JPH06201289A

JPH06201289A - 熱交換器コアのエンドプレート構造及びそのコア製造方法

Info

Publication number: JPH06201289A
Application number: JP36086292A
Authority: JP
Inventors: Eiji Suzuki; 英二鈴木; Masahiko Shiroshige; 雅彦白茂
Original assignee: Toyo Radiator Co Ltd
Current assignee: Toyo Radiator Co Ltd
Priority date: 1992-12-29
Filing date: 1992-12-29
Publication date: 1994-07-19

Abstract

(57)【要約】【目的】熱交換器の製造工程においてコア形成後にエ
ンドプレートを嵌着出来るものを提供すること。【構成】多数の欠切部がエンドプレートの一方の縁に
開口して形成され、それぞれの欠切部をコアのチューブ
におけるＵベンド部に該コアの幅方向から嵌着するよう
に構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フィンとチューブとか
らなるコアの両側に取付けられる補強用エンドプレート
の取付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】多数のプレートフィンとチューブとから
なる熱交換器コアは、図５の如く構成されていた。即
ち、互いに整合する位置に多数のチューブ挿通孔を有
し、その挿通孔の口縁部がバーリング加工により立ち上
げ形成されたプレートフィンを積層すると共に、その積
層体の両側（一側を省略）に多数のチューブ挿通孔が穿
設された一対のエンドプレートを配置し、前記フィンの
チューブ挿通孔とエンドプレートの各孔とを整合する。
そして、軸線がＵ字状に形成された多数のチューブの直
線部をエンドプレート及びフィンに貫通させる。次に、
各チューブの開口端からチューブの直線部内に拡開具を
挿通し、チューブ外面とプレートフィンのチューブ挿通
孔との間を密着させると共に、該チューブとエンドプレ
ートの貫通部も密着させる。次いで、各チューブの開口
端間を短いＵベンド管で順次接続し、全体を蛇行状の連
続した流路としていた。そして、チューブ内に冷媒等を
流通させると共に、チューブ外面及びプレートフィン外
面側に空気流を流通させ、その空気流とチューブ内の冷
媒等との間に熱交換を行うこととしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような熱交換器コ
アの製造方法は、コア製造工程でその両側にエンドプレ
ートが配置されることになる。このコアは、それをチュ
ーブの挿通方向に並行に分割する必要がある場合に、そ
の分割作業が極めて面倒である。なぜならば、コアの両
側には、プレートフィンの板厚（通常０．０２〜０．１
mm程度）に対して、著しく板厚が厚い（１mm〜３mm程
度) エンドプレートが存在している。従って多数のフィ
ンを切断することは容易であるが、エンドプレートを切
断することが面倒である。そしてエンドプレートとチュ
ーブプレートとの剛性が著しく異なるため、それぞれに
最適なカッターを使用する必要がある。また、コアを分
割しない場合においても、従来の如くエンドプレートと
プレートフィンとの組み立てを常に同時に行わなければ
ならない場合には、エンドプレートとフィンとの各構造
が異なるため、それらを整合して保持するために特別な
固定治具が必要となり、コア組み立て作業が面倒である
欠点があった。そこで、本発明は以上の課題を解決する
ために次の構成をとる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のエンドプレート
構造は、多数の薄いプレートフィン１が小隙を有して並
列されると共に、それらのプレートフィン１にチューブ
２の直線部が貫通し、該チューブ２の端がＵベンド部３
により他の直線部に連結されてコア４が構成される。そ
してそのコア４のチューブ２の貫通方向端部にプレート
フィン１の厚みに比べて著しく板厚の厚い補強用のエン
ドプレート５が配置されたものを対象とする。ここにお
いて本発明の特徴とするところは、Ｕベンド部３の付け
根に、コア４の幅方向から嵌着可能に、多数の欠切部６
がエンドプレート５に一方の縁を開口して形成されたも
のである。次に本構造を有する熱交換器コアの製造方法
は、プレートフィン１にチューブ２の直線部を貫通して
コア４を構成した後に、エンドプレート５の一方の縁に
開口して形成された多数の欠切部６がＵベンド部３の付
け根にコア４の幅方向から嵌着するように該エンドプレ
ート５をコア４に取付けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明のエンドプレート構造を有する熱交換器
コアは、フィンとチューブとからなるコア成形後にエン
ドプレートを嵌着出来るように構成したから、コア成形
後の適宜工程中にエンドプレートを取付けることができ
る。それにより、エンドプレートの取付け作業が極めて
容易且つ迅速に行われる。また、コア成形後の適宜工程
中にエンドプレートを装着できるため、設計の自由度が
増し、量産性に優れた製造工程を取り得る。

