JPH06289017A - Dnaの塩基配列決定方法及びdnaの塩基配列決定用測定装置 - Google Patents

Dnaの塩基配列決定方法及びdnaの塩基配列決定用測定装置

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JPH06289017A
JPH06289017A JP7971993A JP7971993A JPH06289017A JP H06289017 A JPH06289017 A JP H06289017A JP 7971993 A JP7971993 A JP 7971993A JP 7971993 A JP7971993 A JP 7971993A JP H06289017 A JPH06289017 A JP H06289017A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走査型プローブ顕微鏡を利用したDNAの塩
基配列決定方法及びDNAの塩基配列決定用測定装置を
提供する。 【構成】 DNAの塩基配列決定用測定装置は、走査型
プローブ顕微鏡と、前記走査型プローブ顕微鏡の探針2
と被測定一本鎖DNAを収容するための溶液セル4と、
溶液セル4に設けられた溶液の進入口5及び排出口6
と、進入口5につながれている溶液タンク14、15、
16から構成される。塩基またはDNA断片を含まない
溶液を導入したときのDNA像と、前記塩基またはDN
A断片を含む溶液を導入したときのDNA像とを比較す
ることにより、DNAの塩基配列を簡単に、迅速に、し
かも少量の試料を用いて読みとることができる。走査型
プローブ顕微鏡は、走査型トンネル顕微鏡または原子間
力顕微鏡であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子生物学、医学、法
医学、農林水産業、製薬業における、DNAの塩基配列
決定方法及びDNAの塩基配列決定用測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】化学反応と分離分析を組み合わせたDN
Aの塩基配列決定方法(細胞の分子生物学第2版(19
89)、中村桂子監修、教育社、185〜188ペー
ジ)に代わる新規な方法として、走査型トンネル電子顕
微鏡(以下、STMという)(ネイチャー339(19
89)、484〜486ページ:Nature339
(1989)、pp484−486)や原子間力顕微鏡
(以下、AFMという)(バイオフィジカル・ジャーナ
ル58(1990年)、1251〜1258ページ:B
iophys.J.58(1990)、pp1251−
1258)を用いたDNAの塩基配列決定法が研究され
ている。
【0003】STM及びAFMとは走査型プローブ顕微
鏡の一種で、これは細い探針を物質表面に接近もしくは
接触させて、原子レベルの精度でこの物質表面を走査
し、探針と物質表面間に発生する様々な相互作用の結果
生じるトンネル電流や力や熱などの物理量を検出するこ
とによって、物質表面の形状を調べる装置である。
【0004】STMやAFMを用いることにより、原理
的には一分子のDNAから塩基配列を決めることが可能
となる。また、従来法に比べて安全かつ簡便に塩基配列
を決定できるので、将来的には、従来法に取って代わる
ものとして期待されている。
【0005】STMは、先端の尖った探針をピエゾ素子
を用いて試料に原子数個分の距離まで近づけ、特定領域
を走査しながら試料と探針との間に流れるトンネル電流
を測定することにより試料の表面形状を調べる測定装置
である。STMを用いることにより、試料の形状を原子
レベルの分解能で調べることができる(フィジカル・レ
ビュー・レターズ50(1983)、120〜123ペ
ージ:Phys.Rev.Letters50(198
3)、pp120−123)。
【0006】また、AFMはトンネル電流の代わりに探
針と試料との間に働く原子間力を測定することにより、
試料表面の形状を調べることができる(フィジカル・レ
ビュー・レターズ56(1986)、930〜933ペ
ージ:Phys.Rev.Letters56(198
6)、pp930−933)。
【0007】以下にSTMやAFMを用いてDNAの塩
