JPH06262490A - 加工能力評価装置 - Google Patents

加工能力評価装置

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JPH06262490A
JPH06262490A JP5612393A JP5612393A JPH06262490A JP H06262490 A JPH06262490 A JP H06262490A JP 5612393 A JP5612393 A JP 5612393A JP 5612393 A JP5612393 A JP 5612393A JP H06262490 A JPH06262490 A JP H06262490A
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machining
cpu
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Toshiyasu Nagase
俊泰 長瀬
Masao Yamaguchi
政男 山口
Minoru Kuwabara
稔 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加工中の振動状態を示す振動又は変形・破壊に
伴うエネルギのデータ等を統計的に処理することによ
り、容易に工作機械等の加工能力を評価する。 【構成】この加工能力評価装置11は振動検出器12、
CPU14及び表示装置22を備えている。即ち、振動
検出器12は研削盤の加工時に発生する振動を検出し、
その検出信号をCPU14に入力する。このとき、CP
U14は振動検出器12から出力される検出信号を統計
的に処理して、前記工作機械等の加工能力を評価するた
めの総合評価情報量を演算し、その演算結果を表示装置
22に出力する。そして、表示装置22はその総合評価
情報量を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工作機械等における加工
能力評価装置に係り、詳しくは統計処理に基づいて加工
能力を評価する評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば研削盤において、研削砥石
の切れ味、即ち、加工能力を評価する場合には、作業者
が研削時における研削音の音色及び強弱等を聴覚により
識別することによって評価したり、視覚によって加工物
の仕上面を目視することにより評価していた。
【0003】しかしながら、作業者等の人における聴覚
や視覚に頼る評価方法は主観的な評価であって、加工能
力の客観的評価をすることは困難であった。そこで、研
削盤の主軸ヘッド等に振動検出器を取着し、研削加工中
の該振動検出器からの検出信号をFFT(Fast F
ourier Transform)アナライザにより
周波数分析を行うことによって加工能力を評価する手法
が提案されている。
【0004】このFFTアナライザによる周波数分析に
よれば、研削盤の研削加工中において、研削砥石が目詰
まり等を起こして、異常な研削加工(ビビリ現象)を行
っている場合には、その異常によって生じる特徴的な周
波数のレベルの上昇が現れる。このとき、作業者等はそ
の特徴的な周波数の振幅の変動等に基づいてその研削盤
の切れ味が悪くなって加工能力が低下していることを判
断するようになっている。即ち、作業者等は該特徴周波
数の振幅が大きいときには、研削盤は異常な研削加工を
行っていると判断し、特徴周波数の振幅が小さいときに
は、研削盤は正常な研削加工を行っていると判断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、FFT
アナライザによる周波数分析の手法は振動検出器からの
検出信号を複雑な演算処理を実行するため、その装置自
体が非常に高価であり、工作機械の種類や加工物の材
質、大きさ等によって特徴周波数が異なるという問題が
ある。
【0006】また、振動検出器の検出する振動はたとえ
研削砥石が正常な研削加工を行っていたとしても、コラ
ム、テーブル及び主軸の運動等による影響、或いは、研
削砥石の自生作用による影響等を受ける。従って、FF
Tアナライザによる周波数分析では前記各種の影響に基
づく周波数成分と異常な研削加工により生じた前記影響
に基づく周波数に類似した特徴的な周波数とを選別する
