JPH061761Y2 - 携帯用切断機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、切断機本体に軸支され、モータにて回転され
るスプロケットと、切断機本体から前方へ突設したガイ
ドバーに切断用チェーンが回転駆動自在に捲装されてな
る携帯用切断機に関する。

〔従来の技術〕

一般に、切断機としては、バンドソー、丸鋸、ジグソ
ー、レシプロソー、チェーンソーが知られているが、バ
ンドソーは大型過ぎて携行及び現場作業に不向きであ
り、又丸鋸は鋸径によって切断深さが制限されるだけで
なく平板の突き切りが困難であったり、鋸が貫通するま
での当該丸鋸の固定が難しく、又ジグソーやレシプロソ
ーは切断深さが制限されたり、刃物自体が被加工材の中
で往復動する為、刃物長さを長くすると耐久性（折れ
等）に難点がある。又チェーンソーは木材の切断に限定
される難点がある。

このような難点に対して、前述の携帯用切断機は、小型
軽量である為操作が楽で現場作業向きであると共に、ガ
イドバーの外周溝に嵌合して切断用チェーン刃が回転駆
動する為、刃物自体の保持がしっかりしていて切断長さ
が長くても刃物自体の振れ等が少なく精度の高い切断が
可能であり、又常盤を有する為、壁材等の枠抜き作業時
一定深さの切断を容易に行うことができ、更に木材以外
に金属、軽量気泡コンクリート、硬質の合成樹脂の切断
が可能である等の利点を有する為、現在多用されつつあ
る。

しかしながら、従来のチェーンソー等や携帯用切断機は
ガイドを有するが、切断面（深さ）の調整機構を持たな
い為予め機械に設定されている切断深さ以外の所望の一
定の切断深さを得ることは困難である問題点を有してい
る。

この問題点を解消しようとするものとして、実開昭６３
−３０１０２号がある。これは、チェーンソーのガイド
バーに切り込み調整装置を設け上記問題点を解決しよう
としている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、これはガイドバーの長手方向に対して直
角方向の切り込み深さ調整装置であり、例えば壁材等に
所望の一定の深さの枠抜き加工をしたいときなどの突き
切り（穴あけ）ができないという問題点を残している。

本考案は従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたも
ので、切断用チェーンのガイドバーに、被加工材に当接
可能に先端部を形成した切り込み深さ調節ガイドをガイ
ドバーの長手方向へ移動調整自在にネジ止めして構成し
たことにより、所望の一定の切断深さが得られると共
に、作業が楽である携帯用切断機を提供することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成する為に、本考案の携帯用切断機におい
ては、モータを内装した切断機本体から前方へ突設した
ガイドバーに切断用チェーンを回転駆動自在に捲装し、
該ガイドバーに切り込み深さ調節装置を設けてなるもの
において、被加工材に当接可能に先端部が形成され、か
つ前記ガイドバーの長手方向へ長くネジ挿通用長孔を設
けた切り込み深さ調節ガイドを前記ガイドバーの側面に
長手方向へ移動調整自在にネジ止めしたものである。

〔作用〕

上記のように構成された携帯用切断機は、切断機本体に
内装されているモータがスイッチ操作により通電され、
回転すると、切断機本体の駆動スプロケットが回転し、
切断用チェーンはガイドバーの外周溝に嵌合された状態
で回転駆動されるので該切断用チェーンによって被加工
材を切断することができる。

ネジを緩めた後、前方又は後方へ移動することで切込み
深さ調節ガイドを、長孔の有効ストロークだけ前後方向
へスライドすることができる。

従って、切断用チェーンの湾曲端から上記調節ガイドの
先端部までの長さが切込み深さとなるので、調節ガイド
を前後方向へスライドし切込み深さを所望値に調節した
ならばネジを締め付け、調節ガイドをガイドバーに固定
することで切込み深さを任意に調節することができる。