基配列を決定する方法を示す。DNAは4種類の塩基、
アデニン(A)、グアニン(G)、チミン(T)、シト
シン(C)を含む。それらの塩基はそれぞれ分子の形状
が違うので、あらかじめ一種類の塩基だけから成る一本
鎖DNAを観察し、各塩基の形状を調べておく。
【0008】次に、塩基配列を調べたい一本鎖DNAを
基板に固定して、このDNAの形状をSTM、もしくは
AFMを用いて調べる。既に4種類の塩基の形状は分か
っているので、一本鎖DNAの形状から各塩基の位置が
分かり、このDNAの塩基配列が分かる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】STMを用いることに
より、試料表面の原子一個一個を識別して見ることが可
能である。しかし、これは導電性のある試料に限ったこ
とであり、導電性のない試料表面を原子分解能で見るこ
とは難しい。DNAは不導体なので走査型プローブ顕微
鏡の分解能は高くなく、DNAの内部構造を調べること
が難しい。そのため、DNAを構成する4種類の塩基の
位置を正確に再現性良く調べることはできていない。
【0010】AFMは導電性のない試料でも観測可能で
あるが、測定分解能はSTMほど高くなく、DNA内の
塩基の位置を完全に調べることは難しい。また、基板へ
のDNAの固定のされ方により塩基の見え方が変わるの
で、あらかじめ観察した、一種類の塩基だけを含むDN
Aの像から得られたデーターをそのまま用いることがで
きない。従って、STMやAFMを用いてDNAを構成
する塩基の配列を決定することは難しい。
【0011】本発明は、前記従来の課題を解決し、ST
MやAFMを用いてDNAの塩基配列を正確に再現性良
く決定する方法及び塩基配列を決定するための測定装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のDNAの塩基配列決定方法は、走査型プロ
ーブ顕微鏡を用いたDNAの塩基配列決定方法であっ
て、少なくとも2種類の溶液中で一本鎖DNAを順次観
察することを特徴とする。
【0013】前記構成においては、少なくとも2種類の
溶液が、一本鎖DNA断片を含まない1種類の溶液と、
少なくとも1分子の一本鎖DNA断片を含む少なくとも
1種類の溶液とからなることが好ましい。
【0014】また、前記構成においては、少なくとも2
種類の溶液が、DNAを構成する塩基と塩基対をなす塩
基を含まない1種類の溶液と前記DNAを構成する塩基
と塩基対をなす塩基を含む少なくとも1種類の溶液とか
らなることが好ましい。
【0015】また、前記構成においては、走査型プロ−
ブ顕微鏡が走査型トンネル顕微鏡であることが好まし
い。また、前記構成においては、走査型プローブ顕微鏡
が原子間力顕微鏡であることが好ましい。
【0016】次に、本発明のDNAの塩基配列決定用測
定装置は、走査型プローブ顕微鏡と、前記走査型プロー
ブ顕微鏡の探針と被測定一本鎖DNAとを収容するため
の溶液セルと、前記溶液セルに設けられた溶液の進入口
及び排出口と、前記進入口につながれている少なくとも
2つの溶液タンクからなるという構成を備えたものであ
る。
【0017】前記構成においては、走査型プロ−ブ顕微
鏡が走査型トンネル顕微鏡であることが好ましい。ま
た、前記構成においては、走査型プローブ顕微鏡が原子
間力顕微鏡であることが好ましい。
【0018】
【作用】前記本発明の構成によれば、少なくとも2種類
の溶液中で一本鎖DNAを順次観察することにより、塩
基の配列を正確に決定することができる。すなわち、一
本鎖DNAは、その基板上への固定のされ方によって形
状は違って見えるが、本発明の測定においては、異なる
溶液を試料一本鎖DNAにさらしたときの試料一本鎖D
NA像の変化のみをとらえているため、DNA内の各塩
基の配列を確実に決定することができる。
【0019】また、少なくとも2種類の溶液が、一本鎖
DNA断片を含まない1種類の溶液と、少なくとも1分
子の一本鎖DNA断片を含む少なくとも1種類の溶液と
からなるという本発明の好ましい構成によれば、試料の
一本鎖DNAで特定のタンパク質の情報がコードされて
いる部分を調べたい場合に都合がよい。
【0020】適当な条件下では、一本鎖DNAは相補的
