JPH0645471U - 蹄 鉄 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は、蹄鉄に弾力性を与え、蹄を保護す
るとともに、蹄に確実に装着できる蹄鉄を得ることを目
的とする。 【構成】蹄鉄は、その長手方向に亙って、内部が膨大し
接地面側に狭く開口する中空部を設ける。中空部の膨大
部分にはクッション材を設け、クッション材に接し開口
側から接地面より可動突出する可動部材を設ける。釘溝
によって分けられる内側部分を薄くして、内側部分の接
地面に可動部材を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、蹄鉄に関する。

【０００２】

【従来の技術】

蹄鉄の用途は、近年競馬用の蹄鉄の比率が高い。そして、従来は競走馬の蹄鉄 においては、日常生活には比較的丈夫な日常用蹄鉄、例えば軟鉄製の蹄鉄を履か せ、競走時には比較的軽い競走用蹄鉄、例えばアルミニウム合金製蹄鉄を履き替 えて使用することが多かった。

【０００３】 しかし、履かえ時の繁雑さや、蹄を傷めたりする虞れがある為、日常時にも競 走時にも履く兼用蹄鉄が、次第に多くの馬に使用される傾向になっている。

【０００４】 そして兼用蹄鉄は、競走時にもそのまま履く為、軽く柔らかいアルミニウム合 金製の蹄鉄の使用率が高い。しかし、アルミニウム製の蹄鉄を日常の生活に履か せる場合、アルミニウムだけでは、柔らかく非常に磨り減りが早いので、それを 緩和する為、接地面の一部に露出する構成で、長手方向に亙って鋼鉄製の摩耗緩 和片を埋め込んである構成の蹄鉄を使用していた。

【０００５】 また、逆に蹄の保護の為に蹄鉄の上面側、即ち接蹄面に弾力性のある素材を設 け、蹄にクッション性を付与した蹄鉄も知られていた。

【０００６】

【この考案が解決しようとする課題】

従来のように、蹄鉄全体の素材より堅い鋼鉄製の摩耗緩和片を設けると、摩耗 の度合を少なくすることはできる。しかし、馬はそれぞれ四肢の形状が違い、そ の歩行走行時の大地を蹴るときの強さ、歩行の癖なども違う。その為、馬によっ ては新しい蹄鉄を履いてからなかなか慣れないで、足を傷める原因となることも あった。特に、蹄鉄は履いてある程度角が取れ、蹄の返しが良くなる必要がある が、鋼鉄片が引っ掛かって四肢に負担がかかりすぎる場合があった。

【０００７】 特に最近は、競馬のスピード化による四肢や蹄への負担を軽減する為に、蹄鉄 にもクッション性を与えることが考慮され始めている。

【０００８】 蹄鉄にクッション性を与える場合、接地面側に弾性材を接着するのは、歩行の 引っ掛かりや、滑りに危険な為や、走行時に蹄の返りでの推進力が得られない為 、考えられなかった。

【０００９】 また、接蹄面側に弾性材を付与したものは、蹄と蹄鉄間にクッション材が入る 為、使用が重なると、蹄鉄と蹄を結合している釘がゆるむ問題点があった。

【００１０】 この考案は、適度なクッション性と柔軟性と対摩耗性を有し、馬の四肢に掛か る違和感を無くし、四肢に悪影響を与えることを防ぐ蹄鉄を得ることを目的とす る。

【００１１】

【課題を解決する為の手段】

この目的を達成する為、この考案の蹄鉄は、蹄鉄の長手方向に亙って、内部が 膨大し接地面側に狭く開口する中空部を設け、中空部にクッション材を設け、ク ッション材に接し開口側から接地面より可動突出する可動部材を設ける。

【００１２】 また、この考案の蹄鉄は、蹄鉄の釘溝で分かれた片側部分に、蹄鉄の長手方向 に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口した中空部を設け、中空部にクッショ ン材を設け、クッション材に接し開口側から接地面より可動突出する部分を有す る可動部材を設け、かつ他方の片側部分に蹄鉄の長手方向に亙って接地面とは異 なる素材を、接地面から露出しないように設けて成る。

【００１３】 さらに、この考案の蹄鉄は、蹄鉄の釘溝で分かれた片側部分に、蹄鉄の長手方 向に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口した中空部を設け、中空部にクッシ ョン材を設け、クッション材に接し開口側から接地面より可動突出する可動部材 を設け、かつ他方の片側部分の接地面に蹄鉄の長手方向に亙って鋼鉄片を設ける 。

【００１４】 蹄鉄の釘溝で分かれた内側部分を外側部分より薄くし、内側部分には蹄鉄の長 手方向に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口した中空部を設け、中空部にク ッション材を設け、クッション材に接し開口側から接地面より薄い分可動突出す る可動部材を設けた蹄鉄である。

