JPH063296A - オージェ電子分光装置 - Google Patents
オージェ電子分光装置Info
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- JPH063296A JPH063296A JP4186328A JP18632892A JPH063296A JP H063296 A JPH063296 A JP H063296A JP 4186328 A JP4186328 A JP 4186328A JP 18632892 A JP18632892 A JP 18632892A JP H063296 A JPH063296 A JP H063296A
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- sample
- auger
- energy
- auger electron
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/44—Energy spectrometers, e.g. alpha-, beta-spectrometers
- H01J49/46—Static spectrometers
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J37/00—Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
- H01J37/252—Tubes for spot-analysing by electron or ion beams; Microanalysers
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01J49/446—Time-of-flight spectrometers
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J2237/00—Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
- H01J2237/25—Tubes for localised analysis using electron or ion beams
- H01J2237/2505—Tubes for localised analysis using electron or ion beams characterised by their application
- H01J2237/2511—Auger spectrometers
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 オージェ電子のエネルギーを分析することに
より、試料表面の元素分析および表面状態の分析を高分
解能,高表面感度,低ノイズで行う。 【構成】 パルス状陽電子ビーム発生装置1,電子検出
器3ならびに飛行時間分析装置4からなり、パルス状陽
電子ビーム(e+ )が試料2に入射して試料2中の電子
と消滅した時に放出されるオージェ電子e- のエネルギ
ーを飛行時間分析装置4により測定して、エネルギース
ペクトルを解析することにより表面の元素の分析および
表面の結合状態の分析を高精度で行うことを特徴として
いる。
より、試料表面の元素分析および表面状態の分析を高分
解能,高表面感度,低ノイズで行う。 【構成】 パルス状陽電子ビーム発生装置1,電子検出
器3ならびに飛行時間分析装置4からなり、パルス状陽
電子ビーム(e+ )が試料2に入射して試料2中の電子
と消滅した時に放出されるオージェ電子e- のエネルギ
ーを飛行時間分析装置4により測定して、エネルギース
ペクトルを解析することにより表面の元素の分析および
表面の結合状態の分析を高精度で行うことを特徴として
いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、物質の表面の元素分析
や表面状態の分析を、オージェ電子分光法により高表面
感度,高分解能,低ノイズで行うことができるオージェ
電子分光装置に関するものである。
や表面状態の分析を、オージェ電子分光法により高表面
感度,高分解能,低ノイズで行うことができるオージェ
電子分光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オージェ過程によって表面から放出され
る電子のエネルギーはそれぞれの元素に特有の値を持
ち、その元素の結合状態によってエネルギーが僅かに変
化するため、オージェ電子のエネルギーとその強度を測
定することにより、元素の分析および表面状態の分析が
できる。
る電子のエネルギーはそれぞれの元素に特有の値を持
ち、その元素の結合状態によってエネルギーが僅かに変
化するため、オージェ電子のエネルギーとその強度を測
