JPH06171362A - アルミニウム合金製自動車用補強部材 - Google Patents

アルミニウム合金製自動車用補強部材

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JPH06171362A
JPH06171362A JP32583392A JP32583392A JPH06171362A JP H06171362 A JPH06171362 A JP H06171362A JP 32583392 A JP32583392 A JP 32583392A JP 32583392 A JP32583392 A JP 32583392A JP H06171362 A JPH06171362 A JP H06171362A
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浩之 山下
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直 相浦
Osamu Takezoe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐荷重(最大荷重)が従来と略同等であっ
て、曲げ特性を従来に比してより一層向上させることが
できるアルミニウム合金製自動車用補強部材を提供す
る。 【構成】 単位重量をw(kg/m)、その弾性図心をy
c 、断面が2軸対称である場合の弾性図心をyc0、スパ
ンが 950mmのときの崩壊荷重に対する横座屈強度比をk
としたとき、0.89≦yC /yC0≦0.93であり、且つwと
kとの関係を、1.0≦w<1.1 のときには 4.0≦k≦5.0
、 1.1≦w<1.3 のときには 4.2≦k≦5.0 、 1.3≦
w<1.5 のときには 4.4≦k≦5.3 、 1.5≦w<1.7 の
ときには4.7≦k≦5.5 、 1.7≦w<1.9 のときには 5.
2≦k≦6.2 、 1.9≦w<2.0 のときには 5.5≦k≦6.5
を満足するようにその断面形状を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側面衝突に対して乗員を
保護するために設けられる自動車ドア用補強部材等とし
て使用されるアルミニウム合金製自動車用補強部材に関
し、特に、エネルギー吸収量を高めたアルミニウム合金
製自動車用補強部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車ドアには、図7,8に示す
ように、その側面衝突に対して乗員を保護するために、
補強部材(インパクトビーム)10が内設されるように
なってきた。そして、自動車の軽量化の要求に応じて、
この補強部材10にもアルミニウム合金が使用されてい
る。
【0003】図9は従来の自動車ドア用補強部材の縦断
面図である。この補強部材10は、その長手方向の両端
が支持された状態で自動車ドアの内部に設けられ、水平
に延びその面が垂直に配置される外側側面用フランジ1
と、このフランジ1と平行で同一幅の内側側面用フラン
ジ2と、フランジ1及びフランジ2を連結する1対のウ
ェッブ3とにより構成されている。この補強部材10
は、図8に示すように、フランジ1を外側に、フランジ
2を内側にしてドア内に配設される。
【0004】このように構成される補強部材10には、
自動車が衝突した際(即ち、長手方向に対して直交する
方向から衝撃力を受けたとき)の曲げ強度(耐荷重)が
高いことと、衝突を吸収するエネルギーが高いことが要
求される。例えば、自動車用補強部材としては、車に取
り付けた状態で車重の2倍以上の耐荷重があることが必
要である。一方、この補強部材の形状としては、自動車
ドアの内部に設置されるものであるため、ドアの幅に制
約を受けて補強部材の高さhが一定値(例えば32mm)以
下であることが必要である。また、自動車の軽量化のた
めには、補強部材の全重量は一定値以下に規定されてお
り、従って、その断面積も一定値以下に規制されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルミニウム合金製自動車用補強部材においては、負荷
荷重が印加されて変位量が一定値を超えると、内側側面
用フランジ2側に破断が発生し、安全性及び衝撃吸収エ
ネルギーが満足できるものでないという問題点がある。
即ち、補強部材の両端部を支持した状態で、フランジ1
側から衝撃力が印加された場合に、補強部材が図10に
示すように湾曲し、フランジ1と、ウェッブ3における
