JPH06206550A - ステアリング操舵系のフラッタ防止装置 - Google Patents

ステアリング操舵系のフラッタ防止装置

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JPH06206550A
JPH06206550A JP5002724A JP272493A JPH06206550A JP H06206550 A JPH06206550 A JP H06206550A JP 5002724 A JP5002724 A JP 5002724A JP 272493 A JP272493 A JP 272493A JP H06206550 A JPH06206550 A JP H06206550A
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JP
Japan
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flutter
steering
steering system
axial force
output
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JP5002724A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Tsutsumi
康裕 堤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はステアリング操舵系に生ずるフラッ
タを早期に収束させるよう構成したステアリング操舵系
のフラッタ防止装置を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、ステアリングホイール(A1)の
回動操作力を車両の前輪に伝達するステアリング操舵系
(A2)の軸力を検出する検出手段(A3)と、少なく
とも該検出手段(A3)により検出されたステアリング
操舵系(A2)の軸力を所定時間間隔の時系列データと
して記憶する記憶手段(A4)と、記憶手段(A4)に
記憶された各データを学習された結合度で結合させる結
合度学習手段(A5)と、結合度学習手段(A5)によ
り得られた結合値に基づいてフラッタを予測するフラッ
タ発生予測手段(A6)と、フラッタ発生予測手段(A
6)によりフラッタ発生が予測されたときステアリング
操舵系(A2)のフラッタを収束させるフラッタ収束手
段(A7)と、よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステアリング操舵系のフ
ラッタ防止装置に係り、特にステアリング操舵系に生ず
るフラッタを早期に収束させるよう構成したステアリン
グ操舵系のフラッタ防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より車両の高速走行時におけるタイ
ヤアンバランス等により生じるステアリング振動(以下
「フラッタ」と言う)、車両停止時若しくはアイドリン
グ時にエンジンのトルク変動成分により発生するフラッ
タを低減する手段として、次のようなものが知られてい
る。
【0003】その一つとして、実開昭64−41474
号公報にみられるように、ステアリングホイールに設け
られたフラッタ検出センサからの検出信号に基づいてア
クチュエータを作動させ、インターミディエイトシャフ
トに設けられたオイル室にオイルを供給してステアリン
グ操舵系の慣性質量を増加させてステアリング操舵系の
共振周波数を変化させるステアリング操舵系の慣性モー
メント可変装置がある。タイヤに近いステアリング操舵
系の一部で発生した振動がステアリングホイールに伝達
されて共振したときステアリングホイールのフラッタが
大きくなる。従って、この装置では、ステアリングホイ
ールにおいてフラッタ検出センサにより所定以上の大き
さのフラッタが検出されると、上記インターミディエイ
トシャフトに設けられたオイル室にオイルを供給してス
テアリング操舵系の慣性モーメントを可変させて、フラ
ッタが大になる高速走行時には、ステアリング操舵系の
固有振動数の周波数がタイヤアンバランスに起因する周
波数よりも高くなり、ステアリング操舵系の共振状態が
回避されてステアリングホイールのフラッタを収束させ
るよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、ステアリング操舵系の振動がステアリン
グホイールに伝達され、ステアリングホイールに発生し