ことを困難にしていて、作業者等の熟練を要するという
問題がある。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は加工中の振動状態を示す
振動又は変形・破壊に伴う歪みエネルギのデータ等を統
計的に処理することにより、容易に工作機械等の加工能
力を評価する加工能力評価装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、第1の発明は、工作機械等の加工時に発生する振動
又は変形・破壊に伴う歪みエネルギーを検出する検出手
段と、前記検出手段から出力される検出信号を統計的に
処理して、前記工作機械等の加工能力を評価するための
総合評価情報量を演算する制御手段と、前記制御手段に
おける演算結果に基づいて総合評価情報量を表示する表
示装置とを備えたことをその要旨とする。
【0009】第2の発明は、工作機械等の加工時に発生
する振動又は変形・破壊に伴う歪みエネルギーを検出す
る検出手段と、前記検出手段から出力される検出信号を
デジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換器
から出力されるデジタル信号の示す値の大きさに基づい
て該デジタル信号を各階級に区分けするとともに、それ
ぞれの各階級に属するデジタル信号の度数を求め、その
求めた度数と予め設定した正常な加工時に生じる前記各
階級における度数との相関の程度を演算することによっ
て、工作機械等の加工能力を評価するための総合評価情
報量を求める制御手段と、前記制御手段における演算結
果に基づいて総合評価情報量を表示する表示装置とを備
えたことをその要旨とする。
【0010】
【作用】従って、第1の発明によれば、検出手段が工作
機械等の加工時に発生する振動又は変形・破壊に伴う歪
みエネルギーを検出して、制御手段に出力する。する
と、制御手段は検出手段からの検出信号を統計的に処理
することにより、前記工作機械等の加工能力を評価する
ための総合評価情報量を演算する。そして、その演算結
果は表示装置に出力され、該表示装置に総合評価情報量
が表示される。
【0011】第2の発明によれば、検出手段が工作機械
等の加工時に発生する振動又は変形・破壊に伴う歪みエ
ネルギーを検出して、A/D変換器に出力する。する
と、A/D変換器は前記検出手段から出力される検出信
号をデジタル信号に変換して、制御手段に出力する。そ
して、制御手段はA/D変換器からのデジタル信号の示
す値の大きさに基づいて該デジタル信号を各階級に区分
けするとともに、それぞれの各階級に属するデジタル信
号の度数を求める。このとき、制御手段はその求めた度
数と予め設定した正常な加工時に生じる前記各階級にお
ける度数との相関の程度を演算することによって、工作
機械等の加工能力を評価するための総合評価情報量を求
める。そして、その演算結果は表示装置に出力され、該
表示装置に総合評価情報量が表示される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を研削盤に具体化した一実施例
を図1〜図10に従って説明する。
【0013】図1は、研削盤1を示す側面図である。研
削盤1のベッド2上面には、サドル3が該ベッド2上を
前後方向(図1における左右方向)に対して往復動可能
に設けられている。さらに、このサドル3の上面には、
ワークテーブル4が左右方向(図1における紙面と直交
する方向)に対して往復動可能に設けられている。この
ワークテーブル4には、ワークWが固定されており、前
記サドル3及びワークテーブル4の各方向への往復動に
従って、ワークWは前後方向及び左右方向に対して往復
動できるようになっている。
【0014】さらに、ベッド2上面の後部には、コラム
5が立設されている。そして、このコラム5のワークテ
ーブル4側の側面上部には、主軸ヘッド6が該コラム5
に対して上下方向に往復動可能に設けられている。この
主軸ヘッド6には、主軸7が回転可能に設けられ、該主
軸7は駆動モータ8によって回転駆動されるようになっ
ている。そして、この主軸7には、研削砥石9が固着さ
れ、該主軸7とともに回転可能に設けられている。さら
に、主軸7近傍には原点検出器7aが配設されており、
該主軸7に設けられた回転時の機械原点を示す原点マー
クMを検出するようになっている。
【0015】また、この研削盤1には、NC装置10が
