JPH0626368Y2 - 地中埋設用スプリンクラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、学校のグランド、ゴルフ場、園芸施設、農園
等の施設に於て、散水を行う事を目的とした、地中埋設
用スプリンクラーに係るものである。

従来の技術 従来、学校のグランド、ゴルフ場等の広域の目的場所に
散水する目的で設けられた、地中埋設用のスプリンクラ
ーには、実公昭42−18143号公報記載の考案の如く、地
中に埋設した収納箱内にスプリンクラーのノズル体を収
納するとともにこのノズル体を、給水圧力により収納箱
から地表面に突出し、散水を行うように形成したものが
存在する。

考案が解決しようとする課題 この従来のスプリンクラーは、収納箱の天板を地表面と
面一となるように地中に埋設している。そして、スプリ
ンクラーの設置後、時間の経過ともに雨水、風等の自然
現象、人や車の通行等により地表面がさらわれて、収納
箱の天板が地表面から余分に突出して危険となる場合が
ある。

また、逆に収納箱よりも地表面の方が高くなり、砂、ゴ
ミ、雨水等が収納箱内に侵入し、スプリンクラーの作動
不良等を生じる場合がある。

このような場合、従来、収納箱の天板を地表面と面一に
するには、地中に埋設した給水管等とともにスプリンク
ラーを掘り出し、収納箱のみならず給水管本体の移動も
必要となっていた。そのため、補正工事に多くの労力と
手間を要し、コスト高となる欠点を有していた。

本考案は上述のごとき課題を解決しようとするものであ
って、グランド、ゴルフ場、園芸施設、農園等に設置し
たスプリンクラーの収納箱が、設置後の時間の経過によ
り地表面高さが変化して、地表面か突出したり、凹んだ
りした場合にも、給水管等を掘り出す事なく、収納箱の
天板高さのみを容易に移動して、地表面との凹凸を補正
することができる。そのため、使用者に安全な使用を可
能にするととともに補修労力、手間等を少なくし、廉価
に調整を行おうとするものである。

課題を解決するための手段 本考案は上述のごとき課題を解決するため、地中に埋設
した収納箱内にスプリンクラーのノズル体を収納すると
ともにこのノズル体に接続した導入管を、給水管内に摺
動自在に挿入し、ノズル体を給水圧力により収納箱から
地表面に突出し散水を行うようにしたものに於て、収納
箱を、給水管に固定した固定部材と、この固定部材に上
下移動及び位置固定可能に接続した断面コ字型の被覆部
材とから構成し、この被覆部材の天板に設けたノズル体
の突出開口を、ノズル体の上端に固定した蓋体にてノズ
ル体の非散水時に被覆可能として成るものである。

また、固定部材に対する被覆部材の接続は、固定部材の
外周上端に環状壁を突出し、この環状壁に上下方向に設
けた長穴を介して固定ビスを被覆部材に固定して行って
も良い。

また固定部材に対する被覆部材の接続は、固定部材の外
周上端に環状壁を突出し、この環状壁に被覆部材を上下
動可能に螺着しても良い。

作用 本考案は上述のごとく構成したものであるから、学校の
グランド、ゴルフ場、園芸施設、農園等に設置した地中
埋設用のスプリンクラーの収納箱が、雨水、風等の自然
現象や、人や車の通行等によって、地表面が収納箱の天
板よりも低くなったり、高くなったりして、地表面から
突出したり凹んだりした場合には、給水管には関係無
く、断面コ字型の被覆部材のみを上方向または下方向に
移動し、収納箱の天板高さを地表面と一致する位置で固
定することができる。

このように、地中設置用のスプリンクラーは、収納箱の
一方を構成する固定部材を給水管に固定し、収納箱を構
成する他方の被覆部材を、固定部材に上下動可能に位置
固定可能とし、従来のスプリンクラーの収納箱の如く、
収納箱全体を移動不能に給水管に固定するものではな
い。

