JPH0618476A - 水中の二酸化炭素濃度の測定方法 - Google Patents

水中の二酸化炭素濃度の測定方法

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JPH0618476A
JPH0618476A JP3049553A JP4955391A JPH0618476A JP H0618476 A JPH0618476 A JP H0618476A JP 3049553 A JP3049553 A JP 3049553A JP 4955391 A JP4955391 A JP 4955391A JP H0618476 A JPH0618476 A JP H0618476A
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JP
Japan
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carbon dioxide
electrode
reduction
water
complex
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JP3049553A
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English (en)
Inventor
Masao Kaneko
正夫 金子
Katsutoshi Yasufuku
克敏 安福
Takeshi Shimomura
猛 下村
Hideichiro Yamaguchi
秀一郎 山口
Atsushi Sone
厚 曽根
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属イオン−ポリピリジン−カルボニル三元
系錯体を分散させた高分子膜を被覆した電極を用いて、
電気化学的に水中の二酸化炭素濃度を定量することを特
徴とする水中の二酸化炭素濃度の測定方法。 【効果】 水中の二酸化炭素濃度を簡単に測定すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水中の二酸化炭素濃度の
測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中の二酸化炭素濃度の測定は産業上あ
るいは臨床分野や日常生活で極めて重要である。従来水
中の二酸化炭素濃度の測定は主に、二酸化炭素をNaHCO3
などを含む内部液に吸収させ、その結果生ずるpH変化
(プロトン (H+ ) 濃度の増加)を、pH電極で測定する
ことにより行なわれている。この方法では別の原因でpH
が変化するような系では測定が不可能である。二酸化炭
素の直接電気化学的還元により二酸化炭素濃度を測定す
る方法もあるが、この場合はほとんど非水系での測定で
あり、水系ではH+ の還元による水素発生や共存する酸
素の還元が並行して起るため、難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の課題を克服し、水中で直接二酸化炭素を電気化学的に
還元することにより、水中の二酸化炭素濃度を測定する
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を続けた結果、金属イオン、ポリピ
リジン配位子、及びカルボニル配位子から成る三元系錯
体を分散させた高分子膜を被覆した電極を用いることに
より、水中で二酸化炭素の電気化学的還元が効率よく起
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、金属イオン−ポリピリジン
−カルボニル三元系錯体を分散させた高分子膜を被覆し
た電極を用いて、電気化学的に水中の二酸化炭素濃度を
定量することを特徴とする水中の二酸化炭素濃度の測定
方法である。本発明において、該錯体を分散させた高分
子膜を被覆した電極を水中に浸漬した系では、共存する
+ や酸素の電気化学的還元が抑制され、二酸化炭素の
還元が錯体を触媒として効率よく起るので、還元電流を
測定することにより二酸化炭素の濃度を求めることがで
きる。
【0006】この系においては、金属イオン、ポリピリ
ジン配位子、及びカルボニル配位子から成る三元系錯体
が、高分子膜中における二酸化炭素の電気化学的還元の
触媒として極めて有効である。本発明における金属イオ
ンとしては、周期律表7A族のレニウム、マンガン、8
族のルテニウム、鉄、オスミウム、コバルト、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウム、1B族の銅、銀などの各イ
オンが用いられる。中でもレニウム、ルテニウムは良好
な結果を与える。ポリピリジン配位子としては2,