設けられており、このNC装置10により研削盤1が制
御されるようになっている。即ち、研削盤1はNC装置
10に記憶された加工プログラムに基づいて、前記サド
ル3、ワークテーブル4及び主軸ヘッド6が好適に駆動
制御されることにより、前記研削砥石9がワークテーブ
ル4上のワークWを研削加工するようになっている。
【0016】さらに、この研削盤1には、検出手段とし
ての振動検出器12、及び電流検出器13を備えた研削
盤1の加工能力等を評価する加工能力評価装置11が内
蔵されている。
【0017】即ち、振動検出器12は主軸ヘッド6に取
着され、主軸7の研削加工時における振動を検出するよ
うになっている。また、電流検出器13は駆動モータ8
に取着され、駆動モータ8に流れる電流を検出するよう
になっている。
【0018】次に、上記のように構成された研削盤1に
取着された加工能力評価装置11の電気的構成について
説明する。図2は、加工能力評価装置11の電気ブロッ
ク図を示している。
【0019】この加工能力評価装置11には、制御手段
としてのCPU14、処理データを一時的に記憶するR
AM15及び制御プログラムを記憶したROM16が設
けられている。
【0020】このCPU14の入力側には、各種のデー
タを入力するためのキーボード17が接続されている。
さらに、CPU14の入力側には前記振動検出器12が
増幅器18及びA/D変換器19を介して接続されてい
る。即ち、前記振動検出器12からの検出信号は増幅器
18及びA/D変換器19を介してCPU14に入力さ
れるようになっている。
【0021】また、CPU14の入力側には、電流検出
器13が増幅器20及びA/D変換器21を介して接続
されている。即ち、前記電流検出器13からの検出信号
は増幅器20及びA/D変換器21を介してCPU14
に入力されるようになっている。
【0022】そして、CPU14の入力側には、原点検
出器7aが接続されている。即ち、原点検出器7aは主
軸7に取着された原点マークMを検出したときに、該主
軸7の機械原点を示す原点信号をCPU14に入力する
ようになっている。さらに、この原点検出器7aはNC
装置10に接続され、原点信号を該NC装置10に入力
するようになっている。
【0023】さらに、CPU14はNC装置10と接続
されており、該NC装置10との間で各種の信号の授受
を行うようになっている。このとき、CPU14はこの
原点信号及び振動検出器12からの検出信号に基づいて
研削砥石9及び主軸7等の回転体の質量不つりあい(ア
ンバランス)量及び位置を演算し、その演算結果をI/
Oインターフェイス23を介して表示装置22に出力す
るようになっている。
【0024】また、CPU14は振動検出器12からの
検出信号に基づいて研削砥石9の切れ味、つまり、研削
盤1の加工能力を評価する値(後述する総合評価情報量
sg)を統計的な処理法に基づき演算し、その演算結果
を表示装置22に出力するようになっている。
【0025】さらに、CPU14は電流検出器13から
の検出信号に基づいて駆動モータ8に流れる電流の量を
演算するとともに、表示装置22にその演算結果を出力
するようになっている。また、この駆動モータ8に流れ
る電流の量を演算した演算結果はCPU14を介してN
C装置10にも出力されるようになっている。
【0026】次に、研削盤1の加工能力を評価する値を
統計的に処理して求める方法について以下詳細に説明す
る。図3は、振動検出器12が検出した主軸7の振動状
態を示す検出信号(アナログ信号)であって、その振動
の大きさを電圧で示している。そして、この検出信号は
増幅器18にて増幅されるようになっている。従って、
図8に示すように、この増幅された検出信号はA/D変
換器19にて、Δt時間毎にサンプリングされ、そのサ
ンプリングされた電圧値を量子化することによってデジ
タル化し、そのデジタル化された符号を、順次CPU1
4に入力するようになっている。尚、本実施例では、A
/D変換器19から電圧レンジ−2.5V〜2.5V間
を量子化数12ビットでデジタル化したデジタルコード
データがCPU14に出力されるようになっている。
【0027】このとき、所定の時間毎にCPU14は所
定の数(例えば64個)のデジタルコードデータを電圧
データに変換し、入力された順にRAM15に記憶させ
るようになっている。
【0028】そして、図6に示すように、CPU14は
