JPH06337282A - バッテリー計測装置 - Google Patents

バッテリー計測装置

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JPH06337282A
JPH06337282A JP5148392A JP14839293A JPH06337282A JP H06337282 A JPH06337282 A JP H06337282A JP 5148392 A JP5148392 A JP 5148392A JP 14839293 A JP14839293 A JP 14839293A JP H06337282 A JPH06337282 A JP H06337282A
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JP
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battery
voltage
current
charge
predetermined
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Withdrawn
Application number
JP5148392A
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English (en)
Inventor
Ikuo Minamino
郁夫 南野
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
Application filed by Omron Corp, Omron Tateisi Electronics Co filed Critical Omron Corp
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Publication of JPH06337282A publication Critical patent/JPH06337282A/ja
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/36Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
    • G01R31/382Arrangements for monitoring battery or accumulator variables, e.g. SoC
    • G01R31/3842Arrangements for monitoring battery or accumulator variables, e.g. SoC combining voltage and current measurements

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リアルタイムで正確な残存容量や寿命判定等
の各種の特性を計測することのできるバッテリー計測装
置を提供すること 【構成】 バッテリー11の端子電圧,充/放電電流を
電圧測定部13,電流測定部14で計測するとともに特
性算出部15に送り、残存容量などを求める。特性算出
部15では、まず、電極周囲の電荷算出部17にて電
圧,電流に基づいてその周囲の電荷Qnを求める。この
電荷は電圧に略比例し、しかも電流の変化に対し所定の
遅れ特性を有する。そこで、全電荷算出部18では、上
記遅れを伝達関数で表現し、その逆特性でもって進み補
償を行うことにより、拡散による遅れの影響を受けず、
その時のバッテリーの全電荷(残存容量)Qaを算出す
る。この算出したQaに基づいて、各処理部19,20
にて開放電圧や寿命判定も拡散の影響を受けることなく
瞬時に正確に求まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリー計測装置に
関するもので、より具体的にはバッテリーの残存容量や
寿命判定などの各種特性(性能)等を測定するための装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】充電が行えるバッテリー(蓄電池)は、
無停電電源システムや、車載並びに太陽光発電システム
等様々な分野に利用されている。そして、そのバッテリ
ーは、容器本体内に電解液を充填するとともにその電解
液内に電極を挿入配置した構成となっている。
【0003】ところで、バッテリーの残存容量を知るこ
とは、充電の必要性の有無並びにその充電量(時間)
