JPH0641238A - 押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法 - Google Patents
押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法Info
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- JPH0641238A JPH0641238A JP21476392A JP21476392A JPH0641238A JP H0641238 A JPH0641238 A JP H0641238A JP 21476392 A JP21476392 A JP 21476392A JP 21476392 A JP21476392 A JP 21476392A JP H0641238 A JPH0641238 A JP H0641238A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、高温、高
圧でラジカル重合反応によりエチレン系重合体を製造す
る方法において、共単量体としてジアクリル酸あるいは
ジメタクリル酸のグリコ−ルエステルの存在下にて反応
を行わせしめることを特徴とする押出コ−ティング用エ
チレン重合体の製造方法。 【効果】重合体のネックイン特性が大巾に改良される。
圧でラジカル重合反応によりエチレン系重合体を製造す
る方法において、共単量体としてジアクリル酸あるいは
ジメタクリル酸のグリコ−ルエステルの存在下にて反応
を行わせしめることを特徴とする押出コ−ティング用エ
チレン重合体の製造方法。 【効果】重合体のネックイン特性が大巾に改良される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された特性を有する
押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法に関す
る。詳しくは、加工性の重要な要件となるネックイン特
性の改善された押出コ−ティング用エチレン重合体の製
造方法に関するものである。
押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法に関す
る。詳しくは、加工性の重要な要件となるネックイン特
性の改善された押出コ−ティング用エチレン重合体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低密度ポリエチレンはその優れた特性か
ら有用な高分子材料として各種用途に幅広く使用されて
いる。その中でも、押出コ−ティング用途(所謂ラミネ
−ト加工分野)に於いては、要求される加工特性、製品
物性より低密度ポリエチレンがその主要高分子材料の一
つとして位置付けられ、各種加工技術及びラミネ−ト製
品の開発に呼応する形で、原料低密度ポリエチレンの品
質改良がさまざまなアプロ−チで進められている。
ら有用な高分子材料として各種用途に幅広く使用されて
いる。その中でも、押出コ−ティング用途(所謂ラミネ
−ト加工分野)に於いては、要求される加工特性、製品
物性より低密度ポリエチレンがその主要高分子材料の一
つとして位置付けられ、各種加工技術及びラミネ−ト製
品の開発に呼応する形で、原料低密度ポリエチレンの品
質改良がさまざまなアプロ−チで進められている。
【0003】押出コ−ティング用途で、原料低密度ポリ
エチレンに要求される重要な物性要件としてラミネ−ト
加工時に於けるネックイン特性とドロ−ダウン特性のバ
ランスの問題がある。各種加工条件下に於いてネックイ
ンの増大はラミネ−ト基材の損失を生み、特に高価な基
材を用いる製品製造時では深刻な問題となるばかりか、
安定生産性の確保の観点からも重要な要件となる。又、
生産性向上の観点からはドロ−ダウン特性も無視出来な
い重要物性であり、押出コ−ティング用途向け原料低密
度ポリエチレンについてはこの二つの特性バランスがそ
の製品の良否を示す重要な尺度となっている。
エチレンに要求される重要な物性要件としてラミネ−ト
加工時に於けるネックイン特性とドロ−ダウン特性のバ
ランスの問題がある。各種加工条件下に於いてネックイ
ンの増大はラミネ−ト基材の損失を生み、特に高価な基
材を用いる製品製造時では深刻な問題となるばかりか、
安定生産性の確保の観点からも重要な要件となる。又、
生産性向上の観点からはドロ−ダウン特性も無視出来な
い重要物性であり、押出コ−ティング用途向け原料低密
度ポリエチレンについてはこの二つの特性バランスがそ
の製品の良否を示す重要な尺度となっている。
【0004】今日迄、原料低密度ポリエチレンのネック
イン特性の改良の為種々の反応条件変更によるアプロ−
チが行われてきてはいるが、いずれもその改良効果に限
界が認められると共に反応安定性の観点からも好ましか
らぬ条件となっており、工業的見地からは有利な方法と
は言えない。従って、押出コ−ティング用エチレン重合
体の製造に於いて反応の安定性を損なうこと無くネック
イン特性の効果的改良を図る方法の開発が希望されてい
る。
イン特性の改良の為種々の反応条件変更によるアプロ−
チが行われてきてはいるが、いずれもその改良効果に限
