JPH06291547A - 円偏波アレーアンテナ - Google Patents

円偏波アレーアンテナ

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JPH06291547A
JPH06291547A JP7474693A JP7474693A JPH06291547A JP H06291547 A JPH06291547 A JP H06291547A JP 7474693 A JP7474693 A JP 7474693A JP 7474693 A JP7474693 A JP 7474693A JP H06291547 A JPH06291547 A JP H06291547A
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Hisao Iwasaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、利得が高く、アイソレーションに
優れた円偏波アレーアンテナを提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明の円偏波アレーアンテナは、直線偏波
アンテナ素子をN(3≦N≦5若しくはN≧6)個、円
周上の略正N角形となる位置に配列すると共に、各アン
テナ素子の向きを順次、360/N度ずつ回転させ、更
に、360/N度ずつの位相差で給電し、誘電率を1.
5以上の基板に各素子を形成し、円形アレーの半径を約
0.45波長以下(N≧6のときは、0.6波長以上)
に配列し、かつ、各素子の偏波方向を円形アレーの中心
を各素子を結んだ線上に一致するように偏波方向を設定
したことを要旨とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、利得の向上を図った
同時送受信ができる円偏波アレーアンテナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車等の移動体と固定局又は移動体と
移動体との間を衛星を介して通信する移動体衛星通信シ
ステムにおいて、この移動体に設けられるアンテナとし
ては、小形・軽量で、利得が高くかつ円偏波による電波
を異なる周波数で送受信できることが要求されている。
このため、出力がはるかに大きい送信チャネルから受信
チャネルを分離する。すなわち、送信信号が受信信号に
漏れ込むことを防ぐためには、一般的には、送受信共用
のアンテナ素子を用いた場合はダイプレクサが用いら
れ、送受分離型のアンテナ素子を用いた場合はフィルタ
が用いられる。
【0003】ダイプレクサやフィルタなどの送受信分離
素子は、一般にアンテナ素子よりかさばり、重量も重
い。素子数が多くなるにつれ重量が重くなり、体積が増
すためアンテナの空間的占有領域が大きくなる。このま
までは移動体用には適さない。そのため。送受信間のア
イソレーションをアンテナ素子間でとり、フィルタやダ
イプレクサへの要求を低減する必要がある。
【0004】この問題に対する解決法を示す従来例とし
て、円偏波同時送受信複合アンテナ(特開平2−116
202号公報)がある。このアンテナは、図26に示す
ように矩形パッチアンテナ103と同一面上に形成され
たマイクロストリップ線路109で直接アンテナ端面1
03Tを給電し、水平偏波である周波数f1を発生さ
せ、また、マイクロストリップ線路107で直接アンテ
ナ端面103Tを給電し、垂直偏波である周波数f2を
発生させる。
【0005】また、図26では、この矩形パッチアンテ
ナ103を4素子用い、右回りに空間的に90度回転さ
せた配置をとり、かつ、90度の位相差で給電する構成
を示す。この構成を用いるこで円偏波同時送受信複合ア
ンテナを実現している。このようにアンテナ素子単位で
周波数が異なる直交偏波を作り、対の素子を用いること
で、円偏波を実現している。このため送信アンテナと受
信アンテナを分離することができる。このアンテナは、
構成が簡単である。更に、アンテナ素子と給電線路同一
の基板上に形成することができる。
【0006】この発明で得られる特性としては、同発明
者による文献AP−S90pp.803−806,SELP
DIPLEXING CIRCULARLY POLARIZED ANTENNA ,で報告さ
れているように、送信と受信のアイソレーションは、2
0から23dBしか得られない。通信で要求されるアイ
ソレーションは、60〜90dBであるので、要求値を
満足するアイソレーションを得るためには、フィルタを