や、寿命判定などを知る上で重要なことであり、係る残
存容量計測装置として、従来種々のタイプのものが提案
されている。そして、その一例を示すと、例えば特開昭
63−208773号公報に開示されるように、バッテ
リーへの充電電流並びにバッテリーから負荷へ供給され
る時の放電電流を積算し、その電流の積分量から現在の
バッテリーの残存容量を求めるものがある。すなわち、
残存容量は、現在のバッテリー内に貯留されている電荷
の総量に相当し、電流を積算する(充電電流は正,放電
電流は負)ことによりバッテリーへの電荷の供給量と放
出量の総和が求められるからである。
【0004】また、寿命判定装置としては、例えば特開
平2−55536号公報に開示されるように、まず平常
時(商用電源から負荷に対して電力供給している時)に
バッテリーに対しても浮動充電等の方法で充電し、満充
電状態(残存容量100%)にする。そして、疑似停電
を発生させてバッテリーから負荷に電力を供給する。こ
の放電中の電池の端子電圧を測定し、その電圧が所定の
電圧に降下した時までの出力電流の積分量を求め、その
積分量が所定量に達していたか否かにより寿命か否かの
判定をするようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のものでは、以下に示す問題を有する。すなわち、いず
れも電流を積算するようにしたため、積算するもととな
る算出値に誤差を生じると、係る誤差が累積され正確な
計測ができない。また、充電電流のすべてのエネルギー
が充電(電荷の蓄積)に用いられるのではなく、充電効
率に従って所定量が充電に使用される。そして、その充
電効率は残存容量によっても変動し、さらに、温度によ
っても変化するので正確に把握することができず、累積
する誤差の発生の要因となる。
【0006】ところで、従来から残存容量はバッテリー
の端子間の開放電圧と温度から比較的正確に検出するこ
とができることは知られている。すなわち、上記したよ
うに残存容量は、そのバッテリーの電解液内に貯留され
ている電荷の総量に比例し、しかも上記開放電圧も総電
荷量により決定されるからである。従って、開放電圧を
計測することにより残存容量を求めることができる。
【0007】しかしながら、上記バッテリーの充/放電
は、電解液1と電極板2間での化学反応に基づいて生じ
るため、充/放電中並びにその後一定時間は、電極板2
の周囲(領域A)の電解液濃度と、電極板2から離れた
領域Bでの電解液濃度が異なる(図9参照)。そして係
る濃度差に基づく自然拡散により電解液全体の濃度が均
一になるのには数時間から数日間かかる。すなわち、図
10(A)に示すように、ある時刻t1〜t2間での間
に一定の電流値でもって放電した場合の出力電圧の変化
は、同図(B)に示すようになる。図示するように、時
刻t1で負荷に接続して放電することにより、まず瞬時
に内部抵抗に相当する電圧降下ΔV(=iR)を生じ、
その後放電終了時刻t2まで、端子電圧は徐々に降下す
る。そして、時刻t2以降は開放電圧となるため瞬時に
内部抵抗に伴う電圧降下分だけ電圧が上昇し、その後、
開放電圧は徐々に上昇し、所定の電圧値に収束する。こ
の様に、電圧の変化は所定の遅れがある。なお、この現
象は、充電時にも同様に発生する。
【0008】従って、現在のバッテリーの開放電圧を正
確に測定するためには、電流を零にした状態でさらに所
定時間またなければならず、充/放電を頻繁に行い、し
かも、その時に流れる電流も変動する太陽光発電システ
ムや電気自動車その他の車載用バッテリーに適用するこ
とはできない。また、無停電電源装置などのバックアッ
プ用のバッテリーでしかも待機中は電流の充/放電が行
われないような構成のものには適用する余地はあるもの
の、やはり、測定のためには一定時間またなければなら
ず放電終了後すぐにその時の残存容量を知りたい場合に
は、上記遅れにともなう誤差を生じ、さらに安定状態
(電解液中の各領域での濃度差がなくなる)になったこ
とを確認することは困難であるため、やはり、誤差を含
むものとなる。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、充/放電停止後はも
ちろんのこと、充/放電中であってもリアルタイムで正
確なバッテリーの端子電圧(開放電圧も含む)を検出す
ることができ、残存容量や寿命判定等の各種の特性を瞬
時かつ正確に計測することのできるバッテリー計測装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係るバッテリー計測装置では、バッテ