界が認められると共に反応安定性の観点からも好ましか
らぬ条件となっており、工業的見地からは有利な方法と
は言えない。従って、押出コ−ティング用エチレン重合
体の製造に於いて反応の安定性を損なうこと無くネック
イン特性の効果的改良を図る方法の開発が希望されてい
る。
【0005】従来の押出コ−ティング用エチレン重合体
のネックイン特性改良の方法としては合成条件の変更
(反応圧力、反応温度)或はメルトフロ−レ−ト(以下
MFR)の変更により、重合体の分子構造に変化を与え
る手法がとられている。
のネックイン特性改良の方法としては合成条件の変更
(反応圧力、反応温度)或はメルトフロ−レ−ト(以下
MFR)の変更により、重合体の分子構造に変化を与え
る手法がとられている。
【0006】しかしながら、低ネックインレベルを達成
する押出コ−ティング用エチレン重合体を得るための合
成条件としては反応温度の増加、反応圧力の低下を行う
こととなるが、その他の物性への影響が大きいばかり
か、その効果にも自ずから制限が出る状況であり、結果
的に押出コ−ティング用エチレン重合体のネックイン特
性の効果的な改良につながらないものであった。さらに
上記の反応条件の変更は、反応自体の不安定性を誘発す
ることとなり工業的見地からも有利な方法とは言えない
状況にある。
する押出コ−ティング用エチレン重合体を得るための合
成条件としては反応温度の増加、反応圧力の低下を行う
こととなるが、その他の物性への影響が大きいばかり
か、その効果にも自ずから制限が出る状況であり、結果
的に押出コ−ティング用エチレン重合体のネックイン特
性の効果的な改良につながらないものであった。さらに
上記の反応条件の変更は、反応自体の不安定性を誘発す
ることとなり工業的見地からも有利な方法とは言えない
状況にある。
【0007】又、MFRの変更によるネックイン特性の
改良は、ラミネ−ト加工メ−カ−の加工機特性加えて前
記ドロ−ダウン特性の低下等から制約を受け、所望のネ
ックインレベルを得るMFRの低下が許容されない状況
にある。
改良は、ラミネ−ト加工メ−カ−の加工機特性加えて前
記ドロ−ダウン特性の低下等から制約を受け、所望のネ
ックインレベルを得るMFRの低下が許容されない状況
にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来の技術における問題点を解決し、押出コ−ティン
グ用エチレン重合体のネックイン特性の効果的な改良を
達成することにある。
の従来の技術における問題点を解決し、押出コ−ティン
グ用エチレン重合体のネックイン特性の効果的な改良を
達成することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来法の問題点を克服するため鋭意研究をした結果、次に
述べる特定の共単量体を押出コ−ティング用エチレン重
合体製造時に添加することで、従来より効果的にネック
イン特性の改良を達成できることを見い出して本発明を
完成するに至った。
来法の問題点を克服するため鋭意研究をした結果、次に
述べる特定の共単量体を押出コ−ティング用エチレン重
合体製造時に添加することで、従来より効果的にネック
イン特性の改良を達成できることを見い出して本発明を
完成するに至った。
【0010】即ち本発明は、重合開始剤及び連鎖移動剤
の存在下、高温、高圧でラジカル重合反応によりエチレ
ン系重合体を製造する方法において、共単量体としてジ
アクリル酸あるいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステ
ルの存在下にて反応を行わせしめることを特徴とする押
出コ−ティング用エチレン重体の製造方法である。
の存在下、高温、高圧でラジカル重合反応によりエチレ
ン系重合体を製造する方法において、共単量体としてジ
アクリル酸あるいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステ
ルの存在下にて反応を行わせしめることを特徴とする押
出コ−ティング用エチレン重体の製造方法である。
【0011】本発明において用いられる重合開始剤とし
ては、分子状酸素、過酸化ラウロイル、過酸化ジプロピ
オニル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ第三ブチル、第三
ブチルヒドロパ−オキシド、過酸化トリメチルヘキサノ
イル、ジイソプロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、第三
ブチルパ−アセテ−ト、第三ブチルパ−イソブチレ−ト
等を包含する有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物などが挙げられ、一般的に高温、高圧
ラジカル重合に用い得ることの知られている化合物であ
る。
ては、分子状酸素、過酸化ラウロイル、過酸化ジプロピ
オニル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ第三ブチル、第三
ブチルヒドロパ−オキシド、過酸化トリメチルヘキサノ
イル、ジイソプロピルパ−オキシジカ−ボネ−ト、第三
ブチルパ−アセテ−ト、第三ブチルパ−イソブチレ−ト
