JPH063723A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH063723A
JPH063723A JP4164737A JP16473792A JPH063723A JP H063723 A JPH063723 A JP H063723A JP 4164737 A JP4164737 A JP 4164737A JP 16473792 A JP16473792 A JP 16473792A JP H063723 A JPH063723 A JP H063723A
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JP4164737A
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Nobuyuki Watanabe
伸之 渡辺
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、入力画像の輪郭抽出や明暗反転など
を複数の画像処理演算を、電気信号の処理を用いず、か
つ外部から操作することなく、超並列光コンピューティ
ングにて行うことができる画像処理装置の提供を図る。 【構成】本発明の画像処理装置は、光によって触媒され
るベロゾフ・ザボジンスキ反応の反応相からなる画像処
理部10と、第1の波長光にて画像入力を行う書込み用
光源11と、第2の波長光にて出力パターンを読出す読
出し用光源12と、読出された出力パターンをコヒーレ
ント像に変換する空間光変調器13とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輪郭抽出、反転等の画
像処理演算機能を持った画像処理装置に係り、さらに詳
しくは非線形な光化学反応を電気光学的に結合すること
による光コンピューティングを行うことのできる画像処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入力画像の輪郭抽出等の演算処理
は、電気信号の処理によって行なわれていたが、画素数
が多くなる様な超並列処理に至っては、電気信号の演算
処理を行うコンピュータ側に限界があるとされている。
【0003】そこで、画像処理演算などの並列処理を、
そのような機能をもった光学デバイスに任せることによ
り、電気信号処理系の負担を軽減することが試みらるよ
うになってきた。
【0004】光学的にこれを実現するためには例えば、
レンズ系によるフーリエ変換面の演算によって入力像の
微分を行うフィルターを作る方法がある。この方法は、
第1のレンズ系で画像のフーリエ変換を行い、このフー
リエ変換像の演算(微分等)をマスクで行い、さらに第
2のレンズ系でフーリエ変換を行って所望の画像を得る
ものである。また画像の輪郭抽出等の処理を光学的に行
う方法としては、微分干渉や差分画像の位相共役による
ホログラム等が考えられている。
【0005】しかしながら、上述した複数のレンズ系と
マスクとを組み合わせる方法は、高速な演算速度を持つ
が、レンズの焦点距離による幾何学的な制限により微小
化、一体化の開発には不利である。また一つの光学系は
基本的には、外部から光学部品を操作して光学部品の配
置を変えなければ、単一の画像処理演算しかすることが
できなかった。
【0006】また、上記微分干渉法では位相差ができな
い様な対象物には適用することができないという欠点が
ある。上記差分法は、差分をとるための画像情報を予め
用意するか、あるいは光学系の途中でこれを新たに合成
しなければならなかった。また、これらの方法でも基本
的には単一の画像処理演算しかできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、光学的に
画像処理演算を行うようにした従来の画像処理装置は、
外部から光学系に対して機械的な操作を加えなければ、
単一の画像処理演算しかすることができなかった。ま
た、光学系の幾何学的な制約等により装置が大型化する
等の問題があった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、入力画像の輪郭抽出や明暗反転などの画像処理演算
