JPH061620Y2 - コーン貫入試験装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は浚渫船埋立地層及び湖沼底に推積した軟質な土
層の土質性状を把握するコーン貫入試験装置に関するも
のである。

（従来の技術） ポンプ式浚渫船の埋立地及び湖沼底に推積する究めて軟
弱質の土層の地耐力を測定するには、コーン貫入試験装
置が使用されている。

これは、鉄棒の下端に円錐形金具をつけたものを決めら
れたスピートで（１cm／sec）地盤内に押込み、その貫
入抵抗により地耐力を測定するものであり、多くは小型
ひずみ式ロードセルを用いた試験装置が多種多様に開発
されて使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、小型ひずみ式ロードセルを用いた試験装
置は、湖沼底等を測定する場合には通常船に乗って測定
するので使用される環境が悪く、かつその測定容量も小
さいため安定性及び再現性が悪く、さらに温度ドリフト
が激しいために常に誤差の補正をしなければならず、正
確な測定値を測定することが出来なかった。

本考案は以上の問題に鑑みてなされたものであり、その
目的は、安定性及び再現性に優れているとともに測定容
量が大きくかつ温度ドリフトが小さくて正確な測定値を
測定することのできるコーン貫入試験装置を提供する事
である。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題点を解決するための本考案の手段は、コーン
貫入試験装置を、挿入ロッドの先端に設けた筒状本体の
先端に応力バネを介してコーンが上下動自在に設けら
れ、該コーンに連動する動作軸を前記筒状本体内に挿入
させるとともに、該筒状本体内に前記動作軸の変位を電
気的に検出する変位検出装置を設けてなることを特徴と
する構成にすることである。

（作用） 而して上記構成によれば挿入ロッドが地盤に貫入される
とコーンが地盤の貫入抵抗により上下動し、かつ応力バ
ネが該貫入抵抗に比例して変位する。そして、該応力バ
ネの変位量が作動軸を介して伝達された変位検出装置で
検出され、その検出値に基づいて地盤の地耐力が算出さ
れる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

本考案のコーン貫入装置Ａは挿入ロッド１が地盤に貫入
されると、該挿入ロッド１先端の筒状本体２におけるコ
ーン４が地盤の貫入抵抗により上下動して応力バネ６が
変位し、該応力バネ６の変位量が作動軸７を介して伝達
された変位検出装置３で検出されることにより地盤の貫
入抵抗が算出されるものである。コーン貫入装置Ａは挿
入ロッド１とその先端に取り付けられた筒状本体２とに
より構成されている。

該混入ロッド１は筒状本体２を地中に貫入するものであ
り、適宜長さの連結ロッド２ａが複数本接続されて形成
され、その上端部に前記変位検出装置３で検出された応
力バネ６の変位量を表示する表示部ｍが設けられてい
る。

筒状本体２は連結部材２ｂを介して前記貫入ロッド１の
先端に連結され、その内部上方に変位検出装置３が備え
られるとともに、該筒上本体２の先端には応力バネ６を
介してコーン４が上下動自在に取り付けられている。

応力バネ６は前記コーン４の地盤への貫入抵抗と比例し
た変位量を生ずるものであり、該変位量が前記変位検出
装置３で検出されるものである。

又、該応力バネ６のバネ間６ａに第５図に示すようなス
ペーサー６ｂを設けることにより、応力バネ６の変位量
を一定値に制限してオーバーロードによるコーン貫入試
験装置Ａの破損を防止する。

コーン４は先端角が６０°の円錐体であり、上面の突起
部４ａに連結環９が螺合されるとともに、該連結環９に
は作動軸９ａが立設され、該作動軸９ａが前記変位検出
装置３に連係されることにより、該変位検出装置３でコ
ーン４の地盤への貫入抵抗と比例した応力バネ６の変位
量が検出される。

またコーン４の上面には第６図に示すような中途部が蛇
腹状に形成されたベローズ３ａの下端が溶接されるとも
とに、該ベローズ３ａの上端が前記筒状本体２の下端に
溶接されることにより該筒状本体２内への水の侵入を防
止する。

変位検出装置３は筒状本体２内上部に設けた支持体８の
収納部８ａに一次コイル５ａ、２次コイル５ｂが上下に
重ねて設けられるとともに、これらコイルの中に可動鉄
心５が移動自在に設けられ、該可動鉄心５に前記作動軸
９ａが連結されて形成されたものである。また、該コイ
ルがコネクター８ａを介して前記表示部ｍに連結された
連結コード８ａに接続され、該表示部ｍに変位検出装置
３で検出された作動軸９ａの変位量を伝達する。

而して、挿入ロッド１が地盤に貫入されると、応力バネ
６がコーン４の貫入抵抗を受けて変位し、その変位量が
作動軸９ａを介して可動鉄心５に伝達され、該可動鉄心
が変位することにより生ずる信号を表示部ｍに伝え、そ
の表示値に基づいて地盤の地耐力を算出するものであ
る。

（考案の効果） 本考案は以上の様な構成としてことにより下記の効果を
有する 挿入ロッドの先端に設けた筒状本体の先端に応力バネ
を介してコーンが上下動自在に設けられ、該コーンに連
動する動作軸を前記筒状本体内に挿入させるとともに、
該筒状本体内に前記動作軸の変位を電気的に検出する変
位検出装置を設けたことにより、安定性及び再現性に優
れているとともに測定容量が大きくかつ温度による誤差
を小さくすることができるので正確な測定値を測定する
ことができる。

筒状本体の先端に応力バネを介してコーンが上下動自
在に設けられるとともに、該筒状本体内に前記コーンに
連動する作動軸の変位を電気的に検出する変位検出装置
を設けたことにより、検出能力を高めることができるの
で極めて軟弱な地盤の地耐力も容易に測定し、かつ小容
量のコーン貫入試験装置をも製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のコーン貫入試験装置の正面図、第２図
は要部の拡大断面図、第３図は応力バネの縦断面図、第
４図は同平面図、第５図は応力バネの他の実施例を示す
縦断面図、第６図はベローズの縦断面図である。 Ａ：コーン貫入試験装置、１：挿入ロッド ２：筒状本体、３：変位検出装置、４：コーン ６：応力バネ、７：作動軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】挿入ロッドの先端に設けた筒状本体の先端
   に応力バネを介してコーンが上下動自在に設けられ、該
   コーンに連動する動作軸を前記筒状本体内に挿入させる
   とともに、該筒状本体内に前記動作軸の変位を電気的に
   検出する変位検出装置を設けてなることを特徴とするコ
   ーン貫入試験装置。