等を包含する有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物などが挙げられ、一般的に高温、高圧
ラジカル重合に用い得ることの知られている化合物であ
る。
【0012】本発明に用いられる連鎖移動剤としては、
エタン、プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、ペン
タン等のようなパラフィン系炭化水素、プロピレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、3メチルブテン−1等のよう
なオレフィン系炭化水素、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド等のようなアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソプロピルケトン等のようなケト
ン類、トルエン、エチルベンゼ等のような芳香族炭化水
素、クロロホルム、四塩化炭素等のような塩素化炭化水
素等を挙げることが出来、これらも又一般的に高温、高
圧ラジカル重合に用い得ることの知られている化合物で
ある。
エタン、プロパン、ブタン、ヘプタン、ヘキサン、ペン
タン等のようなパラフィン系炭化水素、プロピレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、3メチルブテン−1等のよう
なオレフィン系炭化水素、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒ
ド等のようなアルデヒド類、アセトン、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロ
ヘキサノン、メチルイソプロピルケトン等のようなケト
ン類、トルエン、エチルベンゼ等のような芳香族炭化水
素、クロロホルム、四塩化炭素等のような塩素化炭化水
素等を挙げることが出来、これらも又一般的に高温、高
圧ラジカル重合に用い得ることの知られている化合物で
ある。
【0013】本発明において共単量体としてジアクリル
酸あるいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステルが用い
られるが、これらは例えばジメタクリル酸エチレングリ
コ−ル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコ−ル、
ジアクリル酸ジエチレングリコ−ル、ジアクリル酸トリ
エチレングリコ−ル等が代表的な物質として挙げられ
る。
酸あるいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステルが用い
られるが、これらは例えばジメタクリル酸エチレングリ
コ−ル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコ−ル、
ジアクリル酸ジエチレングリコ−ル、ジアクリル酸トリ
エチレングリコ−ル等が代表的な物質として挙げられ
る。
【0014】上記共単量体は、重合反応に供される原料
混合物中のエチレンに対して好ましくは0.0001モ
ル%以上20モル%以下で用いられ、更に0.0005
モル%以上1モル%以下の添加で使用されることがより
好ましい。共単量体の重合反応に供される原料混合物中
への添加量がエチレンに対して0.0001モル%未満
の場合は、その添加効果が乏しく本発明の目的であるネ
ックイン特性の改良が達せられないことがあり、重合反
応に供される原料混合物中への添加量がエチレンに対し
て20モル%を越える場合においては、重合体の分子量
調整に困難をきたすと共に重合体中のゲル化成分の増大
を招く傾向があり、いずれも本発明の目的とする改良さ
れた特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体と
しての特性が十分に発揮されないことがある。
混合物中のエチレンに対して好ましくは0.0001モ
ル%以上20モル%以下で用いられ、更に0.0005
モル%以上1モル%以下の添加で使用されることがより
好ましい。共単量体の重合反応に供される原料混合物中
への添加量がエチレンに対して0.0001モル%未満
の場合は、その添加効果が乏しく本発明の目的であるネ
ックイン特性の改良が達せられないことがあり、重合反
応に供される原料混合物中への添加量がエチレンに対し
て20モル%を越える場合においては、重合体の分子量
調整に困難をきたすと共に重合体中のゲル化成分の増大
を招く傾向があり、いずれも本発明の目的とする改良さ
れた特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体と
しての特性が十分に発揮されないことがある。
【0015】本発明の製造方法においては、エチレン、
共単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する反応原
料混合物を好ましくは500kg/cm2以上4000
kg/cm2以下、更に好ましくは1000kg/cm
2以上3500kg/cm2以下の圧力で反応器に導入
し、100℃以上350℃以下、更に好ましくは150
