JPH0650440B2 - Lsp型パタンマツチングボコ−ダ - Google Patents

Lsp型パタンマツチングボコ−ダ

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JPH0650440B2
JPH0650440B2 JP60094924A JP9492485A JPH0650440B2 JP H0650440 B2 JPH0650440 B2 JP H0650440B2 JP 60094924 A JP60094924 A JP 60094924A JP 9492485 A JP9492485 A JP 9492485A JP H0650440 B2 JPH0650440 B2 JP H0650440B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は音声信号を低速度の符号列に変換するLSP型
パタンマッチングボコーダに関する。
(従来の技術) 入力音声信号のスペクトル包絡に最近似するスペクトク
包絡を、予め音声資料を分析して得られた標準パタンと
照合して選択し、これを入力音声信号に関する有声およ
び無声ならびに無声に関する情報のほか、ピッチ周期お
よび音の強さ等の音源情報とともに分析側から合成側に
伝送して入力音声信号の波形を再生するパタンマッチン
グボコーダは近時よく知られており、またこのようなパ
タンマッチングボコーダの分析側と合成側とにおける分
析および合成パラメータとしてLSP係数を利用するL
SP型パタンマッチングボコーダもまたよく知られてい
る。
このLSP係数は線形予測係数、PARCOR(偏自己
相関)係数等とともに声道の共振特性を表わすパラメー
タとして利用されるものであり、声門を仮想的に完全開
放および完全閉塞した場合の声道伝達関数の線スペクト
ル周波数によるパラメータであることはよく知られてい
る。
このようなLSP係数は周波数領域で表わされるパラメ
ータであり、αパラメータ等が時間領域で表わされるパ
ラメータであるのに対してより直観的に扱い得る量であ
るうえ、少ない情報量でしかも合成すべき入力音声信号
の音質も高い精度のものが得られるといったさまざまな
特徴を有し、従ってこのLSP係数を声道フィルタの伝
達関数を決定する分析および合成パラメータとして利用
し入力音声信号の分析、合成を行なうLSP型ボコーダ
も上述したような特徴を有するものとして構成される。
このLSP型ボコーダを利用するLSP型パターンマッ
チングボコーダは、LSP分析器で分析されたLSP係
数と、予め音声資料をLSP分析して得られる音声の標
準的なLSP係数の分布内容に関する標準パタンとを照
合することによって両者の類似度が最大となる最近似標
準パタンを選択し、これを合成側に音源情報とともに伝
送して入力音声信号の合成を図るものであり、スペクト
ル包絡を10ビット前後の低情報量で分析、合成しうる
方法として近時よく知られつつあり、LPCボコーダに
パタン照合、復号を行なう機能を付加することによって
容易に構成しうるものである。
このようなLSP型パタンマッチングボコーダにおける
LSPボコーダは、通常LPC(Linear Prediction Coe
fficient,線形予測係数) 分析器によって得られたLP
C係数からLSP係数を誘導するという手段によってL
SP係数を得ている。
さて、パタンマッチングの単位としては入力音声のスペ
クトル包絡の如く音声の物理的特徴に着目した物理単位
と、音声の言語的特徴に着目した言語単位とがあり、い
ずれを利用するかはパタンマッチングボコーダの構成内
容等に対応して効率のいいものが選択され、またこれら
の単位をマッチングの尺度として行なうパタン照合によ
る標準パタンの選択にはパラメータの空間距離による方
法と言語的な要素との対応による方法とがある。従っ
て、たとえばLSP型パタンマッチングボコーダの如
く、LPCボコーダの機能を内蔵するものにあっては、
LPCボコーダの機能との親和性を考慮し、マッチング
単位には物理単位、選択方法にはパラメータ空間距離を
利用することが望ましいと言える。