サンプリングして得た電圧データが0.5ボルト毎に区
分けされた複数の階級E1〜E10のそれぞれどこの階
級E1〜E10に属するか求めて、これら電圧データを
区分けする。そして、各階級E1〜E10毎に属する電
圧データの数(以下度数という)を演算するようになっ
ている。即ち、まず、CPU14は所定の数入力された
電圧データの入力された順に電圧値が階級E1〜E10
のいずれに所属するかを演算する。CPU14に最初に
入力された電圧データがE2に該当するとき、階級E2
の度数を1だけ増す演算をする。次に、CPU14は第
2番目に入力された電圧データがいずれの階級に属する
かを演算し、それがE5に該当するとき、E5の度数を
1だけ増す演算をする。以下CPU14は入力された順
に電圧データが階級E1〜E10のどの階級に該当する
かを3〜64個までの電圧データそれぞれについて演算
し、該当する階級の度数を増す演算をするようになって
いる。
【0029】例えば、図7に示すように、CPU14は
研削加工中に振動検出器12から出力された図4に示す
検出信号に基づいて加工中の所定時間毎の階級E1〜E
10の研削加工時の度数(以下、加工時度数という)g
p1〜gp10を演算し、RAM15に記憶させるよう
になっている。(尚、本実施例の度数gp1、gp2及
びgp10は0となっている)また、図6に示すよう
に、研削砥石9のドレッシング直後の目詰まりしていな
い状態で行われた加工を正常な加工を行っている状態と
して、CPU14はRAM15に予め該正常な加工を行
っているときの各階級E1〜E10の基本となる度数
(以下、マスタ度数という)sp1〜sp10を記憶さ
せるようになっている。(尚、本実施例のマスタ度数s
p1〜sp10において、度数sp1〜sp3、度数s
p8〜sp10は0となっている。)そして、CPU1
4は前記マスタ度数sp1〜sp10及び加工時度数g
p1〜gp10に基づいて次式に従って統計的に演算
処理することによって総合評価情報量Ksgを求めるよう
になっている。
【0030】 Ksg=Σ{(gpi −spi m /σn }… i=1,2,…,j(本実施例ではj=10、m=n=
2)、σ:マスタ度数の標準偏差。
【0031】即ち、この総合評価情報量Ksgはマスタ度
数sp1〜sp10の分布状態と加工時度数gp1〜g
p10の分布状態の相関の程度(一致する程度)を評価
するものである。
【0032】即ち、この総合評価情報量Ksgの値が小さ
ければ一致する程度が大きいとして、この加工時度数g
p1〜gp10の分布状態に基づく研削盤1の加工は正
常な加工であるといえる。また、この総合評価情報量K
sgの値が大きければ一致する程度が小さいとして、この
加工時度数gp1〜gp10の分布状態に基づく研削盤
1の加工は異常な加工であるといえる。
【0033】図9は、研削加工を行っている間における
総合評価情報量Ksgの時間的変化を示すものである。ま
た、図中破線で示す総合評価情報量Ksgの境界値pはそ
の加工の異常及び正常を判断するための値である。即
ち、総合評価情報量Ksgの値が境界値p以下の時にはC
PU14は研削盤1は正常な加工を行っていると判断す
る。また、総合評価情報量Ksgの値が境界値pを超える
時にはCPU14は研削盤1の研削砥石9が切レ刃の磨
滅や目詰まり等により切れ味が悪化し加工能力が低下し
た状態で異常な加工を行っていると判断するようになっ
ている。
【0034】また、CPU14は、該CPU14が演算
した総合評価情報量Ksgの数値を示すデータ信号を順次
表示装置22に出力するようになっている。さらに、C
PU14は研削加工中において、総合評価情報量Ksg
値が境界値pを超えた場合には異常信号を表示装置22
に出力するようになっている。
【0035】図10は、表示装置22を示している。こ
の表示装置22の表示面25には、アンバランス位置表
示部26が形成されている。このアンバランス位置表示
部26は円環状に等間隔にLEDを配設することによっ
て構成されている。このとき、CPU14は演算結果に
基づいて該当する位置のアンバランス位置のLEDを赤
色に点灯させるようになっている。
【0036】また、このアンバランス位置表示部26の
内側には、加工能力表示部27が形成されている。この
加工能力表示部27は円環状に等間隔にLEDを配設す
ることによって構成されている。この加工能力表示部2