℃以上300℃以下の温度で反応させるもので、重合反
応原料混合物中に前記共単量体を所定量添加する他は一
般的に実施されている高温、高圧下でのラジカル重合方
法となんら変わること無く実施することが可能である。
共単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する反応原
料混合物を好ましくは500kg/cm2以上4000
kg/cm2以下、更に好ましくは1000kg/cm
2以上3500kg/cm2以下の圧力で反応器に導入
し、100℃以上350℃以下、更に好ましくは150
℃以上300℃以下の温度で反応させるもので、重合反
応原料混合物中に前記共単量体を所定量添加する他は一
般的に実施されている高温、高圧下でのラジカル重合方
法となんら変わること無く実施することが可能である。
【0016】上記の本発明の方法による押出コ−ティン
グ用エチレン重合体の製造によれば、従来の反応条件の
変更即ち反応温度の増加、反応圧力の低下では効果が制
限されている低ネックイン特性を得る為の重合体分子構
造の改良が容易に図れると共に、反応安定性も全く損な
うこと無く所望のネックイン特性の改良された押出コ−
ティング用エチレン重合体を得ることができる。又、重
合反応原料混合物中の共単量体の添加量と前記連鎖移動
剤の添加量の組合せによって自由にMFRをコントロ−
ルすることも可能であり、このようにして低ネックイン
特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体を得る
ことができる。
グ用エチレン重合体の製造によれば、従来の反応条件の
変更即ち反応温度の増加、反応圧力の低下では効果が制
限されている低ネックイン特性を得る為の重合体分子構
造の改良が容易に図れると共に、反応安定性も全く損な
うこと無く所望のネックイン特性の改良された押出コ−
ティング用エチレン重合体を得ることができる。又、重
合反応原料混合物中の共単量体の添加量と前記連鎖移動
剤の添加量の組合せによって自由にMFRをコントロ−
ルすることも可能であり、このようにして低ネックイン
特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体を得る
ことができる。
【0017】本発明による共単量体の効果は、共単量体
分子中に二つの二重結合を存在させることで、重合系内
に於て架橋効果的ポリマ−の成長反応を助長させてエチ
レン重合体の分子構造に変化を与えることにあり、本共
単量体を用いない系では成し得ない低ネックイン特性を
有する押出コ−ティング用エチレン重合体が容易に得ら
れることにある。
分子中に二つの二重結合を存在させることで、重合系内
に於て架橋効果的ポリマ−の成長反応を助長させてエチ
レン重合体の分子構造に変化を与えることにあり、本共
単量体を用いない系では成し得ない低ネックイン特性を
有する押出コ−ティング用エチレン重合体が容易に得ら
れることにある。
【0018】尚、本発明は現在一般的に押出コ−ティン
グ用途に供されているエチレン共重合体、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレ−ト共
重合体等高温、高圧下のラジカル重合で製造されるエチ
レン共重合体に対しても有効である。
グ用途に供されているエチレン共重合体、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレ−ト共
重合体等高温、高圧下のラジカル重合で製造されるエチ
レン共重合体に対しても有効である。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例により詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。
説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるもので
はない。
【0020】尚、押出コ−ティング用エチレン重合体の
加工特性の良否を判断する際の物性項目として、本発明
者らはダイスウェル比を用いる。
加工特性の良否を判断する際の物性項目として、本発明
者らはダイスウェル比を用いる。
【0021】本発明者らは、押出コ−ティング用エチレ
ン重合体の種々の物性測定、構造解析の知見より、上記
ダイスウェル比が押出コ−ティング用エチレン重合体の
加工特性即ちネックイン、ドロ−ダウン性の良否に相関
関係のあることに着目し、押出コ−ティング用エチレン
重合体の加工特性評価の指標として用いている。
ン重合体の種々の物性測定、構造解析の知見より、上記
ダイスウェル比が押出コ−ティング用エチレン重合体の
加工特性即ちネックイン、ドロ−ダウン性の良否に相関
関係のあることに着目し、押出コ−ティング用エチレン
重合体の加工特性評価の指標として用いている。
【0022】各実施例、比較例の反応条件、得られた押
出コ−ティング用エチレン重合体の物性の結果を表1
に、加工性確認テストの結果を表2にまとめて示す。ま
た、表中の共重合体の物性測定条件は以下の通りであ
る。 i)メルトフロ−レ−ト(MFR) JIS K676
0 による。 ii)密度 JIS K67
