JPH0623321U - ストリップ型回転ｙカット水晶振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板の振動モ−ド解析に基づいて励振電極付
着位置を工夫することによってＱの高いストリップ型回
転Ｙカット水晶振動子を提供することを目的とする。 【構成】 水晶ストリップ１の長手（Ｘ軸）方向中央部
近傍両面に所要の面積に所要の厚さの電極２を付着する
と共にリ−ド端子３、４を同一端部にむけて基板上適当
な位置に付着し前記ストリップ１を前記リ−ド端子３、
４の集まる端部でマウントする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はストリップ型水晶振動子、殊に温度センサ等として使用するストリッ プ型回転Ｙカット水晶振動子の電極構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から圧電振動子利用の温度センサとして感度の良好なカット角＋５°近傍 の回転Ｙカット水晶振動子が広く使用されていたがその小型化の要求に応えるべ く基板Ｙ軸方向の幅を小さくした所謂ストリップ型振動子が提案されている。

【０００３】 斯るストリップ型振動子に於いては振動子のマウント・ロスを低減する為第２ 図に示す如く例えばストリップ状水晶基板１の長手（Ｘ軸）方向の一端部に電極 ２を付着し他端をマウント部３として固定することによって振動エネルギを前記 電極２内に閉じ込め前記マウント部３からのエネルギの漏洩を生ぜしめないよう に構成するのが一般的であった。

【０００４】 しかしながら現実に上述した如き構成のストリップ型振動子を試作し、その特 性を調べると振動子のＱは以外と低く所要の性能が得られないという欠陥があっ た。

【０００５】

【考案の目的】

本考案は上述した如き従来のストリップ型回転Ｙカット水晶振動子の欠陥を除 去する為になされたものであって、基板の振動モ−ド解析に基づいて励振電極付 着位置を工夫することによってＱの高いストリップ型回転Ｙカット水晶振動子を 提供することを目的とする。

【０００６】

【考案の概要】

上述の目的を達成する為本考案に於いては、ストリップ型回転Ｙカット水晶基 板の長手（Ｘ軸）方向中央部近傍に励振電極を付着するよう構成したものである 。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を理論及び実験結果に基づいて詳細に説明する。

【０００８】 第３図は回転Ｙカット系水晶基板に於ける基板カット角θと振動エネルギ伝播 方向角αとの関係を示す図である。 本図に於いてカット角θが＋３５°近傍が所謂ＡＴカットなる水晶基板であっ て周波数−温度特性が３次曲線を描き一般振動子としては好ましいものであるこ とは周知である。

【０００９】 一方、温度センサとして使用する振動子としては例えば温度変化に対する周波 数変化の直線性良好なるカット角θが−３０°近傍のものも提案されているがこ れは感度がやや悪くなる為、前述の温度−周波数関係の直線性は劣るも感度の良 好なカット角θが＋５°或は＋７０°近傍の基板を利用する振動子が注目されて いること前述の通りである。

【００１０】 そこで上述の如き＋５°或は＋７０°近傍のカット角を有する回転Ｙカット水 晶基板をストリップ状に切断しその長手（Ｘ軸）方向端部に電極を付した場合、 振動子のＱを充分満足すべき値まで高めることが困難な理由について考察するに 、振動方向が基板主面法線Ｎに対して傾斜αが急である場合励振エネルギ自体は 電極内或はその周辺に閉じ込められるもののストリップにト−ションが発生する 。このト−ションにはエネルギが閉じ込め効果がない為、ストリップ全面にエネ ルギ−が分布する。 従ってマウント部から多くのエネルギが漏洩する為Ｑが低下するのであろうと 推定される。

【００１１】 そこで励振電極２を水晶ストリップ１端部から中央部にむけて順次移動し夫々 のＱを測定する実験を行った結果を第４図に示す。

【００１２】 本図からも明らかな如く電極２がストリップ１の両端にある場合最もＱが低下 し中央部に移動するに従ってＱが上昇することから前述の推定の正当性が理解さ れよう。

【００１３】 従って、本考案に於いては第１図（ａ）に示す如く水晶ストリップ１の長手（ Ｘ軸）方向中央部近傍両面に所要の面積に所要の厚さの電極２を付着すると共に リ−ド端子３、４を同一端部に向けて基板上適当な位置に付着し前記ストリップ １を前記リ−ド端子３、４の集まる端部でマウントする。斯くすることによって ストリップ１の端部に生ずるト−ションは最小となりＱの高い小型の振動子を得 ることが可能となりこれは温度センサ等として用いるのに好都合である。 尚、本考案は上述の如き構成のみに限定する必要はなく、例えば第１図（ｂ） に示す如くリ−ド端子３及び４の一方３をストリップ１の一端方向に、、他のリ −ド端子４をストリップ１の他端方向に延長しストリップ１を両端固定にしても よい。 斯くすることによって支持強固にして対衝撃性の高い温度センサを得ることが 可能になろう。

【００１４】 更に、上述の実施例は水晶基板を主体とししかも温度センサを例示して説明し たが、必ずしも水晶に限定する必要はなく例えばリチウムタンタレイト、リチウ ムナイオベ−ト或は圧電セラミクス等を用いる場合にも適用可能であることはい うまでもない。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は以上説明した如く構成するものであるから小型化の要求に応える為ス トリップ状とした水晶振動子であって、その振動エネルギ伝播方向が主面法線に 対し傾斜している振動子に於いてストリップ端部のト−ションに基因する振動エ ネルギの漏洩を大幅に減少することが可能となるので振動子のＱを向上する効果 が著しい。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）及び（ｂ）は夫々本考案に係るストリッ
プ型水晶振動子の相異なる構成を示す平面図。

【図２】従来のストリップ型振動子の構成を示す平面
図。

【図３】回転Ｙカット水晶基板のカット角と振動エネル
ギ伝播角との関係を示す図。

【図４】ストリップ水晶基板上の電極位置と振動子のＱ
との関係を示す実験結果を示す図。

【符号の説明】

１・・・ストリップ型水晶基板 ２・・・励振電極 α・・・振動エネルギ伝播方位角

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 振動エネルギの伝播方向が主面法線に対
   し傾斜している＋５°或は＋７０°近傍のカット角を有
   するストリップ型回転Ｙカット水晶基板の長手（Ｘ軸）
   方向中央部近傍に励振電極を配置したことを特徴とする
   温度センサ用ストリップ型回転Ｙカット水晶振動子。