7はCPU14の演算の結果、総合評価情報量Ksgの値
が境界値pより小さい場合には研削盤1の加工が正常に
行われているとして、CPU14は全てのLEDを緑色
に点灯させる。また、CPU14の演算の結果、総合評
価情報量Ksgの値が境界値pを超える場合には、研削盤
1の加工が異常な状態となっているとして、CPU14
は前記LEDの全てを赤色に点灯させるようになってい
る。
【0037】さらに、その加工能力表示部27内にはア
ンバランス量表示部28、総合評価情報量表示部29及
び総合評価情報量段階的表示部30が設けられている。
このアンバランス量表示部28には、CPU14の演算
結果に基づいてアンバランス量の大きさが数値で表示さ
れるようになっている。総合評価情報量表示部29はC
PU14の演算結果に基づいて総合評価情報量Ksgが表
示されるようになっている。
【0038】総合評価情報量段階的表示部30はCPU
14の演算結果に基づいて総合評価情報量Ksgが視認で
きるように各ブロックB毎に左方から順に点灯表示され
るようになっている。また、図中におけるLは前記総合
評価情報量Ksgにおける研削加工の正常及び異常を判断
するための境界値pを示すラインである。即ち、このラ
インLより左方のみのブロックBが点灯表示されている
ときには、正常な研削加工が行われていることを示し、
該ラインLよりも右方のブロックBまで点灯表示されて
いる場合には、異常な研削加工が行われていることを示
している。
【0039】さらに、表示装置22の下部に配設された
ファンクションキーF及びCPU14によって該ライン
Lは工作機械の種類及び加工される加工物の材質及び幾
何形状等にて、その位置を変更することができるように
なっている。
【0040】また、表示装置22の左上部には、駆動電
流表示部31が設けられている。この駆動電流表示部3
1はLEDより構成されている。そして、駆動電流検出
器13からの信号に基づいて正常な量の電流が流れてい
る場合には、CPU14は緑色に点灯表示させる。ま
た、研削砥石の目詰まりや重研削加工等により、所定の
電流値よりも大きい値の過電流が流れた場合には、CP
U14は赤色に点灯表示させるようになっている。
【0041】さらに、表示装置22の下部には、該表示
装置22の各種表示状態を変化させるためのファンクシ
ョンキーFが複数個設けられている。次に、このように
構成された加工評価装置11を研削盤1に使用した場合
の作用及び構成について説明する。
【0042】まず、作業者は研削加工に先立って主軸7
に研削砥石9を固着した状態で空転させる。そして、そ
の空転時における振動検出器12からの検出信号に基づ
いて加工能力評価装置11のCPU14は研削砥石9の
アンバランス位置及びアンバランス量を演算する。さら
に、その演算結果は表示装置22に出力され、表示装置
22は演算結果に基づいてアンバランス位置をアンバラ
ンス位置表示部26に表示する。即ち、アンバランス位
置表示装置26に配設されたLEDの内、そのアンバラ
ンス位置を示すLEDを赤色に点灯させる。また、表示
装置22は演算結果に基づいてアンバランス量をアンバ
ランス量表示部28に数値(単位はμ)で表示する。
【0043】このとき、作業者はアンバランス位置表示
部26及びアンバランス量表示部28の表示を視認する
ことによってアンバランス位置及び量を判断し、該砥石
のアンバランスを修正し、該アンバランス量が許容範囲
内であれば研削砥石9及び主軸7のアンバランスが修正
されたとして研削加工に移る。
【0044】そして、作業者は研削砥石9のアンバラン
スが修正されると、予め研削砥石9をドレッシングし
て、研削砥石9が目詰まりをしていない状態で正常な基
準となる加工を行って、そのときの度数をマスタ度数s
p1〜sp10として予めRAM15に記憶しておく。
【0045】即ち、作業者はマスタ度数sp1〜sp1
0がRAM15に記憶された状態において、この研削盤
1におけるワークWの研削加工を開始する。この加工状
態において、研削盤1に取着された加工能力評価装置1
1のCPU14は振動検出器12からの検出信号に基づ
いて所定の時間毎に加工時度数gp1〜gp10を演算
する。そして、CPU14はこれらマスタ度数sp1〜
sp10及び加工時度数gp1〜gp10に基づいて順
次総合評価情報量Ksgを演算し、その演算結果を表示装
置22に出力する。
【0046】このとき、例えば図9に示すように、研削