LSP型パタンマッチングボコーダにおけるパタンマッ
チング尺度として利用されるパラメータ空間距離は、L
SP係数もLPC,PARCOR係数と同様に空間ベク
トルと見做すことができ、この空間ベクトル間の距離を
尺度としてその大小比較によって入力音声信号のLSP
係数に最も近い標準パタンを選択するために利用され
る。このような空間ベクトルであるLSP係数間の距離
は次の(1)式に示すスペクトル距離Dijによって示され
る。
(1)式はまた次の(2)式の如く近似等式に変換しうる。
(1)および(2)式において、iは入力音声信号データ、j
は標準パタンデータ、Si(ω),Sj(ω)は角周波数ω
の関数としてのiおよびjの対数スペクトル包絡、PK
(i),PK (j)はiおよびjのN次LSP係数、WKはN次
LSP係数のスペクトル感度である。
LSP係数の次数は、LSP係数によって実現すべき声
道フィルタを構成するための全極型デジタルフィルタの
次数と対応し、N次の全極型デジタルフィルタにあって
は、通常LSP周波数と呼ばれるN個の線スペクトルω
123……ωを示す。またN次のLSPスペクト
ル感度WkはN次のLSP係数の微少変化によって起る
スペクトル変化の程度を示すものであって、通常LSP
周波数に対応して決定されるLSP周波数スペクトル感
度が用いられる。
さて、入力音声信号のスペクトル包絡に最も近似した標
準パタンを、予め登録された標準パタン群から選択する
には(1)式によるスペクトル距離の計算を入力音声信号
の全フレームにわたって全標準パタンとの間で実行すれ
ばよいことになるが、この演算量は極めて膨大なものと
なるため、一般的には(2)式の近似等式を利用していわ
ゆる簡易スペクトル距離を計測する。これは、分析され
た入力音声信号の空間特徴スペクトルであるN次のLS
P係数Pk(i)と、標準パタンに登録されている空間特徴
ベクトルPk(j)との内積を各次数のLSP係数ごとに求
めたうえ、LSP係数の次数に対応するLSP周波数ご
とに予め設定する重みづけ係数としてのWkを乗じた簡
易スペクトル距離計測を行なうものである。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のこの種のLSP型パタンマッチングボコーダは、
(2)式に示す重みづけ係数WkにLSP周波数に対応す
るLSP周波数スペクトル感度を利用しているが、この
LSP周波数スペクトル感度はLSP周波数間隔によっ
て異なるため、単純にこのようなスペクトル感度を用い
て計測したスペクトル距離をパタンマッチングの尺度と
して標準パタンを選択した場合には合成すべき音声を大
きく劣化することが多いという欠点がある。
本発明の目的は上述した欠点を除去し、少数の標準パタ
ンを予備選択し、前記選択された標準パタンと入力音声
信号とのスペクトル包絡との差を直接比較する手段を備
えることにより、音質の劣化を大幅に改善し得るLSP
型パタンマッチングボコーダを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明のボコーダは、音声資料のLSP(Line Spectru
m Pair)係数の分布を考慮して作成された標準パタンと
入力音声信号をLSP分析して得られるLSP係数に関
するパタンとを照合して入力音声信号の合成を行なうL
SP型パタンマッチングボコーダにおいて、前記標準パ
タンのLSP係数と前記入力音声信号のLSP係数との
重みづけ内積によるスペクトル距離を計測して少数の標
準パタンを予備選択し、前記選択された標準パタンより
スペクトル包絡を算出し、算出されたスペクトル包絡と
入力音声信号を分析して求められたスペクトル包絡との
差を計測し、前記計測された差が最小となる標準パタン
を代表パタンとして選択する手段を備えて構成される。
(実施例) 次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。第1図
(A),(B)は本発明の第一の実施例を示すブロック図であ
り第1図(A)は分析側、第1図(B)は合成側の構成を示す
ブロック図である。
第1図(A)に示す分析図1は、LPF(Low Pass Filter)
11,A/Dコンバータ12,窓関数処理器13,自己
相関係数計測器14,LPC分析器15,有声/無声/
無音判別器16,ピッチ抽出器17,LSP分析器1
8,スペクトル距離計測器19,標準パタンメモリ2
0,周波数スペクトル感度メモリ21,標準パタン選択
器22および符号化器23を備えて構成され、また第1
図(B)に示す合成側2は、復号器24,パタン復号器2
5,標準パタンメモリ26,LSP合成器27,可変利
得増幅器28,切替器29,パルス発生器30,雑音発
生器31,D/Aコンバータ32およびLPF33を備
えて構成される。
第1図(A)において、入力ライン111を介して入力す
る入力音声信号はLPF11によって所定の分析帯域の
周波数成分がフィルタリングされ、出力ライン112を
介してA/Dコンバータ12に送出されて所定のビット
数でデジタル化されたのち量子化音声信号として出力ラ
イン121を介して窓関数処理器13に送出される。
窓関数処理器13は、入力した音声信号の30mSECず
つにハミング関数を乗算する窓関数処理を行なうがこの
窓関数処理は10mSEC周期で繰返されこれを基本フレ
ーム周期としている。
こうして窓関数処理された入力音声信号の音声波形デー
タは基本フレームごとに出力ライン131 を介して自己相
関係数計測器14に送出される。
自己相関係数計測器14は、入力した音声波形データを
乗算回路等を利用して各遅れ時間における自己相関係数
を必要な遅れ時間内で計測し、この自己相関係数データ
を出力ライン151を介してLPC分析器15に、また
出力ライン152を介して有声/無声/無音判別器16
およびピッチ抽出器17に送出するとともに、遅れ時間
零における自己相関係数をとりこれを基本フレームあた
りの短時間音声電力データとして出力ライン153 を介し
て符号化器23に送出する。
有声/無声/無音判別器16は入力した自己相関係数デ
ータを利用し、各基本フレームごとに含まれる音声信号
の有声あるいは無声、もしくは無音状態を判別しこれを
有声/無声/無音判別データとして出力ライン161を
介して符号化器23に送出、またピッチ抽出器17は入
力した自己相関係数データを利用して各基本フレームご
とに含まれる音声信号のピッチデータを抽出、これを出
力ライン171を介して符号化器23に送出する。LP
C分析器15は、後述するLPS分析器18とともに可変
長フレームLSP分析回路を構成するものであり、本実
施例においてはLSP分析器18において、有声/無声
/無音判別器16から出力ライン162を介して受ける
有声/無声/無音判別データにもとづきフレームを、有
声および無声に対応する有音区間と、それ以外の無音区
間とに分けこれら2つの区間にそれぞれ予め設定する可
変長伝送フレームを設定している。この場合、LPC分
析器15はよく知られたレビンソン法によって、入力し
たフレームごとの自己相関係数を利用して線形予測係数
を予め定める次数、本実施例の場合は10次まで算出
し、これを出力ライン154を介してLSP分析器18
に送出し、LSP分析器18はこの線形予測係数をNew
ton の反復法を利用する高次方程式によって10次のL
SP係数に変換し、さらに基本フレームごとの一定周期
をもったこのLSP係数列を、出力ライン162 を介して
入力する有声/無声/無音判別データによる情報を利用
しながら予め設定する近似関数による最適近似法によっ
て可変長周期化した可変フレーム長に変換する。
また、このようなLSP分析の前処理として、入力音声
データの高域強調を行なうために波形の1次差分を利用
し波形領域における高域成分の事前強調を行なうプリエ
ンファシス(Pre−Emphasis)処理、および自己相関係
数領域におけるLag 関数によるLag ウインド処理が行な
われるが、これらの前処理はLSP係数間の最小間隔を
広げ、後述する合成側2におけるLSP合成器27の全
極形デジタルフィルタの安定性を増大させるためLSP
量子化感度の低域を図って行なわれるものである。
さて、このように得られた10次のLSP係数は出力ラ
イン181を介してスペクトル距離計測器19に送出さ
れる。またLSP分析器18からは可変長フレームを形
成する際に基本フレーム長を伸縮したフレーム変化率情
報、いわゆるレピートビットデータを出力ライン182
を介して符号化器23に送出する。
LSP分析器18から出力ライン181を介してスペク
トル距離計測器19に送出された10次LSP係数は、
スペクトル距離計測器19において(2)式の近似等式に
より、いわゆる簡易スペクトル距離を演算する。
(2)式による簡易スペクトル演算における入力音声信号
の特徴ベクトル、すなわちPk(i)に相当する10次LS
P係数と、標準パタンメモリ20に登録された標準パタ
ンの特徴ベクトル、すなわちPk(j)に相当する標準10
次LSP係数との内積が(2)式の如くまず演算され、こ
の内積に対して周波数スペクトル感度Wkが重みづけ係
数として乗算されたものが1次のLSP係数から10次
のLSP係数まで、入力音声信号の可変長フレームのお
のおのについて標準パターンメモリ20に登録されたL
SP係数の各パターンとの間で実行され、スペクトル距
離Dijが決定し、可変長フレームのおのおのについてこ
のスペクトル距離Dijが最も小さいものがそれぞれ標準
パターンとして選択される。このような標準パターン
は、標準パタンメモリ20における標準パタン登録アド
レスコードを指定する標準パタン指定コードデータとし
て次次に出力ライン191を介して符号化23に送出さ
れる。
標準パタンメモリ20に登録され、ストアされている標
準パタンは、本実施例の場合、次のようにして予め別な
コンピュータによるオフライン処理で作成されるが、こ
れを本実施例によるボコーダを利用して予め作成してお
いても一向に差支えない。
まず、予め設定した音声資料を利用しLPC分析等の手
法によって無音区間の除去、不要な近接フレームの除
去、有声、無音、無音による分類等の前処理を実施す
る。
この場合、フレーム周期は10mSECとし、この各フレ
ームごとに有声、無声、無音および有声の無声との境界
音いずれに属するかのタグコードを与える。次に無音フ
レームを除去し残りのフレームを有声と無声とに分離
し、このとき境界音は有声と無声とのいずれか又は双方
に含ませるものとする。
さらに、時間的に接近しスペクトル距離の小さいフレー
ムを除去し、このようにして必要とするサンプル数の削
減を図ったうえこれらを従来から知られている標準パタ
ン選択手法によって、予め設定する各スペクトル距離ご
とに分類して標準パタンとして登録、ストアしておくも
のである。
上述した標準パタン手法は、本実施例の場合10次元LS
P係数の空間UがN個のパタンから成るものとし、この
N個のパタンのおのおのについて(2)式によってスペク
トル距離を計測し、これが予じめ設定するスペクトル距
離域値θdB2をもつものをN個のパタンすべてについて
求め、このパタン数Mi=(i=1,2,……N)のうち
最大のMiをもつパタンPLを決定したうえ、パタンPL
におけるスペクトル距離が、予め設定する値θdB以下
のパタンを10次元LSP係数の空間Uから除去したの
ちPLを標準パタンとして登録し、このような操作を空
間Uに含まれるパタンがなくなるまで繰返して実施して
標準パタとして登録するものである。
また、周波数スペクトル感度メモリ21にそれぞれスト
アされている内容は次のようにして決定される。
音声資料を(1)式によって実測して得られるLSPのK
番目(K次)の要素Pkのスペクトル感度は、次の(3)
式によって求められる。
(3)式においてΔPkはPkの微少変化であり、Si(ω)
はこの場合P1,P2,……Pk……PL等から求めたスペ
クトル包絡、Sj(ω)はP1,P2,……Pk+ΔPk……PL
から求めたスペクトル包絡を用いている。
従って(3)式によって、ΔPkを予め設定する値θラジア
ンとした場合、10次のLSP係数の各周波数に関する
LSP周波数スペクトル感度が得られる。
パタン照合においては、こうして得られた周波数スペク
トル感度を重みづけ係数として入力音声信号のLSP分
析データと標準パタンとのスペクトル距離を(2)式によ
って演算し、スペクトル距離が最小となるものから小い
さい順に所望の数の標準パタンを可変長フレーム毎に検
索し、これらの標準パタンデータ(10次LSP)と標
準パタン指定コードデータとを出力ライン191を介し
て標準パタン選択器22へ出力する。
標準パタン選択器22は本発明の最も重要な部分であ
り、その詳細な動作は後述するが、概略、以下の機能を
有する。標準パタン選択器22はスペクトル距離計測器
19により予備選択された所望の数の標準パタンからス
ペクトル包絡を算出し、これとスペクトル距離計測器,
LSP分析器を介してLPC分析器より供給される線形
予測係数から算出されるスペクトル包絡の差を算出し、
前記差が最小となる標準パタンに対応する標準パタン指
定コードデータを符号化器23へ出力する。
符号化器23は、このようにして供給された各データを
予め設定する符号形式によって符号化しこれを伝送路2
31を介して合成側2に伝送する。
合成側2では伝送路231を介して入力した各種符号化
情報の復号化を行ない、標準パタン指定コードデータは
入力ライン251を介してパタン復号器25、レピート
ビットデータは入力ライン271を介してLSP合成器
27、短時間音声電力データは入力ライン281を介し
て可変利得増幅器28、有声/無声/無音判別データお
よびピッチデータはそれぞれ入力ライン291および3
01を介して切替器29およびパルス発生器30に供給
する。
パタン復号器25は、入力した標準パタン指定コードデ
ータによって指定される標準パタンを標準パタンメモリ
26から出力ライン261を介して読出し、これを出力
ライン252を介してLSP合成器27に送出する。標
準パタンメモリ26は分析側1における標準パタンメモ
リ20とほぼ同一のものであり、パタン復号器25によ
ってLSP合成器27に供給されるデータは分析側のパ
タン照合の結果入力音声信号の内容に対応して可変長フ
レームごとに選択された標準パタンによるLSP係数
列、すなわちLSP周波数列である。
LSP合成器27は、こうして入力したLSP係数列を
含む可変長フレームを、入力ライン271 を介して受
けるレピートビットデータによってもとの基本フレーム
ごとに復元し、これを予め設定する近似関数を利用して
入力音声信号の標本化間隔、すなわち合成側1の窓関数
処理器14における標本化周期でLSP係数を補間す
る。こうして補間処理を受けた基本フレームごとのLS
P係数は全極形モデルによる10次のLSP音声合成デ
ジタルフィルタのフィルタ係数として供給される。
LSP音声合成デジタルフィルタはこのようにして入力
するフィルタ係数と、可変利得増幅器28から出力ライ
ン282を介して入力する音源励振電力とによって音声
合成デジタルフィルタとしての演算を行ない、デジタル
形式の合成音声出力を得てこれを出力ライン272を介
してD/Aコンバータ32に送信する。
上述した音源励振電力は、入力音声信号からスペクトル
包絡成分を除いたいわゆる残差電力に対応するものであ
り、入力音声信号を再現する場合にスペクトル包絡成分
としてのLSP係数とともに必要な音源情報を付与する
ものでこれは次のようにして発生する。
入力ライン281を介して入力した各基本フレームごと
の短時間音声電力データは可変利得増幅器28に供給さ
れる。
一方、パルス発生器30は入力ライン301を介してピ
ッチデータを受け、このピッチデータに対応し予め設定
された周波数のパルスをピッチパルスとして発生しこれ
を出力ライン302を介して切替器29に送出する。
切替器29は、入力ライン291を介して受ける有声/
無声/無音判別データが有声を指定するときは上述した
ピッチパルスを選択し、また無声もしくは無音を指定す
るときには雑音発生器31の出力する白色雑音を出力ラ
イン311を介して入力するように切替える動作を行な
う。切替器29によって選択出力されるパルス発生器3
0もしくは雑音発生器31の出力は、出力ライン292
を介して可変利得増幅器28に供給され、入力ライン2
81を介して入力した短時間音声電力データの大きさに
対応する重みづけを受けるように可変増幅されて音源励
振電力として出力ライン282に送出される。
こうしてLSP合成器27から出力したデジタル形式の
合成音声信号は次にD/Aコンバータ32によってアナロ
グ化され、LPF33によって所要の帯域をフィルタリン
グして合成音声信号として出力ライン331に送出され
る。
このようにしてLSP周波数間隔スペクトル感度を重み
づけ係数として計測したスペクトル距離によるパタン照
合を介して行なう入力音声信号の分析、合成が容易に実
施できる。
次に標準パタン選択器22の動作を詳細に説明する。第
2図は標準パタン選択器22の動作を詳細に説明するた
めのブロック図である。
スペクトル距離計測器19により予備選択された所望の
数の標準パタンデータは出力ライン191を介してω/
α変換器40へ、標準パタン指定コードデータはラベル
メモリ41へ各々供給される。尚、標準パタンデータは
スペクトル距離計測器19での計測結果に基づき、前記
距離の最小のものより順々に、前記距離を昇べきに出力
される。ω/α変換器40マイクロプロセッサであり、
スペクトル距離が昇べきとなる順序で入力される標準パ
タンデータを所定の番地に記録する。ω/α変換器は更
に記録した標準パタンデータ(10次LSP)を10次
のαパラメータに変換し、前記スペクトル距離が昇べき
となる順序で変換結果をαパラメータメモリ42へ出力
する。尚、LSP係数をαパラメータへ変換する方法は
次の通りである。LSP係数は下記(4)式におけるωi
であることが板倉氏らにより示されている。(音声研究
会資料S79−46第10式) ここに αi:αパラメータ i=1,2…10 従がって下記〜の手順に従ってLSPよりαパラメ
ータへ変換される。
Pp(Z)=(1−Z-1)(1−2cos ω2Z-1+Z-2)(1−2cos ω4Z-1+Z-2)……(1−2cos ω10Z-1+Z-2) =(1−Z-1)(1+p1Z-1+p2Z-2+…+ p10Z-10) (7) ただしp1=p10、p2=p9、p5=p6 でありpiはPp(Z)/(1−Z-1)を展開したときの係数 Qp(Z)=(1+Z-1)(1−2cos ω1Z-1+Z-2)(1−2cos ω3Z-1+Z-2)……(1−2cos ω9Z-1+Z-2) =(1+Z-1)(1+q1Z-1+q2Z-2+…+q10+Z-10)
(8) ただしq1=q10 q2=q9 … q5=q6 でありqiはQp(Z)/(1+Z-1)を展開したときの係数 ここにZ-1の係数がαパラメータαiである。
再び第2図に於いてスペクトル距離計測器19,LSP
分析器18を介してLPC分析器15より供給される線
形予測係数(ai,i=1,2…10)はスペクトル包絡算出
器43へ入力される。スペクトル包絡算出器43はマイ
クロプロセッサであり公知の方法により離散的スペクト
ル包絡データPi(N)(N=0,1,…,100)を算出する。な
お、この手法は斉藤,中田両氏の共著“音声情報処理の
基礎”オーム社、昭和56年11月の第7章“スペクト
ル推定”ページ96に述べられている。算出された は出力ライン431を介してスペクトル包絡メモリ44
へ供給される。スペクトル包絡メモリ44は前記 を記録し必要に応じてスペクトル包絡差算出器45へ出
力する。αパラメータメモリはスペクトル距離計測器1
9に於けるスペクトル距離の昇べきにαパラメータを順
々にスペクトル包絡算出器43へ出力する。スペクトル
包絡算出器43は離散的スペクトル包絡データ (ただしl=1,2…,でありαパラメータの供給順番
と一致する)を算出し出力ライン432を介してスペク
トル包絡差算出器45へ出力する。スペクトル包絡差算
出器45は とPj(l)(N)とから下記スペクトル距離Dlを算出し最小距離パタン検索器46へ出力する。最小距
離パタン検索器46はmin{Dl}となるl(αパラメー
タの供給順序)を決定し、データlをラベルメモリ41
へ出力する。ラベルメモリ41はデータlによりスペク
トル距離計測器19により予備選択された標準パタンの
うちスペクトル距離がl番目に小いさい標準パタンの標
準パタン指定コードデータを符号化器23へ出力する。
尚、予備選択するパタン数を所望の数として説明した
が、これは固定数でも可変数でも差しつかえない。可変
数とする場合には入力音声信号を分析して得られるLS
Pパラメータの最小間隔、予備選択でのスペクトル距離
等を利用して予備選択パタン数を決定できる。
上述した各実施例における分析側で、LSP分析器18
によって得られるLSP係数は高次方程式法によって演
算しているが、これは高次方程式法とともによく知られ
た零点探索法によって実施してもよく、またこのLSP
係数は可変長フレームごとに分析抽出しているが、この
可変長フレームは所望に応じ固定長フレームとしても差
支えない。
また、LSP係数分析の前処理として行なわれるプリエ
ンファシス処理およびLag関数処理は分析および合成す
べき入力音声信号の特徴、音声合成デジタルフィルタの
内容、データビット数の配分等を勘案し所望に応じて実
施の有無を選択しうることは明らかである。
さらに、上述した各実施例においては10次のLSP係
数を利用して分析および合成を実施しているが、LSP
係数の次数を他の次数としても何様に実施しうることは
明らかである。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、LSP型パタンマ
ッチングボコーダにおいて、標準パタンのLSP係数と
入力音声信号のLSP係数とのスペクトル距離をLSP
係数のスペクトル感度を介して算出し、複数の標準パタ
ン候補を予定選択し、更に予備選択された標準パタン候
補から、実際のスペクトル包絡データを介して算出され
るスペクトル距離に基づいて最良の標準パタンを選択す
ることにより、LSP周波数間隔によりLSP周波数ス
ペクトル感度が異なるために必ずしも最適な標準パタン
が選択されない欠点を解決し、且つ、予備選択によりパ
タン候補を限定することにより演算量の増加を最小限に
とどめるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(A),(B)は本発明の第一の実施例によるLSP型
パタンマッチングボコーダの分析側(A)および合成側(B)
の構成を示すブロック図、第2図は本発明に於いて特に
重要な標準パタン選択器22を詳細に説明するためのブ
ロック図である。 1……分析側、2……合成側、11……LPF、12…
…A/Dコンバータ、13……窓関数処理器、14……
自己相関係数計測器、15……LPC分析器、16……
有声/無声/無音判別器、17……ピッチ抽出器、18
……LSP分析器、19……スペクトル距離計測器、2
0……標準パタンメモリ、21……周波数間隔スペクト
ル感度メモリ、22……標準パタン選択器、23……符
号化器、24……復号器、25……パタン復号器、26
……標準パタンメモリ、27……LSP合成器、28…
…可変利得増幅器、29……切替器、30……パルス発
生器、31……雑音発生器、32……D/Aコンバー
タ、33……LPF、40……ω/α変換器、41……
ラベルメモリ、42……パラメータメモリ、43……ス
ペクトル包絡算出器、44……スペクトル包絡メモリ、
45……スペクトル包絡差算出器、46……最小距離パ
タン検索器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音声資料のLSP(Line Spectrum Pair)係
    数の分布に関する標準パタンと入力音声信号をLSP分
    析して得られるLSP係数に関するパタンとを照合して
    入力音声信号の合成を行なうLSP型パタンマッチング
    ボコーダにおいて、前記標準パタンのLSP係数と前記
    入力音声信号のLSP係数との重みづけ内積によるスペ
    クトル距離を計測して少数の標準パタンを予備選択する
    手段と、前記予備選択された標準パタンから算出される
    スペクトル包絡信号と入力音声信号を分析して得られる
    スペクトル包絡信号とから算出されるスペクトル距離を
    用いて標準パタンを選択する手段とを有することを特徴
    とするLSP型パタンマッチングボコーダ。
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