たフラッタをフラッタ検出センサにより検出してからフ
ラッタを収束させるアクチュエータを作動させるため、
フラッタが発生してからある程度の大きさの振動になっ
てからでないと収束させるための対応が取れず、しかも
アクチュエータを作動させるときには収束させるための
負荷が高くなってしまうため、フラッタを収束させるま
での時間が余計にかかってしまうといった課題がある。
【0005】従って、上記装置では、ステアリング操舵
系の振動発生の初期にフラッタを収束させることができ
ず、ある程度ステアリングホイールに振動が伝達されて
しまうため、運転者に不快感を与えてしまうといった課
題もある。
【0006】そこで、本発明は上記課題に鑑み、ステア
リング操舵系のフラッタ発生を予測して早期にフラッタ
を収束させるよう構成したステアリング操舵系のフラッ
タ防止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。
【0008】同図中、本発明になるステアリング操舵系
のフラッタ防止装置は、ステアリングホイール(A1)
の回動操作力を車両の前輪に伝達するステアリング操舵
系(A2)の軸力を検出する検出手段(A3)と、少な
くとも該検出手段(A3)により検出された前記ステア
リング操舵系(A2)の軸力を所定時間間隔の時系列デ
ータとして記憶する記憶手段(A4)と、該記憶手段
(A4)に記憶された前記各データを学習された結合度
で結合させる結合度学習手段(A5)と、該結合度学習
手段(A5)により得られた結合値に基づいて前記ステ
アリングホイール(A1)の周方向の振動として発生す
るフラッタを予測するフラッタ発生予測手段(A6)
と、該フラッタ発生予測手段(A6)によりフラッタ発
生が予測されたとき前記ステアリング操舵系(A2)の
フラッタを収束させるフラッタ収束手段(A7)と、よ
りなることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、検出手段(A3)によって検
出されたステアリング操舵系(A2)の軸力の、記憶手
段(A4)に記憶された時系列データを、結合度学習手
段(A5)により結合させて得られた結合値に基づい
て、ステアリングホイール(A1)の周方向の振動とし
て発生するフラッタが、フラッタ発生予測手段(A6)
によって予測されたときにフラッタ収束手段(A7)が
作動させられてステアリング操舵系(A2)のフラッタ
が収束させられる。
【0010】
【実施例】図2乃至図4に本発明になるステアリング操
舵系のフラッタ防止装置の第1実施例を示す。
【0011】各図中、ステアリング操舵系のフラッタ防
止装置は、ステアリングホイール1の回動操作力を車両
の前輪に伝達するステアリング操舵系2のタイロッド3
の軸力を検出する軸力検出センサ(検出手段)4と、軸
力検出センサ4により検出された検出信号が入力される
軸力処理部5と、軸力処理部5により処理されたステア
リング操舵系2の軸力を所定時間間隔の時系列データ
(図6参照)として記憶するメモリ6(記憶手段)と、
メモリ6に記憶された各データを学習して得られた結合
度で結合させ、その結合値に基づいてステアリングホイ
ール1の周方向の振動として発生するフラッタを予測す
るニューラルネット演算処理部7(結合度学習手段、フ
ラッタ発生予測手段)と、フラッタ発生が予測されたと
きステアリング操舵系2のフラッタを収束させるフラッ
タ収束機構8と、よりなる。
【0012】尚、軸力検出センサ4はステアリング操舵
系2のタイロッド3に内蔵されるように設けられてお
り、軸力検出センサ4としては、例えば圧電素子が用い
られる。又、軸力処理部5では例えばタイロッド3の軸
力に応じた電圧値を検出し、その検出信号をメモリ6に
出力する。
【0013】本実施例では、タイロッド3の軸力を検出
してフラッタ発生を予測するよう構成されているが、そ
の理由は、タイロッド3がタイヤに近くタイヤアンバラ
ンスによる振動が最初に発生する部分であり、タイロッ
ド3の振動がステアリング操舵系2の各軸に伝達される
ことによりステアリングホイール1にフラッタが発生す
るからである。即ち、タイロッド3の挙動を監視するこ
とによりステアリングホイール1のフラッタ発生の前兆
をとらえることが可能であり、しかもタイロッド3の軸
力に基づいてフラッタ発生を予測できる確率がかなり高
く、予測結果を信頼できるからである。
【0014】又、フラッタ収束機構7としては、例えば
図3に示すようなステアリング操舵系の慣性モーメント
可変装置が一例として用いられる。11はステアリング
ホイール1の回動力を車両の前輪に伝達するステアリン
