JPH0620545Y2 - シリンダー回転式吸排気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は，シリンダー回転式吸排気装置，特に呼吸マス
クなどの吸気抵抗や排気抵抗の測定に使用する吸排気装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来の吸気，排気装置には，モーター，ポンプで駆動す
るように構成されたものが多く使用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の吸気，排気装置では，モーター，ポンプを使
用するため，構造が複雑で，価格が高価になり，電源の
ない作業現場などでは使えないというように使用場所に
限界があり，繰り返えし使用する場合には，保守を必要
とするなどの問題点があった。

本考案は，モーター，ポンプの代わりに回転式のシリン
ダーと，その内部に自重で降下するように挿入したピス
トンを利用することにより，上記従来の問題点を解消し
うる吸排気装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕 以下図面にもとづいて本考案を詳細に説明すると，(1)
はシリンダーで，その中間部の両側から突設した軸
(2)，(2)を，台(3)の上に設けた脚(4)，(4)の上端にそ
れぞれ回転自在に支持させ，この軸(2)，(2)を支点にし
て回転する。(5)はシリンダー(1)の内部に挿入したピス
トンで，自重によりシリンダー(1)内を降下する。(6)，
(7)はシリンダー(1)の上下両端に設けた吸気弁で，シリ
ンダー(1)内の陰圧によって開弁する。(8)，(9)はシリ
ンダー(1)の上下両端に設けた排気弁で，シリンダー(1)
内の陽圧によって開弁する。(10)は通気管で，一方の端
部には，吸排気口(11)を有し，他方の端部には，シリン
ダー(1)の上下両端方向に分岐した分岐管(12)，(13)を
有し，分岐管(12)は吸気弁(6)と排気弁(8)に切換え可能
に接続し，分岐管(13)は吸気弁(6)と排気弁(9)に切換え
可能に接続する。(14)は通気管(10)の適当箇所に取付け
た流量調節バルブ，(15)は流量計，(16)はマノメータ
ー，(23)は回転継手である。

〔作用〕

分岐管(12)を吸気弁(6)に，分岐管(13)を吸気弁(7)にそ
れぞれ接続し，吸排気口(11)に呼吸マスク(17)を接続し
た状態において，シリンダー(1)を第１図示のように起
立させれば，ピストン(5)が自重で降下していき，ピス
トン(5)の上側の空間(18)が陰圧になると同時に，ピス
トン(5)の下側の空間(19)が陽圧になり，吸気弁(6)が開
弁し，吸気弁(7)が閉弁すると同時に，排気弁(8)が閉弁
し，排気弁(9)が開弁するので，外気が呼吸マスク(1
7)，通気管(10)，分岐管(12)，吸気弁(6)の順に通過し
て空間(18)へ吸引され，空間(19)内の空気が排気弁(9)
からシリンダー(1)外へ排出される。このようにして呼
吸マスク(17)から外気が吸引されている間に流量計(15)
及びマノメーター(16)により呼吸マスク(17)の吸気抵抗
の測定が行なえる。ピストン(5)がシリンダー(1)の下端
に到達し，あるいは下端に近寄ったところで，軸(2)，
(2)を支点にしてシリンダー(1)を第１図の位置から転倒
させれば，吸気弁(7)と排気弁(9)がシリンダー(1)の上
端へ，吸気弁(6)と排気弁(8)がシリンダー(1)の下端へ
それぞれ移動し，ピストン(5)が再び降下していき，吸
気弁(7)が開弁し，排気弁(9)が閉弁すると同時に，吸気
弁(6)が閉弁し，排気弁(8)が開弁するので，外気が呼吸
マスク(17)，通気管(10)，分岐管(13)，吸気弁(7)の順
に通過して空間(19)へ吸引され，空間(18)内の空気が排
気弁(8)からシリンダー(1)外へ排出される。以上の操作
を，呼吸マスク(17)が別の呼吸マスクに変えられるごと
に繰り返えすことにより，個々の呼吸マスクの吸気抵抗
を測定できる。