加工開始時t0〜研削時間t1迄は総合評価情報量Ksg
の値は境界値p以下と小さく切れ味も良好で正常な研削
加工を行っている。つまり、図10に示すように、表示
装置22の総合評価情報量表示部29には、前記演算結
果に基づいて前記境界値pより小さい総合評価情報量K
sgの値が数値で表示される。そして、総合評価情報量段
階的表示部30には、総合評価情報量Ksgの大きさに応
じて左方のブロックBから順にラインL以内において点
灯表示される。さらに、加工能力表示部27のLEDの
全てが緑色に点灯する。
【0047】さらに、図9において、研削時間t1〜研
削時間tp迄は総合評価情報量Ksgが次第に大きくなり
研削砥石9の切れ味が該研削砥石9の種々の要因等によ
り悪化し、加工能力が低下しつつある状態となる。そし
て、研削時間tpになると、この総合評価情報量Ksg
値は境界値pよりも大きな値となる。このとき、CPU
14はその演算結果を表示装置22に出力するととも
に、異常信号を表示装置22に出力する。この状態にお
いて、振動検出器12からは例えば図5に示す検出信号
が出力され、研削砥石9の切れ刃の磨滅や目詰まり等に
より異常な加工を行っている状態を示している。
【0048】そして、図10に示すように、表示装置2
2の総合評価情報量表示部29には、前記演算結果に基
づいて総合評価情報量Ksgが境界値pより大きい数値で
表示される。さらに、総合評価情報量段階的表示部30
には、総合評価情報量Ksgの大きさに応じて図面左方の
ブロックBから順にラインLよりもさらに右方まで点灯
表示される。また、加工能力表示部27は赤色に表示さ
れ、作業者に現在行われている加工が異常な加工である
ことを知らせるようになっている。
【0049】以上詳述したように上記実施例によれば、
正常な研削加工を行っているときのマスタ度数sp1〜
sp10を予めRAM15に記憶させ、研削加工中にお
いて順次加工時度数gp1〜gp10を求め、総合評価
情報量Ksgを求めることにより、研削時のコラム及びテ
ーブル等からの振動等の影響を防止することができる。
【0050】即ち、前記式によれば、加工時度数gp
1〜gp10からマスタ度数sp1〜sp10を減じて
いる。このとき、例えばコラム等の振動等による研削盤
1からの内乱の影響を示す度数は加工時度数gp1〜g
p10とマスタ度数sp1〜sp10とにほぼ同様な状
態で分布されている。従って、加工時度数gp1〜gp
10からマスタ度数sp1〜sp10を減じることによ
って、各種加工に関係のない研削盤1からの内乱の影響
を除去することができ、加工能力等の加工状態のみを容
易に評価することができる。
【0051】さらに、FFTアナライザを使用して周波
数分析をする場合に較べて、統計処理(前記式)によ
り比較的容易な演算によって加工能力等の加工状態を評
価することができる。従って、例えばマイクロコンピュ
ータ等によって統計処理を行うことによって、FFTア
ナライザを使用した場合に比較して、より安価に且つ迅
速に加工状態を評価することができる。
【0052】また、作業者は前記演算結果に基づいて総
合評価情報量Ksgが表示装置22に表示されることによ
り容易に加工能力を識別判断することができる。そし
て、総合評価情報量Ksgはそのデータ値が表示装置22
に表示されるため、作業者はその総合評価情報量Ksg
大きさにより段階的に加工能力を評価することができ
る。
【0053】さらに、作業者は総合評価情報量Ksgの大
きさを判断することにより、仕上げ面の悪化を防止する
ことができる。また、研削盤1の電源がオンされている
ときに主軸7が停止した状態時の振動検出器12からの
検出信号に基づいてマスタ度数を求め、次に主軸7の回
転時に振動検出器12からの検出信号に基づいて求めた
動作分布を求めることにより、CPU14は前記コラム
等の運動等の該研削盤1の内乱による影響を求めること
ができる。
【0054】さらにまた、前記総合評価情報量Ksgが突
然大きな値(前記境界値pよりも大)を示したことによ
り、例えば研削砥石9等が破損したり、研削砥石9が障
害物に衝突した等の外乱の影響を知ることができる。
【0055】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の一部
を適宜に変更して次のように実施してもよい。 (1)上記実施例では、加工能力評価装置を研削盤1に