60 による。 iii)ダイスウェル比 自社法
による。 (自社法)メルトインデクサ−を用いて、235℃に於
ける押出量が3g/分の時のダイス直径に対する溶融押
出樹脂の直径の比。
出コ−ティング用エチレン重合体の物性の結果を表1
に、加工性確認テストの結果を表2にまとめて示す。ま
た、表中の共重合体の物性測定条件は以下の通りであ
る。 i)メルトフロ−レ−ト(MFR) JIS K676
0 による。 ii)密度 JIS K67
60 による。 iii)ダイスウェル比 自社法
による。 (自社法)メルトインデクサ−を用いて、235℃に於
ける押出量が3g/分の時のダイス直径に対する溶融押
出樹脂の直径の比。
【0023】実施例1 内容積5lの撹はん機内蔵反応器にエチレン及び連鎖移
動剤としてエチレンに対して0.2モル%のプロピレ
ン、共単量体として0.07wt%のジメタクリル酸エ
チレングリコ−ルを含む重合反応原料混合物を2000
kg/cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給
する。反応器に重合開始剤として過酸化ジ第三ブチルを
連続的に注入して、280℃の反応温度で押出コ−ティ
ング用エチレン重合体を17kg/hの割合で製造し
た。
動剤としてエチレンに対して0.2モル%のプロピレ
ン、共単量体として0.07wt%のジメタクリル酸エ
チレングリコ−ルを含む重合反応原料混合物を2000
kg/cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給
する。反応器に重合開始剤として過酸化ジ第三ブチルを
連続的に注入して、280℃の反応温度で押出コ−ティ
ング用エチレン重合体を17kg/hの割合で製造し
た。
【0024】実施例2 実施例1と同じ反応器に、エチレン及び連鎖移動剤とし
てエチレンに対して0.7モル%のプロピレン、の共単
量体として0.045wt%のジメタクリル酸エチレン
グリコ−ルを含む重合反応原料混合物を2000kg/
cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給する。
反応器に重合開始剤として過酸化ジ第三ブチルを連続的
に注入して、250℃の反応温度で押出コ−ティング用
エチレン重合体を15kg/hの割合で製造した。
てエチレンに対して0.7モル%のプロピレン、の共単
量体として0.045wt%のジメタクリル酸エチレン
グリコ−ルを含む重合反応原料混合物を2000kg/
cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給する。
反応器に重合開始剤として過酸化ジ第三ブチルを連続的
に注入して、250℃の反応温度で押出コ−ティング用
エチレン重合体を15kg/hの割合で製造した。
【0025】比較例1 連鎖移動剤を用いないこと及び共単量体を用いない他は
実施例1と同じ操作を行い押出コ−ティング用エチレン
重合体を得た。
実施例1と同じ操作を行い押出コ−ティング用エチレン
重合体を得た。
【0026】比較例2 共単量体を用いない他は実施例2と同じ操作を行い押出
コ−ティング用エチレン重合体を得た。
コ−ティング用エチレン重合体を得た。
【0027】実施例3 実施例1と同じ反応器に、エチレン及び連鎖移動剤とし
てエチレンに対して0.8モル%のプロピレン、共単量
体として0.2wt%のジメタクリル酸1.3−ブチレ
ングリコ−ルを含む重合反応原料混合物を1600kg
/cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給す
る。
てエチレンに対して0.8モル%のプロピレン、共単量
体として0.2wt%のジメタクリル酸1.3−ブチレ
ングリコ−ルを含む重合反応原料混合物を1600kg
/cm2に圧縮して100kg/hで連続的に供給す
る。
【0028】反応器に重合開始剤として過酸化ジ第三ブ
チルを連続的に注入して、230℃の反応温度で押出コ
−ティング用エチレン重合体を14kg/hの割合で製
造した。
チルを連続的に注入して、230℃の反応温度で押出コ
−ティング用エチレン重合体を14kg/hの割合で製
造した。
【0029】比較例3 共単量体を用いないこと及びMFR調整の為に連鎖移動
剤を用いない他は実施例3と同じ操作を行い、押出コ−
ティング用エチレン重合体を得た。
剤を用いない他は実施例3と同じ操作を行い、押出コ−
ティング用エチレン重合体を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】 実施例1と比較例1とを比べてみると、共単量体として
ジメタクリル酸エチレングリコ−ルを使用した実施例1
では、MFR、密度等はほぼ同等なものであるにも係わ
らず、ネックイン特性改良の指標となるダイスウェル比
は増加を示している。
ジメタクリル酸エチレングリコ−ルを使用した実施例1
では、MFR、密度等はほぼ同等なものであるにも係わ
らず、ネックイン特性改良の指標となるダイスウェル比
は増加を示している。
【0032】又、連鎖移動剤によるMFRの調整が可能
であると共に反応安定性、生産速度等にも全く影響は認
められなかった。加えて押出コ−ティング加工特性確認
