JPH0627100Y2 - 観賞魚用水槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は観賞魚を入れる水槽部と濾過材とポンプを備え
た濾過槽部とを接続具により離脱可能に接続した観賞魚
用水槽に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来、観賞魚を飼育するには、通常は上面が開放した水
槽を準備するとともに、この水槽の容量に適合した濾過
装置とポンプを個々に選択して準備し、濾過装置とポン
プを水槽の上部又は側面に装着しなければならなかっ
た。

＜考案が解決しようとする課題＞ しかしながら、観賞魚の種類や数に適合した水槽を選択
したり、水槽の容量に適合した濾過装置とポンプとを別
途に準備することは、観賞魚の飼育知識に乏しい一般の
人、特に女性や子供にとって面倒なことである。

また、従来の水槽に濾過装置とポンプを取付けると、濾
過装置やポンプが水槽から突出した形態となってしま
い、体裁を損ねる。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は上記に鑑み提案されたもので、上面を有する箱
体の一側面の上方に開口部を形成するとともに、該側面
からオーバーフロー樋を突設した水槽部と、上面を有し
て対向側面部の大きさが前記水槽部の一側面とほぼ同じ
大きさの箱体であって、内部に濾過材とポンプを設け、
該ポンプの吐出管を前記対向側面部から突出させた濾過
槽部とからなり、前記水槽部の一側面と濾過槽部の対向
側面部とを対向させた状態で係脱可能な接続具により接
続してオーバーフロー樋の出口を濾過槽部内に位置させ
るとともに、吐出管の出口を水槽部内に位置させたこと
を特徴とする。

＜作用＞ 接続具により水槽部と濾過槽部とを接続すると、オーバ
ーフロー樋の出口が濾過槽部の内部に位置し、吐出管の
出口が水槽部の内部に位置する。したがって、ポンプを
作動すると、濾過材が濾過した濾過水が吐出管の出口か
ら水槽部の内部に供給され、この供給により水槽部内の
水位が上昇すると水槽部内の水がオーバーフロー樋の出
口から濾過槽部の内部に送られる。

＜実施例＞ 以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

観賞魚用水槽１は、図面に示すように、観賞魚を入れる
長方形の水槽部２と、水を濾過する長方形の濾過槽部３
とを係脱可能な接続具４，５により接続してなる。

水槽部２は、アクリル板等の透明又は半透明な板材を底
面、上面、及び側面として接続することにより構成した
長方形の箱体であって、大きな側面うちの一方の上部に
横長な開口部６を形成し、またこの一側面７の内面に断
面Ｕ字状の部材を接着することにより底面から開口部６
までの流路８を形成し、該流路８の上端部分には一側面
７から外方に向けて突出するオーバーフロー樋９を延設
してある。また、水槽部２の上面には把手10を設けると
ともに、注水用の穴11を開設し、底面にはパイプ材から
なる脚座12，12を取付け、隅角部には補強と装飾のため
のコーナー金具13…を取付ける。

濾過槽部３は、アクリル板等の透明又は半透明な板材を
底面、上面、及び側面として接続することにより、対向
側面部14の大きさを水槽部２の一側面７とほぼ同じ大き
さに構成した長方形の箱体であって、上面と縦長な側面
の縁に通気孔となる細い切欠き15…を形成してある。そ
して、縦長側面16，16を接続する対向側面部14の上部に
横長な開口部17を形成するとともにオーバーフロー樋９
よりも充分に幅広な貫通部18を形成し、上面にはコード
19等を通す穴20を開設し、底面には脚座21，21を取付
け、隅角部にはコーナー金具13…を取付けてある。ま
た、濾過槽部３の内部は底面から僅か上方に多孔板や網
板等からなる濾過材支持板22を固定し、該濾過材支持板
22上にナイロン繊維等の濾過マットや活性濾過材などの
濾過材23…を一面に積層し、また濾過材支持板22の一側
に水中ポンプ24を設置し、該水中ポンプ24の吐出口に接
続した吐出管25の上端屈曲部分25′を対向側面部14の開
口部17から外部に突出させる。