を、電気的な処理ではなく、光化学反応による自己組織
的な超並列光コンピューティングにて行うことができ、
しかも装置の小型化を図ることができると共に、光コン
ピュータとの接続が容易な画像処理装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像処理装置は、光によって触媒され空間・
時間的なパターンがあらわれる光化学反応を用いて入力
画像の演算処理を行なう画像処理部と、この画像処理部
に対して光触媒反応を起こさせる第1の波長光により所
定の画像を入力する画像書込手段と、前記第1の波長光
とは波長の異なる第2の波長光を前記画像処理部に照射
して当該画像処理部から演算処理されたパターンを読出
すパターン読出手段と、このパターン読出手段によって
読み出されたパターンを空間光変調してコヒーレント光
の状態に変換する空間光変調手段とを具備してなるもの
とした。
【0010】
【作用】本発明の画像処理装置では、画像書込手段から
画像処理部に対して第1の波長光により画像が入力され
ると、画像処理部では第1の波長光によって触媒され空
間・時間的なパターンがあらわれる光化学反応により、
その入力画像が演算処理されて所定のパターンが現れ
る。このパターンは時間的に変化する。例えば、初めに
入力画像の輪郭抽出パターンが現れ、所定時間経過する
と反転画像パターンが現れる。なお、この様な現象を示
す反応としては、光触媒によるベロゾフ・ザボチンスキ
ー(Belozov Zhabotinskii )反応がある。
【0011】一方、パターン読出手段から画像処理部に
対して第2の波長光を照射することにより、その時点で
画像処理部に現れているパターンが読出され、空間光変
調手段によって空間光変調されてコヒーレント光に変換
される。ここで、光によって触媒されるベロゾフ・ザボ
チンスキー反応について具体的に説明する。
【0012】ベロゾフ・ザボチンスキー反応は一種の反
応拡散系の力学系であり、反応液内の各体積要素の挙動
が非線形項で結合している。ほとんどの反応拡散系の力
学系は定常状態を持たず、また力学系の時間発展におい
て興味深い挙動が見られることは、よく知られている。
【0013】この様な反応を用いることは、上述した全
光学的な画像処理に見られる様ないわゆる参照画像との
比較または教師付きの学習を行う処理系とは異なり、自
己組織的あるいは自己創出的な演算処理を行う点に特徴
がある。上記ベロゾフ・ザボチンスキー反応の主な過程
を以下に示す。 BrO3 - +Br- +2H+ =HBrO2 +HOBr …(1) HBrO2 +Br- +H+ =2HOBr …(2) BrO3 - +HBrO2 +H+ +2Ru(II) =2Ru(III) +2HOBr+H2O …(3) 4Ru(III) +BrCH(COOH)2 +2H2 O =4Ru(II)+HCOOH+2CO2 +5H+ +Br- …(4) 2HBrO2 =HOBr+BrO3 - +H+ …(5)
【0014】ここで、陽に現れない反応過程は省略して
いる。上記式(1)〜(5)においてBr- の再生の反
応が付加されれば、全反応は自己触媒的である。Ru(I
II) に400〜500nm付近の可視光を照射すると、
+2価の3重項励起状態になり容易にBrイオンを還元
する。 photon(光)
【0015】 Ru(III) +e- *Ru(II) Eo =−0.84V …(6) 6 *Ru(II)+2+BrO3 - +6H+ =6Ru(III) +3+3H2 O+Br- …(7) 即ち、光の照射によってベロゾフ・ザボチンスキー反応
を制御できる。
【0016】一方、Ru(bpy)3 2+の吸収スペクト
ルは、図3に示した様に400〜500nm付近に吸収
極大を持つことから、この付近の波長を有する光を第1
の波長光として用いて光触媒反応を行えば、画像の入力
を行えることがわかる。
【0017】例えば、図4(a)に示すようなパターン
の第1の波長光を照射すると、蛍光性の *Ru(II)の分
布が形成され、その分布に応じて図4(b)にようなB
- イオンの濃度分布が発生する。