な塩基配列をもつ一本鎖DNAと結合する。例えば、試
料一本鎖DNAが塩基配列CCCAGTを含む場合、こ
のDNAを塩基配列GGGTCAのみをもつ一本鎖DN
A断片を含む溶液にさらすと、前記一本鎖DNA断片は
試料一本鎖DNAの塩基配列CCCAGTの部分にのみ
結合する。すなわち、調べたいタンパク質をコードして
いる一本鎖DNAを試料DNAにさらせば、前記一本鎖
DNAは試料DNAのタンパク質をコードしている部分
にのみ結合する。従って、タンパク質をコードしている
一本鎖DNAを含む溶液をさらす前後の試料DNAの形
状変化を走査型プローブ顕微鏡で調べることにより、目
的とする塩基配列が試料DNAのどこにあるのかが分か
る。
【0021】また、少なくとも2種類の溶液が、DNA
を構成する塩基と塩基対をなす塩基を含まない1種類の
溶液と、前記DNAを構成する塩基と塩基対をなす塩基
を含む少なくとも1種類の溶液とからなるという本発明
の好ましい構成によれば、DNA内の各塩基の配列を正
確に決定することができる。すなわち、基板表面に固定
されたDNAを溶液にさらしDNAを観察する。この状
態では、DNA内の各塩基を識別できるほど走査型プロ
ーブ顕微鏡の分解能は高くないが、DNAのおおよその
形態は識別できる。一本鎖DNAを構成する塩基は適当
な条件下では、それぞれ特定の塩基と水素結合する性質
を持っている。すなわち、AはTと、GはCと水素結合
する。
【0022】そこで次に、走査型プローブ顕微鏡で引き
続きDNAを測定しながら、溶液をAを含む溶液に変え
る。このA分子の大きさは0.5nm以上なので、Aが
DNA中のTと結合した際の、DNAの形状変化を走査
型プローブ顕微鏡で充分とらえることができる。従っ
て、変化した部分にTの存在することが分かる。同様に
G、C、Tを含む溶液をそれぞれ一本鎖DNAにさらす
ことにより、DNA中のC、G、Aの配列が分かる。
【0023】また、走査型プロ−ブ顕微鏡が走査型トン
ネル顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察する
のに都合がよい。また、走査型プローブ顕微鏡が原子間
力顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察するの
に都合がよい。
【0024】次に,本発明のDNAの塩基配列決定用測
定装置は、走査型プローブ顕微鏡と、前記走査型プロー
ブ顕微鏡の探針と被測定一本鎖DNAとを収容するため
の溶液セルと、前記溶液セルに設けられた溶液の進入口
及び排出口と、前記進入口につながれている少なくとも
2つの溶液タンクを備えることにより、一本鎖DNAの
特定の塩基が特定の塩基と結合する前後の像が観察でき
るので、DNAの塩基配列が決定できる。
【0025】また、走査型プロ−ブ顕微鏡が走査型トン
ネル顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察する
のに都合がよい。また、走査型プローブ顕微鏡が原子間
力顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察するの
に都合がよい。
【0026】
【実施例】以下、実施例を用いながら本発明を詳しく説
明する。図1は本発明の一実施例のSTMを用いたDN
Aの塩基配列決定用測定装置の原理説明図である。
【0027】被測定物質である一本鎖DNAを基板1に
固定する。基板1と、圧電体3に接続する探針2とを溶
液セル4に入れる。圧電体3はZ軸方向制御用サーボ回
路52およびX−Y軸方向走査用回路54によってコン
トロールされ、探針2を原子レベルの精度で走査する。
すなわち、圧電体3は電気信号(電圧)により伸縮し、
三次元方向つまり探針2を上下するZ軸方向、探針2を
図の手前や奥方向に移動させるY軸方向、探針2を図の
左右方向に移動させるX軸方向に動くように構成されて
いる。基板1上の測定試料と探針2との間にトンネル電
流を流すための電圧発生器49を作動する。圧電体3に
より、探針2を前記一本鎖DNAの表面に原子数個分の
距離まで近づけると、探針2と試料間にトンネル電流が
流れる。電流の大きさは電流検出器50で検出する。ト
ンネル電流の変化量は電流検出器50で電気信号に変え