中立軸よりもフランジ1側の部分には圧縮力が作用し、
フランジ2と、ウェッブ3における中立軸よりもフラン
ジ2側の部分には引張力が作用する。そして、この衝撃
力が大きい場合は、引張応力が材料の破断限界値を超え
てしまい、図11に示すように引張部側に破断が生じて
しまう。
【0006】従来の補強部材においては、所定の耐荷重
(破断するときの最大荷重)を得ようとすると、補強部
材は比較的小さな変位(例えば 150乃至170mm )で破断
が生じてしまう。断面積及び重量に制約がある補強部材
において、この破断変位を高めようとすると、材料自体
の強度を低下させる必要がある。そうすると、所定の耐
荷重を得ることができなくなる。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、従来と略同等の耐荷重であると共に、破断
変位(破断ストローク)を従来よりも著しく増大するこ
とができるアルミニウム合金製自動車用補強部材を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム合金製自動車用補強部材は、荷重を受けたときに圧縮
力が作用する側の圧縮フランジ及び引張力が作用する側
の引張フランジを1対のウェッブにより連結した断面形
状を有するアルミニウム合金製自動車用補強部材におい
て、単位重量をw(kg/m)、その弾性図心をyC 、断面
が2軸対称である場合の弾性図心をyC0、スパンが950m
m のときの崩壊荷重に対する横座屈強度比をkとしたと
き、0.89≦yC /yC0≦0.93であり、且つwとkとの関
係が下記数式に示す関係を満足するようにその断面形状
を設定したことを特徴とする。
【0009】1.0≦w<1.1 のとき 4.0≦k≦5.0 1.1≦w<1.3 のとき 4.2≦k≦5.0 1.3≦w<1.5 のとき 4.4≦k≦5.3 1.5≦w<1.7 のとき 4.7≦k≦5.5 1.7≦w<1.9 のとき 5.2≦k≦6.2 1.9≦w<2.0 のとき 5.5≦k≦6.5
【0010】
【作用】本願発明者等は、断面積及び重量に規制がある
自動車用補強部材において、十分に高い耐荷重(最大荷
重)を確保しつつ、破断変位を増大させて、破断に至ま
でに吸収できるエネルギーを増大させるべく種々実験研
究を行なった。その結果、補強部材の断面において引張
力と圧縮力とが釣り合う位置が連続して構成される中立
軸を断面中央よりも引張側に移すことにより引張側フラ
ンジに対する歪みが緩和して破断変位を増大でき、この
ように中立軸を断面中央よりも引張部側に移すために
は、補強部材断面図形における重心点(以下、図心とい
う)を断面中央よりも引張部側に移せばよいことを見い
出した。また、最大曲げ強度を達成した後の変形が大き
い領域にては、引張側の応力歪みが限界値を超える前に
圧縮側部材に局部座屈を誘発して、引張側フランジにか
かる応力を急激に下げることが必要不可欠であるとの知
見を得た。
【0011】なお、本発明においては、自動車用補強部
材であることを考慮して、フランジ及びウェッブの厚さ
はいずれも押出により容易に形成することができる厚さ
(1.5mm 以上)であると共に、全長が 700mm以上であ
り、高さhが30乃至35mm、圧縮側フランジ厚tf に対す
るウェッブ厚tw の比が1.2 ≦tf /tw ≦2.3 である
こととする。
【0012】図12は補強部材の最大荷重及び破断変位
を求めるための曲げ試験方法を示す模式図である。間隔
が例えば950mm の1対の支点5上に、補強部材10を、
その荷重を受ける圧縮側のフランジ11を上方にし、引
張側のフランジ12を下方にし、これらのフランジ1
1,12を連結するウェッブ13の面を垂直にして載置
する。そして、1対の支点5間の中央にて、曲率(図面
半径)が例えば150mm のポンチ6を介して補強部材10
に対して下方に荷重を印加し、補強部材10の荷重印加
点の変位δと荷重Pとの関係を測定する。
【0013】構造部材の理論においては、このような状
況は基本的には集中荷重を受ける両端支持はりと考えら
れる。この両端支持はりの場合、特に、軽量化に伴なっ
て断面を構成する板要素(フランジ及びウェッブ)が薄
くなってくると、部材全体の終局強度は、その断面要素
の局部座屈により決定される。このため、本願発明者等
は、補強部材の強度を表すパラメータとして、図心、板
要素の幅厚比及び破断ストロークについて考察した。
【0014】図心 図心は、断面のモーメントの釣り合いを保つ中心であ