グシャフトに一部を構成するインターミディエイトシャ
フトである。このインターミディエイトシャフト11は
外シャフト12と内シャフト13とから構成されてい
る。
【0015】内シャフト13は外シャフト12に嵌合さ
れ、両者はねじり方向には剛に連結されている。外シャ
フト12の一方は、図示しないシャフトを介してギヤボ
ックス側と連結されている。内シャフト13の一方はメ
インシャフト14を介してステアリングホイール1に連
結されている。
【0016】インターミディエイトシャフト11の内シ
ャフト13には、半径方向外方に膨出する中空部が形成
されており、この中空部がアキュームレータ23からの
オイル25を貯留するオイル室16を構成している。イ
ンターミディエイトシャフト11のオイル室16近傍に
は、内周面に周方向に延びる油溝17を有する半割り型
のカラー18が取り付けられている。カラー18は、内
シャフト13の外周面の一部を覆い、カラー18の油溝
17とオイル室16とが内シャフト13内に形成された
オイル通路19を介して連通されている。カラー18の
油溝17の両側にはシール溝20が1本ずつ形成され、
シール溝20には油溝17に供給されたオイルが外部に
漏れるのを防止するオイルシール21が夫々装着されて
いる。この場合、カラー18に対して内シャフト13は
回動可能に設けられている。
【0017】カラー18の油溝17は、アクチュエータ
22を介してオイル供給源としてのアキュームレータ2
3に接続されている。アキュームレータ23は、オイル
を所定の圧力で蓄積しており、その容量はオイル室16
の容積よりも大となっている。アクチュエータ22は、
制御回路24と電気的に接続されており、制御回路24
からの出力信号によって作動するようになっている。
【0018】制御回路24にはニューラルネット演算処
理部7が設けられており、このニューラルネット演算処
理部7によりフラッタ発生が予測されたとき、制御回路
24からアクチュエータ22に出力信号が出力され、ア
クチュエータ22によってアキュームレータ23内のオ
イル25がカラー18の油溝17及びオイル通路19を
介して内シャフト13のオイル室16に供給される。
【0019】これにより、オイル室16はオイルによっ
て満たされ、インターミディエイトシャフト11の慣性
質量が大幅に増加され、インターミディエイトシャフト
11の慣性モーメントが大となる。そのため、オイル室
16にオイルが満たされていない状態に比べて慣性質量
が増加した分、ステアリング操舵系の共振周波数が変更
され、車両の高速走行時における共振周波数がタイヤの
アンバランス等に起因する周波数よりも高くなり、共振
状態が回避されてステアリングホイール1のフラッタが
収束される。
【0020】そして、フラッタが収束すると、アクチュ
エータ22によってオイル室16のオイルがアキューム
レータ23に戻される。これにより、インターミディエ
イトシャフト11の慣性モーメントが低下する。
【0021】ここで、上記ニューラルネット演算処理部
7を有する制御回路24によりフラッタ発生を予測する
際の処理について説明する。
【0022】この制御回路24は、ニューラルネット演
算処理部7によりフラッタ発生を瞬時に予測して早期に
フラッタを収束させるように演算処理を行う。図4に示
すようにニューラルネット演算処理部7は、入力層31
の入力値xi (i=1,…,n)から出力値Yを図5に
示す演算を行って算出する。
【0023】この演算は、入力をxi (i=1,…,
n),結合の重み定数をwi (i=1,…,n),入力
数をn,出力をY,スレショルド値(しきい値)をθと
すると、次式(1),(2)によって出力Yを算出す
る。
【0024】
【数1】
【0025】
【数2】
【0026】中間層32より出力される中間出力Xは、
タイロッド3の軸力をタイロッド3の形状の特徴の情報
(本実施例では軸力の変化)を抽出したものであり、出
力層33より出力される出力Yは中間出力Xの情報を最
終的な出力値を収束させやすい形、つまりフラッタ発生
状況を識別しやすい形の信号に加工したものである。
尚、図6は、タイロッド3の軸力又はタイロッド3の横
加速度を示すグラフであり、メモリ6に記憶されたこの
グラフより軸力の変化がわかる。そして、ステアリング
ホイール1に発生するフラッタは、ステアリングホイー
ル1の周方向の約14Hzの周波数の振動である。
【0027】上記出力層33より出力される出力Yと中
間層32より出力される中間出力Xとの関係は、図7に
示すように非線型となる。
【0028】又、入力層31と中間層32との間の結合