られ電気信号増幅器51で増幅される。前記トンネル電
流の大きさは探針2と試料の間の距離に指数関数的に比
例するので、この距離の微小な変化をトンネル電流の変
化量から知ることができる。
【0028】そこで、トンネル電流の値が一定になるよ
うにZ軸方向制御用サーボ回路52を用いて探針2を走
査し、X、Y、Z軸方向のメモリー装置55およびデー
ター解析装置56を通して探針2の動きをディスプレイ
57に表示することにより、試料の形状が分かる。
【0029】溶液タンク14、15、16内の溶液はそ
れぞれポンプ11、12、13に汲み出され細管5を通
って溶液セル4に送られ、細管6を経て廃液タンク7に
排出される。ポンプ11、12、13の運転とバルブ
8、9、10の開閉は、バルブ・ポンプ制御装置53に
より制御する。例えば、溶液タンク14内の溶液を溶液
セル4に送る場合は、バルブ8を開け、ポンプ11を運
転する。他のバルブ9、10は全て閉じ、ポンプ12、
13は運転しない。このようにして溶液タンク14内の
溶液のみを溶液セル4に入れる仕組みとなっている。
【0030】図1においては、3つの溶液タンクとそれ
に付随するバルブ、ポンプしか描かれていないが、実際
はタンク数はいくらでも増やすことができる。図2は、
本発明の一実施例のAFMを用いたDNAの塩基配列決
定用測定装置の原理説明図である。図3は図2の試料の
測定部を拡大したものである。
【0031】まず図2について説明する。図2において
は、図1で示されたいくつかの部分がそのまま利用され
ている。図1と共通する部分の説明は省略する。X−Y
軸方向走査用回路154で走査する範囲やピッチを予め
設定しておき、探針102を試料表面に接近または接触
させて試料表面を走査する。
【0032】光源112から出たレーザー光などの光1
05はレンズ113で収束し、探針の梃部103に当た
る。この時に探針102と基板101との間に原子間力
が働くと、探針の梃部103がそれに応じてたわみ、こ
のため、レーザー光105の反射角が変化する。この反
射角の変化をセンサー150でキャッチし電気信号に変
え、この信号は電気信号増幅器151で増幅される。こ
の場合に、Z軸方向制御用サーボ回路152は、センサ
ー150の電気信号の出力が常に一定になるような制御
信号を圧電体111に出力するようになっている。すな
わち強い原子間力が働いて探針102と基板101の距
離が近づくような力が生じた場合にはその力が生じてい
なかったときの力と同じになるよう試料がZ軸方向で引
き離されるように作動する。このようにして試料上を所
定の範囲にわたって走査し、X、Y、Z軸方向のメモリ
ー装置155、データ解析装置156、ディスプレイ1
57または記録装置(図示せず)により試料検査結果が
出力される。
【0033】なお、この場合、センサー150はフォト
ダイオードである。次に図3について説明する。基板1
01を基板110に固定する。前記基板110はオーリ
ング108、109によって溶液セル107の底部の穴
を封入するための基板である。圧電体111は基板10
1および110を原子レベルの精度で走査する。前記圧
電体111は電気信号(電圧)により伸縮し、三次元方
向すなわち試料を上下するZ軸方向、試料を図の手前方
向や奥方向に移動させるY軸方向、試料を図の左右方向
に移動させるX軸方向に動くように構成されている。溶
液セル107はレーザー光が透過できるようにガラスで
できている。探針の梃部103の上面には金属が蒸着さ
れていて、レーザー光などの光を反射できる。探針の梃
部103に接続する探針の基部104は溶液セル107
に固定されている。
【0034】探針102、探針の梃部103、探針の基
部104は半導体微細加工技術によって、シリコン、酸
化シリコン、窒化シリコンのいずれかの材料から作製す
る。探針102の先端の曲率半径は、20nm以下が好
ましい。
【0035】また、一本鎖DNAに4種類の塩基を特異
的に結合させるためには、公知の生化学的手法(例え
ば、細胞の分子生物学、第2版(1989)、中村桂子
監修、教育社、188〜192ページを参照)を用い
る。
【0036】まず、あらかじめ、一本鎖DNAにプライ
マー(被測定一本鎖DNAの特定領域に結合する相補的
な塩基配列をもつヌクレオチドで、一般に、一本鎖の端