【0018】上記式(1)〜(5)の反応においてはB
- イオン濃度に応じて系が阻害され減衰したり、また
振動的に振舞ったり、成長したりする。そのため、図4
(a)に示すように、時刻t1には均一であった反応層
に、時刻t2には光照射によってBr- の分布ができ、
これによって自己触媒反応が開始し、時刻t3には反応
の時間発展が見られる。
【0019】しかも、Br- 濃度には反応の阻害と成長
の臨界点が存在し、その付近では図4(b)に示すよう
に、吸光度分布に対応して輪郭が成長する。この様な吸
光度分布に対応した輪郭成長が輪郭演算機能として働く
ものと考えられる。
【0020】上記式(1)〜(7)の反応は光触媒反応
を含めた自己秩序形成反応としてPrigogine−Nicoli
s,Noyesらによって詳しく研究されている。その研究
結果によれば、非平衡な系においては反応速度と反応系
の時間的、空間的な構造の間に興味深い相関が見られ
る。確かに該当する反応係数や輸送係数の値を決める相
互作用が短距離力(原子価力、ファンデル・ワールス
力)に由来していることは事実ではあるが、対応する力
学系の解は全体としての特徴にも作用するので、散逸構
造としては長距離の相関が結果として見られるわけであ
る。
【0021】この反応系においてはBr- が秩序パラメ
ータに相当していて、これが平衡状態からの乖離度を決
めている。すなわち照射される光の強度によって反応系
の散逸構造が次第に分岐していく。従って、この反応系
において入力画像は非平衡開放系における秩序パラメー
タの摂動パターンと見なせる。
【0022】この様な反応系を用いた画像処理は、前述
の全光学的な画像処理に見られる様ないわゆる「参照画
像との比較または教師付きの学習」を行う処理系とは異
なり、自己組織的あるいは自己創出的な演算処理を行う
点に特徴があるといえる。上式(1)〜(7)であらわ
した光触媒のベロゾフ・ザボチンスキー反応を用いてネ
ガ画像の現像を行った例を以下に説明する。
【0023】あるネガ画像を、式(1)〜(5)に含ま
れる試薬を含む酸性水溶液の入ったペトリ皿の上に置
き、上部より光源を照らし露光する。露光後、ネガを取
り去った画像の変化を調べたところ、2価のルテニウム
錯体はオレンジ色で3価のものが青色であることから、
両者の分布は容易に肉眼で判断できる。なお、画像は青
色フィルタを通して自然光下で撮影してある。そして、
時間が経過するにつれポジ像が現れ、輪郭抽出像が現れ
る。更に、時間が経過すると、先ほどの輪郭線が波とな
って画像中央に伝播していく。
【0024】このように、ベロゾフ・ザボチンスキー反
応により入力画像から、例えば輪郭というパターンが外
部からなんら操作を与えることなく自己組織的に生成さ
れる。これは、例えば入力された画像から新たな特徴を
創出し記録する画像データベース又は超並列処理の人工
知能として応用できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図1には、本発明の実施例に係る画像処
理装置の全体図が示されている。
【0026】本実施例の画像処理装置は、上記(1)〜
(7)式の反応を示す反応液を薄板状の透明容器に封入
してなる反応相10を備えている。すなわち、この反応
相10は、光触媒を含むベロゾフ・ザボチンスキー反応
を用いた画像処理を、自己組織的な散逸構造の時間・空
間パターンであるBr- 、Ru(Biphy)3 2+、又
はRu(Biphy)3 3+の濃度パターンとして出力す
る。
【0027】なお、Ru(Biphy)3 2+とRu(B
iphy)3 3+は、可視吸収の帯域で区別することがで
き、光触媒反応自体は中心波長400〜500nmの範
囲の単色光で励起されるため吸収帯域がより長い波長に
あるRu(Biphy)3 3+の濃度パターンを用いるこ
とが望ましい。
【0028】反応相10の一方の面に対向して、画像書
込手段としての書込用光源11及びパターン読出し手段
としての読出し用光源12が夫々配置されている。本実
施例では、書込用光源11は第1の波長光として中心波
長400〜500nmの単色光を用い、その第1の波長
光で入力画像を上記反応相10に書き込むようにしてい