の重み定数wi (i=1,…,n)は、演算処理調整用
のタイロッド3の軸力として、フラッタ発生時と正常時
の典型的なタイロッド3の軸力によって、次の方法で調
整する。
【0029】図8は上記演算処理調整のフローチャート
である。
【0030】同図中、まず、ステップS1(以下「ステ
ップ」を省略する)で予測判断しようとするフラッタ発
生時と正常時の典型的なタイロッド3の軸力波形を数種
類(C個)をメモリ6より読みだす。さらに、要求する
出力状態(Dj)を夫々の場合に対応させて決める。そ
の場合、例えばフラッタ発生時の周波数は「1」、正常
時の周波数は「0」とする。
【0031】次に、S2で上記S1で得られたデータを
入力する。この場合、重み定数wi(i=1,…,n)
は乱数で与えられる。
【0032】続いて、S3では、上記S2で得られた結
果(Yj)とS1での要求出力(Dj)とを比較する。
そして、エラー(E)として、次の量を次式(3)によ
り算出する。
【0033】
【数3】
【0034】次に、S4において、このEの大きさが、
十分小さければ、調整終了とする。その時の重み定数が
実際の予測判別に使用する重み定数となる。もし、S4
にて、Eの大きさがまだ大きい場合には、S5にて各重
み定数のエラーへの影響を算出する。
【0035】この重み寄与率は次式(4)により算出す
る。
【0036】
【数4】
【0037】ここでは、上記メモリ6に記憶された時系
列データのうち特定の1つの波形を入力し、次式(5)
の演算を行う。
【0038】
【数5】
【0039】又、i番目の素子と、j番目の素子間の結
合の重み定数(Wij)の寄与率は、次式(6)により求
まる。
【0040】
【数6】
【0041】さらに、中間層の出力Xiがエラー(E)
に与える寄与率は、次式(7)により求まる。
【0042】
【数7】
【0043】総和jは、出力Xiが次の層に結合してい
るすべてに対して考える。
【0044】又、出力層33と中間層32間は、上記方
法の寄与率で算出できるが、それ以前の結合には、δE
/δWijとδE/δXi を繰り返し計算して寄与率を算
出する。
【0045】次のS6では、上記S5で得られたδE/
δWijを用いて重みを変化させる。この変化量は、次式
(8)のように表せる。
【0046】
【数8】
【0047】ここで、ε、αは係数、ΔW(t−1)は
1ステップ前の変化量である。
【0048】そして、重み定数はW=W+ΔWで変化さ
せる。このとき、Wが「0」に近くなった場合には結合
が無くなったと考え、その結合を切り離してもよい。
【0049】すべての重みを変化させた後、前述したS
1のデータを使い、S7において再び演算を行う。そし
て、前述した上記S3からS7までの処理を繰り返して
エラーEを小さくし、最適の重み定数を求める。
【0050】以上の方法で結合の重み定数を調整した
後、その重み定数を使ってフラッタを予測判別する。こ
の演算方法は、一般にバックプロバケーションとして知
られている。
【0051】上記のように、フラッタの発生を予測判別
するに際しては、タイロッド3に内蔵された圧電素子か
らなる軸力検出センサ4により検出されたタイロッド3
の軸力の一部分を取り出し、ニューラルネット演算処理
部7に入力する。入力されたタイロッド3の軸力は、入
力層31の素子では特別な変換をされることなく、その
まま次の中間層32の素子へ入力される。中間層32で
は、各入力層31からの入力に前述した重み定数を乗算
し、それを加算した後に非線形変換して図5に示す入力
i (i=1,…,n)が複数の場合に相当する演算を
行う。
【0052】この非線形変換は、例えば図7に示すよう
な関数で与えられる。出力層では、各中間層からの入力
に重み定数を乗算し、それを加算した後に非線形変換
し、最終的な出力値を得る。この出力値は、正常の場合
はある値以下であるが、フラッタ発生時は大きな値とな
る。つまり、この出力値がある値以上になればフラッタ
が発生すると予測判別してフラッタ収束機構8の作動を
指令する。
【0053】このようにしてステアリング操舵系2のタ
イロッド3の軸力の検出値に基づいて上記ニューラルネ
ット演算処理部7によりフラッタ発生を予測し、フラッ
タ発生と略同時にフラッタ収束機構8のアクチュエータ
22に出力信号が出力され、アクチュエータ22によっ
てアキュームレータ23内のオイル25がカラー18の
油溝17及びオイル通路19を介して内シャフト13の
オイル室16に供給される。
【0054】これにより、オイル室16はオイルによっ
て満たされ、インターミディエイトシャフト11の慣性