定することにより、元素の分析および表面状態の分析が
できる。
【0003】オージェ過程を起こすには、電子の内殻の
エネルギー準位を空にする必要があり、その方法として
電子,イオン,高エネルギーの光子による内殻電子の励
起や、電子の反粒子である陽電子による内殻電子との消
滅などがある。陽電子を用いたオージェ電子分光装置は
他の量子を用いたオージェ電子分光装置に比べて以下の
利点を有する。
エネルギー準位を空にする必要があり、その方法として
電子,イオン,高エネルギーの光子による内殻電子の励
起や、電子の反粒子である陽電子による内殻電子との消
滅などがある。陽電子を用いたオージェ電子分光装置は
他の量子を用いたオージェ電子分光装置に比べて以下の
利点を有する。
【0004】1.入射する陽電子のエネルギーをオージ
ェ電子のエネルギーより低くできるため、エネルギース
ペクトルにおいて、オージェ電子のピークの位置におけ
るオージェ電子以外の電子によるバックグランドノイズ
を低くすることができる。
ェ電子のエネルギーより低くできるため、エネルギース
ペクトルにおいて、オージェ電子のピークの位置におけ
るオージェ電子以外の電子によるバックグランドノイズ
を低くすることができる。
【0005】2.入射する陽電子のエネルギーを低くで
きるため、陽電子の進入深さを浅くすることができ、さ
らに、表面より少し中に入った陽電子は表面に戻ってき
て最表面の原子の電子と消滅する確率が高く、表面感度
が非常に高い。
きるため、陽電子の進入深さを浅くすることができ、さ
らに、表面より少し中に入った陽電子は表面に戻ってき
て最表面の原子の電子と消滅する確率が高く、表面感度
が非常に高い。
【0006】3.バックグランドノイズが低く、表面感
度が高いことから入射ビームの量を低くでき、試料の表
面に与える損傷が少ない。
度が高いことから入射ビームの量を低くでき、試料の表
面に与える損傷が少ない。
【0007】従来、この陽電子消滅を利用したオージェ
電子分光装置としては図4に示すもの(例えば、Physic
al Review B vol.42 No.4 p.1881)が知られている。な
お、以下の説明ではe+ を陽電子または陽電子ビームと
称し、e- をオージェ電子またはオージェ電子ビームと
いう。図4において、11は陽電子ビームe+ を発生す
る陽電子ビーム発生装置、2は試料、31は位置敏感電
子検出器、5はビーム軌道分離用の偏向電極、6は前記
オージェ電子e- の放出方向を揃えるための永久磁石ま
たは電磁石等の磁石、7はエネルギー分析用の偏向電極
である。なお、全体は真空容器中に収容されている。
電子分光装置としては図4に示すもの(例えば、Physic
al Review B vol.42 No.4 p.1881)が知られている。な
お、以下の説明ではe+ を陽電子または陽電子ビームと
称し、e- をオージェ電子またはオージェ電子ビームと
いう。図4において、11は陽電子ビームe+ を発生す
る陽電子ビーム発生装置、2は試料、31は位置敏感電
子検出器、5はビーム軌道分離用の偏向電極、6は前記
オージェ電子e- の放出方向を揃えるための永久磁石ま
たは電磁石等の磁石、7はエネルギー分析用の偏向電極
である。なお、全体は真空容器中に収容されている。
【0008】これらの装置では、陽電子ビームe+ を磁
場Bによって試料2に導き、陽電子e+ が試料2中の内
殻電子とともに消滅して外殻の電子がその内殻の準位に
遷移する時に放出されるオージェ電子e- の放出方向を
磁石6によって揃え、偏向電極5によって陽電子e+ の
軌道と分離し、そのオージェ電子e- のエネルギーを偏
向電極7と位置敏感電子検出器31とからなるエネルギ
ー分析器によって測定していた。
場Bによって試料2に導き、陽電子e+ が試料2中の内
殻電子とともに消滅して外殻の電子がその内殻の準位に
遷移する時に放出されるオージェ電子e- の放出方向を
磁石6によって揃え、偏向電極5によって陽電子e+ の
軌道と分離し、そのオージェ電子e- のエネルギーを偏
向電極7と位置敏感電子検出器31とからなるエネルギ
ー分析器によって測定していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4の従来
の装置では、エネルギーの分析は偏向電極7と位置敏感
電子検出器31からなるエネルギー分析器を用いてお
り、試料2に入射する陽電子ビームe+ に空間的な拡が
りがあるために、エネルギーを高い分解能で測定するこ
とができなかった。そのため、似通ったオージェ電子e
- のエネルギーを持つ元素を識別できず、元素の結合状
態の変化によるピークの位置の僅かな変化を測定できな
いという問題があった。
の装置では、エネルギーの分析は偏向電極7と位置敏感
電子検出器31からなるエネルギー分析器を用いてお
り、試料2に入射する陽電子ビームe+ に空間的な拡が
りがあるために、エネルギーを高い分解能で測定するこ