り、図心が引張側に下がると、応力及び歪みは、引張側
で緩和され、圧縮側に集中する。
【0015】板要素の幅厚比 より高い曲げ強度を得るためには、塑性断面係数を可及
的に高くすることが有効である。このため、断面積が一
定の場合には、なるべくフランジに肉をもってくること
が必要である。しかし、ウェッブが薄肉になってきた場
合は、局部座屈を考慮に入れて評価する必要がある。そ
こで、薄板要素で構成される箱型断面の曲げ強度を評価
するために一般的に用いられている幅厚比パラメータを
基にして、補強部材の断面形状を求める。
【0016】この幅厚比パラメータRf (フランジ部
分)及びRw (ウェッブ部分)は夫々下記数式1,2に
て示す。
【0017】
【数1】Rf ={(b−tw )/tf (圧)}・{12
(1−ν2 )/(4π2 )}1/2・(σy /E)1/2
【0018】
【数2】Rw =[{h−(tf (圧)+tf (引))/
2}/tw ]・[{12(1−ν2 )}/23.9π
21/2 ・(σy /E)1/2
【0019】但し、νはポアソン比(=0.33)、Eは縦
弾性係数(=7300)、σy は耐力(≧43kgf/mm2 )であ
る。また、b、tf (圧)、tf (引)、tw は夫々図
9に示す部分の寸法である。
【0020】破断ストローク 破断ストロークを従来に比して大幅に改善するために
は、負荷により変形が進み所定の耐荷重を超えた後に、
ウェッブ及びフランジの局部座屈が誘発されて、下部フ
ランジにかかる応力及び歪みの負荷が低減されることが
必要である。この破断ストロークにはウェッブの位置が
関係しており、ウェッブ間の距離W(図9参照)が大き
い場合は、フランジ中央部bが座屈しやすくなる。一
方、ウェッブ間の距離Wが小さい場合は、フランジ端部
1 ,a2 が座屈しやすくなる。
【0021】そこで、W/B(圧)に関係するパラメー
タとして、下記数式3に示す横ねじれ座屈強度Pcrを用
いる。
【0022】
【数3】Pcr= 16.93・(EIy C)1/2 /L2 但し、Iy は断面2次モーメント、Lはスパン、Cはね
じりこわさである。このねじりこわさCは、下記数式4
により表される。
【0023】
【数4】C=[{2tf tw W22 /(Wtw +ht
f )}+1/3(2a1 tf 3 +2a2 tf 3 )]・G 但し、Gはせん断弾性係数(=2600)である。
【0024】基本的には、Wが小さければPcrも小さ
く、Wが大きくなればPcrも大きくなるが、Pcrには曲
げこわさ、ねじりこわさ及びスパン等の影響を受けるの
で、このPcrを基に、破断ストロークを記述できるパラ
メータを求めた。
【0025】図13,14は図12に示す曲げ試験にお
いて、夫々フランジ及びウェッブの幅厚比Rf ,Rw に
対する断面曲げ強度γ{=(Rmax ・L)/(4σy
p )}を示したものである。但し、1≦tf /tw ≦2.
3 である。
【0026】この図13,14において、幅厚比Rf 及
びRw は変曲点(図ではRf =0.55、Rw =0.32)以上
では弾性域での局部座屈が発生して、断面本来の曲げ強
度を満足しないことを意味する。
【0027】断面としての幅厚比パラメータは、フラン
ジ及びウェッブの相関を考慮したもので考えなければな
らないが、自動車用補強部材の場合、Rw は局部座屈が
問題にならない領域(Rw ≦0.32)であるので、Rf の
範囲をRf ≦0.55となるように、ウェッブの位置、即ち
フランジ中央部の長さbを定めればよい。
【0028】次に、本発明において達成すべき特性(以
下、要求特性という)を従来技術に対する比として以下
に説明するように規定する。但し、最大曲げ強度及び破
断変位の規定値は、試験スパン及び部材を搭載すべき車
種によっても異なるが、現在自動車用補強部材として使
用されている部材(高張力鋼)の重量を基にして、下記
表1に示すように、単位重量が1.1kg/m (タイプA)及
び2.0kg/m (タイプB)の部材を従来材とし、この従来
材との比により規定する。
【0029】
【表1】
【0030】要求特性として、最大曲げ強度、破断スト
ローク及び衝撃吸収エネルギーを以下に示すように規定
する。
【0031】最大曲げ強度Pは、従来の0.90倍以上とす
る。即ち、最大曲げ強度比P/P0は、P/P0 ≧0.90
とする。
【0032】また、破断ストロークは、従来の2.5 倍以
上とする。即ち、破断ストローク比S/S0 は、S/S
0 ≧2.5 とする。
【0033】更に、衝撃吸収エネルギーEは、従来の1.