に結合する)を結合させておく。このDNAを酵素ポリ
メラーゼと4種類の塩基(A、T、C、G)の溶解した
溶液に入れると、ポリメラーゼの働きにより、A、T、
C、Gが一本鎖DNA中のT、A、G、Cにそれぞれ結
合して2本鎖DNAが形成される。
【0037】また、被測定一本鎖DNAに、相補的な塩
基配列をもつ一本鎖DNAを結合させるには、前記相補
的な塩基配列をもつDNAの溶解した溶液にさらし、6
0℃で約一時間反応させれば良い。
【0038】また、被測定一本鎖DNA内の塩基に相補
的な塩基が結合するためには、一本鎖DNA内の塩基が
基板に対して外側を向いている必要がある。一本鎖DN
Aは糖とリン酸残基が交互につながった長い鎖状分子
で、糖にはA、C、G、Tが結合し、リン酸部分はpH
=7付近で負の電荷を帯びている。従って、正の電荷を
帯びている基板に一本鎖DNAを固定することにより、
塩基を基板に対して外側に向けることができる。このた
めに、被測定一本鎖DNAを固定する基板としては、へ
き開した雲母、正の電荷の帯びた薄膜(例えば、雲母基
板上に積層されたラングミュアブロジェット(LB)
膜)等がある。また、へき開したグラファイトや金の蒸
着膜上の一本鎖DNAを測定する場合も、塩基が基板の
外側を向いているDNAを探し、それを測定すること
で、塩基配列を決定することができる。
【0039】この中でも、ワイゼンホルンら(ラングミ
ュア第7巻、8ページ(1991年):A.L.Wei
senhorn et al. Lngumuir,7
(1),p8(1991))が開発したDNA固定方法
は優れている。へき開した雲母基板上にdioctad
ecyldimethylammoniumbromi
de(ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイ
ド;以下DODABと記す)とL−α−dipalmi
toylphosphatidylglycerol
(L−α−ジパルミトイルフォスパチジルグリセロー
ル;以下DPPGと記す)の混合単分子膜をラングミュ
アブロジェット法により積層する。雲母に積層されたD
ODABとDPPGは、それぞれ正と負の電荷を帯びて
いる。DODABのみの単分子膜にDNAを固定する
と、一本鎖DNAがまっすぐに伸びずに凝集する場合が
あるが、混合膜の場合はその様なことが少ない。
【0040】以下に、具体的な実施例を示す。 実施例1 30塩基対分だけ切断し取り出した大腸菌DNAの塩基
配列を本発明の塩基配列決定方法で読みとった。以下に
詳細を示す。
【0041】まず、30塩基対からなる大腸菌DNAを
20μg/l以下の濃度となるように塩濃度0.1×S
SCの溶液に溶解する(1×SSCは150mMの塩化
ナトリウムと15mMのクエン酸ナトリウムの混合溶
液)。そして、この溶液を沸騰した湯に10分間つけた
後、氷水で急冷して、大腸菌DNAを一本鎖DNAにし
た。この溶液に10×SSCを加え、10ml中に一本
鎖DNAが200μg含む6×SSCの溶液を作った。
なお、今回用いたDNAの塩基配列を、マクサム・ギル
バード法であらかじめ調べた。その結果、3′−GAA
TCCATAGGTTAATGAGGCGAACCGG
GG−5′の塩基配列を持つことが分かった。
【0042】次に、へき開したグラファイト基板、もし
くは約10nmの厚さの金が蒸着されている雲母基板を
前述の塩基配列をもつ一本鎖DNAを含む溶液に1時間
浸した後、6×SSCの溶液で洗浄し、図1に示した塩
基配列決定用測定装置に組み込んだ。
【0043】次に、一本鎖DNAの断片(塩基配列は
5′−AATTA−3′)を0.2μg/l含む2×S
SCの溶液、及び、洗浄用として、2×SSCの溶液を
それぞれ溶液タンク14、15に入れた。また、溶液セ
ル4が60℃になるようにヒーターの上に乗せて測定を
行った。
【0044】試料の観察はトンネル電流一定モードで行
い、探針2と試料間の電位差は100mV、トンネル電
流は0.6nAとした。まず、溶液セル4に洗浄用の溶
液を1μl/min.の流量で導入し、基板表面上の一
本鎖DNAの観察を行ったところ、長い棒状の像が見え
た。この像を観測しつつ、前述の5′−AATTA−
3′の塩基配列をもつDNA断片を含む溶液を1μl/