【００１５】 さらに、蹄鉄の蹄踵部分に、内部が膨大し接地面側に狭く開口した中空部を設 け、中空部にクッション材を設け、クッション材に接し開口側から接地面より可 動突出する可動部材を設けた蹄鉄である。

【００１６】

【作用】

蹄鉄は、可動部材が、蹄鉄内部の中空部で中空部にあるクッション材に接し、 かつ接地面より突出しているので、蹄鉄が地面に触れると、突出した可動部材が クッション材を押し縮める。

【００１７】 蹄鉄の釘溝で分かれる内側部分が外側部分より薄い構成である場合、内側部分 に設けた可動部材の突出は、その薄い分だけ突出している。その為、接地は外側 部分とともに突出する可動部材が接するので歩行走行時に邪魔にならない。

【００１８】

【実施例】

この考案を、実施例の１つの蹄鉄の蹄先部分の断面を示す図１、蹄鉄の接地面 を示す図２、他の実施例の蹄先部分の断面を示す図３、図４、請求項５の実施例 を示す蹄鉄底面図を示す図５に基づいて説明する。

【００１９】 蹄鉄１は、軟鉄、アルミニウム合金等の素材で、平面形状が彎曲したＵ字形状 であり、最大横径部を有する。１ａが接地面であり、１ｂは接蹄面である。厚さ は約９ｍｍ程度である。蹄先部分中央には鉄唇２を上方に約１０ｍｍ程度突出さ せている。蹄鉄１の接地面１ａは、図２のように幅方向のほぼ中央に釘溝３を長 手方向全長に亙って形成している。釘溝３の深さは４〜６ｍｍである。

【００２０】 蹄鉄１は、釘溝３によって内側部分４と外側部分５に分けられる。この実施例 では、接地面１ａ側の内側部分４が、外側部分５より２ｍｍ程度薄くして形成す る。

【００２１】 １の実施例としては、接地面１ａ側の内側部分４が、外側部分５より２ｍｍ程 度薄くして形成する。内側部分４の長手方向に亙って接地面１ａに開口する中空 部６を設ける。中空部６は、内部に膨大部６ａを設け、接地面にはそれより狭い 開口部６ｂを設ける。この実施例では膨大部６ａは厚さ方向３ｍｍ、幅方向４、 ５〜５、５ｍｍ程度であり、開口部６ｂは、幅１、５〜２、０ｍｍ程度である。

【００２２】 膨大部６ａには、クッション材７を長手方向に亙って設ける。クッション材７ は、ウレタンゴム等の軟質合成樹脂や、天然ゴム等の弾性力を有し、耐水性があ ればいい。クッション材７は、膨大部６ａ断面の半分とある程度の間隙を有する 程度の断面面積であれば、どういう形状でもよい。この実施例では、丸棒形状の ものを２本平行して設けている。

【００２３】 ８は可動部材である。可動部材８は、頭部８ａと足部８ｂとから成り、断面Ｔ 字形状の長棒状でクッション材７と同じように長手方向に亙って設ける。可動部 材８は、クッション材７に頭部８ａを接して膨大部６ａに嵌合させる。頭部８ａ は開口部６ｂより大きく抜けることはない。

【００２４】 足部８ｂは、その先端を接地面１ａの内側部分４より約２ｍｍ程度突出し、外 側部分５の接地面部分と同じレベルになっている。足部８ａと開口部６ｂの間に は、ある程度の間隙を明け、空気が通過できるようにする。

【００２５】 ９は鋼鉄片であり、外側部分５の接地面に露出しないよう長手方向に亙って設 けている。９は露出しないように設ければ他の素材でよく、鋼鉄片の他、弾性材 でもよい。

【００２６】 図３は、他の実施例であり、図１の蹄鉄の外側部分５の長手方向に亙って接地 面に露出して鋼鉄片９を設けている。

【００２７】 図４は、別の実施例であり、外側部分５の長手方向に亙って中空部６とクッシ ョン材７と可動部材８を設けるもので、内側部分４と外側部分５の厚さは同じで ある。

【００２８】 外側部分５に設ける中空部６と可動部材８は図１の実施例とほぼ同じである。 中空部６は、内部に膨大部６ａを設け、接地面にはそれより狭い開口部６ｂを設 ける。この実施例では膨大部６ａは厚さ方向３ｍｍ、幅方向４、５〜５、５ｍｍ 程度であり、開口部６ｂは、幅１、５〜２、０ｍｍ程度である。