切断用チェーンによって被加工材を切断し、所定の切込
み深さになると調節ガイドの先端が被加工材と当接し、
予め調節した切込み深さだけ切込みが行なわれ、それ以
上切込みが行なわれなくなり、一定の切込み深さが得ら
れる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図、第２図に示したように、切断機本体１のギヤケ
ース２から前方へ平板状のガイドバー３が突設され、該
ガイドバー３の図示しない外周溝に切断用無端チェーン
４が長さ方向へスライド自在に嵌合して捲装されている
と共に、上記ギヤケース２に回転自在に軸支されている
図示しない駆動スプロケットに捲装され、該スプロケッ
トによって上記チェーン４は回転駆動されるよう設けら
れている。

上記スプロケットは、切断機本体１に内装されている図
示しないモータと、ギヤケース２内のギヤ伝達減速機構
を介して連動連結されている。

上記ガイドバー３の、その先端から所定寸法だけ後方部
位にあって、該ガイドバー３の中心線上には２箇のネジ
挿通孔５、５が前後方向へ所定の間隔を有して貫通され
ている。

一方、切込み深さ調節ガイド６は金属板等でもって平面
略Ｔ字形状に先端部を幅拡く形成してあると共に、その
先端部は図示しない被加工材表面に安定性良く当接可能
なるよう略直角に外側へ曲突する当接部６ｂに形成して
あり、更に前後方向へ長く、略帯形状としたその基部６
ａの中心線上にはネジ挿通用の長孔７が前後方向へ長く
形成されている。

この切込み深さ調節ガイド６は、上記ガイドバー３の側
面に重合した状態で、上記ネジ挿通孔５、５と長孔７に
挿通されるネジ８、８によって、上記長孔７の有効スト
ロークだけ前後方向へスライド調整可能にガイドバー３
に固定され、被加工材切断時、その当接部６ｂが被加工
材の表面に当接することで切込み深さが規制されるよう
構成されている。

而して、チェーン４の湾曲端４ａから上記当接部６ｂま
での寸法が切込み深さｌとなるから、ネジ８、８を緩
め、上記調節ガイド６を前方へ又は後方へ任意にスライ
ドした後、ネジ８、８の締め付けによりガイドバー３に
固定することによって上記切込み深さｌを任意に調節す
ることができる。

又、上記当接部６ｂを図示例のように円弧面に形成する
とよく、又上記ネジ８としては図示例のような六角穴付
ボルトとナット又は蝶ボルトと蝶ナットを使用可能であ
る。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されているので、ガ
イドバー３に取り付けた切込み深さ調節ガイド６が被加
工材に当接することにより切込みは阻止されることによ
って一定の切断深さが得られるばかりか、切断時、作業
者は当該切断機を移動させるだけでよいから、切断作業
を楽に行なうことができ、又切込み深さ調節ガイド６は
前後方向へ移動調整可能であるから所望の切込み深さを
得られることはもとより、例えば住宅の壁材等の内部に
電気配線等があり、電気配線等を切断したり損傷したり
することなく、該壁材等に所望の一定深さの枠抜き加工
をしたいときなど、非常に安全にしかも確実に切断作業
を行いうる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る携帯用切断機の実施例を一部切欠
して示す側面図、第２図は第１図におけるII−II線矢視
断面図である。 １…切断機本体、３…ガイドバー ４…切断用チェーン、６…切込み深さ調節ガイド ７…長孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータを内装した切断機本体１から前方へ
   突設したガイドバー３に切断用チェーン４を回転駆動自
   在に捲装し、該ガイドバーに切り込み深さ調節装置を設
   けた携帯用切断機において、被加工材に当接可能に先端
   部が形成され、かつ前記ガイドバーの長手方向へ長くネ
   ジ挿通用長孔７を設けた切り込み深さ調節ガイド６を前
   記ガイドバーの側面に長手方向へ移動調整自在にネジ止
   めしてなることを特徴とする携帯用切断機。