JPH0646791Y2 - ソリ付替え二輪車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自転車又は自動二輪車の前輪に代えてソリを装
着し、地上における自転車等の如く雪の平原やスロープ
を自由に走り回ることが可能なソリ付替え自転車及び自
動二輪車に関する。

［従来の技術］ 自転車や自動二輪車の前輪の代わりにソリを装着した構
造にしたものは、過去十数年を見ても毎年の様に出願さ
れている。しかし実状はスノーモービルが走る以外に
は、雪原上を走り回っている二輪車はいまだ見ることは
ない。その理由は色々あると思われるが、主たる原因は
自転車等の前輪タイヤの道路面に対する横滑り摩擦に比
し、前輪に付替えたソリの雪面に対する横滑りや摩擦が
非常に小さい。簡単に言えば横滑りし易いことである。

これに対し人がスキーを操る場合、カーブする時にスキ
ー面を傾けて横滑りを抑えているが、前輪代わりのソリ
は長いものは使えないため、車体のバランスを取るため
の傾斜程度では横滑りを抑えることが出来ず、バランス
を失って転倒することになる。これが主たる原因であ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 雪原を構成する雪質は硬軟があって一様ではなく時には
アイスバーンを形成する事さえある。

本考案はいかなる雪原でも自由に走り回ることが出来る
二輪車を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本考案においては従来の技術の様に、前輪のハンドル軸
を下方に車輪の半径程度延長し、その下端にヒンジ式
に、装着器具を介して短いソリを取付ける。支持力の不
足分はサドル下部から後方に掛けて、別のソリを車体に
取付ければよい。

又ソリの前部に常に持上げる力を与えるために、ソリの
ヒンジ前方とハンドル軸の下部とをスプリングで連結し
ている。

更にソリ装着器具のヒンジの付近に、ソリの両側面に沿
って小形のフィンを上下摺動自在に取付け、ソリの下面
より下方に突き出す様にフィンの上端をスプリングによ
り押さえる。

［作用］ 上記構造の自転車や自動二輪車で雪原を走行すると、ハ
ンドルは激しく上下運動するので、ソリの先端が下がっ
て雪に突っ込まない様にヒンジの前方をスプリングで常
に引き上げている。

又ソリのヒンジ部の近くで、側面に沿って下方に突き出
しているフィンの長さは、自転車の場合スキーゲレンデ
の雪質に対しては、僅か数mmの小片であるに拘らず、ソ
リの横滑り防止には非常に有効である。更にこのフィン
がスプリングで押出されているため、走行中に雪原がア
イスバーンに変わっても、フィンが適当に引き込むこと
により、引っ掛かる事なく又横滑りもなく走行を続ける
ことが出来る。尚フィン用スプリングは中を貫通するボ
ルトのネジで加減することにより、スプリングの長さを
変え、最も走り易い強さに調節することが出来る。又フ
ィン用金具は幅の異なったものと容易に交換できる構造
になっている。

［実施例］ 自転車についての実施例を図について説明する。第１図
はソリ付替え自転車の全体図、第２図、第３図はハンド
ル軸下端のソリ装着部の構造を示す側面図と後面図であ
る。

ハンドル軸１は長さも形も異なるので、ソリ専用の軸に
取り替えた方がよい。後車輪のタイヤ２は通常自転車よ
り太いものの方がよく、特にトレッドの型が粗いものを
使用する。フレーム３、サドル４、ペダル５、ギヤ６、
チェーン７等は通常のものを取り替える必要はない。

ソリ８は上面で装着器具９に固定され、装着器具９はハ
ンドル軸１の下端と横方向水平ピン10によりヒンジ式に
取付けられる。ソリのヒンジの前方とハンドル軸１の下
部はスプリング12によって連結され、ソリの前端を常に
上方に引上げている。

ヒンジの直ぐ後にはソリの側面に沿ってフィン13が上下
摺動自在に取付けられ、その上部は水平部14をフィン用
スプリング15により押さえられているので、フィン13の
下端はソリの下面より下方へ突出している。フィン13の
大きさは幅１〜2cmで突出し長さは数mmに過ぎないが、
ソリの横滑りを有効に防止する。アイスバーンなどの堅
い所ではフィンは押上げられ、アイスバーンに引っ掛か
らず且つ横滑りしない状態になる。フィン用スプリング
15は、それを貫通するボルトの調節ナット16の上下によ
り強さを調節され、フィン13の押下げ力を加減し、滑り
の最適状態を作り出す。

考案者はスキー場での試験状況をビデオに収め、TVSテ
レビの平成２年２月11日「面白自転車」と言う番組に
て、直進やカーブ走行状態を放映したが、フィン用スプ
リング15の代わりにソリ８上面に殆ど接触している板バ
ネを利用して、フィン13と共に雪面で見えない様に処置
した。同時に出演もしたが持参した自転車からは、フィ
ン13とフィン用スプリング15は取外して置いた。

［考案の効果］ 本考案によれば自転車及び自動二輪車等の前輪をソリに
取り替え、後輪タイヤのトレッドを粗くすることによ
り、雪原を自由に走る事が可能になり、単にレジャー用
に止どまらず雪国の１人用交通手段として使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自転車の前車輪をソリに取り替えた全体図、第
２図はハンドル軸下端のソリ装着部の構造を示す側面図
で第３図はその後面図である。 1;ハンドル軸、2;後輪タイヤ、8;ソリ、 9;装着器具、12;スプリング、13;フィン、 15;フィン用スプリング、16;調節ナット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドル軸を車輪の半径だけ延長して下端
   に横水平方向のピンによるヒンジによってソリに付替え
   た二輪車において、ヒンジ付近のソリの側面に沿ってフ
   ィンを上下摺動可能に取付け、フィンの上端をスプリン
   グにて押さえ、下端をソリの下面から下方に突出させた
   ソリ付替え二輪車