【００２９】 膨大部６ａには、クッション材７を長手方向に亙って設ける。クッション材７ は、軟質合成樹脂等の弾性力を有し、耐水性があればいい。クッション材７は、 膨大部６ａ断面の半分とある程度の間隙を有する程度の断面面積であれば、どう いう形状でもよい。この実施例では、直方体形状のものを１本設けている。

【００３０】 ８は可動部材である。可動部材８は、頭部８ａと足部８ｂとから成り、断面Ｔ 字形状の長棒状でクッション材７と同じように長手方向に亙って設ける。可動部 材８は、クッション材７に頭部８ａを接して膨大部６ａに嵌合させる。頭部８ａ は開口部６ｂより大きく抜けることはない。

【００３１】 足部８ｂは、その先端を接地面１ａより約２ｍｍ程度突出している。足部８ａ と開口部６ｂの間には、ある程度の間隙を明け、空気が通過できるようにする。

【００３２】 また、中空部６、クッション材７、可動部材８は、釘溝３の内側部分４、外側 部分５の両側に同様に設けてもよい。

【００３３】 図５は、蹄鉄の蹄踵部分１０に、中空部６、クッション材７、可動部材８を設 けた構成である。蹄踵部分１０は、蹄鉄１の長手方向端部に当たり、左右２箇所 に分かれる。蹄踵部分１０に設ける場合、中空部６、クッション材７、可動部材 ８は、蹄踵部分１０の内側部分４、外側部分５の片側、あるいは両側に設ける。

【００３４】 蹄踵部分１０の中空部６、クッション材７、可動部材８は、蹄鉄１の左右の端 部から１０〜３０ｍｍ程度の長さの間に設ける。この場合、蹄鉄１の蹄踵部分１ ０を凹部に形成し、そこに中空部６、クッション材７、可動部材８を設けた別材 を埋め込み固定してもよい。

【００３５】 この考案は、接地面１ａから可動部材８が微突出し、蹄鉄１の内部の中空部６ にあるクッション材７を介して弾性力を得る。ので、接地面での滑りや、接蹄面 での釘の緩みがない。

【００３６】

【考案の効果】

したがって、この考案によれば、接蹄面での釘の緩みや接地面における滑りが 無く、蹄にクッション性を与えることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の１つの蹄鉄の蹄先部分の断面図

【図２】図１の実施例の蹄鉄の接地面を示す底面図、

【図３】他の実施例の蹄先部分の断面図

【図４】他の実施例の蹄先部分の断面図

【図５】請求項５の実施例の蹄鉄の接蹄面を示す底面
図。

【符号の説明】

１ 蹄鉄 １ａ接地面 １ｂ接蹄面 ２ 鉄唇 ３ 釘溝 ４ 内側部分 ５ 外側部分 ６ 中空部 ６ａ 膨大部 ６ｂ 開口部 ７ クッション材 ８ 可動部材 ８ａ 頭部 ８ｂ 足部 ９ 鋼鉄片 １０ 蹄踵部分

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蹄鉄の長手方向に亙って、内部が膨大し
   接地面側に狭く開口する中空部を設け、中空部にクッシ
   ョン材を設け、クッション材に接し開口側から接地面よ
   り可動突出する可動部材を設けたことを特徴とする蹄
   鉄。
2. 【請求項２】 蹄鉄の釘溝で分かれた片側部分に、蹄鉄
   の長手方向に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口し
   た中空部を設け、中空部にクッション材を設け、クッシ
   ョン材に接し開口側から接地面より可動突出する部分を
   有する可動部材を設け、かつ他方の片側部分に蹄鉄の長
   手方向に亙って接地面とは異なる素材を、接地面から露
   出しないように設けたことを特徴とする蹄鉄。
3. 【請求項３】 蹄鉄の釘溝で分かれた片側部分に、蹄鉄
   の長手方向に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口し
   た中空部を設け、中空部にクッション材を設け、クッシ
   ョン材に接し開口側から接地面より可動突出する可動部
   材を設け、かつ他方の片側部分の接地面に蹄鉄の長手方
   向に亙って鋼鉄片を設けたことを特徴とする蹄鉄。
4. 【請求項４】 蹄鉄の釘溝で分かれた内側部分を外側部
   分より接地面側によって薄くし、内側部分には蹄鉄長手
   方向に亙って内部が膨大し接地面側に狭く開口した中空
   部を設け、中空部にクッション材を設け、クッション材
   に接し開口側から接地面より薄い分可動突出する可動部
   材を設けたことを特徴とする蹄鉄。
5. 【請求項５】 蹄鉄の蹄踵部分に、内部が膨大し接地面
   側に狭く開口した中空部を設け、中空部にクッション材
   を設け、クッション材に接し開口側から接地面より可動
   突出する可動部材を設けたことを特徴とする蹄鉄。