適用したが、旋盤及びマシニングセンタ等の工作機械に
適用してもよい。さらに、各種の切削又は切断機械に適
用しても勿論よい。
【0056】(2)上記実施例では、検出手段として振
動検出器12にて研削盤1の加工中における振動を検出
することにより総合評価情報量Ksgを演算して加工能力
を評価した。
【0057】これを、検出手段としてA・E(アコース
ティック・エミッション)センサによって研削盤1の加
工中の研削砥石9の砥粒の剥離・脱落、変形及び砥石の
作用に基づく加工物の変形・破壊に伴う歪みエネルギを
検出して、該歪みエネルギの検出信号に基づいて総合評
価情報量Ksgを演算してもよい。また、例えば旋盤及び
マシニングセンタ等に使用される場合には、AEセンサ
は切削工具がワークを加工することにより摩耗、摩擦及
び変形・破壊に伴う歪みエネルギを検出するようになっ
ている。このAEセンサによって加工時におけるワーク
及び工具からの歪みエネルギを検出して総合評価情報量
sgを演算してもよい。
【0058】(3)上記実施例では、総合評価情報量K
sgを演算する場合に前記式においてn=m=2(カイ
2乗分布と呼称)と設定したが、nとmを特に2に限定
する必要はなくn=m=1(平均値まわりの歪と呼称)
に設定してもよい。さらに、n=m=3(歪度と呼称)
及びn=m=4(尖度と呼称)等に設定して総合評価情
報量Ksgを求めてもよい。さらに、n=m=5以上にし
て求めることもできる。
【0059】また、指数mとnの数字は必ず同一である
必要はなく、実験等の経験に基づいてその指数のmとn
を所望の数字に設定してもよい。例えば、設計・生産工
程において極めて管理されて製作した高精度平面研削盤
の砥石の切れ味評価には、m≒2、n≒1等の所望の値
に設定してもよい。
【0060】(4)上記実施例では、A/D変換器19
は入力された振動検出器12からの検出信号を量子化数
12ビットでデジタル信号に変換したが、検出信号の大
きさとそれを増幅する増幅器18及び階級数によりA/
D変換の量子化数4ビット以上ならば所望の数値に設定
してもよい。このとき、CPU14はA/D変換器19
から出力された同一の電圧値を示す電圧データの数を度
数として演算する。
【0061】また、上記実施例では、電圧レンジ−2.
5V〜2.5Vを0.5V毎に区分けして階級E1〜E
10を形成したが、所望の電圧毎に区分けして階級を形
成してもよい。例えば、階級数はE1〜E5の範囲から
E1〜E128というような範囲に設定してもよい。さ
らに、階級数からの設定でも、区分けする電圧値の範囲
から階級数を求めてもよい。
【0062】さらに、A/D変換器19から出力される
電圧レンジ及び増幅器18から出力される電圧レンジは
適宜に変更してもよい。 (5)上記実施例において、式に代えて次式に基づ
いて総合評価情報量K sgを求めてもよい。
【0063】 Ksg=Σ{(gpi −spi m /spi n }… このとき、例えば階級E1〜E10に区分けした数(本
実施例では10)を所望の数に変更しても、その階級に
区分けされた数に比較的影響されず、安定した総合評価
情報量Ksgを求めることができる。
【0064】(6)上記実施例では、予め研削加工の前
にマスタ度数(sp1〜sp10)を求めたが、例えば
研削加工開始直後の図9における時間taの加工状態を
基準となる加工としてマスタ度数(sp1〜sp10)
を求めてもよい。
【0065】即ち、作業者は研削加工中の所望の研削状
態をマスタ度数(sp1〜sp10)としてRAM15
に記憶させることができることにより、該マスタ度数
(sp1〜sp10)をティーチングにより求めること
ができる。
【0066】また、所望のマスタ度数(sp1〜sp1
0)をキーボード17より入力できるよう構成してもよ
い。さらに、例えば加工するワークの材質毎及び加工条
件毎にマスタ度数(sp1〜sp10)の各種パターン
を求め、予めRAM15に記憶して置き、作業者が前記
材質及び加工条件に基づいて所望のマスタ度数を選択で
きるよう構成してもよい。
【0067】さらにまた、加工面の加工精度に応じてマ
スタ度数(sp1〜sp10)の各種パターンを求め、
RAM15に記憶させてもよい。このとき、作業者は加
工面の加工精度に基づいて所望のマスタ度数を選択する
ことにより、所望の加工面の加工精度を得ることができ
る。
【0068】(7)上記実施例において、総合評価情報