【０００６】

【実施例】次に、図面に基づいて本発明の実施例につき
説明する。図１は、本エンドプレート構造の要部斜視説
明図である。この熱交換器コアは主として空調用に使用
されるものであり、コア４が多数のプレートフィン１と
チューブ２とからなる。プレートフィン１は、厚さ０．
０２〜０．１mm程の極めて薄いアルミニウムまたはその
合金等の良伝熱性材料の条材をプレス成形してなり、多
数のチューブ挿通孔が穿設されると共に、その挿通孔の
口縁部がバーリング加工され図示しない立ち上がり部を
形成している。このようなフィンを小隙を介して並列
し、各チューブ挿通孔を整合させる。そして、Ｕ字状の
多数のチューブ２の直線部をプレートフィン１の積層体
に貫通しコア４を構成する。このようにして構成された
コア４の両端面にエンドプレート５を嵌着する。このエ
ンドプレート５は、チューブ２のＵベンド部３に嵌着で
きるように欠切部６が形成されている。この実施例で
は、厚み方向に２列に形成された一対のＵベンド部３の
根元部にそれぞれ嵌着できる欠切部６が形成されてい
る。そして、その欠切部６がエンドプレート５の一方の
縁部に開口されると共に、その開口部に爪部７が折り曲
げにより立ち上げられている。

【０００７】このような状態で多数の欠切部６を、それ
ぞれのＵベンド部３の根元部にコア４の一方の縁から圧
入する。すると、Ｕベンド部３の根元部に欠切部６が嵌
着し、両者の接触抵抗によりエンドプレート５がコア４
に固定される。次いで、爪部７を矢印の方向に折り曲げ
ることによりその縁部をＵベンド部３の根元部に係止さ
せることが出来る。なお、爪部７は必ずしもなければな
らないものではない。即ち、爪部７を省略してもよい。
このように形成した後に、チューブ２の図示しない開口
端同志を図示しないＵベンド管で連結し、多数のチュー
ブにより全体として蛇行状の流路が形成される。なおチ
ューブ２とプレートフィン１の貫通孔との間は、ハンダ
付けにより固定される場合と、チューブ２の内部に拡開
治具が挿通され、チューブ２の外周が半径方向に広がる
ことにより、チューブ外面とチューブ挿通孔との間が密
着する場合とがある。チューブ２とプレートフィン１と
の固定は、エンドプレート５の取付け前であってもある
いは後であってもよい。

【０００８】次に図２は本発明の第２実施例であり、チ
ューブ２のＵベンド部３がコア４の幅方向に斜めに形成
され、このＵベンド部３の位置に整合した欠切部６がエ
ンドプレート５に設けられている。それ以外は、前記第
１実施例と同様である。次に図３は、本発明の他の実施
例であり、この実施例ではチューブとフィンとにより一
つのコア４を成形した後に、コア４を斜めに且つその切
断面８がチューブ挿通方向に並行になるように２分割し
たものである。そして２分割した後に、各分割コアにそ
れぞれ一対ずつのエンドプレート５を嵌着し、両分割コ
アを図４の如く組み合わせたものである。即ち、上部の
分割コアを１８０°回転し、上下各コアの切断面どうし
を整合させ、それぞれのエンドプレート５のフランジ部
において両者をボルト11により締結固定したものであ
る。