min.の流量で導入した。約20分後に、DNAの像
に変化が現れた。すなわち、長い棒状の像の中心部分が
太くなって見えた。詳しく調べてみたところ、3′末端
から12番目の塩基から16番目の塩基までの部分が太
くなって見えた。従って、被測定一本鎖DNAの3′末
端から12番目から16番目までの塩基配列がTTAA
Tであることが分かった。この結果は、マクサム・ギル
バード法より求めた結果と一致した。
【0045】実施例2 DNAの塩基配列決定用AFM装置(図2、3参照)を
用いて、実施例1と同様に一本鎖DNAの塩基配列を調
べた。
【0046】へき開したグラファイト、へき開した雲
母、厚さ約10nmの金が蒸着された雲母基板に、実施
例1と同様な方法で一本鎖DNAを基板1に固定した。
測定においてはAFMの探針102にかかる力を数ナノ
ニュートン以下にして、測定中、探針102によって被
測定物質のDNAが変形、もしくは基板101から剥離
しないようにした。また、溶液セル107にヒーター線
を巻き、セル内の溶液の温度が60℃に保たれるように
した。
【0047】この結果、実施例1と同様、一本鎖DNA
の特定領域の塩基配列を決定できた。 実施例3 実施例2と同様に、一本鎖DNAを測定した。但し、ワ
イゼンホルンら(ラングミュア第7巻、8ページ(19
91年):A.L.Weisenhorn et a
l. Lngumuir,7(1),p8(199
1))が開発した方法をそのまま用いて、DNA固定用
基板を作製した。すなわち、へき開した雲母に、アラキ
ン酸のLB膜を一層、その上に、DODAPとDPPG
の混合膜(1:1)を一層積層した。この基板に、実施
例1と同様の方法を用いて一本鎖DNAを固定した。
【0048】この結果、実施例2と同様、一本鎖DNA
の特定領域の塩基配列を決定できた。 実施例4 プライマーの結合した被測定一本鎖DNAを公知の方法
により作製した。
【0049】まず、M13系ファージに3′−GAAT
CCATAGGTTAATGAGGCGAACCGGG
G−5′の塩基配列を持つ一本鎖DNAを組み込み、こ
れにM13ファージのプライマーである5′−GTAA
AACGACGGCCAGT−3′を結合させ、被測定
一本鎖DNAを作った(詳しくは、例えば、高浪満、大
井龍夫編、DNAシークエンス解析マニュアル、丸善出
版、1983年)。
【0050】この一本鎖DNAを20μg/l以下の濃
度となるように塩濃度0.1×SSCの溶液に溶解し
た。次に、実施例1と同様の方法でこの一本鎖DNAを
グラファイト基板、もしくは厚さ約10nmの金の蒸着
された雲母基板に固定し、塩基配列決定用STM装置
(図1参照)に組み込んだ。また、溶液セル4をヒータ
ーの上に乗せ、セル内の温度を37℃に保つようにし
た。
【0051】次に、DNAポリメラーゼであるクレノウ
酵素1μg/l、塩化ナトリウム20mmol/l、E
DTA0.1mmol/lの溶解したpH=7.5のト
リス−塩酸緩衝溶液7mmol/l溶液と、これに5μ
mol/lのA、T、G、Cをそれぞれ加えた4種類の
溶液の計5種類の溶液を作り、それぞれを溶液タンクに
入れた。
【0052】試料の観察はトンネル電流一定モードで行
い、探針2と試料間の電位差は100mV、トンネル電
流は0.6nAとした。溶液セル4に、まず、塩基の入
っていない溶液を1μl/min.の流量で導入し、基
板表面上の一本鎖DNAの観察を行ったところ、長い棒
状の像が見えた。この像を観測しつつ、A、T、G、C
の各溶液を順番に溶液セル内に導入した。但し、一種類
の溶液の導入時間は10分とし、各溶液を導入する前
に、塩基の入っていない溶液を5分間溶液セルに導入
し、セル内を洗浄した。
【0053】この結果、長い棒状に見えた一本鎖DNA
のSTM像は、端から少しづつ太くなっていった。すな
わち、Tの溶けた溶液をセル内に導入したときに、少し
でもDNAが太くなって見えた場合、その太くなった部
分にはTと相補的な塩基であるAが存在していることが
分かった。また、太くなる領域の大きさを調べることよ
りAが何個存在しているかも調べることができた。この
ようにして、一本鎖DNAの塩基配列が決定できた。
【0054】実施例5 DNAの塩基配列決定用AFM装置(図2、3参照)を