5 倍以上とする。即ち、衝撃吸収エネルギー比E/E0
は、E/E0 ≧1.5 とする。
【0034】これらの特性を満足するために、以下のパ
ラメータを導入する。即ち、図15(a)は従来の補強
部材を示す模式的断面図、図15(b)は図心を引張側
に移動させた補強部材を示す模式的断面図である。この
図15(b)に示す補強部材が上述の要求特性を満足す
るパラメータを規定する。本発明においては、このパラ
メータとして、yC /yC0及びkを用いる。但し、この
C は補強部材の弾性図心であり、yC0は断面形状が2
軸対称である場合(従来の補強材)の弾性図心である。
また、kは崩壊荷重Pcrに対する横座屈強度Pmax の比
(Pcr/Pmax)である。なお、kには、試験材のスパ
ンLが関係するが、試験材のスパンLは950mmであると
する。
【0035】図16は、横軸にパラメータkをとり、縦
軸にパラメータyC /yC0をとって、単位重量w(kg/
m)が 1.0≦w<1.1 であり、且つ前述の要求特性を満
足する部材の分布を示すグラフ図である。また、図17
乃至21は、夫々単位重量w(kg/m)が 1.1≦w<1.3
、 1.3≦w<1.5 、 1.5≦w<1.7 、 1.7≦w<1.9
、1.9≦w<2.0 であり、且つ前述の要求特性を満足す
る部材の分布を示すグラフ図である。但し、これらの図
中に○で示すものは前述の要求特性を満足するものであ
り、×で示すものは前述の要求特性を満足できないもの
である。
【0036】図16乃至21において斜線で示す範囲が
前述の要求特性を満足する。この斜線で示す範囲内にお
いて、断面の局部座屈を表す指標になるRf パラメータ
は全てRf ≦0.32を満たしている。従って、Rf に関し
ては規定する必要はない。
【0037】また、図22,23は、図16において
,,,で示す試験材を曲げ試験して得た荷重−
変位特性を示すグラフ図である。図16に斜線で示す範
囲内にあるの試験材は、最大荷重が比較的大きいと共
に、破断するまでの変位が大きい。一方、図16に斜線
で示す範囲から外れる,,の試験材は、いずれも
破断するまでのエネルギー吸収量が十分でない。なお、
エネルギー吸収量は、図22に斜線で示すように、荷重
−変位特性を示す曲線により囲まれた面積に比例する。
【0038】以上の理由により、本発明においては、パ
ラメータyC /yC0が0.89≦yC /yC0≦0.93であり、
横座屈強度比kを単位重量w(kg/m)に応じて下記表2
及び図24に示すように規定する。
【0039】
【表2】
【0040】
【実施例】次に、本発明の実施例について、特許請求の
範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0041】図1は、単位重量w(kg/m)が 1.0≦w<
1.1 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
その断面が2軸対称である比較例3の値を1とし、この
比較例3に対する比として示した。また、補強部材の高
さはいずれも32mmである。更に、図1のパラメータの欄
においては、パラメータyC /yC0及びkが本願の特許
請求の範囲内である場合を○、特許請求の範囲を外れて
いる場合を×で示した。更にまた、曲げ特性の欄におい
ては、要求特性を満足する場合を○、要求特性を満足し
ない場合を×で示した。そして、これらの結果から、自
動車用補強部材として極めて優れている場合を○、自動
車用補強部材として満足できるものでない場合を×とし
て、評価の欄に示した。
【0042】この図1に示すように、本発明の実施例1
は、最大曲げ強度Pが比較例3と略等しく、且つ破断ス
トロークS及び衝撃吸収エネルギーEが夫々比較例3の
2.6倍及び 1.7倍と極めて大きな値を有している。これ
に対し、比較例2,4はいずれも衝撃吸収エネルギーE
が夫々比較例3の 1.3倍以下と十分でない。
【0043】図2は、単位重量w(kg/m)が 1.1≦w<
1.2 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
その断面が2軸対称である比較例6の値を1とし、この
比較例6に対する比として示した。また、補強部材の高
さはいずれも32mmである。更に、図2のパラメータの欄
においては、パラメータyC /yC0及びkが本願の特許
請求の範囲内である場合を○、特許請求の範囲を外れて
いる場合を×で示した。更にまた、曲げ特性の欄におい
ては、要求特性を満足する場合を○、要求特性を満足し
ない場合を×で示した。そして、これらの結果から、自
動車用補強部材として極めて優れている場合を○、自動
車用補強部材として満足できるものでない場合を×とし
て、評価の欄に示した。