具備することが必要である。
【0007】また、送信や受信において利得が高いと送
信ではHPAへの要求出力を低減でき、受信ではLNA
のNFへの要求を低減でき、放熱や効率等の問題が解決
できるので送受信機全体の低価格化や小形化が実現でき
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のアンテナは、構造は簡単であるが、十分な送受信間
のアイソレーションが得られない。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、N素子(N≧3)からなるアレーアンテナの配列と
給電方法により、利得が高く、かつ、送信信号が受信信
号に漏れ込む値を十分に低く抑えることができる円偏波
アレーアンテナを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願第1の発明は、直線偏波アンテナ素子をN(3≦N
≦5)個、円周上の略正N角形となる位置に配列すると
共に、各アンテナ素子の向きを順次、360/N度ずつ
回転させ、更に、360/N度ずつの位相差で給電し、
誘電率を1.5以上の基板に各素子を形成し、円形アレ
ーの半径を約0.45波長以下に配列し、かつ、各素子
の偏波方向を円形アレーの中心を各素子を結んだ線上に
一致するように偏波方向を設定したことを要旨とする。
【0011】また、本願第2の発明は、直線偏波アンテ
ナ素子のN個(N≧6)を円周上に配列したアレーアン
テナであって、前記直線偏波アンテナ素子を略正N角形
となる位置に配列すると共に、各アンテナ素子の向きを
順次、360/N度ずつ回転させ、更に、360/N度
ずつの位相差で給電し、誘電率を1.5以上の基板に各
素子を形成し、円形アレーの半径を約0.6波長以上に
配列し、かつ、各素子の偏波方向を円形アレーの中心を
各素子を結んだ線と直交するように偏波方向を設定した
ことを要旨とする。
【0012】また、本願第3の発明は、直交する直線偏
波を発生し、かつ、それぞれの偏波が異なる第1の周波
数及び第2の周波数で共振する構造を有するアンテナ素
子N個を円周上の略正N角形となる位置に配列すると共
に、第1のアンテナ素子の第1の周波数及び第2の周波
数のいずれかの偏波方向を配列の円の中心と第1のアン
テナ素子を結ぶ線と一致するように固定し、第2のアン
テナ素子から第Nのアンテナ素子に対して360/N度
ずつ時計回り若しくは反時計回りに各素子の向きが回転
するように配列し、この向きに対応した360/N度ず
つの位相差を生ずるように異なる共振周波数である第1
の周波数及び第2の周波数をそれぞれの給電点に給電
し、同旋円偏波を発生させることを要旨とする。
【0013】望ましくは、前記請求項1記載の円偏波ア
レーアンテナと前記請求項2記載の円偏波アレーアンテ
ナと前記請求項3記載の円偏波アレーアンテナとを適宜
組み合わせた円偏波アレーアンテナが良い。
【0014】
【作用】本願第1の発明及び第2の発明の円偏波アレー
アンテナは、同時に異なる周波数及び円偏波で送信と受
信が行えるN素子アレーアンテナを実現でき、かつ、送
信信号が受信信号に漏れ込む相互結合量を−50dB以
下に抑圧でき、フィルタやダイフレクサに要求されるア
イソレーションの値を低減できる。このため、送受信と
も良好な円偏波特性を得ることができる。更に、アンテ
ナの利得を1dB以上高くできるためアンテナの送受信
機の小形化とコストの低下が図れる。
【0015】本願第3の発明の円偏波アレーアンテナ
は、同時に異なる周波数及び円偏波で送信と受信が行え
るN素子(N≧3)アレーアンテナを実現でき、かつ、
送信信号が受信信号に漏れ込む相互結合量を−34dB
以下に抑圧できる。このため、フィルタやダイフレクサ
に要求されるアイソレーションレベルの値を低減でき
る。このため、送受信とも良好な円偏波特性を得ること
ができる。更に、アンテナの送受信の給電系の小形化と
コストの低下が図れる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例を図面を参照し
て説明する。図1は本発明に係る円偏波アレーアンテナ
の構成を示した図である。
【0017】図1に、本発明の一実施例である3素子円
偏波セルフダイプレキシングアレーアンテナのアンテナ
面から見た平面図(a)及び側面図(b)を示す。所定
厚の誘電体基板1上に、直交偏波2周波数共振スロット
付き円形パッチアンテナである第1のアンテナ素子3
a,第2のアンテナ素子3b,第3のアンテナ素子3c
がその円形中心が正三角形となるような位置にそれぞれ