とができなかった。そのため、似通ったオージェ電子e
- のエネルギーを持つ元素を識別できず、元素の結合状
態の変化によるピークの位置の僅かな変化を測定できな
いという問題があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なさたもので、パルス状陽電子ビームを利用してオージ
ェ電子のエネルギーを分析することにより、表面の元素
分析と表面状態の分析を高分解能,高表面感度,低ノイ
ズで行うことを目的とする。
なさたもので、パルス状陽電子ビームを利用してオージ
ェ電子のエネルギーを分析することにより、表面の元素
分析と表面状態の分析を高分解能,高表面感度,低ノイ
ズで行うことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためになされたもので、パルス状陽電子ビー
ムを発生するパスル状陽電子ビーム発生装置と、パルス
状陽電子ビームが試料に入射して消滅したときに試料か
ら発生するオージェ電子を検出する電子検出器と、オー
ジェ電子の飛行時間を測定してオージェ電子のエネルギ
ー分布を求める飛行時間分析装置とを備えたものであ
る。
を解決するためになされたもので、パルス状陽電子ビー
ムを発生するパスル状陽電子ビーム発生装置と、パルス
状陽電子ビームが試料に入射して消滅したときに試料か
ら発生するオージェ電子を検出する電子検出器と、オー
ジェ電子の飛行時間を測定してオージェ電子のエネルギ
ー分布を求める飛行時間分析装置とを備えたものであ
る。
【0012】
【作用】本発明においては、パルス状陽電子ビーム発生
装置から出たパルス状陽電子ビームを試料に入射し、試
料から放出されたオージェ電子を検出してその飛行時間
と速度とエネルギーとを求め、放出電子のエネルギー分
布により表面の元素分析を行う。
装置から出たパルス状陽電子ビームを試料に入射し、試
料から放出されたオージェ電子を検出してその飛行時間
と速度とエネルギーとを求め、放出電子のエネルギー分
布により表面の元素分析を行う。
【0013】
【実施例】図1および図2はパルス状陽電子ビームを用
いたオージェ電子分光装置の実施例を示す。なお、パル
ス状陽電子ビームを(e+ )で表す。図1は、本発明の
一実施例を示す概略構成図で、図4と同一符号は同一部
分を示し、1はパルス状陽電子ビーム発生装置で、繰り
返し周期が、例えば数百ナノ秒以上のパルス状陽電子ビ
ーム(e+ )を発生する。3は電子検出器、4は飛行時
間分析装置で、図1の装置は、最も単純な構造であり、
パルス状陽電子ビーム発生装置1のパルス状陽電子ビー
ム(e+ )を試料2へ入射し、試料2から放出されるオ
ージェ電子e - を距離dだけ離れた位置で電子検出器3
によって検出し、飛行時間分析装置4によって飛行時間
tを測定し電子のエネルギー分布を求める。
いたオージェ電子分光装置の実施例を示す。なお、パル
ス状陽電子ビームを(e+ )で表す。図1は、本発明の
一実施例を示す概略構成図で、図4と同一符号は同一部
分を示し、1はパルス状陽電子ビーム発生装置で、繰り
返し周期が、例えば数百ナノ秒以上のパルス状陽電子ビ
ーム(e+ )を発生する。3は電子検出器、4は飛行時
間分析装置で、図1の装置は、最も単純な構造であり、
パルス状陽電子ビーム発生装置1のパルス状陽電子ビー
ム(e+ )を試料2へ入射し、試料2から放出されるオ
ージェ電子e - を距離dだけ離れた位置で電子検出器3
によって検出し、飛行時間分析装置4によって飛行時間
tを測定し電子のエネルギー分布を求める。
【0014】すなわち、本装置では、パルス状陽電子ビ
ーム(e+ )が試料2に入射した時に数百ピコ秒程度の
短い時間で試料2中の電子と消滅し、この時、一部オー
ジェ過程によって表面からオージェ電子e- が放出され
るという性質を利用している。パルス状陽電子ビーム発
生装置1から出たパルス状陽電子ビーム(e+ )を試料
2に入射し、試料2から放出されたオージェ電子e- を
飛行距離dだけ離れた位置で検出しその飛行時間tを求
める。これから、電子の速度(v=d/t)を求め、こ
の速度から電子のエネルギーを求める。このエネルギー
の測定を複数のオージェ電子e- について行い、放出さ
れるオージェ電子e- のエネルギー分布を求める。この
分布のオージェピークのエネルギー値およびその強度か
ら表面の元素の分析ができる。この時のエネルギーの分
解能は、パルス状陽電子ビーム(e+ )が電子と消滅す
るまでの寿命τ,ビームのパルス幅δtp ,電子検出器
3の時間分解能δtd 等によって決まり、これは飛行時
間tを不確定にし、分解能を低下させる。
ーム(e+ )が試料2に入射した時に数百ピコ秒程度の
短い時間で試料2中の電子と消滅し、この時、一部オー
ジェ過程によって表面からオージェ電子e- が放出され
るという性質を利用している。パルス状陽電子ビーム発
生装置1から出たパルス状陽電子ビーム(e+ )を試料
2に入射し、試料2から放出されたオージェ電子e- を
