JPH0616910B2 - 高強度・難加工材の成形法 - Google Patents
高強度・難加工材の成形法Info
- Publication number
- JPH0616910B2 JPH0616910B2 JP59114158A JP11415884A JPH0616910B2 JP H0616910 B2 JPH0616910 B2 JP H0616910B2 JP 59114158 A JP59114158 A JP 59114158A JP 11415884 A JP11415884 A JP 11415884A JP H0616910 B2 JPH0616910 B2 JP H0616910B2
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- Japan
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- temperature
- molding
- strength
- nickel
- difficult
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高強度・難加工材、さらに詳しくは金属間化
合物を多量に含有するニッケル基スーパーアロイの素材
を成形する方法に関するものである。
合物を多量に含有するニッケル基スーパーアロイの素材
を成形する方法に関するものである。
[従来の技術] 例えば、ガスタービン発動機工業では、発動機の設計基
準から良好な温度強度及び酸化−腐食抵抗性をもつ合金
の使用が要求される。この要求に応えて多数の合金が開
発、応用され、それによって高温使用への要求は満足さ
れたが、それは一般に合金の成形性能を犠牲にした上で
達成されたものであった。しかしながら、厳密な公差に
応じて成形された複雑な形状の何千個もの部品からなる
ジェット発動機の製作では、合金の成形性能が、その有
用性の度合を決定する上での主要なファクターとなる。
多くの工業では、この成形性能の問題の解決を、便宜的
に合金成分の変更によって計ることが可能であるが、ガ
スタービン発動機用合金に賦課される関連基準は非常に
多数存在するので、合金成分を変更するか否かにかかわ
らず、成形法自体の改良は必至である。
準から良好な温度強度及び酸化−腐食抵抗性をもつ合金
の使用が要求される。この要求に応えて多数の合金が開
発、応用され、それによって高温使用への要求は満足さ
れたが、それは一般に合金の成形性能を犠牲にした上で
達成されたものであった。しかしながら、厳密な公差に
応じて成形された複雑な形状の何千個もの部品からなる
ジェット発動機の製作では、合金の成形性能が、その有
用性の度合を決定する上での主要なファクターとなる。
多くの工業では、この成形性能の問題の解決を、便宜的
に合金成分の変更によって計ることが可能であるが、ガ
スタービン発動機用合金に賦課される関連基準は非常に
多数存在するので、合金成分を変更するか否かにかかわ
らず、成形法自体の改良は必至である。
一般に、金属間化合物を多量に含有するニッケル基スー
パーアロイの素材を成形する方法としては、結晶粒を数
μm以下に微細化した後、必然的に生ずる超塑性を利用
するが、この場合、成形温度は1000℃を越えるのが一般
的である。しかも、焼結した被成形材をこの成形温度に
加熱した後に通常の成形を行っても、例えば 400℃とか
600 ℃前後の加熱の場合には、成形後の被成形材の周縁
に多数のひび割れを生じ、1000℃前後以上に加熱した場
合には、2枚割れが発生する。
パーアロイの素材を成形する方法としては、結晶粒を数
μm以下に微細化した後、必然的に生ずる超塑性を利用
するが、この場合、成形温度は1000℃を越えるのが一般
的である。しかも、焼結した被成形材をこの成形温度に
加熱した後に通常の成形を行っても、例えば 400℃とか
600 ℃前後の加熱の場合には、成形後の被成形材の周縁
に多数のひび割れを生じ、1000℃前後以上に加熱した場
合には、2枚割れが発生する。
この2枚割れの発生は、被成形材の表面温度が成形雰囲
気や成形工具との接触によって低下するにも拘らず、そ
の中心付近の温度が低下し難いために、この両者の温度
差によって相違する被加工材の硬さの差に起因するもの
である。
気や成形工具との接触によって低下するにも拘らず、そ
の中心付近の温度が低下し難いために、この両者の温度
差によって相違する被加工材の硬さの差に起因するもの
である。
この2枚割れを防止するためには、被成形材を1000℃を
越える高温に加熱して等温鍛造することが必要である
が、この高温に耐えるためには、金型としてTZM(Ti
とZrを含むMo合金)を使用しなければならない。しかし
ながら、TZMは高温で酸化され易いので、真空或いは
不活性ガス中で成形を行う必要があり、このためにニッ
ケル基スーパーアロイの素材の成形には、高価な材料と
大がかりなシステムとを必要としていた。
越える高温に加熱して等温鍛造することが必要である
が、この高温に耐えるためには、金型としてTZM(Ti
とZrを含むMo合金)を使用しなければならない。しかし
ながら、TZMは高温で酸化され易いので、真空或いは
不活性ガス中で成形を行う必要があり、このためにニッ
ケル基スーパーアロイの素材の成形には、高価な材料と
大がかりなシステムとを必要としていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、ニッケル基スーパーアロイからなる素材の成
形にあたって、前処理としての結晶粒の微細化を必要と
せず、かつ従来の成形温度よりも低い温度で成形するこ