2′,2″−ターピリジン(terpy)、2,2′−ビピリ
ジン(bpy)、o−フェナントロリン(phen) あるいはこ
れらの誘導体などがよい結果を与える。これらとカルボ
ニル配位子との三元系錯体としては、Re(terpy)(CO)3B
r、Re(bpy)(CO)3Br、Ru(terpy)(CO)3Br、[Ru(bpy)2(C
O)22+ 2Br- など、あるいはこれらのBrをClで置き換
えた錯体などが挙げられる。これらは二酸化炭素を電気
化学的に直接還元するときの触媒として作用する。
【0007】本発明で用いられる高分子膜の役割は、二
酸化炭素還元の触媒となる錯体を内部に分散させて電極
表面近傍に安定に保持すること、共存するH+ や酸素の
電極反応を抑制して二酸化炭素の還元を効率よく起こせ
ることにある。錯体を水中で安定に保持すること、及び
+ や酸素の還元を抑制するという観点からは、錯体は
高分子の疎水的領域内またはこれに近いところに存在す
るのがよく、従って高分子は疎水的な構造部分を持つの
が望ましい。一方、還元反応に必要な電荷伝達やイオン
の拡散、あるいは水に溶解した二酸化炭素の錯体への拡
散などの条件を考えると、高分子は水を保持するために
親水的な構造部分も合せ持つ必要がある。これらを総合
すると、高分子膜材料は、疎水部と親水部を合せ有し、
かつそれらの割合や分布が二酸化炭素の選択的還元に最
もよく適合している必要がある。この意味に於て、疎水
的炭素鎖から成り、かつアニオン性基を有するポリアニ
オン膜(ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチ
レンスルホン酸塩など)は良好な結果を与える。さら
に、疎水性の強いパーフルオロカーボン主鎖と強アニオ
ン性基(スルホン酸塩など)を合せ持つパーフルオロカ
ーボン系陽イオン交換膜(たとえばDu pont 社製のナフ
ィオンなど)も、本発明の高分子膜として優れている。
【0008】電極としては、カーボン、白金、透明電導
性ガラスなど、種類を選ばないが、H+ や酸素の還元を
抑制するという観点から、これらの反応に対する過電圧
の大きいカーボン電極は良好な結果を与える。たとえ
ば、6員環平面が電極面に並行に配向したBasal plane
pyrolytic graphite(BPG)電極、グラッシーカーボ
ン電極などが挙げられる。
【0009】錯体を分散した高分子膜を電極表面に被覆
するには、高分子材料と錯体の混合溶液から、浸漬法、
キャスト法あるいはスピンコーティング法で電極上に膜
化し、乾燥して用いたり、あるいは、高分子溶液から浸
漬法、キャスト法あるいはスピンコーティング法で、予
め高分子膜を電極上に作製した後、これを錯体溶液に浸
漬して該錯体を膜中に吸着させてもよい。
【0010】本発明に用いられる水としては電解質水溶
液を用いる。電解質としては何でもよいが、たとえば炭
酸水素カリウム、硝酸カリウム、リン酸/リン酸ナトリ
ウム緩衝系などが用いられる。系のpHは酸性ではH+
還元に基づく電流値が大きいので、中性付近がよい。電
解質水溶液に、錯体分散高分子膜を被覆した作用極、対
極(白金など)及び参照電極(飽和甘コウ電極(SC
E)、銀線など)を浸漬し、印加電圧0Vから−1.65
V(vs.SCE)の間でサイクリックボルタモグラム
を測定する。二酸化炭素が共存すると、錯体の還元を経
る二酸化炭素の還元に基づくカソード電流が、−1.5V
(vs.SCE)付近に観測される。空気が共存すると
酸素の還元に基づくカソード電流も観測されるが、膜の
種類やその調製法によりこれを極小に抑えられるので、
酸素の還元電流を差し引くことにより、正味の二酸化炭
素の還元電流を求めることができる。
【0011】
【実施例】以下実施例を以て本発明を説明する。 実施例1 市販のナフィオン溶液(Aldrich 社製、5wt%) をメタ
ノールで2倍に希釈し、Re(terpy)(CO)3Brを1.95×1
-6g/mlとなるように添加、溶解した後、BPG電極デ
ィスク(0.17cm2)上に30μl をのせて展開し、風乾
して錯体分散高分子被膜を得た。この電極、白金対極及
びSCE参照電極を0.1MKHCO3 水溶液10ミリリット
ルに浸漬し、室温下、二酸化炭素雰囲気下または空気下
で、0V〜−1.65V(vs.SCE)の範囲でサイク
リックボルタモグラムを測定したところ、図1のように
なった。H+ や酸素の還元反応は抑制され、一方、CO2
存在下では錯体を経由するCO2 の還元に基づくカソード
電流が−1.0V(vs.SCE)付近から大きく立ち上
るのが観察された。このことは−1.5V付近の電流値か
らCO2 濃度を定量的に測定できることを示すものであ
る。 実施例2 実施例1に於て、組成比を変えたCO2 /アルゴン混合気
体を水溶液に20分間吹込んだ後に、−1.5V(vs.
