JPH06200288A - 砂糖黍ワックスの製造方法 - Google Patents

砂糖黍ワックスの製造方法

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JPH06200288A
JPH06200288A JP36020692A JP36020692A JPH06200288A JP H06200288 A JPH06200288 A JP H06200288A JP 36020692 A JP36020692 A JP 36020692A JP 36020692 A JP36020692 A JP 36020692A JP H06200288 A JPH06200288 A JP H06200288A
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JP
Japan
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sugar cane
wax
stalk
surface layer
extraction
Prior art date
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Pending
Application number
JP36020692A
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English (en)
Inventor
Isoo Shimizu
五十雄 清水
Yutaka Arai
裕 新井
Koji Fujimura
耕治 藤村
Toshiharu Fusano
俊治 房野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な砂糖黍ワックスの製造方法を提供す
る。 【構成】 砂糖黍の茎表面から中心部に向かって直径の
10%以下の厚さで茎表皮部分を削り取り、採取した茎
表皮部分を原料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な砂糖黍ワックスの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉱油系ワックスにはない特徴を有する動
植物系ワックスは、多様な原料から種々の方法により採
取され、それぞれの特徴を生かして多種の産業分野で用
いられている。砂糖黍に含まれている砂糖黍ワックス
も、それらの一つとして利用が提案されている。ところ
で、砂糖は従来、砂糖黍の茎から樹液を絞り出し、その
絞り汁から製造されている。すなわち、砂糖黍の茎全体
を適宜に粉砕し、これを圧搾して茎中の樹液を絞り出
す。砂糖黍の樹液は砂糖生産のために大量に製造されて
おり、その樹液中に砂糖黍のワックス分がエマルジョン
の状態で浮遊している。従って、砂糖黍ワックスの製造
方法としては、砂糖黍から絞り出した樹液の中からワッ
クス分を採取する方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように砂糖黍の茎全体の絞り汁から製造された砂糖黍ワ
ックスの性質について本発明者らが検討したところ、そ
の品質は必ずしも満足し得るものではなかった。すなわ
ち、上記の方法により製造されたワックスには、DSC
(示差走査熱量分析)による融点を示すピークが複数個
存在することがあり、またその中には低融点のピークを
示すものもある。融点を示すピークが複数個存在するこ
とは、不純物を含むか、あるいはワックス成分が単一で
ないことを示し、また全体として融解温度範囲が広く、
融解性がシャープではないことを表す。これらはワック
スとして一般に要求される物性を損なうものであり、望
ましくない。従って、製品としての砂糖黍ワックスを得
るためには、これらの不純物を除去する必要がある。し
かしながら、不純物の除去には濾過、吸着または溶剤精
製等の工程が必要であるため、これらがワックスの抽出
以外に加わり、コストは著しく上昇せざるを得ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の事情
に鑑み、砂糖黍からワックス分を抽出する際に、前処理
工程として砂糖黍の茎表面を削り取り、採取した茎表皮
部分を原料として用いることにより、実質的に不純物を
含まない砂糖黍ワックスを製造し得ることを見出して本
発明を完成させたものである。すなわち本発明は、砂糖
黍の茎表面から中心部に向かって直径の10%以下の厚
さで茎表皮部分を削り取り、採取した表皮部分を原料と
することを特徴とする砂糖黍ワックスの製造方法を提供
するものである。本発明の砂糖黍ワックスの製造方法に
よれば、不純物の含有量がきわめて少ないか、あるいは
実質的に不純物を含まない砂糖黍ワックスを得ることが
でき、製品化の際に精製を行なうことが実際上不要とな
り、製造コストを著しく改善することができる。
【0005】本発明の砂糖黍ワックスの製造方法におい
ては、砂糖黍の茎表面から中心部に向かって砂糖黍の茎
直径の10%以下、好ましくは5%以下の厚さで茎表皮
部分を削り取ることが肝要である。10%を越える厚さ
を削り取ると、ワックスの抽出効率が低下すると共に、
ワックスの物性を低下させる成分の混入が多くなるため