そのため、収納箱の天板高さを自由に移動して地表面と
一致させることができ、収納箱が地表面から突出した
り、凹部となった場合には、簡易にこれを補正する事が
できる。そして、使用者は安全な使用が可能になるとと
もに給水管の掘り出し工事等を不要としているから、工
事のための労力、手間等を少なくする事ができる。

また、固定部材に対する被覆部材の接続を、固定部材の
外周上端に環状壁を突出し、この環状壁に上下方向に設
けた長穴を介して固定ビスを被覆部材に固定する方法を
用いれば、固定部材と被覆部材の連結を固定ビスにより
確実に行う事ができる。

また、固定部材の外周上端に環状壁を突出し、この環状
壁に被覆部材を上下動可能に螺着する方法により行え
ば、狭い収納箱内に手を入れて固定ビスを締めたり、緩
めたりする手数が不要となる。そして、被覆部材の回転
のみにより収納箱の天板高さを地表面の位置まで移動し
たり、固定する事ができ、作業を簡略化できるものであ
る。

実施例 以下本考案の一実施例を図面に於いて説明すれば、
（１）はノズル体で、水の噴射ノズル（２）を適宜な仰
角で導水管（３）の側面に突出する。そして、この噴射
ノズル（２）と連通する導水管（３）を、給水管（４）
内に固定部材（５）を介して摺動自在に挿入する。

また、この給水管（４）への挿入部に設けたフランジ
（６）と固定部材（５）との間に押圧発条（７）を介装
し、ノズル体（１）を、下部の給水管（４）方向に付勢
する。そして、非散水時は、押圧発条（７）の付勢力と
導入管（３）の自重により、ノズル体（１）を下降し、
導水管（３）を第１図に示す如く、給水管（４）内に挿
入している。

この導水管（３）の挿入状態で、噴射ノズル（２）を地
中に埋設した収納箱（８）内に収納可能とする。この収
納箱（８）は、給水管（４）に固定した導水管（３）を
挿通した固定部材（５）と、この固定部材（５）に上下
動および固定可能に接続した被覆部材（１０）とからな
っている。そして、固定部材（５）の外周部上面に環状
壁（１１）を突出し、この環状壁（１１）の上下方向に
長穴（１２）を、円周方向適宜の間隔で複数個形成して
いる。

また、固定部材（５）の環状壁（１１）には、断面コ字
型の被覆部材（１０）を被覆し、環状壁（１１）側から
長穴（１２）を介して被覆部材（１０）に固定ビス（１
３）を螺着する。そして、この固定ビス（１３）を、締
め付けまたは緩める事により、被覆部材（１０）を固定
部材（５）に固定したり、上下動可能としている。

また、被覆部材（１０）の天板（１４）には、ノズル体
（１）を挿通突出し得る寸法で突出開口（１５）を設
け、この突出開口（１５）を非散水時に閉止する蓋体
（１６）を、ノズル体（１）の上端にボルト等の止具
（１７）で螺着固定し、ノズル体（１）を非散水時に被
覆可能としている。

また、このスプリンクラー（１８）を作動させるには、
給水管（４）を介して供給される水の給水圧力を高め
る。この給水圧力の上昇により、給水管（４）内に挿入
した導水管（３）を、第２図、第３図に示すごとく押圧
発条（７）の付勢力に抗して水の圧力で上方に押圧す
る。

そして、この導水管（３）とともにノズル体（１）を上
昇させ、このノズル体（１）の上部に固定した蓋体（１
６）も上昇し、天板（１４）の突出開口（１５）を開放
するとともにノズル体（１）を突出開口（１５）の上部
に突出する。そして、ノズル体（１）に設けた噴射ノズ
ル（２）から水を噴射して地表面（２０）への散水を行
うものである。