る。また読出し用光源12は、第2の波長光として低パ
ワーで、かつ中心波長580〜700nmの長波長光を
用いており、その第2の波長光を反応相10に照射する
ことにより、反応相10の上記濃度分布を読出してい
る。
【0029】反応相10の他方の面に対向して、空間光
変調器13が配置されている。この空間光変調器13
は、反応相10に現れたパターンが入射する薄板状の光
電変換部14と、光電変換部14から2次元的に入力す
る信号をそのまま2次元状に増幅するマイクロチャネル
プレート15と、反射用導電性フィルム16と、電気光
学結晶17と、透明電極18とからなる。
【0030】空間光変調器13の透明電極18に対向し
て光軸に対し45度の角度でハーフミラー19が配置さ
れている。そして空間光変調器13から見て、ハーフミ
ラー19の透過側には、コリメートした直線偏光のレー
ザ光を入射する光学系(不図示)が設けられており、反
射側には偏光板21が配置されている。
【0031】また本実施例では図2に示すような光学系
を備えている。すなわち、書込み用光源11から出射さ
れた第1の波長光を、第1のレンズ22で平行光束に
し、この平行光束によって抽出された入力画像を第2の
レンズ23によって反応相10上に結像させている。な
お、第2のレンズ23から出射した画像を反応相10に
対して垂直に入射させるためにミラー24を用いてい
る。また、読出し用光源12から出射した第2の波長光
を第3のレンズ25で平行光束として反応相10に入射
させている。なお、画像読出しの際には、上記ミラー2
4は光路上から外しておく。さらに、反応相10と空間
光変調器13との間の光路上には、反応相10に現れた
濃度パターンを光電面14上に結像させる第4のレンズ
26が配置されている。上記空間光変調器13の具体的
な構造を図5〜図7に示す。
【0032】マイクロチャネルプレート15は、図6に
示すように無数の微小な穴(チャネル)が形成されてお
り、これら各チャネルに対して直流電源31から電圧が
垂直に印加されており、各チャネルに電位勾配を形成し
ている。また透明電極18には直流電源32により、マ
イクロチャネルプレート15の出側の電位よりも高い電
圧が印加されている。また電気光学結晶17は、XNb
3 、XIO3 のいずれかの材料からなる。ただし、X
はアルカリ金属である。次に、以上のように構成された
本実施例の動作について説明する。
【0033】例えば、入力画像としてパターン“A”を
書込む場合は、ミラー24を図2に示す位置に配置し、
書込み用光源11からの第1の波長光でパターン“A”
を照明する。これにより中心波長400〜500nmの
光でパターン“A”の画像が反応相10上に結像され
る。
【0034】その結果、上述した光触媒のベロゾフ・ザ
ボチンスキー反応を用いてネガ画像を現像した場合と同
様に、パターン“A”の画像の輪郭が自己組織的な散逸
構造パターンとして現れ、さらに時間が経過すると散逸
構造の時間発展によって様々なパターン(画像反転等)
が現れる。
【0035】例えば、自己組織的な散逸構造パターンと
して画像の輪郭が現れているときに、読出し用光源12
から第2の波長光を反応相10に対して照射する。第2
の波長光は上記したように低パワーの微弱光であるた
め、反応相10における光触媒反応に対する摂動が最小
限に押さえられる。これにより、非平衡開放系における
散逸構造の真の状態に近いパターンを光によって検出で
きる。
【0036】パターン“A”の輪郭抽出画像の透過光
は、空間光変調器13の光電変換部14の面上に結像
し、ここで光電変換された後にマイクロチャネルプレー
ト15に入射する。
【0037】一方、マイクロチャネルプレート15に
は、微弱光を高感度に検出可能な最適値に設定された電
圧が印加されている。マイクロチャネルプレート15の
各チャンネル内に電子が飛び込むと、マイクロチャネル
プレート15に垂直に印加された電位勾配に引かれて電
子は内壁を数十回衝突しながら反対側から放射される。
7の衝突の際にチャンネルの内壁は2次電子を放出する
ため電子は衝突回数のベき乗で増幅される。通常のゲイ
ンは数千倍程に達する。
【0038】この様にしてマイクロチャネルプレート1