リーの充電電流,放電電流,端子電圧の少くとも1つの
所定の情報に基づいて残存容量や寿命判定などの所定の
特性を計測するバッテリー計測装置であって、前記電流
に基づく電圧の遅れ特性を伝達関数で表現し、その伝達
関数の逆特性でもって前記所定の情報に対し進み補償を
行う手段を備え、その進み補償した補正情報に基づいて
前記所定の特性を計測するようにした。
【0011】
【作用】バッテリーが充/放電する時には、まず、電極
の周囲の電解液(電解質)から化学反応を生じ、電極か
ら離れた領域に位置する電解液は充/放電開始後すぐに
は化学反応を起こさない。そのため、電解液の中で濃度
差を生じる。そして、その濃度差にともない、平衡状態
になるべく電荷の移動(拡散)が生じる。そして、この
電荷の移動は、電解液の濃度が均一(濃度差零)になる
まで行われる。
【0012】ところで、バッテリーの端子電圧は、電極
の周囲に存在する電解液の濃度(電荷)に対応するもの
であるため、例えば一定電流で放電し、その後、停止し
た場合の端子電圧の変化は、放電中は徐々に減少してい
き放電停止後は徐々に上昇し放電した電荷分だけ放電開
始時の電圧から低い電圧値に収束する。すなわち、所定
の遅れ現象が生じる。
【0013】そこで、バッテリーを1次または2次の所
定の遅れのある制御対象とし、化学反応と拡散に起因す
る電流に対する電圧の遅れを、その濃度差による拡散速
度を考慮してモデル化し、その遅れ現象を伝達関数で表
現する。そして、端子電圧の変化(電極の周囲の電荷の
変化)に対して上記伝達関数の逆関数(逆特性)でもっ
て進み補償をして補正すると、得られた補正電圧,補正
電荷は、現在の状態で濃度差零になった時の各値とな
る。よって実際に平衡状態になるまで待つことなく、収
束時の各情報を得ることができ、拡散の影響を受けるこ
となくリアルタイムに必要なデータが得られ、それに基
づいて各特性が計測される。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るバッテリー計測装置の好
適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図1は本
発明の第1実施例を示している。同図に示すように、整
流器10を介してバッテリー11並びに負荷12に電力
供給がされ、バッテリー11は満充電(端子電圧が整流
器出力(負荷に係る電圧)と等しい)になるまで充電さ
れる。そして停電時にはバッテリー11に蓄えられた電
荷が放出され、このバッテリー11から負荷12へ電力
供給をするようになっている。そして、図示省略する
が、整流器10は商用電源や太陽電池などの所定の電源
に接続されている。
【0015】そして本例は係るバックアップシステムに
用いられるバッテリー11の所定の特性を計測するもの
で、まず、バッテリー11の正負の端子11a間に電圧
測定部13を接続し、その端子間電圧Vを測定するよう
になっている。なお、本例では上記したごとくバッテリ
ー11は、開放されることがないため、開放電圧Voは
計測されない。
【0016】また、バッテリー11の正極端子には、バ
ッテリー11からでる放電電流ih(ih<0の時は充
電電流となる)を計測するための電流測定部14を接続
し、この電流測定部14を介して上記整流器10や負荷
12と接続されている。そして、それら両測定部13,
14にて検出した電圧V,電流ihを特性算出部15に
送り、そこにおいて与えられたデータに基づいて所定の
特性(残存容量(バッテリーの全電荷Qa),開放電圧
Vo,寿命判定など)を求め、それを表示部16に表示
するようになっている。
【0017】ところで、上述したごとく上記電圧測定部
13にて検出した電圧Vは、電解液中の濃度差に基づく
拡散の影響から所定の遅れを生じるため、その時のバッ
テリー11が本来の出力すべき電圧(濃度差がないとし
た場合の電圧)と異なる。従って、係る異なる電圧Vに
基づいて各種の特性を求めても誤差を生じてしまう。
【0018】そこで本発明は、係る遅れ現象に着目し、
バッテリーを係る遅れのある制御対象ととらえ、所定の
進み補償を行うことにより上記遅れを補正し、リアルタ
イムで正確な残存容量等の特性を求めることができるよ
うにした。
【0019】まず、残存容量を求めるために必要な電荷
と放電電流の関係について考える。拡散の影響がなく瞬
時に電解液が均一に混ざり合うとすると、濃度ρa(拡
散終了後の平衡状態での濃度)は電解液中に存在する全
電荷Qaに比例した変化が起こる。また、電解液の全容
積をVa,全電荷をQa、放電電流をihとおくと、下
記式が成り立つ。
【0020】