上述の如く構成したものに於て、学校のグランド、ゴル
フ場、園芸施設、農園等に地中埋設用のスプリンクラー
（１８）を設置するには、第１図に示す如く、収納箱
（８）の被覆部材（１０）を、上方向、下方向のどちら
にも移動可能となるよう、長穴（１２）の中間部に固定
ビス（１３）を位置して固定部材（５）に固定する。こ
の固定状態の収納箱（８）を、天板（１４）と地表面
（２０）とが面一となるように設置する。

この設置後、時間の経過とともに雨水、風等の自然現象
等や、人や車の通行等によって、スプリンクラー（１
８）を設置した場所の地表面（２０）が収納箱（８）の
天板（１４）よりも低くなる場合がある。この場合に
は、固定ビス（１３）を緩めて第２図にら示す如く、給
水管（４）には関係無く、被覆部材（１０）のみを下方
向に移動する。そして、収納箱（８）の天板（１４）高
さを新しい地表面（２１）と一致させた後、固定ビス
（１３）を締め付けて固定する。

また、上記とは逆に、収納箱（８）の天板（１４）高さ
よりも新しい地表面（２１）の方が高くなった場合に
は、固定ビス（１３）を緩めて第３図に示す如く、被覆
部材（１０）のみを上方向に移動する。そして、天板
（１４）高さを新しい地表面（２１）と一致させ、固定
ビス（１３）を締め付け、被覆部材（１０）を固定す
る。

また、上記実施例では、固定部材（５）に対する被覆部
材（１０）の接続を、長穴（１２）を介して挿入した固
定ビス（１３）によって行っている。しかし、異なる他
の実施例では、環状壁（１１）外周と被覆部材（１０）
の内面とに、螺溝（図示せず）を設けて螺着する方法に
より上下動を可能としても良い。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるから、グラン
ド、ゴルフ場、園芸施設、農園等に設置したスプリンク
ラーの収納箱が、設置後、時間の経過とともに地表面高
さが変化して、地表面から突出したり凹んだりする場合
が生じる。この場合には、給水管等を掘り出す事なく、
被覆部材のみを上下動し、収納箱の天板高さを自由に移
動して地表面と一致できる。

そのため、収納箱が地表面から突出したり、凹部となっ
た場合には、簡易にこれを補正する事ができ、使用者は
安全な使用が可能になるとともに給水管の掘り出し工事
等を不要としているから、工事のための労力、手間等を
少なくする事ができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
断面図、第２図は低い地表面に天板を移動し、地表面か
らノズル体を突出した状態を示す断面図、第３図は高い
地表面に天板を移動し、地表面からノズル体を突出した
状態を示す断面図である。 （１）……ノズル体、（４）……給水管 （５）……固定部材、（８）……収納箱 （１０）……被覆部材、（１１）……環状壁 （１２）……長穴、（１３）……固定ビス （１４）……天板、（１５）……突出開口 （１６）……蓋体、（１８）……スプリンクラー （２０）……地表面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】地中に埋設した収納箱内にスプリンクラー
   のノズル体を収納するとともにこのノズル体に接続した
   導水管を、給水管内に摺動自在に挿入し、ノズル体を給
   水圧力により収納箱から地表面に突出し散水を行うよう
   にしたものに於て、収納箱を、給水管に固定した固定部
   材と、この固定部材に上下移動及び位置固定可能に接続
   した断面コ字型の被覆部材とから構成し、この被覆部材
   の天板に設けたノズル体の突出開口を、ノズル体の上端
   に固定した蓋体にてノズル体の非散水時に被覆可能とし
   た事を特徴とする地中埋設用スプリンクラー。
2. 【請求項２】固定部材に対する被覆部材の接続は、固定
   部材の外周上端に環状壁を突出し、この環状壁に上下方
   向に設けた長穴を介して固定ビスを被覆部材に固定して
   行う事を特徴とする請求項１記載の地中埋設用スプリン
   クラー。
3. 【請求項３】固定部材に対する被覆部材の接続は、固定
   部材の外周上端に環状壁を突出し、この環状壁に被覆部
   材を上下動可能に螺着した事を特徴とする請求項１記載
   の地中埋設用スプリンクラー。