SCE)の定電位下でカソード電流を測定したところ、
約5分後に示した定常電流値は、図2に示すようにCO2
組成比とほぼ直線の関係を示し、この検量線から、CO2
濃度未知の水溶液中のCO2 濃度を求めることができた。 実施例3 実施例1において、錯体としてRe(bpy)(CO)3Brを用いた
ほかは、実施例1と同様にしてサイクリックボルタモグ
ラムを測定したところ、図3のようになり、これからH
+ や酸素の還元が抑制され、一方、CO2 存在下では錯体
を経由するCO2の還元に基づくカソード電流が−1.2V
(vs.SCE)付近から大きく立上るのがわかる。 実施例4 実施例3に於て、組成比を変えたCO2 /アルゴン混合気
体を水溶液に20分間吹込んだ後に、−1.5V(vs.
SCE)の定電位下でカソード電流を測定したところ、
約5分後に示した定常電流値は、図4に示すようにCO2
組成比とほぼ直線の関係を示し、この検量線から、CO2
濃度未知の水溶液中のCO2 濃度を求めることができた。 実施例5 錯体として[Ru(bpy)2(CO)22+ 2Cl- を、BPG電極
の代りに無定形グラファイトを、電解質水溶液としては
pH7のリン酸/リン酸ナトリウム系緩衝溶液を用いたほ
かは実施例1、2と同様に実験を行なったところ、同様
な結果を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のRe(terpy)(CO)3Br/ナフィオン膜被
覆BPG電極のサイクリックボルタモグラムである。
【図2】実施例2における、CO2 /アルゴン混合気体中
のCO2 圧力とカソード電流(−1.5V定電位下)の関係
を示すグラフである。
【図3】実施例3のRe(bpy)(CO)3Br/ナフィオン膜被覆
BPG電極のサイクリックボルタモグラムである。
【図4】実施例4における、CO2 /アルゴン混合気体中
のCO2 圧力とカソード電流(−1.5V定電位下)の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 秀一郎 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 曽根 厚 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属イオン−ポリピリジン−カルボニル
    三元系錯体を分散させた高分子膜を被覆した電極を用い
    て、電気化学的に水中の二酸化炭素濃度を定量すること
    を特徴とする水中の二酸化炭素濃度の測定方法。
  2. 【請求項2】 高分子膜がポリアニオン膜である、請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 高分子膜がパーフルオロカーボン系陽イ
    オン交換膜である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 金属イオンがレニウムまたはルテニウム
    イオンであり、ポリピリジンがビピリジンまたはターピ
    リジンである、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 金属イオンがレニウムまたはルテニウム
    イオンであり、ポリピリジンがビピリジンまたはターピ
    リジンであり、高分子膜がパーフルオロカーボン系陽イ
    オン交換膜であり、かつ電極がグラファイト電極であ
    る、請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501102A (ja) * 2004-06-01 2008-01-17 エポカル インコーポレイテッド 混成膜電極
US8506778B2 (en) 2002-12-02 2013-08-13 Epocal Inc. Diagnostic devices incorporating fluidics and methods of manufacture

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US9753003B2 (en) 2002-12-02 2017-09-05 Epocal Inc. Diagnostic devices incorporating fluidics and methods of manufacture
US10031099B2 (en) 2002-12-02 2018-07-24 Siemens Healthcare Diagnostics Inc. Heterogeneous membrane electrodes
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