【0044】この図2に示すように、本発明の実施例5
は、最大曲げ強度Pが比較例6と略等しく、且つ破断ス
トロークS及び衝撃吸収エネルギーEが夫々比較例6の
2.6倍及び1.7 倍と極めて大きな値を有している。これ
に対し、比較例7は破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーEが夫々比較例6の 1.3倍及び 1.4倍と十分でな
い。
【0045】図3は、単位重量w(kg/m)が 1.3≦w<
1.5 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
その断面が2軸対称である比較例9の値を1とし、この
比較例9に対する比として示した。また、補強部材の高
さはいずれも32mmである。更に、図3のパラメータの欄
においては、パラメータyC /yC0及びkが本願の特許
請求の範囲内である場合を○、特許請求の範囲を外れて
いる場合を×で示した。更にまた、曲げ特性の欄におい
ては、要求特性を満足する場合を○、要求特性を満足し
ない場合を×で示した。そして、これらの結果から、自
動車用補強部材として極めて優れている場合を○、自動
車用補強部材として満足できるものでない場合を×とし
て、評価の欄に示した。
【0046】この図3に示すように、本発明の実施例8
は、最大曲げ強度Pが比較例9と略等しく、且つ破断ス
トロークS及び衝撃吸収エネルギーEが夫々比較例9の
2.6倍及び 1.6倍と極めて大きな値を有している。これ
に対し、比較例10は、破断ストロークS及び衝撃吸収
エネルギーEは大きいものの、最大曲げ強度Pが十分で
ないものであった。
【0047】図4は、単位重量w(kg/m)が 1.5≦w<
1.7 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
その断面が2軸対称である比較例13の値を1とし、こ
の比較例13に対する比として示した。また、補強部材
の高さはいずれも32mmである。更に、図4のパラメータ
の欄においては、パラメータyC /yC0及びkが本願の
特許請求の範囲内である場合を○、特許請求の範囲を外
れている場合を×で示した。更にまた、曲げ特性の欄に
おいては、要求特性を満足する場合を○、要求特性を満
足しない場合を×で示した。そして、これらの結果か
ら、自動車用補強部材として極めて優れている場合を
○、自動車用補強部材として満足できるものでない場合
を×として、評価の欄に示した。
【0048】この図4に示すように、本発明の実施例1
1,12は、いずれも最大曲げ強度Pが比較例13と略
等しく、且つ破断ストロークS及び衝撃吸収エネルギー
Eが夫々比較例13の 2.5倍及び1.5 倍以上と極めて大
きな値を有している。
【0049】図5は、単位重量w(kg/m)が 1.7≦w<
1.9 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
比較例15の値を1とし、この比較例15に対する比と
して示した。また、補強部材の高さはいずれも32mmであ
る。更に、図5のパラメータの欄においては、パラメー
タyC /yC0及びkが本願の特許請求の範囲内である場
合を○、特許請求の範囲を外れている場合を×で示し
た。更にまた、曲げ特性の欄においては、要求特性を満
足する場合を○、要求特性を満足しない場合を×で示し
た。そして、これらの結果から、自動車用補強部材とし
て極めて優れている場合を○、自動車用補強部材として
満足できるものでない場合を×として、評価の欄に示し
た。
【0050】この図5に示すように、本発明の実施例1
4は、最大曲げ強度Pが比較例15と略等しく、且つ破
断ストロークS及び衝撃吸収エネルギーEが夫々比較例
15の 2.5倍及び1.5 倍と極めて大きな値を有してい
る。これに対し、比較例16は破断ストロークS及び衝
撃吸収エネルギーEは十分に大きいものの、最大曲げ強
度Pが低いものであった。
【0051】図6は、単位重量w(kg/m)が 1.9≦w<
2.0 であり、断面形状欄に示す寸法を有する補強部材に
ついて、yC /yC0及びkを種々変更して、曲げ特性
(最大曲げ強度P、破断ストロークS及び衝撃吸収エネ
ルギーE)を測定した結果を示す。但し、曲げ特性は、
その断面が2軸対称である比較例18の値を1とし、こ
の比較例18に対する比として示した。また、補強部材
の高さはいずれも32mmである。更に、図6のパラメータ
の欄においては、パラメータyC /yC0及びkが本願の
特許請求の範囲内である場合を○、特許請求の範囲を外
れている場合を×で示した。更にまた、曲げ特性の欄に
おいては、要求特性を満足する場合を○、要求特性を満
足しない場合を×で示した。そして、これらの結果か