量Ksgに基づいてドレッシング時期及び研削砥石交換時
期を判定するよう構成してもよい。このとき、研削盤1
が総合評価情報量Ksgに基づいて自動でドレッシングを
行ったり、研削条件を変更したりできるよう構成しても
よい。
【0069】(8)上記実施例において、AEセンサを
使用することにより、例えばドレッシング時及び研削加
工時の研削砥石9がドレッサー及びワーク等に接触した
ことを検出させてもよい。
【0070】(9)上記実施例において、例えばワーク
W下面に切削・研削動力計を固着しておき、研削動力に
基づくマスタ度数spi を求め、総合評価情報量Ksg
求めるよう構成してもよい。
【0071】(10)上記実施例において、加工能力評
価装置11を内蔵した研削盤1を例えばCIM等に導入
してもよい。 (11)上記実施例において、自動サイクルにおけるド
レスからドレスまでの時間及び仕上面精度を表示装置2
2に表示したり、外部出力装置(例えばプリンタ)に出
力できるようにしてもよい。
【0072】(12)上記実施例において、CPU14
が振動検出器12からの検出信号に基づいて研削盤1の
固有振動数を演算し、表示装置22に表示できるよう構
成してもよい。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、加
工中の振動状態を示す振動又は変形・破壊に伴う歪みエ
ネルギのデータ等を統計的に処理することにより、容易
に工作機械等の加工能力を評価することができる優れた
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例において、加工能
力評価装置を取着した研削盤を示す側面図である。
【図2】一実施例において、加工能力評価装置の電気ブ
ロック図である。
【図3】一実施例において、振動検出器の検出した検出
信号を示す状態図である。
【図4】一実施例において、振動検出器の検出した検出
信号を示す状態図である。
【図5】一実施例において、振動検出器の検出した検出
信号を示す状態図である。
【図6】一実施例において、振動検出器の検出信号をデ
ジタル化し、その電圧データの度数を示す分布図であ
る。
【図7】一実施例において、振動検出器の検出信号をデ
ジタル化し、その電圧データの度数を示す分布図であ
る。
【図8】一実施例において、振動検出器の検出信号をA
/D変換器がデジタル化する状態を示す説明図である。
【図9】一実施例において、研削加工中の総合評価情報
量が変化する状態を示す説明図である。
【図10】一実施例において、表示装置の表示面を示す
正面図である。
【符号の説明】
12…検出手段としての振動検出器、14…制御手段と
してのCPU、19…A/D変換器、22…表示装置、
sg…総合評価情報量。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械等の加工時に発生する振動又は
    変形・破壊に伴う歪みエネルギーを検出する検出手段
    と、 前記検出手段から出力される検出信号を統計的に処理し
    て、前記工作機械等の加工能力を評価するための総合評
    価情報量を演算する制御手段と、 前記制御手段における演算結果に基づいて総合評価情報
    量を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする加工
    能力評価装置。
  2. 【請求項2】 工作機械等の加工時に発生する振動又は
    変形・破壊に伴う歪みエネルギーを検出する検出手段
    と、 前記検出手段から出力される検出信号をデジタル信号に
    変換するA/D変換器と、 A/D変換器から出力されるデジタル信号の示す値の大
    きさに基づいて該デジタル信号を各階級に区分けすると
    ともに、それぞれの各階級に属するデジタル信号の度数
    を求め、その求めた度数と予め設定した正常な加工時に
    生じる前記各階級における度数との相関の程度を演算す
    ることによって、工作機械等の加工能力を評価するため
    の総合評価情報量を求める制御手段と、 前記制御手段における演算結果に基づいて総合評価情報
    量を表示する表示装置とを備えたことを特徴とする加工
    能力評価装置。
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