質量が大幅に増加され、インターミディエイトシャフト
11の慣性モーメントが大となってステアリングホイー
ル1のフラッタ発生が早期に防止される。
【0055】従って、本実施例では、上記ニューラルネ
ット演算処理部7によりステアリングホイール1のフラ
ッタ発生を迅速且つ正確に予測することができるので、
フラッタ発生直前のステアリング操舵系2の軸力の挙動
を監視してフラッタ発生の前兆をとらえることができ、
これによりフラッタ発生直前にフラッタ収束機構8を作
動させてインターミディエイトシャフト11の共振周波
数をずらしてステアリング操舵系2のフラッタを早期に
収束させることができる。
【0056】本実施例においては、タイロッド軸力を直
接検出するようにされていたが、タイロッド左右加速度
を検出して、これをタイロッド軸力に代用してもよい。
【0057】図9乃至図12に本発明の第2実施例を示
す。
【0058】上記第1実施例では、ステアリング操舵系
2のタイロッド3の軸力に基づいてフラッタ発生を予測
したが、これ以外のデータを組み合わせてフラッタ発生
を予測するようにしてもよい。従って、本発明の第2実
施例では、上記タイロッド3の軸力の他に車速、タイヤ
ユニフォミティー(タイヤのドーナツ形の均一性)など
のデータをセンシングしてより総合的にフラッタ発生を
予測を行う。
【0059】ここで、タイヤユニフォミティーを一例と
して挙げるのは、発生要因のなかでも非常に影響度の大
きい項目であり、フラッタ発生予測の精度向上が図れる
からである。但し、タイヤユニフォミティーとタイロッ
ド軸力との相関を取るのは、非常に困難である。タイヤ
ユニフォミティーとタイロッド軸力を実走行で関連付け
ることは、路面ノイズ、タイヤ変形という外乱要素が大
きすぎる。
【0060】こうした外乱要素の影響を除去するととも
に、タイヤユニフォミティーとタイロッド軸力の相関を
明確なものとするにあたり、図10,図11に示すニュ
ーラルネット演算処理部7の神経網(ニューラルネット
ワーク)41を利用する。
【0061】タイヤユニフォミティーを実走行でセンシ
ングする手法は、タイロッド上下加速度、前後加速度若
しくはサスアーム上下加速度、前後加速度で代用するの
が一般的である。従って、神経網41には、上記軸力検
出センサ4及びタイロッド上下加速度センサ42、タイ
ロッド前後加速度センサ43、車速センサ44からの各
検出信号がデータ処理部45を介して入力される。
【0062】先ず、図10を参照して各センサ群からの
データの処理と神経網の構成について説明する。
【0063】車速データやタイロッド軸力、タイロッド
上下加速度、前後加速度等の信号は、データ取り込み部
SDi (i=1,2,…)において所定の時間間隔毎に
読み込まれ、時系列データ展開部TSDi (i=1,
2,…)において所定時間間隔の時系列データに展開さ
れる。この時系列データ展開部TSDi は、単位時間毎
にデータをシフトする構成により、データに単位時間デ
ィレイを付与して、時系列データを生成する。
【0064】神経網41は、階層系のものであり、時系
列に展開された各データの夫々に対応して設けられた入
力ユニットLmからなる入力層45と、中間ユニットM
nからなる中間層46と、認識すべきフラッタ発生度合
いの種別数に対応する数だけ設けられた出力ユニットO
pからなる出力層47とから構成される。
【0065】各入力層45と中間層46との間の結合及
び中間層46と出力層47との間の結合は、前述したバ
ックプロバケーション等の手法により学習されている。
このバックプロバケーションによる学習とは、神経網4
1への入力に対し、それに対応する出力ユニットOpの
出力値が値「1」で、それ以外の出力ユニットOpの出
力値が値「0」となるように結合量Wを学習させるもの
である。
【0066】この手法は公知のものなので、ここでは詳
細な説明は省略するが基本的には、各出力ユニットOp
の実際の出力と理想的な出力(教師データ)との誤差が
最小になるように各ユニット間の結合の強さ(重み付け
データ)Wを学習するものであり、最小2乗誤差法が用
いられる。
【0067】又、中間層46と入力層45については、
教師データに相当するものを決定することが事実上困難
なので、出力側の層の誤差値δに重み付けデータWを乗
算した累積値をその層の誤差値とし、これが最小になる
ように学習を行う。
【0068】こうした学習を繰り返し行って色々な入力
パターンに対して各層の結合の強さを学習しておけば、
学習した走行パターン以外のパターンが入力されても、
これに一番近い出力の連想(出力の計算)がなされる。