ら、自動車用補強部材として極めて優れている場合を
○、自動車用補強部材として満足できるものでない場合
を×として、評価の欄に示した。
【0052】この図6に示すように、本発明の実施例1
7は、最大曲げ強度Pが比較例18と略等しく、且つ破
断ストロークS及び衝撃吸収エネルギーEが夫々比較例
18の 2.5倍及び 1.8倍と極めて大きな値を有してい
る。これに対し、比較例19は最大曲げ強度P及び破断
ストロークSが低いものであった。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、弾
性図心yCと断面が2軸対称である場合の弾性図心をy
C0との比及び崩壊荷重に対する横座屈強度比をkを単位
重量wに応じて所定範囲に設定するから、従来の0.90倍
以上の最大曲げ強度を確保しつつ、破断ストローク及び
衝撃吸収エネルギーを夫々従来の 2.5倍以上 1.5倍以上
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図2】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図3】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図4】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図5】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図6】本発明の実施例の曲げ特性を比較例と比較して
示す図である。
【図7】自動車用補強部材の配設位置を示す模式的平面
図である。
【図8】自動車用補強部材の配設位置を示す模式的断面
図である。
【図9】自動車用補強部材の縦断面図である。
【図10】補強部材に衝撃力が印加された状態を示す模
式図である。
【図11】補強部材の破断状態を示す模式図である。
【図12】補強部材の曲げ試験方法を示す模式図であ
る。
【図13】幅厚比パラメータRf の適正範囲を示すグラ
フ図である。
【図14】幅厚比パラメータRw の適正範囲を示すグラ
フ図である。
【図15】(a)は従来の補強部材の図心yC0を示す模
式図、(b)は断面形状が2軸対称でない場合の図心y
C を示す模式図である。
【図16】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図17】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図18】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図19】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図20】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図21】yC /yC0及びkの最適範囲を示すグラフ図
である。
【図22】要求特性を満足する補強部材の荷重−変位特
性を示すグラフ図である。
【図23】要求特性を満足しない補強部材の荷重−変位
特性を示すグラフ図である。
【図24】要求特性を満足する補強部材を得ることがで
きる範囲を横座屈強度比k及び単位重量wをパラメータ
として示すグラフ図である。
【符号の説明】
1,2,11,12;フランジ 3,13;ウェッブ 10;補強部材
フロントページの続き (72)発明者 安田 善則 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷重を受けたときに圧縮力が作用する側
    の圧縮フランジ及び引張力が作用する側の引張フランジ
    を1対のウェッブにより連結した断面形状を有するアル
    ミニウム合金製自動車用補強部材において、単位重量を
    w(kg/m)、その弾性図心をyC、断面が2軸対称であ
    る場合の弾性図心をyC0、スパンが950mm のときの崩壊
    荷重に対する横座屈強度比をkとしたとき、0.89≦yC
    /yC0≦0.93であり、且つwとkとの関係が下記数式に
    示す関係を満足するようにその断面形状を設定したこと
    を特徴とするアルミニウム合金製自動車用補強部材。 1.0≦w<1.1 のとき 4.0≦k≦5.0 1.1≦w<1.3 のとき 4.2≦k≦5.0 1.3≦w<1.5 のとき 4.4≦k≦5.3 1.5≦w<1.7 のとき 4.7≦k≦5.5 1.7≦w<1.9 のとき 5.2≦k≦6.2 1.9≦w<2.0 のとき 5.5≦k≦6.5
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