配設される。Cはその円形配列の中心である。また、受
信用のマイクロストリップ給電線路7と送信用のマイク
ロストリップ給電線路9がそれぞれ直交して設けられ、
それぞれに受信ポート(第1の周波数f1)と送信ポー
ト(第2の周波数f2)が設けられている。
【0018】すなわち、第1のアンテナ素子3a,第2
のアンテナ素子3b,第3のアンテナ素子3cは、点C
を中心とする円の円周上に正3角形配列され、更に、ス
ロット付き円形パッチアンテナ3を送信用のマイクロス
トリップ給電線路9で給電した場合の偏波方向を実線の
矢印で示し、受信用のマイクロストリップ給電線路7で
給電した場合の円形配列の中心Cと第1のアンテナ素子
3aを結ぶ線と一致させている。また、各スロット5
a,5b,5cは、それぞれ第1のアンテナ素子3a,
第2のアンテナ素子3b,第3のアンテナ素子3cの中
央に設けられ、その向きは送信用のマイクロストリップ
給電線路9の向き、具体的には円形配列の中心Cと各ア
ンテナ素子3の中心とを結ぶ方向に一致する。
【0019】このアンテナの動作について以下、詳細に
説明する。図2に、直交偏波で2周波数共振するパッチ
アンテナの一例として、スロット付き円形パッチアンテ
ナを示す。30は円形パッチ、31はスロットで、送信
用のマイクロストリップ給電線路4と同じ線上にあり、
受信用のマイクロストリップ給電線路5と直交してい
る。スロット長Lsを20mm、給電線路長をそれぞれ
−25mmとした場合の給電線路4、5から見た反射損
失を図3に示す。これらの結果より、給電線路4から見
た共振周波数は、1.66GHz,給電線路5から見た
共振周波数は1.56GHzである。また、送受信間の
アイソレーションとして、−32dBが得られた。これ
らの結果より、このアンテナ方式を用いることで、直線
線波の2周波共用パッチアンテナが得られていることが
判る。
【0020】次に、図2に示したアンテナ素子を3個用
い、右回りに空間的に120度ずつ回転させ、かつ、3
分配器を用いて送受信とも120度ずつ給電位相を遅ら
せるような給電回路を図4に示す。この場合、送信の直
線偏波の方向は、円形配列の中心Cに対し、放射状とな
るように外向きにし、受信ポート及び給電回路は、アン
テナの外側に設ける。図4のアレーアンテナに対し、送
信と受信とも同旋円偏波となるように給電した場合の送
受信間の相互結合を図5に示す。図5に示すマーカ2
(図中下向きの三角形で示す)が送信信号が受信信号に
漏れ込む値であるので、約−48dBのアイソレーショ
ンが得られていることが判る。
【0021】図4に示した本発明の一実施例で、良好な
送受信間のアイソレーションが得られる理由を以下に述
べる。図4において、送信の給電線路に流れる信号をa
t1,at2,at3とし、受信の給電線路から出力さ
れる信号をbr1,br2,br3とする。
【0022】また、第1のアンテナ素子から第3のアン
テナ素子までの相互結合をSパラメータで表すと、以下
の関係が得られる。
【0023】
【数1】 ここで、送信と受信のアンテナを同旋の円偏波で動作さ
せるために
【数2】 at1=1,at2=e-j120 ,at3=e-j240 (2) br1=1,br2=e-j120 ,br3=e-j240 (3) と給電すると、送信信号が受信ポートの結合するアイソ
レーションbrは、
【数3】 br= S11 + S22-j240 + S33-j120 + S12-j120 + S23 + S31-j240 + S13-j240 + S23-j120 + s32 (4) となる。
【0024】ここで、S11、S22、S33は、各素子での
送信信号が受信端子に漏れ込む値で、素子アンテナが同
じであればすべて同じ値になる。また、S12、S23、S
31は、送信(f2)と受信(f1)との偏波がなす角度
が30度で、S13、S23、S32は、送信(f2)と受信
(f1)との偏波がなす角度が150度の場合である。
従って、30度の場合のSパラメータはすべて同じであ
る。一方、150度の場合のSパラメータはすべて同じ
くなる。よって、(4)式は、以下のようになる。
【数4】 br = S11(1 + e-j120 + e-j240 ) + S12(1 + e-j120 + e-j240 ) S13(1 + e-j120 + e-j240 ) (5) ここで、1 + e-j120 + e-j240 =0である
ので、br=0となる。即ち、無限大のアイソレーショ
ンが得られることになる。
【0025】このことは、素子間の相互結合に対し、送
信(f2)と受信(f1)の偏波の関係を利用すること