飛行距離dだけ離れた位置で検出しその飛行時間tを求
める。これから、電子の速度(v=d/t)を求め、こ
の速度から電子のエネルギーを求める。このエネルギー
の測定を複数のオージェ電子e- について行い、放出さ
れるオージェ電子e- のエネルギー分布を求める。この
分布のオージェピークのエネルギー値およびその強度か
ら表面の元素の分析ができる。この時のエネルギーの分
解能は、パルス状陽電子ビーム(e+ )が電子と消滅す
るまでの寿命τ,ビームのパルス幅δtp ,電子検出器
3の時間分解能δtd 等によって決まり、これは飛行時
間tを不確定にし、分解能を低下させる。
【0015】すなわち、飛行時間測定においては、エネ
ルギーは飛行時間と飛行距離によって決まるが、飛行距
離、つまり試料2と電子検出器3との距離は比較的精度
良く測定できる。これに対して、飛行時間は試料2から
電子が放出された時間とオージェ電子e- の電子検出器
3に到達した時間の差であるが、本装置で測定している
のは陽電子e+ が試料2に入射した時間と、電子検出器
3から出た信号の時間差である。ここで、陽電子e+ が
試料2に入射する時間は、パルス状陽電子ビーム(e
+ )のパルス幅(数百ピコ秒〜数ナノ秒)でばらつき、
陽電子e+ が試料2に入射してからオージェ電子e- を
放出するまでの時間は、陽電子e+ の寿命(数百ピコ
秒)によってばらつき、さらに、電子検出器3の信号の
測定にも有限の分解能(数百ピコ秒程度)がある。した
がって、飛行時間の測定誤差およびエネルギーの分解能
はこれらの要求で決まる。しかし、飛行距離を長く取
り、飛行時間を数十ナノ秒以上に長くすれば、相対的に
t>>τ, t>>δtp, t>>δtd とすることが
でき、分解能を上げることができる。これによってエネ
ルギーの似通ったピークの分離が容易になり、従来の装
置よりも高精度の表面の元素分析や元素の結合状態の分
析ができる。
ルギーは飛行時間と飛行距離によって決まるが、飛行距
離、つまり試料2と電子検出器3との距離は比較的精度
良く測定できる。これに対して、飛行時間は試料2から
電子が放出された時間とオージェ電子e- の電子検出器
3に到達した時間の差であるが、本装置で測定している
のは陽電子e+ が試料2に入射した時間と、電子検出器
3から出た信号の時間差である。ここで、陽電子e+ が
試料2に入射する時間は、パルス状陽電子ビーム(e
+ )のパルス幅(数百ピコ秒〜数ナノ秒)でばらつき、
陽電子e+ が試料2に入射してからオージェ電子e- を
放出するまでの時間は、陽電子e+ の寿命(数百ピコ
秒)によってばらつき、さらに、電子検出器3の信号の
測定にも有限の分解能(数百ピコ秒程度)がある。した
がって、飛行時間の測定誤差およびエネルギーの分解能
はこれらの要求で決まる。しかし、飛行距離を長く取
り、飛行時間を数十ナノ秒以上に長くすれば、相対的に
t>>τ, t>>δtp, t>>δtd とすることが
でき、分解能を上げることができる。これによってエネ
ルギーの似通ったピークの分離が容易になり、従来の装
置よりも高精度の表面の元素分析や元素の結合状態の分
析ができる。
【0016】図2は本発明の他の実施例を示す概略構成
図で、図4の従来の装置と同様に磁場Bによってパルス
状陽電子ビーム(e+ )を導き、偏向電極5によって試
料2に入射するパルス状陽電子ビーム(e+ )と試料2
から放出されるオージェ電子e- との軌道を分離してい
る。この放出されたオージェ電子e- を試料から飛行距
離dだけ離れた位置で電子検出器3によって検出し、飛
行時間分析装置4によって飛行時間tを測定し電子のエ
ネルギー分布を求める。図2の実施例では、磁場Bによ
ってパルス状陽電子ビーム(e+ )およびオージェ電子
e- の拡がりを抑えているために、飛行距離dを長くし
ても検出効率が低下せず、図1の実施例よりも高感度で
高分解能の測定を行うことができる。
図で、図4の従来の装置と同様に磁場Bによってパルス
状陽電子ビーム(e+ )を導き、偏向電極5によって試
料2に入射するパルス状陽電子ビーム(e+ )と試料2
から放出されるオージェ電子e- との軌道を分離してい
る。この放出されたオージェ電子e- を試料から飛行距
離dだけ離れた位置で電子検出器3によって検出し、飛
行時間分析装置4によって飛行時間tを測定し電子のエ
ネルギー分布を求める。図2の実施例では、磁場Bによ
ってパルス状陽電子ビーム(e+ )およびオージェ電子
e- の拡がりを抑えているために、飛行距離dを長くし
ても検出効率が低下せず、図1の実施例よりも高感度で
高分解能の測定を行うことができる。
【0017】図3は、図2の実施例1の装置(d=0.
7m)を用いてグラファイトに約70eVのパルス状陽
電子ビーム(e+ )を入射した時に放出される電子の飛
行時間(エネルギー)分布である。図3の横軸の目盛り
の下段は飛行時間を示しており、上段はその飛行時間に