【数1】 次に、拡散の影響を考えると、電極板の周囲から化学反
応が進み、その周囲の領域の電解液濃度と、電極板から
離れた領域の電解液濃度との間で濃度差が生じる。そし
て、濃度差が大きいほど拡散速度が速くなり、拡散が進
み濃度差が少くなるとその速度も遅くなる。そしてその
拡散により反応済みの電解液(電極板周囲の領域に位置
する)と、未反応の溶液が入れ替わり、その入れ替わり
によりイオン電荷が流入し(電流が流れる)、濃度の差
が減少する。
【0021】係る現象のために遅れが生じるが、その遅
れを式で表現すべく本例では、図2(A)に示すような
モデリングをした。すなわち、バッテリー11は、公知
のように容器本体11b内に所定量(容積Va)の電解
液11cを充填し、その電解液11c内に正負の電極板
11dを浸漬させる。そして、この電極板11dが、図
1(A)に示す正負の端子11aに接続される。係る構
成において、電極板11dの周囲の狭い範囲の領域A
(比較的早く反応が生じる)と、それ以外の広い範囲の
領域B(遅れて反応する)に分け、領域Aの濃度をρ
n,領域Bの濃度をρwとする。すると、濃度ρn,ρ
wと単位体積あたりの電荷は比例関係にあるので、それ
ぞれ下記式が成り立つ。
【0022】
【数2】 そして、上記したイオンの移動i1は濃度に比例するた
め、下記式で表現することができ、かかる現象を等価回
路で示すと同図(B)で表すことができ、さらに上記イ
オンの移動i1(領域Bから領域Aに流れ込む)の現象
を図示すると同図(C)に示すようになる。
【0023】
【数3】 そして、時間tの経過に伴う上記各値の変化は、図3に
示すようになる。すなわち、同図(A)に示すように、
放電電流ihが時刻t1からt2までの間一定電流だけ
流れ、それ以外は電流が流れないものとする。すると、
同図(B)に示すように、領域Aの電荷Qnは、時刻t
1からすぐに、しかも比較的急激に減少し、t2以降
は、徐々に上昇する。また、上記電荷Qnの急激な現象
にともない領域Bの電荷Qwとの間で濃度差が生じるた
め、その濃度差に伴う領域Bから領域Aへのイオン電荷
の移動i1状況は、同図(C)に示すようにt1からt
2間では徐々に上昇し、t2以降は放電電流ihがなく
なり、領域Aでの化学反応がなくなるため、i1は徐々
に減少する。そして、領域Bでの電荷は、上記i1によ
る領域Aへの電荷の流入にともない、同図(D)に示す
ように時刻t1以降、徐々に減少する。従って、電解液
中の電荷の総量Qaは、上記両領域A,Bにおける各電
荷QnとQwの和であるため、図(B)と図(D)を合
成し、同図(E)に示すようにt1からt2にかけて徐
々に減少し、t2以降は一定を保つことになり、これ
は、上記した電解液が瞬時に混ざり合う場合の現象と等
しくなる。
【0024】さらに、上記式中各電荷Qn,Qwは放電
電流ihにより具体的には下記式のように変化する。そ
して、これを制御ブロック図で示すと、図4のようにな
る。
【0025】
【数4】 さらに、この図4に示す制御ブロック図を、自動制御の
変換ルールにしたがって、図5,図6に示すようにブロ
ック図を適宜変換し、伝達関数の導出を図る。これによ
り、図6(D)に示すように、放電電流ihに対する領
域Aの電荷Qnの伝達関数(遅れ)を求めることができ
る。
【0026】一方、放電電流ihに対するバッテリーの
端子間電圧V並びに開放電圧Voの関係を制御ブロック
図で表すと図7(A)に示すようになり、平衡状態にお
ける開放電圧Voは全電荷Qaに基づいて算出できる。
そして全電荷Qaは、下記式に基づいて算出することが
できる。但し、図7(A)中、Kxは電圧/濃度の係数
であり、またV1は同図(B)に示す濃度−電圧特性に
おける直線性を有する箇所を延長(二点鎖線で示す)
し、その延長線と縦軸の交点となる。さらに、Rは、バ
ッテリー11の内部抵抗である。
【0027】
【数5】 従って、係数a,bを求めれば、領域Aの電荷Qnから
バッテリー全体の全電荷Qaを算出することができるの
である。すなわち、本例では拡散による遅れを示す伝達
関数の逆関数を電荷Qnに掛け合わすことにより、補正
(進み補償)を行うようにした。そして、開放電圧Vo
は、この様に求められた全電荷Qaを下記式に代入する
ことにより求めることができる。そして、これにより、
例えば上記した図10(A),(B)に示すような放電
電流が流れ、その時の時間経過に伴う計測電圧Vのよう
になっている場合に、各時刻での予想開放電圧Voは、
図8に示すようになる。
【0028】Vo=Kx・(Qa/Va) 但し、Va=Vn+Vw 上記原理に基づき、本例では図1(B)に示すように、