で、互の結合を同じくしている。更に、給電の位相差を
利用することで無限大のアイソレーションを実現してい
る。図6乃至図14に、素子間の相互結合の実験結果を
示す。
【0026】すなわち、図6は第1のアンテナ素子の送
信から第1のアンテナ素子の受信における相互結合の実
験結果を、図7は第2のアンテナ素子の送信から第2の
アンテナ素子の受信における相互結合の実験結果を、図
8は第3のアンテナ素子の送信から第3のアンテナ素子
の受信における相互結合の実験結果を、図9は第1のア
ンテナ素子の送信から第2のアンテナ素子の受信におけ
る相互結合の実験結果を、図10は第2のアンテナ素子
の送信から第3のアンテナ素子の受信における相互結合
の実験結果を、図11は第3のアンテナ素子の送信から
第1のアンテナ素子の受信における相互結合の実験結果
を、図12は第1のアンテナ素子の送信から第3のアン
テナ素子の受信における相互結合の実験結果を、図13
は第2のアンテナ素子の送信から第1のアンテナ素子の
受信における相互結合の実験結果を、図14は第3のア
ンテナ素子の送信から第2のアンテナ素子の受信におけ
る相互結合の実験結果を、それぞれ振幅と位相によって
示す図である。
【0027】この結果より、上記で説明した本円偏波セ
ルフダイブレキシングアレーアンテナの動作原理が正し
いことがわかる。
【0028】図6乃至図14で得られたアイソレーショ
ンが無限大でない理由は、給電回路の振幅と位相誤差、
及び、図6乃至図14より判るように各素子の相互結合
の発生誤差のためである。これ等を、改善することでア
イソレーションの向上が図れる。
【0029】以上では、右旋円偏波で説明したが、左旋
円偏波でも同様な効果が得られる。更に、素子アンテナ
として、スロット付き円形パッチで説明したが、これに
限らずスロット付き正方形パッチ、矩形パッチ、楕円パ
ッチ等の直交した直線偏波で異なる共振周波数を有する
アンテナ形状であっても良い。
【0030】次に、図15に示す直線偏波素子である矩
形パッチを3個を正3角形に配列したアレーの偏波方向
Φoを回転させた場合の利得を図16、17に示す。図
16は円形アレーの半径を、図17は、誘電率をパラメ
ータとした利得である。偏波方向Φoにより利得が変化
することが判る。図16、17より、誘電率を1.5以
上、円形アレーの半径を0.45波長以下にした場合、
各素子の偏波方向を円形パッチの中心を一致するように
設定することで、最も利得が高くなっていることが判
る。
【0031】また、図18に誘電率2.6における3素
子から8素子までの偏波方向Φoが0度と90度の場合
の利得の計算結果を示す。3、4素子ではΦo=0度の
場合の方が利得が高くなるが、6素子以上ではΦo=9
0度の場合の方が利得が高くなることが判る。例えば、
8素子アレーで円形アレーの半径dが120cmでは、
Φo=90度で12.7dBi、Φo=0度で10.7
dBiとなり、約2dB利得が異なっていることが判
る。また、最大利得はd=18cmで得られ、このとき
の半径は0.98波長である。
【0032】図18より、6素子以上では、円形アレー
の半径dが0.6波長以上の場合に、円形アレーの中心
と素子の中心を結んだ線上と直交する方向に偏波方向を
設けることで利得の向上が図れることが判る。
【0033】また、図19に楕円パッチアンテナを素子
とし、4素子アレーと8素子アレーを組み合わせた12
素子アレーを示す。この場合、送信の利得を高くするた
めに、4素子は、円形アレーの中心と素子の中心を結ん
だ線上偏波方向を一致させ、8素子は、逆に直交する方
向に偏波方向を設定してある。この場合の利得は、1
5.6dBiとなる。図20、21に8素子と12素子
アレーの放射指向性を示す。この図より、両者を組み合
わせることで、サイドローブレベルを−21dB以下に
交差偏波レベルを−11dB以下に抑圧できることが判
る。一方、受信の利得を高めたい場合には、偏波方向を
4素子と8素子で逆にすればよい。更に、4素子と8素
子についてのべたが素子数は任意である。
【0034】上述したように、本発明を適用することで
利得の向上が図れることが明らかである。これは、HP
A、LNA等への要求値の低減となり、送受信機の小形
化と低価格化が図られることを意味する。また、3素子
アレーは10dB以下の低利得で十分なシステムである
携帯端末などに有効で、5素子以上では、10dB以上
の車載用アンテナなどの移動体衛星通信に有利である。
また、ビームを走査する場合では、円形上に配列されて
いるので、四角配列で問題となるグレーティングローブ