5で増幅された電子は導電性フィルム16を介して電気
光学結晶17に印加される。その電気光学結晶17を挟
んで反対側に設置した透明電極18にはマイクロチャネ
ルプレート15の出射側の電位よりも高い電圧がかかっ
ており、電気光学結晶17に電荷の分布に応じた電場が
形成され結晶内に屈折率の分布ができる。この屈折率分
布は、主に1次の電気光学効果によるものであり、屈折
率nの変化量Δnはある方向に印加される電界Eに比例
する。
【0039】ここで結晶中でのx、y、z方向の光の伝
播特性への印加電圧電界の影響を屈折率楕円体の係数の
変化として記述する。まず、電界の存在下での屈折率楕
円体の式を次の様に表す。
【0040】
【数1】 ここでx、y、zを主誘電座標軸に選んだとすると、結
晶への印加電圧が0の場合は(1/n2 4 から(1/
2 6 までの項は0である。 係数:(1/n2 i(但しi=1,…,6)の印加電
界による線型変化を次のように定義する。
【0041】
【数2】 なお、上式(8)(9)において、1から3の添字は座
標系を表している。ここでrijおよびEj を行列の形式
で表現する次のようになる。
【0042】
【数3】
【0043】ここで(10)式中の6行3列の行列は
(1次)電気光学テンソルと呼ばれる。結晶が反像対称
性(電気光学テンソル成分が全て0)の場合は1次の電
気光学効果が現れない。電気光学テンソルの形式(対称
性)は結晶系の点群の対称性によって分類されるが、例
えば、LiNbO3 やKDP(KH2 PO4 )の場合に
は電気光学テンソルが0ではないので式(8)の交叉項
が0でない値を持つので屈折率楕円体の主軸は電界0の
ときと異なり、屈折率の新しい主軸に関する成分電界0
のときとは異なった値を持つことがわかる。
【0044】従って、マイクロチャネルプレート15の
出射電子の電場の影響をうけて屈折率分布を持った電気
光学結晶17に,不図示の光学系から直線偏光のコヒー
レント光を入射すると、電気光学結晶17の屈折率分布
に従って変調を受けて偏光面が回転する。偏光面の回転
角は結晶の光軸方向に形成された電場に比例する。この
ようにしてインコヒーレント光の情報(光強度分布)が
コヒーレント光の情報に変換される。
【0045】反応相10に現れるパターンは時間発展す
るので、読出しタイミングを変えて第2の波長光を反応
相10に照射すれば、様々なパターンが上記同様にコヒ
ーレント光に変換されて取り出される。この様にして画
像処理演算が施され、かつコヒーレント光に変換されて
取り出された情報は、例えば当該画像処理装置に接続し
た光コンピュータに入力されるものとなる。
【0046】また、読出し用光源11の波長に、Br-
あるいはRu(Biphy)3 2+の吸収帯域の波長を用
いることにより、Br- あるいはRu(Biphy)3
2+が励起されて、上記例示したRu(Biphy)3 3+
とは違った散逸構造パターンが現れる。従って、その散
逸構造パターンを空間光変調器13を使ってコヒーレン
ト像に変換して読出すことにより、異なる画像処理像を
得ることができるものとなる。これは、画像を入力し反
応を開始してから読出しまでの時間と、励起光の波長
と、読出し光の強度とを選ぶことにより、外部から何の
操作(デジタル画像処理におけるプログラムの書き替
え、光学配置や光学素子の置き換え)を行うことなく、
1つのデバイスで複数の画像処理演算を実施できること
を意味している。
【0047】この様に本実施例によれば、光触媒反応を
含む非平衡開放系の反応であるベロゾフ・ザボチンスキ
ー反応を用いて入力画像の輪郭抽出や明暗反転などを電
気信号の処理を用いずに自己組織的な超並列光コンピュ
ーティングを行うことができる。その画像処理結果の読
出しを、空間光変調器13を用いて演算処理の時間発展
(インコヒーレント光のパターン)をコヒーレント光の
偏光分布に変換し出力することにより、従来のコヒーレ
ント光による光コンピュータと接続が可能な素子を構成
できる。さらに、自己組織的なパターンが時間発展を伴
うため、画像読出しまでの時間(反応時間)を違える事
により、単一の素子で複数の画像演算処理を行うことが