また分岐管(12)を第１図の点線で示すように排気弁(8)
に切換え接続し，分岐管(13)を第１図の点線で示すよう
に排気弁(9)に切換え接続し，吸排気口(11)に呼吸マス
ク(17)を接続した状態において，シリンダー(1)を第１
図示のように起立させれば，ピストン(5)が自重で降下
していき，ピストン(5)の上側の空間(18)が陰圧になる
と同時に，ピストン(5)の下側の空間(19)が陽圧にな
り，吸気弁(6)が開弁し，吸気弁(7)が閉弁すると同時
に，排気弁(8)が閉弁し，排気弁(9)が開弁するので，外
気が吸気弁(6)から空間(18)内へ吸引され，空間(19)内
の空気が排気弁(9)，分岐管(13)，通気管(10)，呼吸マ
スク(17)の順に通過して，呼吸マスク(17)の外部へ排出
される。このようにして呼吸マスク(17)から空間(19)内
の空気が排出されている間に流量計(15)及びマノメータ
ー(16)により呼吸マスク(17)の排気抵抗の測定が行なえ
る。ピストン(5)がシリンダー(1)の下端に到達し，ある
いは下端に近寄ったところで，軸(2)，(2)を支点にして
シリンダー(1)を第１図の位置から転倒させれば，吸気
弁(7)と排気弁(9)がシリンダー(1)の上端へ，吸気弁(6)
と排気弁(8)がシリンダー(1)の下端へそれぞれ移動し，
ピストン(5)が再び降下していき，吸気弁(7)が開弁し，
排気弁(9)が閉弁すると同時に，吸気弁(6)が閉弁し，排
気弁(8)が開弁するので，外気が吸気弁(7)から空間(19)
内へ吸引され，空間(18)内の空気が排気弁(8)，分岐管
(12)，通気管(10)，呼吸マスク(17)の順に通過して，呼
吸マスク(17)の外部へ排出される。以上の操作を，呼吸
マスク(17)が別の呼吸マスクに変えられるごとに繰り返
えすことにより，個々の呼吸マスクの排気抵抗を測定で
きる。

なお，通気管(10)及び分岐管(12)，(13)を通過する空気
の流速は，流量調節バルブ(14)で調節できる。

〔実施例〕

分岐管(12)は吸気弁(6)と排気弁(8)に交互に接続するこ
ともあり，切換コックを介して吸気弁(6)と排気弁(8)に
接続することもある。分岐管(13)は吸気弁(7)と排気弁
(9)に交互に接続することもあり，切換コックを介して
吸気弁(7)と排気弁(9)に接続することもある。通気管(1
0)は，分岐管(12)と(13)に分岐するほか，吸気用と排気
用に区別した２本の管で構成することもある。脚(4)に
は，第２図示のように分岐管(13)がシリンダー(1)の下
端に移動したときに分岐管(13)を係合させる係合部(20)
と，分岐管(12)がシリンダー(1)の下端に移動したとき
に分岐管(12)を係合させる係合部(21)とを設けてある。
脚(4)は台(3)に固定することもあり，第１図示のように
台(3)に蝶番(22)で連結し，シリンダー(1)ごと台(3)上
に倒せるようにすることもある。吸排気口(11)には，呼
吸マスク以外の各種吸排気用器機を接続しうる。

〔考案の効果〕

本考案は，叙上のように構成したから，モーター，ポン
プを使わずに駆動できるため，構造が簡単で，価格を低
廉にでき，電源の有無に拘わらずどんな場所でも使用で
き，繰り返えし使用する場合にも殆んど保守を必要とせ
ず，それだけ使いやすいなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので，第１図は一部を断
面にし，かつ装置の全体を示す側面図，第２図はシリン
ダーの起立時，転倒時における分岐管の係合を説明する
図である。 (1)……シリンダー，(5)……ピストン，(6)，(7)……吸
気弁，(8)，(9)……排気弁，(10)……通気管，(11)……
排気口，(14)……流量調節バルブ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダーを回転可能に支持し，シリンダ
   ーの内部には，自重で降下するピストンを挿入し，シリ
   ンダーの上下両端には，シリンダー内の陰圧によって開
   弁する吸気弁と，シリンダー内の陽圧によって開弁する
   排気弁とをそれぞれ設け，上記吸気弁と排気弁には，一
   方の端部に吸排気口を有する通気管の他方の端部を切換
   え可能に接続してなるシリンダー回転式吸排気装置。
2. 【請求項２】通気管に流量調節バルブが取付けられてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載のシリンダー回転
   式吸排気装置。