結果においても、ドロ−ダウン性に若干の低下が見られ
るものの、本発明の目的とするネックイン特性は高いダ
イスウェル比を反映しいずれのラインスピ−ドにおいて
も10mm以上の減少が見られ、低ネックイン特性を有
する押出コ−ティング用エチレン重合体が得られている
ことがわかる。
であると共に反応安定性、生産速度等にも全く影響は認
められなかった。加えて押出コ−ティング加工特性確認
結果においても、ドロ−ダウン性に若干の低下が見られ
るものの、本発明の目的とするネックイン特性は高いダ
イスウェル比を反映しいずれのラインスピ−ドにおいて
も10mm以上の減少が見られ、低ネックイン特性を有
する押出コ−ティング用エチレン重合体が得られている
ことがわかる。
【0033】反応温度を下げ連鎖移動剤としてプロピレ
ンを用いた実施例2と比較例2とを比べて見た場合にも
物性、加工特性共同じことがいえる。実施例2は、連鎖
移動剤の使用によりMFRの調整が可能であると共に共
単量体添加量が微量であってもネックイン特性改良の指
標となるダイスウェル比の増加に効果的であることを示
している。
ンを用いた実施例2と比較例2とを比べて見た場合にも
物性、加工特性共同じことがいえる。実施例2は、連鎖
移動剤の使用によりMFRの調整が可能であると共に共
単量体添加量が微量であってもネックイン特性改良の指
標となるダイスウェル比の増加に効果的であることを示
している。
【0034】共単量体をジメタクリル酸1,3−ブチレ
ングリコ−ルに変えた実施例3と共単量体を用いない比
較例3とを比べた場合にも同様な結果であり、低ネック
イン特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体が
得られていることがわかる。
ングリコ−ルに変えた実施例3と共単量体を用いない比
較例3とを比べた場合にも同様な結果であり、低ネック
イン特性を有する押出コ−ティング用エチレン重合体が
得られていることがわかる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の押出コ−テ
ィング用エチレン重合体の製造方法によれば、重合体の
ネックイン特性が大巾に改良され、所望の押出コ−ティ
ング用エチレン重合体を得ることができる。
ィング用エチレン重合体の製造方法によれば、重合体の
ネックイン特性が大巾に改良され、所望の押出コ−ティ
ング用エチレン重合体を得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】重合開始剤及び連鎖移動剤の存在下、高
温、高圧でラジカル重合反応によりエチレン系重合体を
製造する方法において、共単量体としてジアクリル酸あ
るいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステルの存在下に
て反応を行わせしめることを特徴とする押出コ−ティン
グ用エチレン重合体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法において、ジアク
リル酸あるいはジメタクリル酸のグリコ−ルエステルを
重合反応に供する原料混合物中のエチレンに対して0.
0001モル%から20モル%添加することを特徴とす
る押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の製造方法において、
エチレン、ジアクリル酸あるいはジメタクリル酸のグリ
コ−ルエステル、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する
反応に供する原料混合物を500kg/cm2以上40
00kg/cm2以下の圧力で反応器に導入し、100
℃以上350℃以下の温度で反応させる、押出コ−ティ
ング用エチレン重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21476392A JPH0641238A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21476392A JPH0641238A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641238A true JPH0641238A (ja) | 1994-02-15 |
Family
ID=16661138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21476392A Pending JPH0641238A (ja) | 1992-07-21 | 1992-07-21 | 押出コ−ティング用エチレン重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641238A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1992
- 1992-07-21 JP JP21476392A patent/JPH0641238A/ja active Pending
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