用いて、実施例4と同様に一本鎖DNAの塩基配列を調
べた。
【0055】へき開したグラファイト、へき開した雲
母、厚さ約10nmの金が蒸着された雲母基板に、実施
例1と同様な方法で一本鎖DNAを基板に固定した。測
定においてはAFMの探針102にかかる力を数ナノニ
ュートン以下にして、測定中、探針102によって被測
定物質のDNAが変形、もしくは基板101から剥離し
ないようにした。また、溶液セル107にヒーター線を
巻き、セル内の溶液の温度が37℃に保たれるようにし
た。
【0056】この結果、実施例4と同様、一本鎖DNA
の塩基配列を決定できた。 実施例6 実施例5と同様に、一本鎖DNAを測定した。但し、ワ
イゼンホルンら(ラングミュア第7巻、8ページ(19
91年):A.L.Weisenhorn et a
l. Lngumuir,7(1),p8(199
1))が開発した方法をそのまま用いて、DNA固定用
基板を作製した。すなわち、へき開した雲母に、アラキ
ン酸のLB膜を一層、その上に、DODAPとDPPG
の混合膜(1:1)を一層積層した。この基板に、実施
例1と同様の方法を用いて一本鎖DNAを固定した。
【0057】この結果、実施例5と同様、一本鎖DNA
の特定領域の塩基配列を決定できた。
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、少
なくとも2種類の溶液中で一本鎖DNAを順次観察する
ことにより、塩基の配列を正確に決定することができ
る。すなわち、一本鎖DNAは、その基板上への固定の
され方によって形状は違って見えるが、本発明の測定に
おいては、異なる溶液を試料一本鎖DNAにさらしたと
きの試料一本鎖DNA像の変化のみをとらえているた
め、DNA内の各塩基の配列を確実に決定することがで
きる。
【0059】また、少なくとも2種類の溶液が、一本鎖
DNA断片を含まない1種類の溶液と、少なくとも1分
子の一本鎖DNA断片を含む少なくとも1種類の溶液と
からなることにより、試料の一本鎖DNAで特定のタン
パク質の情報がコードされている部分を調べたい場合に
都合がよい。すなわち、タンパク質をコードしている一
本鎖DNAを含む溶液をさらす前後の試料DNAの形状
変化を走査型プローブ顕微鏡で調べることにより、目的
とする塩基配列が試料DNAのどこにあるのかが分か
る。
【0060】また、少なくとも2種類の溶液が、DNA
を構成する塩基と塩基対をなす塩基を含まない1種類の
溶液と、前記DNAを構成する塩基と塩基対をなす塩基
を含む少なくとも1種類の溶液とからなることにより、
DNA内の各塩基の配列を正確に決定することができ
る。
【0061】また、走査型プロ−ブ顕微鏡が走査型トン
ネル顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察する
のに都合がよい。また、走査型プローブ顕微鏡が原子間
力顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察するの
に都合がよい。
【0062】次に、本発明のDNAの塩基配列決定用測
定装置によれば、走査型プローブ顕微鏡と、前記走査型
プローブ顕微鏡の探針と被測定一本鎖DNAとを収容す
るための溶液セルと、前記溶液セルに設けられた溶液の
進入口及び排出口と、前記進入口につながれている少な
くとも2つの溶液タンクを備えることにより、一本鎖D
NAの特定の塩基が特定の塩基と結合する前後の像が観
察できるので、DNAの塩基配列が決定できる。
【0063】また、走査型プロ−ブ顕微鏡が走査型トン
ネル顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察する
のに都合がよい。また、走査型プローブ顕微鏡が原子間
力顕微鏡であると、溶液中で一本鎖DNAを観察するの
に都合がよい。
【0064】DNAの塩基配列を迅速に決めることは、
分子生物学、医学、法医学、農林水産業、製薬業の分野
でたいへん重要である。特に、遺伝病の治療や、DNA
操作による植物等の品種改良、有用物質の生物による生
産を行う場合、DNAの塩基配列を読みとることは基礎
技術として今後ますます重要になってくると考えられ
る。
【0065】本発明によれば、今までの方法に比べて簡