対応する電子のエネルギーを示している。この図では、
70eV以下の二次電子の分布の他に200〜300e
V付近にピークがみられる。このピークは、炭素のオー
ジェ電子e- に対応したピークであり、電子ビームを用
いた通常のオージェ電子分光装置のエネルギー分布のよ
うにオージェ電子e- のピークとオージェ電子e- 以外
の二次電子によるバックグランドが重なっておらず、明
瞭なピークが観測されている。この装置では、飛行距離
をより長くし、陽電子e+ のパルス幅をより短くすれ
ば、この図の測定よりさらに精度の高い測定が可能にな
る。
7m)を用いてグラファイトに約70eVのパルス状陽
電子ビーム(e+ )を入射した時に放出される電子の飛
行時間(エネルギー)分布である。図3の横軸の目盛り
の下段は飛行時間を示しており、上段はその飛行時間に
対応する電子のエネルギーを示している。この図では、
70eV以下の二次電子の分布の他に200〜300e
V付近にピークがみられる。このピークは、炭素のオー
ジェ電子e- に対応したピークであり、電子ビームを用
いた通常のオージェ電子分光装置のエネルギー分布のよ
うにオージェ電子e- のピークとオージェ電子e- 以外
の二次電子によるバックグランドが重なっておらず、明
瞭なピークが観測されている。この装置では、飛行距離
をより長くし、陽電子e+ のパルス幅をより短くすれ
ば、この図の測定よりさらに精度の高い測定が可能にな
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、パルス
状陽電子ビームを発生するパスル状陽電子ビーム発生装
置と、パルス状陽電子ビームが試料に入射して消滅した
ときに試料から発生するオージェ電子のエネルギーを検
出する電子検出器と、オージェ電子の飛行時間を測定し
てオージェ電子分布を求める飛行時間分析装置とを備
え、オージェ電子の飛行時間を長くすることで分解能を
上げることができるので、従来の陽電子ビームを用いた
オージェ電子分光装置よりも表面の元素分析と元素の結
合状態の分析が高精度でできる利点を有する。
状陽電子ビームを発生するパスル状陽電子ビーム発生装
置と、パルス状陽電子ビームが試料に入射して消滅した
ときに試料から発生するオージェ電子のエネルギーを検
出する電子検出器と、オージェ電子の飛行時間を測定し
てオージェ電子分布を求める飛行時間分析装置とを備
え、オージェ電子の飛行時間を長くすることで分解能を
上げることができるので、従来の陽電子ビームを用いた
オージェ電子分光装置よりも表面の元素分析と元素の結
合状態の分析が高精度でできる利点を有する。
【図1】本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す概略構成図である。
【図3】図2の実施例によるオージェ電子の飛行時間分
布を示す図である。
布を示す図である。
【図4】従来の陽電子を用いたオージェ電子分光装置の
一例を示す概略構成図である。
一例を示す概略構成図である。
1 パルス状陽電子ビーム発生装置 2 試料 3 電子検出器 4 飛行時間分析装置 5 偏向電極 6 磁石 (e+ ) パルス状陽電子ビーム e- オージェ電子 e+ 陽電子
Claims (1)
- 【請求項1】 パルス状陽電子ビームを発生するパスル
状陽電子ビーム発生装置と、前記パルス状陽電子ビーム
が試料に入射して消滅したときに前記試料から発生する
オージェ電子を検出する電子検出器と、前記オージェ電
子の飛行時間を測定して前記オージェ電子のエネルギー
分布を求める飛行時間分析装置とを備えたことを特徴と
するオージェ電子分光装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4186328A JP2590417B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | オージェ電子分光装置 |
US08/027,759 US5381003A (en) | 1992-06-19 | 1993-03-08 | Auger electron spectroscopy |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4186328A JP2590417B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | オージェ電子分光装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH063296A true JPH063296A (ja) | 1994-01-11 |