とを可能とし、上述のように金型に高価な材料を使用す
ることなく、さらに真空中或いは不活性ガス中での成形
に伴う大型の成形装置を使用することなくして成形可能
にするものである。
形にあたって、前処理としての結晶粒の微細化を必要と
せず、かつ従来の成形温度よりも低い温度で成形するこ
とを可能とし、上述のように金型に高価な材料を使用す
ることなく、さらに真空中或いは不活性ガス中での成形
に伴う大型の成形装置を使用することなくして成形可能
にするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、金属母相中に金属間化合物を多量に含有する
ニッケル基スーパーアロイの硬さが、特定の温度範囲に
おいて温度の上昇に伴って増加し、その後再び低下して
もとに戻るという異常硬化現象、即ち、一般にハンプ現
象と呼ばれているところの現象を有することを利用した
もので、この異常硬化現象を生ずる範囲の温度で所望の
成形を行うことによって、上記の課題を解決したもので
ある。
ニッケル基スーパーアロイの硬さが、特定の温度範囲に
おいて温度の上昇に伴って増加し、その後再び低下して
もとに戻るという異常硬化現象、即ち、一般にハンプ現
象と呼ばれているところの現象を有することを利用した
もので、この異常硬化現象を生ずる範囲の温度で所望の
成形を行うことによって、上記の課題を解決したもので
ある。
[作 用] 金属間化合物を多量に含有するニッケル基スーパーアロ
イの被成形材を、異常硬化現象を生ずる範囲の温度に加
熱し、この温度においてそれに圧延、押出し等の所望の
成形をすると、成形に伴って被成形材の表面温度が低下
しても、その表面温度の低下に伴って表面部分の強さが
増加するようなことがなく、中心部分の強さと差が少な
いので、上述の2枚割れを生じることなく成形できる。
イの被成形材を、異常硬化現象を生ずる範囲の温度に加
熱し、この温度においてそれに圧延、押出し等の所望の
成形をすると、成形に伴って被成形材の表面温度が低下
しても、その表面温度の低下に伴って表面部分の強さが
増加するようなことがなく、中心部分の強さと差が少な
いので、上述の2枚割れを生じることなく成形できる。
[実施例] まず、金属間化合物(第2相或いはガンマープライム)
を多量に含有するニッケル基スーパーアロイの温度と硬
さとの関係について説明する。
を多量に含有するニッケル基スーパーアロイの温度と硬
さとの関係について説明する。
第1図は、ニッケル基スーパーアロイの一例であるIN
−100(米国ザ・インタナショナル・ニッケル・カンパ
ニの商品名)の粉末焼結体(熱間等方圧プレス条件:11
00℃,900気圧,1hr)の温度に対するビッカース硬さの変
化を示す図である。なお、上述のIN−100 は、金属間
化合物を約60%以上含有している。
−100(米国ザ・インタナショナル・ニッケル・カンパ
ニの商品名)の粉末焼結体(熱間等方圧プレス条件:11
00℃,900気圧,1hr)の温度に対するビッカース硬さの変
化を示す図である。なお、上述のIN−100 は、金属間
化合物を約60%以上含有している。
第1図から明らかなように、IN−100 は温度が約 600
℃(873 K )を越えると通常の金属と異なってその硬さが
増加し、約 750℃(1023K)付近において硬さの増加が
ピークに達し、以後は温度が上昇するとともに通常の金
属と同様にその硬さが低下してゆくという性質を有す
る。そして、上述の温度の上昇に伴ってその強さが増加
し、その後の温度上昇で再び低下する異常硬化現象は、
一般に、ハンプ現象と呼ばれている。
℃(873 K )を越えると通常の金属と異なってその硬さが
増加し、約 750℃(1023K)付近において硬さの増加が
ピークに達し、以後は温度が上昇するとともに通常の金
属と同様にその硬さが低下してゆくという性質を有す
る。そして、上述の温度の上昇に伴ってその強さが増加
し、その後の温度上昇で再び低下する異常硬化現象は、
一般に、ハンプ現象と呼ばれている。
また、第2図は第1図と同じ材料の温度に対する引張強
さ及び全伸びを示している。
さ及び全伸びを示している。
同図によれば、第1図の場合と同様に、0.2%耐力及び引
張強さがともに室温から 400℃(673 K )までほぼ一定で
あるが、400 ℃(673 K )を越えると漸次低下の傾向を示
し、600 ℃(873 K )で極小値を有し、その後温度上昇と
共に逆に増加していく。そして、更に温度が上昇する
と、750 ℃(1023 K )付近で0.2%耐力及び引張強さが極
大値を有した後、急激に低下する。これによって明らか
なように、材料の加熱時において600℃(873 K )の前後
に全伸び引張強さ及び0.2%耐力に異常(ハンプ現象)の
あることがわかる。
張強さがともに室温から 400℃(673 K )までほぼ一定で
あるが、400 ℃(673 K )を越えると漸次低下の傾向を示
し、600 ℃(873 K )で極小値を有し、その後温度上昇と
共に逆に増加していく。そして、更に温度が上昇する
と、750 ℃(1023 K )付近で0.2%耐力及び引張強さが極
大値を有した後、急激に低下する。これによって明らか
なように、材料の加熱時において600℃(873 K )の前後
に全伸び引張強さ及び0.2%耐力に異常(ハンプ現象)の
あることがわかる。
そして、金属間化合物を多量に含有するIN−100 にお
ける異常硬化現象は、金属の母相γがその温度上昇とと
もに硬さが低下するのに対して、金属間化合物(第2相
或いはガンマ−プライム)γ′は温度上昇とともに硬さ
が上昇し、所定の温度で最高値に達した後にその硬さが
低下する性質があるので、これら両相の相互作用によっ