できる。しかも画像読出しまでの時間を変える以外の操
作は一切行う必要がない。
【0048】ところで、マイクロチャネルプレートは微
弱光の電気的増幅に用いられるものであるので、強いレ
ベルの光が入射すると、いわゆる“焼き付き”が生じ
て、光が入射した位置にあるチャネルの光感度が低下し
たり、動作不良を起こす可能性がある。
【0049】そこで図8及び図9に示すように、反応相
10と空間光変調器13との間に、シャッター33を設
けて、画像入力の際には図8に示すようにシャッター3
3を閉じてマイクロチャネルプレート15を保護し、パ
ターン読出しの際には図9に示すようにシャッター33
を開く。
【0050】そして、シャッター33を開放した状態で
反応相10に第2の波長光を照射し、同時にコヒーレン
ト読出しのための直線偏光のレーザ光を電気光学結晶1
7に照射するとコヒーレント像が得られる。なお、シャ
ッター33は機械的なもの、または電子的、あるいは液
晶によるものなどてあってもよい。
【0051】また、上記電気光学結晶17の材料とし
て、XH2 PO4 (但しXはNH4 ,K)、BaTiO
3 、さらには2元系GaAsGaPGaSb,CdT
e,ZnTe,ZnSe,CdSe,α−ZnSを用い
ることもできる。
【0052】また空間光変調器として、液晶ライトバル
ブ、可変形サーモプラスチック、磁気光学マトリックス
等を用いることもできる。またより小電力で動作させる
ために、多量子井戸構造のデバイスでの光屈折率変調器
を用いることができる。また上記実施例では入力画像に
透過光を用いているが、反射光や同様な波長を持つダイ
オードアレイの発光パターンのような離散的な画像であ
ってもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、入力
画像の輪郭抽出や明暗反転などの複数種類の画像処理演
算を、電気的な処理ではなく、かつ外部から操作するこ
となく、光化学反応による自己組織的な超並列光コンピ
ューティングにて行うことができ、しかも装置の小型化
を図ることができると共に、光コンピュータとの接続が
容易な画像処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る透過型の画像処理装置
の説明図。。
【図2】図1に示す画像処理装置におけるビーム径を調
整する光学系の構成図。
【図3】Ru(bpy)3 +2吸収スペクトルの特性図。
【図4】光照射によるBr- イオンの濃度分布を示す
図。
【図5】図1に示す画像処理装置に備えられた空間光変
調器の具体的な構成図。
【図6】マイクロチャネルプレートの斜視図。
【図7】マイクロチャネルプレートの動作説明図。
【図8】実施例に係る画像処理装置のシャッターが閉じ
た状態を示す図。
【図9】実施例に係る画像処理装置のシャッターが開い
た状態を示す図。
【符号の説明】
10…反応相、11…書込み用光源、12…読出し用光
源、13…空間光変調器、14…光電変換部、15…マ
イクロチャネルプレート、16…反射用導電性フィル
ム、17…電気光学結晶、18…透明電極、19…ハー
フミラー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光によって触媒され空間・時間的なパタ
    ーンがあらわれる反応を用いて入力画像の演算処理を行
    なう画像処理部と、この画像処理部に対して前記反応を
    起こさせる第1の波長光を照射することにより所定の画
    像を入力する画像書込手段と、前記第1の波長光とは波
    長の異なる第2の波長光を前記画像処理部に照射して当
    該画像処理部から演算処理されたパターンを読出すパタ
    ーン読出手段と、このパターン読出手段によって読出さ
    れたパターンを空間光変調してコヒーレント像に変換す
    る空間光変調手段とを具備したことを特徴とする画像処
    理装置。
JP4164737A 1992-06-23 1992-06-23 画像処理装置 Withdrawn JPH063723A (ja)

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