の発生が顕著に生じないことも本発明のメリットであ
る。
【0035】図22は、半径dの円周上にシーケンシャ
ル配列したN素子円形アレーアンテナの構成を示す図で
ある。第1のアンテナ素子43aの中心と円形アレーの
中心Cとを結ぶ直線を半径を基準にして、第2のアンテ
ナ素子43bから第Nのアンテナ素子43Nまでのアン
テナ素子43をφn=2π(n−1)/Nの角度で図
中、矢印の回転方向に順次配列した。この図22におい
ては送信の偏波方向(Tx)を実線の矢印で、受信の偏
波方向(Rx)を点線の矢印でそれぞれ示す。
【0036】また図23に、このときの給電回路と各素
子の送受信端子における入出力信号を示す。atn、b
tn(n=1,N)が入力信号を表し、arn、brn
(n=1,N)が出力信号を表す。ここでは、入力信号
の振幅を1対1に、位相を素子の空間的回転角度に対応
した位相差に分配し、かつ反射波は入力ポートに戻らず
抵抗等に吸収される理想的な分配器(合成器)を想定し
ている。
【0037】図24は、正三角形に配列された3素子ア
レーアンテナの構成を示す図である。送信の偏波方向を
変化させても空間を介した隣り合う素子間の相互結合は
ほとんど同じであり、偏波方向によらず各々の相互結合
はほとんど同じであることが判る。なお、円形アレーの
半径dは70mmであり、送信の共振周波数が1.67
GHz、受信の共振周波数が1.56GHzとなるよう
に円形パッチの半径とスロットの寸法を決定した。
【0038】また、図25は、この図24に示す3素子
アレーの、偏波方向を30度に設定し、同旋円偏波及び
逆旋円偏波で励振した場合のアイソレーションを示す図
である。これから、送受信間のアイソレーションは、送
信周波数1.662GHzの送信信号が受信の給電点に
漏れ込む値で同旋円偏波で−48dB、逆旋円偏波で−
27dBである。
【0039】以上説明したように本実施例によれば、同
時に異なる周波数で送信と受信が行えるN素子(N≧
3)セルフダイプレキシングアレーアンテナを実現で
き、かつ、送信信号が受信信号に漏れ込む相互結合量を
約−48dB以下に抑圧できる。このため、フィルタや
ダイフレクサに要求されるアイソレーションレベルの値
を低減できたり、または、これを不要とすることができ
る。このため、送受信とも良好な円偏波特性を得ること
ができる。更に、アンテナの利得を1dB以上向上させ
ることができるためアンテナ送受信の給電系の小形化と
コストの低下が図れる。
【0040】更に、サイドロープレベルや交差偏差レベ
ルを抑圧することができるので、移動体衛星通信などに
用いる場合には、不要波の影響の抑圧も図ることができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、円
偏波アレーアンテナにおける各アンテナ素子の配置を最
適化することにより、送受信間の良好なアイソレーショ
ンを得ると共に良好な円偏波特性を得ることができる。
更に、アンテナの利得を向上させることができるためア
ンテナ送受信の給電系の小形化とコストの低下が図れる
等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3素子円偏波アレーアンテナの一
実施例の構成を示す図である。
【図2】スロット付き円形パッチアンテナの構成を示す
図である。
【図3】図2に示すスロット付き円形パッチアンテナの
反射損失特性を示す図である。
【図4】図2に示すスロット付き円形パッチアンテナ素
子を3個用いたスロット付き3素子アレーの配置を示す
図である。
【図5】図4に示すスロット付き3素子アレーアンテナ
における送受信間の相互結合を示す図である。
【図6】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相に
よって示す図である。
【図7】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相に
よって示す図である。
【図8】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相に
よって示す図である。
【図9】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相に
よって示す図である。
【図10】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相
によって示す図である。
【図11】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相