便で少量のDNAしか必要としないので、これらの分野
に多大な恩恵を与えるものである。さらに、現在、ヒト
のDNA配列をすべて決めてしまおうとする“ヒトゲノ
ム解析計画”が進められている。この場合、読みとるべ
きヒトDNAの塩基対の数は28億と非常に多く、迅速
にしかも正確に塩基配列を読みとる手段の開発が強く望
まれている。本発明は、このゲノム解析の有力な手段と
なろう。
【0066】なお、本発明はDNAの塩基配列を決定す
る方法とその測定装置に関するものであるが、RNAの
塩基配列も同様の原理で決定できることは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のDNAの塩基配列決定用S
TM装置の原理説明図。
【図2】本発明の一実施例のDNAの塩基配列決定用A
FM装置の原理説明図。
【図3】図2の探針部分の拡大図。
【符号の説明】
1 基板 2 探針 3 圧電体 4 溶液セル 5 細管 6 細管 7 廃液タンク 8、9、10 バルブ 11、12、13 ポンプ 14、15、16 溶液タンク 49 電圧発生器 50 トンネル電流検出器 51 電器信号増幅器 52 Z軸方向サーボ回路 53 バルブ・ポンプ制御装置 54 X−Y軸方向走査用回路 55 X、Y、Z軸方向のメモリー装置 56 データ解析装置 57 ディスプレイ 101 基板 102 探針 103 探針の梃部 104 探針の基部 105 レーザー光線 107 溶液セル 108、109 オーリング 110 基板101を固定する基板 111 圧電体 112 レーザー光源 113 レンズ 120 細管 121 細管 122 廃液タンク 123、124、125 バルブ 126、127、128 ポンプ 129、130、131 溶液タンク 150 センサー 151 電器信号増幅器 152 Z軸方向サーボ回路 153 バルブ・ポンプ制御装置 154 X−Y軸方向走査用回路 155 X、Y、Z軸方向のメモリー装置 156 データ解析装置 157 ディスプレイ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型プローブ顕微鏡を用いたDNAの
    塩基配列決定方法において、少なくとも2種類の溶液中
    で一本鎖DNAを順次観察することを特徴とするDNA
    の塩基配列決定方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2種類の溶液が、一本鎖DN
    A断片を含まない1種類の溶液と、少なくとも1分子の
    一本鎖DNA断片を含む少なくとも1種類の溶液とから
    なる請求項1に記載のDNAの塩基配列決定方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも2種類の溶液が、DNAを構
    成する塩基と塩基対をなす塩基を含まない1種類の溶液
    と、前記DNAを構成する塩基と塩基対をなす塩基を含
    む少なくとも1種類の溶液とからなる請求項1に記載の
    DNAの塩基配列決定方法。
  4. 【請求項4】 走査型プロ−ブ顕微鏡が走査型トンネル
    顕微鏡である請求項1、2又は3に記載のDNAの塩基
    配列決定方法。
  5. 【請求項5】 走査型プローブ顕微鏡が原子間力顕微鏡
    である請求項1、2又は3に記載のDNAの塩基配列決
    定方法。
  6. 【請求項6】 走査型プローブ顕微鏡と、前記走査型プ
    ローブ顕微鏡の探針と被測定一本鎖DNAとを収容する
    ための溶液セルと、前記溶液セルに設けられた溶液の進
    入口及び排出口と、前記進入口につながれている少なく
    とも2つの溶液タンクからなるDNAの塩基配列決定用
    測定装置。
  7. 【請求項7】 走査型プローブ顕微鏡が走査型トンネル
    顕微鏡である請求項6に記載のDNAの塩基配列決定用
    測定装置。
  8. 【請求項8】 走査型プローブ顕微鏡が原子間力顕微鏡
    である請求項6に記載のDNAの塩基配列決定用測定装
    置。
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