特性算出部15は、放電電流ih,バッテリーの端子電
圧Vを電極周囲の電荷算出部17に送り、ここにおい
て、領域Aの電荷Qnの値を求める。具体的には、下記
式にih,Vを代入し算出する。
【0029】
【数6】 その電荷算出部17の出力を進み補償部たる全電荷算出
部18に送り、ここにおいて、与えられたQnに対して
上記した伝達関数の逆特性を掛け合わせることにより、
拡散の影響を受けない現在のバッテリー11が有する全
電荷Qaを算出するようになっている。そして、この全
電荷算出部17の出力を上記表示部16に接続し、全電
荷すなわちバッテリーの残存容量を表示する。また、全
電荷算出部17の出力は、開放電圧算出部19にも接続
されており、この開放電圧算出部19では、与えられた
Qaを下記式に代入し、現在濃度差がないとした場合の
予想開放電圧Voを算出し、これを表示部16に表示す
るようになっている。
【0030】
【数7】 なお、上記各算出部で必要なa,b,Vn並びにRは、
予め計測し、各部にセットしておく。
【0031】さらに本例では、開放電圧算出部19の出
力を寿命判定部20に送り、ここにおいてバッテリーの
劣化状況を判定できるようになっている。すなわち、バ
ッテリーから放電電流を流し電荷を放電した場合の時間
経過に伴う端子電圧の低下の程度(放電特性)は、バッ
テリーの劣化が進むほど早く低下する。従って、この寿
命判定部20では、疑似停電を生じさせ、その時の端子
電圧の低下の状態を計測し、例えば電圧があるしきい値
に達するまでに要する時間が一定時間以下の時には寿命
がきていると判断したりするようになる。但し、与えら
れる電圧データは開放電圧であるため、放電電流データ
や内部抵抗データを受け、上記開放電圧Voから内部抵
抗による電圧降下分を引いた値を用いて判定を行うよう
になる。
【0032】なお、寿命判定の方式としては、上記した
ものに限ることなく負荷に接続した状態の端子電圧,開
放電圧などに基づいて行うものであればどの様なもので
も良い。
【0033】さらにまた、本例では、温度補正を行える
ようなっている。すなわち、電荷Qnを求めるための係
数R,Kx,V1は、上記した説明では定数とおいた
が、厳密には温度により変化する変数である。従って、
使用温度環境がほぼ一定或いはその変化の幅が少ない場
合には、上記した構成でも十分(その温度に応じた各係
数をセットする)であるが、例えば温度変化が非常に大
きい場合や、より正確に計測を行う場合には、以下に示
す所定の温度補正を行う。すなわち、蓄積された電荷が
同じであっても、その端子電圧は温度により変化する。
換言すれば、計測した端子電圧が等しくても、その時の
温度により貯留されている電荷量は異なる。そして、係
る原因は、主として温度変化により内部抵抗Rが変動
し、また、開放電圧(起電圧)Voが変化(これにより
係数Kx,V1が変化する)するためである。
【0034】従って、図1に示すように、バッテリー1
1に近接して温度センサ21を設け、検出した温度を温
度補正部22に与えるようにする。そして、この温度補
正部22では、温度に対する上記各係数の対応表を有
し、所望の係数(R,Kx,V1)を電極周囲の電荷算
出部17に与えるようにし、その算出部17では、与え
られた係数と電圧V,放電電流ihを算出式に代入し、
Qnを求めるようにする。かかる構成にすることによ
り、より正確な計測ができる。さらに、内部抵抗Rは、
開放電圧を求める時にも使用するため、図示のごとく開
放電圧算出部19にもセットする。
【0035】さらにまた、内部抵抗Rは、上記したごと
く温度により変化するが、さらに残存容量Qaによって
も変化する。すなわち、通常の使用範囲では一定値(温
度一定とした場合)を保つのであるが、放電が続き、空
充電(残存容量が0)に近付くと、内部抵抗は急激に上
昇する。従って、より正確に行うためには、温度に基づ
くRの補正を行うに際し、全電荷算出部18により求め
られたQaを用いてフィードバック制御を行い新たな補
正内部抵抗Rを算出し、それに基づいて各種の演算処理
を行うようにするのが望ましい。なお、温度変化が少な
い環境下での使用の場合には、温度補償をすることな
く、上記残存容量に基づく内部抵抗の補正のみ行うよう
にしても良い。
【0036】なお、上記した実施例では、モデリングす
る際に電極の近い領域Aと遠い領域Bの2つに分けた
が、さらに細かく分けても良く、かかる場合にはより正
確な進み補償を行うことができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るバッテリー
計測装置では、化学反応に伴う拡散現象により電流の変