によって示す図である。
【図12】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相
によって示す図である。
【図13】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相
によって示す図である。
【図14】各素子間の相互結合の実験結果を振幅と位相
によって示す図である。
【図15】直線偏波素子である矩形パッチアンテナ素子
を3個用いた3素子アレーの配置を示す図である。
【図16】図15に示す3素子アレーの利得を、半径を
パラメータにして示す図である。
【図17】図15に示す3素子アレーの利得を、誘電率
をパラメータにして示す図である。
【図18】円形アレーアンテナの素子数が3、4、5、
8の場合の利得を示す図である。
【図19】12素子シーケンシャルアレーアンテナの構
成を示す図である。
【図20】8素子シーケンシャルアレーアンテナの放射
指向性を示す図である
【図21】図19に示す12素子シーケンシャルアレー
アンテナの放射指向性を示す図である。
【図22】N素子円形アレーアンテナの構成を示す図で
ある。
【図23】給電回路と各素子の送受信端子における入出
力信号を説明するための図である。
【図24】正三角形に配列された3素子アレーアンテナ
の構成を示す図である。
【図25】3素子アレーの同旋円偏波及び逆旋円偏波で
励振した場合のアイソレーションを示す図である。
【図26】従来の円偏波同時送受信複合アンテナの構成
を示す図である。
【符号の説明】
1 誘電板基板 3 直交偏波2周波数共振パッチ 6 送信ポート 7 受信ポート C 配列できる円の中心 T 送信用給電線路 R 受信用給電線路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線偏波アンテナ素子をN(3≦N≦
    5)個、円周上の略正N角形となる位置に配列すると共
    に、各アンテナ素子の向きを順次、360/N度ずつ回
    転させ、更に、360/N度ずつの位相差で給電し、誘
    電率を1.5以上の基板に各素子を形成し、円形アレー
    の半径を約0.45波長以下に配列し、かつ、各素子の
    偏波方向を円形アレーの中心を各素子を結んだ線上に一
    致するように偏波方向を設定したことを特徴とする円偏
    波アレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 直線偏波アンテナ素子のN個(N≧6)
    を円周上に配列したアレーアンテナであって、 前記直線偏波アンテナ素子を略正N角形となる位置に配
    列すると共に、各アンテナ素子の向きを順次、360/
    N度ずつ回転させ、更に、360/N度ずつの位相差で
    給電し、誘電率を1.5以上の基板に各素子を形成し、
    円形アレーの半径を約0.6波長以上に配列し、かつ、
    各素子の偏波方向を円形アレーの中心を各素子を結んだ
    線と直交するように偏波方向を設定したことを特徴とす
    る円偏波アレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 直交する直線偏波を発生し、かつ、それ
    ぞれの偏波が異なる第1の周波数及び第2の周波数で共
    振する構造を有するアンテナ素子N個を円周上の略正N
    角形となる位置に配列すると共に、第1のアンテナ素子
    の第1の周波数及び第2の周波数のいずれかの偏波方向
    を配列の円の中心と第1のアンテナ素子を結ぶ線と一致
    するように固定し、第2のアンテナ素子から第Nのアン
    テナ素子に対して360/N度ずつ時計回り若しくは反
    時計回りに各素子の向きが回転するように配列し、この
    向きに対応した360/N度ずつの位相差を生ずるよう
    に異なる共振周波数である第1の周波数及び第2の周波
    数をそれぞれの給電点に給電し、同旋円偏波を発生させ
    ることを特徴とする円偏波アレーアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1記載の円偏波アレーアンテ
    ナと前記請求項2記載の円偏波アレーアンテナと前記請
    求項3記載の円偏波アレーアンテナとを適宜組み合わせ
    たことを特徴とする円偏波アレーアンテナ。
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