て生ずるものである。
ける異常硬化現象は、金属の母相γがその温度上昇とと
もに硬さが低下するのに対して、金属間化合物(第2相
或いはガンマ−プライム)γ′は温度上昇とともに硬さ
が上昇し、所定の温度で最高値に達した後にその硬さが
低下する性質があるので、これら両相の相互作用によっ
て生ずるものである。
第3図は、この母相γと第2相γ′との組織を概略説明
した図である。
した図である。
なお、上述の異常硬化現象は、IN−100 に限定される
ものではなく、γ′を多量に含有するニッケル基スーパ
ーアロイはこの現象を示すものである。
ものではなく、γ′を多量に含有するニッケル基スーパ
ーアロイはこの現象を示すものである。
上述したように、本発明による高強度・難加工材の成形
法は、金属間化合物を多量に含有するニッケル基スーパ
ーアロイの被成形材を、異常硬化現象を生ずる範囲の温
度に加熱し、次いでこの加熱した被成形材を、上記範囲
の温度においてロールで圧延して所望の厚さに成形し、
或いはダイスを利用して押出して、その他適宜の塑性加
工を施すものである。
法は、金属間化合物を多量に含有するニッケル基スーパ
ーアロイの被成形材を、異常硬化現象を生ずる範囲の温
度に加熱し、次いでこの加熱した被成形材を、上記範囲
の温度においてロールで圧延して所望の厚さに成形し、
或いはダイスを利用して押出して、その他適宜の塑性加
工を施すものである。
[発明の効果] 本発明によれば、金属間化合物を多量に含有するニッケ
ル基スーパーアロイの成形にあたって、前処理としての
結晶粒微細化処理を必要としないばかりでなく、その成
形に必要な加熱温度を従来の加熱温度よりも低下できる
ので、加熱に要する時間を短縮して費用を少なくでき
る。
ル基スーパーアロイの成形にあたって、前処理としての
結晶粒微細化処理を必要としないばかりでなく、その成
形に必要な加熱温度を従来の加熱温度よりも低下できる
ので、加熱に要する時間を短縮して費用を少なくでき
る。
また、加熱温度が低下したことにより、金型として高価
な材料を必要とせずに安価な各種材料を使用でき、真空
或いは不活性ガス中で成形する必要がないので大がかり
な設備を必要としないばかりでなく、その全伸びが大き
い状態で成形できる。
な材料を必要とせずに安価な各種材料を使用でき、真空
或いは不活性ガス中で成形する必要がないので大がかり
な設備を必要としないばかりでなく、その全伸びが大き
い状態で成形できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、IN−100 の温度と硬さとの関係を示す図、
第2図は、同上の温度と引張強さ、0.2%耐力及び全伸
びとの関係を示す図、第3図は金属組織の概略図であ
る。 γ……母相、 γ′……金属間化合物(第2相)。
第2図は、同上の温度と引張強さ、0.2%耐力及び全伸
びとの関係を示す図、第3図は金属組織の概略図であ
る。 γ……母相、 γ′……金属間化合物(第2相)。
Claims (1)
- 【請求項1】金属母相中に金属間化合物を多量に含有す
ることにより、硬さが特定の温度範囲において温度の上
昇に伴って増加し、その後再び低下するというハンプ現
象を生ずるニッケル基スーパーアロイの素材を、上記ハ
ンプ現象による異常硬化が生じる範囲の温度で所望の成
形を行うことを特徴とする高強度・難加工材の成形法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59114158A JPH0616910B2 (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 高強度・難加工材の成形法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59114158A JPH0616910B2 (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 高強度・難加工材の成形法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60257942A JPS60257942A (ja) | 1985-12-19 |
JPH0616910B2 true JPH0616910B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=14630603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59114158A Expired - Lifetime JPH0616910B2 (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | 高強度・難加工材の成形法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0616910B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH599348A5 (ja) * | 1975-10-20 | 1978-05-31 | Bbc Brown Boveri & Cie |
-
1984
- 1984-06-04 JP JP59114158A patent/JPH0616910B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60257942A (ja) | 1985-12-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |