JPH0649796B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、積層板，樹脂成型品あるいは種々の目的に使
用される樹脂ワニスにかかり、保存安定性がよく、かつ
きわめて短時間で重合可能な樹脂組成物を提供せんとす
るものである。

従来の技術 ビニル基を有する合成樹脂、たとえば不飽和ポリエステ
ル樹脂の重合には一般に有機過酸化物が使用されてい
る。有機過酸化物を添加することにより昇温すればラジ
カルが発生し重合が進行する。

発明が解決しようとする問題点 重合速度をあげようとすると有機過酸化物を増量すれば
よいが重合生成物の機械的強度が劣化してくることは周
知の通りである。また、一般的にはナフテン酸コバルト
等の還元剤と組合せた、いわゆるレドックス重合が知ら
れている。レドックス重合の場合、重合速度はきわめて
速くなるが低温でも重合してしまうため、あらかじめ樹
脂中に有機過酸化物と還元剤を配合しておくことは不可
能であった。

問題点を解決するための手段 発明者らは有機過酸化物と三級アミン・ｐ−トルエンス
ルホン酸コンプレックスを組合せて添加したものであ
る。

作用 昇温時にはきわめて速い重合速度が得られ、かつ樹脂，
有機過酸化物，三級アミン・ｐ−トルエンスルホン酸コ
ンプレックスをあらかじめ配合しておいても常温での保
存安定性の極めて優れた樹脂組成物が得られることとな
る。これは、三級アミン・ｐ−トルエンスルホン酸が常
温では潜在性を有しているためと考えられる。

本発明における三級アミンとは、トリメチルアミン，ト
リエチルアミン，トリアミルアミン，トリフェニルアミ
ン，トリベンジルアミン，ジイフェニルアミン等の三級
アルキル，アリルアミンから任意に選定することができ
る。

実施例 実施例−１ ジアリルフタレート樹脂１００ｇに(a)有機過酸化物と
してｔ−ブチルパーオキシベンゾエイト３．５ｇ添加、
(b)ｔ−ブチルパーオキシベンゾエイト１．５ｇ、トリ
エチルアミン・ｐ−トルエンスルホン酸コンプレックス
２．１１ｇｂ添加、(c)ｔ−ブチルパーオキシベンゾエ
イト１．５ｇ、ナフテン酸コバルト０．９７ｇ添加し、
(a)，(b)，(c)それぞれの２５℃でのポットライフと１
５０℃でのゲルタイムを測定した。結果を下記表−１に
示す。

実施例−２ 実施例−１(b)配合に用いたトリエチルアミン・ｐ−ト
ルエンスルホン酸コンプレックスの代りに(d)トリアミ
ルアミン・ｐ−トルエンスルホン酸コンプレックス、
(e)トリベンジルアミン・ｐ−トルエンスルホン酸コン
プレックスをそれぞれ同モル数添加した樹脂組成物につ
いて実施例−１と同様の測定を行なった結果、組成物
(b)，(d)，(e)には大きな差異は認られなかった。

発明の効果 以上述べたごとく、本発明によれば、常温での保存安定
性に優れ、かつ昇温時の反応速度の速い樹脂組成物を得
ることができることから産業上きわめて有用である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】不飽和の炭素−炭素結合を含む合成樹脂ま
   たは天然樹脂に、有機過酸化物および三級アミン・ｐ−
   トルエンスルホン酸コンプレックスを添加してなる樹脂
   組成物。