面図である。
【図5】従来のやぐら吊架体の正面図である。
【符号の説明】 1 柱 2 固定ビーム 3 垂直支柱 4 バンド 5 水平ビーム 6 当て板 7 磁器懸垂がいし 8 架線吊金具 9 複合がいし 10 FRPロッド 11 カバーチューブ 12 笠付カバー 13 フランジ金具
フロントページの続き (72)考案者 宮崎 俊宣 名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海 旅客鉄道株式会社内 (72)考案者 庵原 和夫 名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海 旅客鉄道株式会社内 (72)考案者 中神 邦彦 名古屋市中村区名駅1丁目1番4号 東海 旅客鉄道株式会社内 (72)考案者 門谷 建蔵 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)考案者 山口 浩一 東京都中野区新井2丁目49番18号 株式会 社電業東京支店内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の垂直支柱の間に、中央に架線吊架
    金具を取付けた複合がいしを渡し、両端を垂直支柱と結
    合してなるき電線吊架体。
JP1992050253U 1992-07-17 1992-07-17 き電線吊架体 Expired - Fee Related JP2591293Y2 (ja)

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