上記した水槽部２及び濾過槽部３の底面には係脱可能な
接続具として蝶番４，４を、上面にはバックル式止め金
具５，５を夫々取付けてある。したがって、水槽部２と
濾過槽部３とを接続するには、水槽部２の対向側面部７
と濾過槽部３の一側面14とを対向させてオーバーフロー
樋９を濾過槽部３の貫通部18内に臨ませるとともに、濾
過槽部３の対向側面部14から突出した吐出管25を水槽部
２の開口部６内に臨ませ、この状態で濾過槽部３側に設
けた蝶番４，４の各軸４′を水槽部２側に設けた蝶番
４，４の各筒状受部４″内に挿入することにより接続し
てからバックル式止め金具５，５を係止する（第５
図）。

この様にして水槽部２と濾過槽部３とを接続すると、第
１図及び第２図に示すように、外見上は一体化して１つ
の直方体の水槽１となり、オーバーフロー樋９の出口が
濾過槽部３の内部上方に位置し、吐出管25の出口である
小孔26…が水槽部２の内部上方に位置する。また、本実
施例では濾過槽部３の縦長な側面16，16の縁に切り欠き
15，15を形成し、この切り欠き15，15の切込み深さ以上
内側に後退させて対向側面部14の板材を取付けてあるの
で、水槽部２と濾過槽部３とを接続すると、第２図に示
すように、水槽部２の一側面７と濾過槽部３の対向側面
部14との間に空隙27が形成され、また濾過槽部３の切り
欠き15…がスリット状の細長い通気孔となって上記空隙
27に連通する。

なお、水槽部２と濾過槽部３とを分離するには、バック
ル式止め金具５を外してから濾過槽部３を接合面に沿っ
て移動することにより濾過槽部３側の蝶番４の軸４′を
水槽部２側の蝶番４の筒状受部４″から抜けばよい。

上記した観賞魚用水槽１は、水槽部２と濾過槽部３とを
接続し、適切な能力の濾過材23…とポンプ24を内部に備
えた状態で店頭に陳列し、販売することができる。した
がって、使用者はポンプ24の能力や濾過材23の種類や量
等を心配することなく水槽の大きさを基準にして購入す
ることができる。

そして、この観賞魚用水槽１により観賞魚を飼育するに
は、先ず水槽部２と濾過槽部３とを分離した状態で内部
に水を入れてから水槽部２の内部に観賞魚を開口部６か
ら入れ、その後に蝶番４とバックル式止め金具５により
水槽部２と濾過槽部３とを接続する。そして、コード19
のプラグをコンセントに差し込んで水中ポンプ24を作動
すると、吐出管25の小孔26…から水がシャワー状に散布
される。この様に、水をシャワー状に散布すると、空気
中の酸素が水に溶け込むので、エアーポンプにより空気
を水中に供給しなくてもよい。ポンプ24の作動により水
槽部２内に水を供給すると、水槽部２内の水位が上昇
し、この水位がオーバーフロー樋９の高さまで達する
と、流路８内の水がオーバーフロー樋９から濾過槽部３
の内部にオーバーフローする。なお、本実施例ではオー
バーフロー樋９に流路８を接続し、該流路８の下端部分
に小孔28…を開設することにより観賞魚が泳ぐ部分と流
路８とを連通してあるので、比較的汚れた底面近くの水
を濾過槽部３にオーバーフローさせることができる。ま
た、オーバーフロー樋９の出口９′の下面には断面略三
角形の水切り部29を全幅に亘って下向きに形成してある
ので、オーバーフロー樋９の出口９′から流出した水の
一部がオーバーフロー樋９の下面を伝わって空隙27内に
流れ込むことを防止することができる。

水槽部２内の汚れた水が濾過槽部３内に送られると、こ
の水は濾過マットや活性濾過材などの濾過材23…を通過
することにより濾過され、濾過された濾過水が濾過材支
持板22の下方の貯留部30内に溜まる。この貯留部30には
水中ポンプ24の吸入口が開口している。したがって、水
中ポンプ24を作動すると、貯留部30内の濾過水が吸入口
から吸い込まれ、吐出管25内を通って再び水槽部２の内
部に供給される。