JP2590417B2 JP2590417B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=16186428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4186328A Expired - Lifetime JP2590417B2 (ja) | 1992-06-19 | 1992-06-19 | オージェ電子分光装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5381003A (ja) |
JP (1) | JP2590417B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2000022348A1 (fr) | 1998-10-12 | 2000-04-20 | Nkk Corporation | Dispositif d'evacuation des dechets |
Families Citing this family (3)
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---|---|---|---|---|
US6107635A (en) * | 1998-06-11 | 2000-08-22 | Palathingal; Jose Chakkoru | Method for producing high ionization in plasmas and heavy ions via annihilation of positrons in flight |
GB2390740A (en) * | 2002-04-23 | 2004-01-14 | Thermo Electron Corp | Spectroscopic analyser for surface analysis and method therefor |
EP2454749A4 (en) * | 2009-07-17 | 2013-09-04 | Kla Tencor Corp | ENERGY ANALYZER OF CHARGED PARTICLES |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3970855A (en) | 1975-05-23 | 1976-07-20 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Positron probes for mechanical fatigue detection system |
EP0069750B1 (en) * | 1981-01-16 | 1987-04-22 | Kevex Corporation | Emission-electron microscope |
US4459482A (en) | 1982-05-06 | 1984-07-10 | Bales Maurice J | Auger spectroscopic technique measuring the number of electrons emitted from a surface as a function of the energy level of those electrons |
DE3686598T2 (de) * | 1985-06-07 | 1993-04-15 | Hitachi Ltd | Verfahren und vorrichtung zur analyse mittels positionsausloeschung und elektronenmikroskop mit derartiger einrichtung. |
US5159195A (en) * | 1987-11-09 | 1992-10-27 | The University Of Michigan | Position microscopy |
-
1992
- 1992-06-19 JP JP4186328A patent/JP2590417B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1993
- 1993-03-08 US US08/027,759 patent/US5381003A/en not_active Expired - Lifetime
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WO2000022348A1 (fr) | 1998-10-12 | 2000-04-20 | Nkk Corporation | Dispositif d'evacuation des dechets |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2590417B2 (ja) | 1997-03-12 |
US5381003A (en) | 1995-01-10 |
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