化に対して所定の遅れを有する電圧等に対し、進み補償
を行うようにしたため、係る進み補償により得られた補
正電圧,補正電荷等は、現在の状態で濃度差零になった
時の各値となる。よって実際に平衡状態になるまで待つ
ことなく、収束時の各情報を得ることができ、拡散の影
響を受けることなくリアルタイムに必要なデータが得ら
れ、それに基づいて各特性が計測することができる。す
なわち、充/放電停止後はもちろんのこと、充/放電中
であってもリアルタイムで正確なバッテリーの端子電圧
(開放電圧も含む)等を検出することができ、残存容量
や寿命判定等の各種の特性を瞬時かつ正確に計測するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバッテリー計測装置の一実施例を
示す図である。
【図2】伝達関数を求めるためにバッテリーをモデル化
した状態を示す図である。
【図3】放電電流の変化に伴い生じる各領域での電荷等
の時間に対する特性を示す図である。
【図4】バッテリーの電解液中の各領域間での電荷の移
動などの現象を伝達関数としてとらえ、それを表す制御
ブロック図である。
【図5】伝達関数を求めるための図4に示すブロック図
の変換工程を説明する図である。
【図6】伝達関数を求めるための図4に示すブロック図
の変換工程を説明する図である。
【図7】開放電圧を求めるための原理を説明するための
図である。
【図8】放電電流の変化に伴い生じる計測電圧並びに開
放電圧(予想)の時間に対する特性を示す図である。
【図9】従来の問題を説明するための図である。
【図10】従来の問題を説明するための図である。
【符号の説明】
11 バッテリー 11d 電極板 13 電圧測定部 14 電流測定部 15 特性算出部 17 電極周囲の電荷算出部 18 全電荷算出部(進み補償部) 19 開放電圧算出部 20 寿命判定部 21 温度センサ 22 温度補正部 A 狭い領域(電極に近く比較的早く化学反応を生じる
領域) B 広い領域(電極に遠い領域)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリーの充電電流,放電電流,端子
    電圧の少くとも1つの所定の情報に基づいて残存容量や
    寿命判定などの所定の特性を計測するバッテリー計測装
    置であって、 前記電流に基づく電圧の遅れ特性を伝達関数で表現し、
    その伝達関数の逆特性でもって前記所定の情報に対し進
    み補償を行う手段を備え、その進み補償した補正情報に
    基づいて前記所定の特性を計測するようにしたバッテリ
    ー計測装置。
  2. 【請求項2】 化学反応により充/放電するバッテリー
    の充電電流及びまたは放電電流を検出する電流検出手段
    と、 前記バッテリーの端子電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電流検出手段並びに電圧検出手段で検出した電流,
    電圧に基づいて前記バッテリーの電極附近の比較的早く
    化学反応を生じる電解液中に存在する電荷を求める手段
    と、 前記電荷を求める手段により算出された電荷に対して前
    記所定の進み補償を行い、前記バッテリー中に存在する
    電荷の総量を算出する手段とを備えたバッテリー計測装
    置。
  3. 【請求項3】 前記電荷の総量を算出する手段の出力を
    受け、平衡状態となった時の開放電圧を予測する手段を
    さらに備えた請求項2に記載のバッテリー計測装置。
  4. 【請求項4】 前記開放電圧を予測する手段の出力を受
    け、前記バッテリーの劣化状況を判定する寿命判定手段
    をさらに備えた請求項3に記載のバッテリー計測装置。
  5. 【請求項5】 前記電解液の温度を直接または間接的に
    検出する手段を設け、検出した温度に基づいて前記各算
    出する手段における所定の係数を補正するようにした請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のバッテリー計測装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7216044B2 (en) 2003-02-07 2007-05-08 Espec Corporation Battery state diagnosing device and battery state diagnosing method

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