に好ましくない。すなわち、10%を越える厚さの表皮
部分を含むときは、得られたワックスに、DSCによる
融点を示すピークが複数個見られたり、あるいは低融点
のピークが認められるのである。本発明の方法は、砂糖
黍の成長あるいは成熟の度合、またはその種類などに制
限を受けることがない。通常、砂糖黍の茎直径は20〜
100mm程度である。
【0006】本発明の方法においては、上記のように砂
糖黍の茎表面から中心部方向に向かって所定の厚さの茎
表皮部分を削り取るが、この操作方法は特に限定されな
い。例えば人の手による操作で行ってもよく、また大量
の処理を行う際には機械による操作で行ってもよい。大
量に処理する機械としては、一定の厚さに削り取ること
ができるものであれば種類に制限はなく、例えば木材加
工等に用いられるかんなやグラインダー等のかき取り機
械、またはこれらに類するものが用いられる。また、自
動的にかき取りを行なう装置としては、特公昭55−2
280号公報に示されているようなコンベアと切り裂き
刃、およびかき取り用のロール等を組み合わせた複雑な
装置を使用することもでき、これらの機械・装置により
得られる砂糖黍の表皮部分はすべて本発明の製造の対象
とすることができる。
【0007】削り取った砂糖黍の茎表皮から砂糖黍ワッ
クスを製造するには、従来公知の方法を用いることがで
き、特に限定されない。例えば、削り取った砂糖黍茎表
皮を圧搾し、得られた絞り汁としての樹液からワックス
を抽出する。あるいは、更に水酸化カルシウムや燐酸三
カルシウムなどの凝集剤を加えてワックスエマルジョン
を沈澱させ、この沈澱を補集後、抽出するなどの方法に
より砂糖黍ワックスを製造することもできる。しかしな
がら、削り取った砂糖黍の茎表皮を直接抽出の対象とす
る方法が経済的であり、また品質も優れたものが得られ
るため好ましい。
【0008】砂糖黍の茎表皮を直接抽出の対象とする方
法の代表的なものとして、適当な抽出剤を用いる抽出操
作を挙げることができる。抽出剤としては、従来公知の
抽出用有機溶剤が例示される。例えばヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素類やエタノール、プロパノール等
のアルコ−ル類、またはベンゼン、キシレン等の芳香族
炭化水素類、ジエチルエーテル等のエーテル類、メチル
エチルケトン等のケトン類、クロロホルム等の塩素化炭
化水素類等が挙げられる。削り取った砂糖黍茎表皮を直
接抽出の対象とする場合、あるいは砂糖黍茎表皮を圧搾
して得られる樹液を抽出の対象にする場合には、水が共
存するので疎水系の有機溶剤を抽出溶剤とするのが好ま
しい。疎水系の有機溶剤として塩素化炭化水素系の有機
溶剤あるいは芳香族炭化水素系の有機溶剤などを用いる
と、これらがワックス中に残留した場合に製品ワックス
の安全性の点から問題を生ずる。従って、ヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素を含む飽和炭化水素類を抽出
溶剤とすることが好ましい。
【0009】有機溶剤による抽出操作は、得られるワッ
クスの融点以上の操作温度、例えば75〜85℃の温度
範囲内で行い、抽出時間は通常0.1〜10時間であ
る。
【0010】そのほか、有機溶剤以外の抽出剤により抽
出する方法、例えば温熱水浴中でワックスを抽出する方
法、炭酸ガス等を用いる超臨界抽出方法等も採用するこ
とができる。しかしながら、経済性やワックス回収効率
の点から、有機溶剤により抽出する方法が工業的には有
利である。抽出後、適宜に公知の方法により、例えば蒸
留により抽出剤を除去することによって、目的とする砂
糖黍ワックスを容易に得ることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。 <実施例1>沖縄産砂糖黍の茎(直径41mm)の表面
から直径の 1.5%の厚さで中心部に向かって削り取
り、砂糖黍表皮部分を得た。これを真空乾燥器で乾燥し
た後、溶剤としてn−ヘプタンを用い、沸点で6時間還
流しながらワックスの抽出を行った。得られたワックス
溶液を蒸留して溶剤を除去し、淡黄色の砂糖黍ワックス
を得た。得られたワックスには目視によりゴミ等の不純
物は認められず、またガスクロマトグラフによる分析の
結果、ワックス分以外の不要な成分を含んでいないこと
が確認された。 得られた砂糖黍ワックスは、DSCの
結果では81.0℃に単一の鋭いピークを有し、シャー
プな融解性を示すことが判った。
【0012】<実施例2>削り取る厚さを砂糖黍直径の
0.5%とした以外は上記実施例1と同様にして砂糖黍
ワックスを抽出した。ガスクロマトグラフ分析の結果、
ワックス分以外の成分は検出されなかった。また、DS
Cの結果では80.7℃に単一の鋭いピークが見られ
た。
【0013】<比較例1>実施例1と同じ砂糖黍の表面
から中心に向かって20%の厚さで削り取り、上記実施
例1と同様の方法で抽出を行なった。得られた淡緑色の
ワックスをガスクロマトグラフ分析した結果、ワックス
分以外の成分を15%含有していることが判った。ま
た、DSCの結果によれば49℃、67℃および76℃
の3個所にピークを有し、融解性がシャープではないこ
とが判った。
【0014】