【０００９】このような製造工程をとることにより、コ
ア４の切断が極めて容易となる。即ち、コア４は極めて
薄いプレートフィン（板厚が０．０１５〜０．１mm）で
あるため容易に切断することができる。そして切断後
に、各コアの端面に板厚の厚いエンドプレート５をそれ
ぞれ容易に取付けることが出来る。それにより全体がＬ
字状となるコアを迅速に生産することが可能となる。な
お、このＬ字状コアの代わりにくの字状のコアを構成す
ることもできる。そしてこれらの変形コアにより、各種
設置場所に応じた省スペースで放熱面積の高い熱交換器
を製造することが可能となる。

【００１０】

【発明の効果】本発明のエンドプレート構造は、板厚の
厚い補強用のエンドプレート５に多数の欠切部６が一方
の縁に開口して形成され、そのエンドプレートがコア４
のＵベンド部３の付け根に幅方向から嵌着可能に構成さ
れたから、エンドプレートの取付けが容易な構造を提供
できる。また、その構造を利用した本発明の製造方法
は、コアを製造した後の適宜な製造工程中にエンドプレ
ートを取付けることができ、設計の自由度が増し、各種
設計に応じて最適なエンドプレートの組付時期を選ぶこ
とが出来る。それにより量産性の高い熱交換器を提供し
得る。また、請求項３記載の発明によれば、一つの大き
なコア４を構成した後にそれを複数に分割し、その後に
各分割コアにエンドプレートを取付けることが可能とな
る。このコア分割作業にあたって、該コアには厚みの厚
いエンドプレートが存在しないから、コアの分割作業が
容易となる。それにより、分割型コアの量産性を向上さ
せることが出来る。更には請求項第４項記載の発明によ
れば、エンドプレートをコアに取付けた後に、爪部７を
チューブに係止することにより、エンドプレートとコア
との接合をより強固に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエンドプレート構造の要部斜視説明
図。

【図２】本発明の第２実施例のエンドプレート構造の斜
視略図。

【図３】本発明の第３実施例の熱交換器コアの製造方法
を示す説明図。

【図４】同コアの組み立て側面図。

【図５】従来型熱交換器コアの斜視略図。

【符号の説明】

１プレートフィン２チューブ３Ｕベンド部４コア５エンドプレート６欠切部７爪部８切断面 10 ボルト孔 11 ボルト

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多数の薄いプレートフィン１が小隙を有
して並列されると共に、それらのフィンにチューブ２の
直線部が貫通し、該チューブ２の端がＵベンド部３によ
り他の前記直線部に連結されてコア４が構成され、該コ
ア４の前記チューブ２の前記貫通方向端面に、前記プレ
ートフィンの厚みに比べて著しく板厚の厚い補強用のエ
ンドプレート５が配置されたものにおいて、前記Ｕベン
ド部３の付け根に前記コア４の幅方向から嵌着可能に、
多数の欠切部６が前記エンドプレート５にその一方の縁
に開口して形成されたことを特徴とする熱交換器コアの
エンドプレート構造。
【請求項２】多数の薄いプレートフィン１が小隙を有
して並列されると共に、それらのフィンにチューブ２の
直線部が貫通し、該チューブ２の端がＵベンド部３によ
り他の前記直線部に連結されてコア４が構成され、該コ
ア４の前記チューブ２の前記貫通方向端面に、前記プレ
ートフィンの厚みに比べて著しく板厚の厚い補強用のエ
ンドプレート５が配置されたものにおいて、前記プレー
トフィン１に前記チューブ２の直線部を貫通して前記コ
ア４を構成した後に、前記エンドプレート５の一方の縁
に開口して形成された多数の欠切部６が前記Ｕベンド部
３の付け根に前記コア４の幅方向から嵌着するように、
該エンドプレート５を前記コア４に取付けたことを特徴
とする熱交換器コアの製造方法。
【請求項３】請求項２において、一つの前記コア４が
構成された後に、前記チューブ２の前記直線部に沿って
該コア４を複数に分割し、次いでその各分割コアに前記
エンドプレートを取りつけた熱交換器コアの製造方法。
【請求項４】請求項２において、前記エンドプレート
の前記欠切部６に予め爪部７を折り曲げ自在に突設し、
該エンドプレートを前記コアに取付けた後に前記爪部を
前記欠切部側に折り曲げて、該爪部７が前記チューブに
係止するように構成した熱交換器コアの製造方法。