JPH0627089Y2 - チューリップ球根破砕除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、根，球根のついたチューリップを店頭に陳列
する為の根球根のない茎だけのチューリップに加工する
場合に使用するチューリップ球根破砕装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

一般に店頭に陳列されるチューリップは、茎の長さが長
い程価値があり、従って、成育したチューリップから球
根及び根を切り落とす場合には、なるべく茎が長くなる
ように球根を切り落とさなければならない。

ところで、チューリップは第４図に図示したように、茎
51の下側に位置する硬い茎管52が球根53の下部まで達し
た状態となっている。

従って、第４図のイ線のように球根53の下部を切除し、
茎管52の周囲の球根53を除去すると、ロ線で茎51を切断
する場合よりは長さｌ分だけ長い茎51のチューリップが
得られることになり、それだけ高価にチューリップを販
売できることになるのである。

これまでは、球根53を例えばナイフによりイ線位置で切
除し、たとえば地面に押圧したり、地面でたたいたりし
て球根53を破砕し、この破砕された球根53を手で除去し
て長い茎51の付いたチューリップを作っていた為、一本
のチューリップを作るのにかなり手間を要している。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、チューリップの球根を簡単に破砕除去し得る
チューリップ球根破砕除去装置を提供することを技術的
課題とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

基台１にチューリップ球根３を送り込む送り込み体２を
設け、この送り込み体２の送り込み表面を摩擦抵抗が大
きくなるように形成し、送り込み体２にチューリップ球
根３が挿入される間隙４を介存せしめて送り込み支承体
５を対設し、送り込み体２と送り込み支承体５との前側
にチューリップ球根除去体６を設け、前記間隙４の前側
延長位置にしてチューリップ球根除去体６にチューリッ
プ茎７が貫通する茎通過溝８を設けたことを特徴とする
チューリップ球根破砕除去装置に係るものである。

〔作用〕

チューリップ球根３の下端を切除し、チューリップ茎７
を握持してチューリップ球根３を送り込み体２と送り込
み支承体５との間隙４に挿入すると、チューリップ球根
３は送り込み体２と送り込み支承体５とにより挾持され
て送り込まれながら破砕される。

この際、送り込み体２の送り込み表面は摩擦抵抗が大き
くなるように形成してある為、チューリップ球根３が送
り込み体２上で滑動したりせず、チューリップ球根３は
送り込み体２により良好に送り込まれ破砕されることに
なる。

チューリップ球根３が送り込み体２と送り込み支承体５
とにより挾持破砕された後、チューリップ茎７は間隙４
の延長位置に形成された茎通過溝８から突出状態とな
る。

茎通過溝８から突出しているチューリップ茎７を手前に
引動すると破砕され柔らかくなったチューリップ球根３
がチューリップ球根除去体６により除去され、長い茎の
チューリップが得られることになる。

〔実施例〕

図面は、本考案の一実施例を図示したもので、以下に詳
述する。

実施例の構成は次の通りである。

四本の脚９の頂部に基台１を付設し、この基台１の一側
に駆動軸10を突設した駆動モータ11を取付部12により付
設し、駆動軸10に送り込み体２として回動ローラ22を止
着し、回動ローラ22の外周面にチューリップ球根３が良
好に送り込まれるように複数の凹部13を並設する。

一方、基台１に対向状態で設けた断面状のガイド杆17
間にスライド移動体14を装着し、このスライド移動体14
に螺杆15を螺着して螺杆15を基台１外に突出し、螺杆15
の端部に回動ハンドル16を設け、スライド移動体14に軸
受体18を介して軸19を軸架し、この軸19に送り込み支承
体５として回動ローラ20を前記回動ローラ22と所定間隔
の間隙４を介存せしめて止着し、回動ローラ22と回動ロ
ーラ20との前側にして基台１上に薄板状のチューリップ
球根除去体６を立設し、チューリップ球根除去体６の中
央部にして前記間隙４の延長位置に茎通過溝８を形成
し、回動ローラ22と回動ローラ20の後側にしてガイド杆
17に球根押圧板21を立設した構造を採用した場合であ
る。

図面は、送り込み体２としての回動ローラ22のみを駆動
モータ11により回動自在に設けた場合を図示している
が、送り込み支承体５としての回動ローラ20も駆動モー
タを設けて回動自在に設けても良い。

また、送り込み体２，送り込み支承体５は回動ローラで
ある必要はなく、チューリップ球根３が挾持されて送り
込まれるもの、例えばコンベアや、スプロケットギアの
ようなものでも良い。

尚、回動ローラ20,22はチューリップ球根３が滑動しな
いように表面に、図示した凹条13を並設したり（図面は
回動ローラ22のみに凹条13を並設）、また、表面に凸条
を並設したり、また、表面を単に荒くするだけにした
り、また、表面にゴム板を貼着したりして回動ローラ2
0,22の表面の摩擦抵抗が高くなるように設けることが望
ましい。

図面の球根押圧板21はガイド杆17に固着した場合を図示
しているが、チューリップ球根３の形状・大きさ等によ
り球根押圧板21を前後スライド可能に設けることが望ま
しい。

図中符号23は球根収納ボックスである。

実施例は上記構成であるから、チューリップ球根３の下
端部をナイフ等で切除して根を除去した後、回動ローラ
22と回動ローラ20との間隙４を、回動ハンドル16を回動
させてスライド移動体14をスライド動させることにより
適正長さに設定し、根を除去したチューリップのチュー
リップ茎７を握持し、チューリップ球根３を回動ローラ
22と回動ローラ20との間隙４内にチューリップ球根３の
切除面を球根押圧板21に押圧しながら上方から挿入して
下降させると、チューリップ球根３は回動ローラ22と回
動ローラ20により挾持されながら回動ローラ22の凹条13
により確実に下側に送り込まれ、回動ローラ22と回動ロ
ーラ20とにより破砕される。

チューリップ球根３が間隙４の下側に位置した状態で
は、茎通過溝８が間隙４の延長位置にある為、チューリ
ップ茎７は茎通過溝８から突出状態となる。

茎通過溝８から突出しているチューリップ茎７を手前に
引動すると、チューリップ球根３はチューリップ球根除
去体６により除去され、球根，根のなくなった長い茎だ
けのチューリップが得られることになる。

尚、予めチューリップ球根３の下端部を切除してから本
機を用いるのではなく、本機を用いた後にチューリップ
球根３の下端部を切除する工程でも良い。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように構成したから極めて簡単に長い
茎のチューリップを製作し得るチューリップ球根破砕除
去装置を提供することになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本考案
の斜視図、第２図は本考案の要部の正面図、第３図は本
考案の平面図、第４図は従来例のチューリップ球根切除
の説明図である。 １……基台、２……送り込み体、３……チューリップ球
根、４……間隙、５……送り込み支承体、６……チュー
リップ球根除去体、７……チューリップ茎、８……茎通
過溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台にチューリップ球根を送り込む送り込
   み体を設け、この送り込み体の送り込み表面を摩擦抵抗
   が大きくなるように形成し、送り込み体にチューリップ
   球根が挿入される間隙を介存せしめて送り込み支承体を
   対設し、送り込み体と送り込み支承体との前側にチュー
   リップ球根除去体を設け、前記間隙の前側延長位置にし
   てチューリップ球根除去体にチューリップ茎が貫通する
   茎通過溝を設けたことを特徴とするチューリップ球根破
   砕除去装置。