【比較例2】粗糖製造工程で排出されるフィルターケー
キを真空乾燥器で乾燥し、実施例1と同様にして抽出操
作を行った。得られた濃緑色のワックス中には若干の固
形不純物が見られ、これをガスクロマトグラフにより分
析した結果、ワックス分以外の成分を37%含有してい
ることが判った。 DSCの結果では47℃と66.5℃
に2個のピークを示し、融点が低く融解性もシャープで
はないことが判った。
【0015】
【実施例3】木材加工用のグラインダーを用いて実施例
1の砂糖黍茎表面の表皮部分を厚さが砂糖黍直径の5%
になるように削り取り、実施例1と同様の方法によって
砂糖黍ワックスを抽出した。ガスクロマトグラフ分析の
結果、ワックス分以外の成分は検出されなかった。ま
た、DSCの結果では80.5℃に単一のピークが見ら
れた。
【0016】
【実施例4】自動的に砂糖黍の茎を表皮部分、長繊維部
分および中心の柔繊維部分に分離する装置を用いて、実
施例1の砂糖黍の茎表皮部分を砂糖黍の直径の1〜3%
の厚さで削り取り、実施例1と同様の方法によって砂糖
黍ワックスを抽出した。ガスクロマトグラフ分析の結
果、ワックス以外の成分は検出されなかった。また、D
SCの結果では80.1℃に単一のピークが見られた。
【0017】
【実施例5】実施例1の沖縄産砂糖黍の茎の表面から直
径の 2.5%の厚さだけ中心部に向かって削り取り、砂
糖黍茎表皮部分を得た。これを真空乾燥器で乾燥した
後、耐圧容器中に入れ、炭酸ガスを充填して圧力280
kg/cm2、温度80℃で抽出を行った。耐圧容器から超臨
界状態の炭酸ガスと抽出されたワックスとを常圧のレシ
ーバー中に放出し、炭酸ガスを気体として除去し、淡黄
色で粉末状の砂糖黍ワックスを得た。得られたワックス
には目視によりゴミ等の不純物は認められず、またガス
クロマトグラフによる分析の結果、ワックス分以外の成
分を含んでいないことが確認された。 得られた砂糖黍
ワックスは、DSCの結果では81.8℃に単一の鋭い
ピークを有し、シャープな融解性を示すことが判った。
【0018】
【実施例6】実施例1の沖縄産砂糖黍の茎の表面から直
径の 1.5%の厚さだけ中心部に向かって削り取り、砂
糖黍茎表皮部分を得た。これを真空乾燥器で乾燥した
後、沸騰水中で5時間煮沸し、上部に浮いてくるワック
ス層をすくい取り、保温しながら1.5時間静置してワ
ックス層と水層を分離させた。 これを冷却しワックス
層を固化して水分を除去し、淡黄色の砂糖黍ワックスを
得た。得られたワックスは目視によりゴミ等の不純物な
認められず、またガスクロマトグラフによる分析の結
果、ワックス分以外の成分を含んでいないことが確認さ
れた。 得られた砂糖黍ワックスは、DSCの結果では
79.8℃に単一の鋭いピークを有し、シャープな融解
性を示すことが判った。
【0019】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、単一の高い
融点を有する、実質的に不純物を含まない高品質の砂糖
黍ワックスを容易に製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂糖黍の茎表面から中心部に向かって直
    径の10%以下の厚さで茎表皮部分を削り取り、採取し
    た表皮部分を原料とすることを特徴とする砂糖黍ワック
    スの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記採取した表皮部分から抽出により砂
    糖黍ワックスを製造する請求項1に記載の砂糖黍ワック
    スの製造方法。
JP36020692A 1992-12-28 1992-12-28 砂糖黍ワックスの製造方法 Pending JPH06200288A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0711284A (ja) * 1993-06-25 1995-01-13 Nisshin Oil Mills Ltd:The さとうきびワックス組成物の抽出法
EP1306451B1 (de) * 2001-10-24 2012-03-07 SMS Siemag AG Verfahren und Vorrichtung zur Bestimmung der Schaumschlackenhöhen beim Frischvorgang in einem Blasstahlkonverter
CN105132185A (zh) * 2015-08-19 2015-12-09 山东师范大学 一种从甜高粱茎秆中快速提取蜡质的方法
CN105695103A (zh) * 2016-03-17 2016-06-22 广西大海阳光药业有限公司 一种从滤泥中提取精制蔗蜡的方法

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CN105695103A (zh) * 2016-03-17 2016-06-22 广西大海阳光药业有限公司 一种从滤泥中提取精制蔗蜡的方法
CN105695103B (zh) * 2016-03-17 2019-09-27 广西大海阳光药业有限公司 一种从滤泥中提取精制蔗蜡的方法

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