この様に、水中ポンプ24を作動すると、濾過槽部３内で
濾過した濾過水を観賞魚が泳ぐ水槽部２内に供給すると
ともに、水槽部２内の汚れた水を濾過槽部３内にオーバ
ーフローさせることができ、限られた量の水を循環・濾
過して長期間に亘って観賞魚が生息し得る水の清潔度を
保ることができる。

長期間経過すると、内部の水が蒸発して水が不足するこ
とがあるが、この様な場合には上面の孔11，13から水を
補給し、餌を与える場合は、水槽部２の上面に開口して
いる穴11から投入する。また、長期間経過すると、蒸発
した水によって水槽部２や濾過槽部３の内面が曇ること
が考えられるが、本実施例では上面に開設した穴11，1
3、切り欠き15、及び側面16，16の切り欠き15，15が通
気孔として機能し、この通気孔から外気が入るとともに
蒸発した水が上記穴11，13や通気孔から外部に排出され
るので、水槽の内面が曇ることを防止することができ
る。

なお、水槽部２の一側面７の板材又は濾過槽部３の対向
側面部14の板材を水色などの不透明にすると、この板材
がバックプレートとして機能し、観賞魚を見え易くす
る。

本考案におけるポンプは、上記した水中ポンプ24に限定
されるものではなく、濾過槽部３内の濾過水を吐出管25
を通して水槽部２内に送ることができればどのような構
成でもよく、例えば管の下方に空気を圧送し、これによ
り発生する気泡の上昇により水を送出する気泡ポンプで
もよい。また、ポンプの出口は、上記した実施例の様
に、小孔26…を多数開設したシャワーノズルに限定され
るものではなく、水槽部２と濾過槽部３とを接続した状
態で水槽部２の内部に位置するものであればどのような
構成でもよい。

また、水槽部２と濾過槽部３とを接続する接続具４，５
は、係脱可能であればどのような構成でもよい。

＜考案の効果＞ 以上説明したように本考案によれば、水槽部とこの水槽
部に適合した濾過材やポンプをセットにして販売するこ
とができ、使用者は濾過装置やポンプを別途選択する必
要がない。そして、使用する場合には、水を入れるとと
もに水槽部と濾過槽部とを接続するだけでよく、従来の
様に、濾過装置やポンプを別途装着したり調整したりす
る手間を省くことができ、観賞魚の飼育知識に乏しい子
供や女性であっても簡単に取扱うことができる。

また、本考案に係る観賞魚用水槽は、観賞魚を入れる水
槽部と水を濾過する濾過槽部とが外見上一体となるの
で、従来の水槽に比較して体裁が著しく良くなるし、小
さな占有スペースに設置することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は水槽部
と濾過槽部とを接続した状態における観賞魚用水槽の斜
視図、第２図は観賞魚用水槽の縦断面図、第３図は横断
面図、第４図は水槽部と濾過槽部とを分離した状態にお
ける斜視図、第５図は蝶番の正面図である。 図中、１は観賞魚用水槽、２は水槽部、３は濾過槽部、
４，５は接続具、６は水槽部の開口部、７は水槽部の一
側面、９はオーバーフロー樋、14は濾過槽の対向側面
部、15は通気孔となる切り欠き、17は濾過槽部の開口
部、18はオーバーフロー樋の貫通部、22は濾過材支持
板、23は濾過材、24は水中ポンプ、25は吐出管、26は吐
出管の出口である小孔、27は空隙、29は水切り部、30は
濾過水の貯留部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面を有する箱体の一側面の上方に開口部
   を形成するとともに、該側面からオーバーフロー樋を突
   設した水槽部と、上面を有して対向側面部の大きさが前
   記水槽部の一側面とほぼ同じ大きさの箱体であって、内
   部に濾過材とポンプを設け、該ポンプの吐出管を前記対
   向側面部から突出させた濾過槽部とからなり、前記水槽
   部の一側面と濾過槽部の対向側面部とを対向させた状態
   で係脱可能な接続具により接続してオーバーフロー樋の
   出口を濾過槽部内に位置させるとともに、吐出管の出口
   を水槽部内に位置させたことを特徴とする観賞魚用水
   槽。