【0069】上記時系列データ展開部TSDi によって
展開された時系列データは、神経網41の入力層45の
各入力ユニットLmに入力される。この時系列データ
は、単位時間毎の最も古いデータが一つ消去され、最新
のデータが一つ付け加えられて更新される。
【0070】以上の処理を簡単にまとめると、このフラ
ッタ発生予測を行うニューラルネット演算処理部7にお
いて、先ず神経網41の各階層の結合の強さをバックプ
ロバケーションの手法により学習し、学習後には、走行
中の各センサ4,42,43,44からの入力信号の一
定時間の時系列データを入力して、出力の計算を行って
フラッタ発生を認識するものである。本実施例では、学
習された結合の強さを重み付けデータWとして予めRO
M(メモリ6)に記憶し、これを用いた演算を行う。
【0071】次に、図12に示すフローチャートを参照
してニューラルネット演算処理部7が実行する処理につ
き説明する。
【0072】先ず、S11でデータDi を取り込む。
【0073】次に、S12でデータDi のアナログ信号
をデジタル信号に変換し終えたかどうかをチェックし、
このA/D変換が終了すると,次のS13に進む。S1
3では、データDi の取り込みが完了した後、それまで
に入力したRAM(メモリ6)の所定の領域に記憶した
全入力時系列的データTDmをシフトする。この結果、
全入力時系列的データTDmは単位時間だけディレイさ
れることになり、各最新データをロードする処理を行う
ことにより、全入力時系列的データTDmを更新する。
【0074】次のS14では、入力層の各ユニットLm
の出力値LDmを演算する。この演算処理は、各入力デ
ータDi の全入力時系列的データTDmに予め決定した
重み付けデータWmを乗算して次式(9)により累積値
NETmを求め、次式(10)により累積値NETmの
シグモイド関数として出力値LDmを求める。 NETm=Wm・TDm … (9) LDm=1/(1+e-(NETm+Sm)) …(10) 尚、上式(10)のシグモイド関数は、累積値NETm
=0で関数値が0、累積値NETmが最大値になったと
ころで関数値が0.5となるように位相Smが決められ
ている。
【0075】又、上記Wは、各階層間の結合の強さを表
す重み付けデータ、Wmは入力データとこれに対応した
入力ユニットLm間の重み付けデータ、Wnmは入力ユ
ニットLmと中間ユニットMn間の重み付けデータ、W
pnは中間ユニットMnと出力ユニットOp間の重み付
けデータである。
【0076】これらの重み付けデータは、バックプロバ
ケーションの手法により学習され、決定されてROMに
記憶される。
【0077】次のS15では、中間層46の各ユニット
Mnの出力値MDnを演算する。この出力値MDnの演
算は、上記入力ユニットLmの出力値LDmの演算と同
様に次式(11)(12)により行う。
【0078】
【数9】
【0079】次のS16では、出力層の各ユニットOp
の出力値ODpを算出する。この出力値ODpの演算
は、上記中間ユニットMnの出力値MDnの演算と同様
に次式(13)(14)により行う。
【0080】
【数10】
【0081】以上の演算処理終了後、S17で出力層の
各ユニットOpの出力値ODpを出力回路を介して出力
する。この出力値ODpは、神経網41による認識であ
り、学習時のパターン若しくはこれに類似するパターン
が入力されれば、対応する出力値ODpが近似的に
「1」に、他の出力値ODpが近似的に「0」になる。
【0082】従って、この出力値ODpがそのままフラ
ッタ発生予測の認識結果になり、上記神経網41により
迅速且つ正確にフラッタ発生を予測することができる。
【0083】尚、フラッタ発生認識後の動作は、前述し
た第1実施例と同様にフラッタ収束機構8のアクチュエ
ータ22に出力信号が出力され、アクチュエータ22に
よってアキュームレータ23内のオイル25がカラー1
8の油溝17及びオイル通路19を介して内シャフト1
3のオイル室16に供給される。
【0084】これにより、オイル室16はオイルによっ
て満たされ、インターミディエイトシャフト11の慣性
質量が大幅に増加され、インターミディエイトシャフト
11の慣性モーメントが大となってステアリングホイー
ル1のフラッタ発生が防止される。
【0085】従って、本実施例では、上記神経網41に
よりステアリングホイール1のフラッタ発生を迅速且つ
正確に予測することができるので、フラッタ発生直前の
ステアリング操舵系2の軸力及び上下加速度、左右加速
度、車速等の挙動を監視してフラッタ発生の前兆をとら
えることができ、これによりフラッタ発生直前にフラッ
タ収束機構8を作動させてインターミディエイトシャフ
ト11の共振周波数をずらしてステアリング操舵系2の
フラッタを早期に収束させることができる。
【0086】尚、上記実施例では、フラッタ収束機構8
としてオイル室16内の油量を調整してインターミディ
エイトシャフト11の慣性モーメントを増加させる構成
としたがこれに限らず、例えばインターミディエイトシ
ャフト11あるいはステアリング操舵系2の軸に負荷を
加える構成のものを使用してもよい。
【0087】
【発明の効果】上述の如く、本発明になるステアリング
操舵系のフラッタ防止装置は、フラッタ発生予測手段が
結合度学習手段により得られた結合値に基づいてステア
リングホイールの周方向の振動として発生するフラッタ
を予測することができるので、ステアリング操舵系の軸
力の挙動を監視してフラッタ発生の前兆をとらえること
によりフラッタ発生直前にフラッタ収束手段を作動させ
てステアリング操舵系のフラッタを早期に収束させるこ
とができ、しかも振動が小さいうちにフラッタを収束さ
せられるので、フラッタ収束手段を駆動する際のエネル
ギが少なくて済み、フラッタ収束までの時間がきわめて
短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の第1実施例の要部を説明するための概
略構成図である。
【図3】フラッタ収束機構を説明するための概略構成図
である。
【図4】ニューラルネットワークの階層構造を説明する
ための模式図である。
【図5】ニューラルネットワークの階層構造を説明する
ための模式図である。
【図6】ニューラルネット演算処理部の演算処理を説明
するための模式図である。
【図7】ニューラルネット演算処理部の出力Yと中間出
力Xとの関係を示すグラフである。
【図8】ニューラルネット演算処理部で実行される処理
を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例の要部を説明するための概
略構成図である。
【図10】本発明の第2実施例のニューラルネットワー
クの階層構造を説明するための模式図である。
【図11】本発明の第2実施例の神経網の処理動作を説
明するための模式図である。
【図12】本発明の第2実施例のニューラルネット演算
処理部で実行される処理を説明するためのフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリング操舵系 3 タイロッド 4 軸力検出センサ 5 軸処理部 6 メモリ 7 ニューラルネット演算処理部 8 フラッタ収束装置 11 インターミディエイトシャフト 16 オイル室 22 アクチュエータ 23 アキュームレータ 24 制御回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの回動操作力を車
    両の前輪に伝達するステアリング操舵系の軸力を検出す
    る検出手段と、 少なくとも該検出手段により検出された前記ステアリン
    グ操舵系の軸力を所定時間間隔の時系列データとして記
    憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された前記各データを学習された結合
    度で結合させる結合度学習手段と、 該結合度学習手段により得られた結合値に基づいて前記
    ステアリングホイールの周方向の振動として発生するフ
    ラッタを予測するフラッタ発生予測手段と、 該フラッタ発生予測手段によりフラッタ発生が予測され
    たとき前記ステアリング操舵系のフラッタを収束させる
    フラッタ収束手段と、 よりなることを特徴とするステアリング操舵系のフラッ
    タ防止装置。
JP5002724A 1993-01-11 1993-01-11 ステアリング操舵系のフラッタ防止装置 Pending JPH06206550A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015119148A1 (ja) 2014-02-04 2015-08-13 カヤバ工業株式会社 電動パワーステアリング装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015119148A1 (ja) 2014-02-04 2015-08-13 カヤバ工業株式会社 電動パワーステアリング装置
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