JPH0615907B2 - 圧縮機のピストンアセンブリ - Google Patents

圧縮機のピストンアセンブリ

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JPH0615907B2
JPH0615907B2 JP1060480A JP6048089A JPH0615907B2 JP H0615907 B2 JPH0615907 B2 JP H0615907B2 JP 1060480 A JP1060480 A JP 1060480A JP 6048089 A JP6048089 A JP 6048089A JP H0615907 B2 JPH0615907 B2 JP H0615907B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,圧縮機のピストンアセンブリに関し,詳しく
は自動車用エアコンプレッサーのピストンアセンブリに
関する。
[従来の技術] 従来,自動車用エアコンプレッサーとしてピストン型の
ものが使用されている。
この種のピストン型圧縮機は,第8図(c)の断面図に
示すような機構を有する。第8図(c)において円筒型
シリンダ51内にシリンダ内径面に沿って往復摺動する
ピストン52が収容されており,このピストン本体52
は,外径Yの円筒形状を有し,この円筒の一端は開口
している。このピストン本体52の他端は封止されてお
り,シリンダ内の冷媒ガスと接触する。このピストン本
体の封止端内部にクランクと連動する連結棒の球状先端
を遊動自在軸着される軸受部52aを有する。
また,ピストン円筒面52bの封止端及び開口端寄り
に,ピストン円筒面52bの円筒に沿って一定幅で溝
径Yで外径より深さtの溝52c及び52dが夫々設
けられている。これらの溝52cおよび52dに,ピス
トンリング54及び54′が装着される。
各ピストンリング54及び54′は,第8図(a)及び
第8図(b)に示すように,一定の厚みt′と一定の幅
′と外径Y′と内径Y′とを有する円環状を持
ち,且つ継ぎ目のない所謂シームレスピストンリングで
ある。
このピストンリング54及び54′は,装着前におい
て,ピストンリングの外径Y′がピストンの外径Y
と略等しく,ピストンリングの内径Y′がピストンの
溝径Yよりも小さく,第8図(c)で示すように,ピ
ストン溝52c及び52dの底部に内径面54a及び5
4a′の一縁角部が,また各溝52c及び52dの端部
寄りでない一側部に内径面54a及び54a′の他の縁
角部が当接するように設けられている。
また,ピストンリング54及び54′の外径面54b及
び54b′の一縁角部が溝5c及び52dの端部寄りの
一側部に当接するように設けられ,各ピストンリング5
4及び54′は互いの外径面54b及び54b′を最寄
りのピストン本体52の端部に向けるように装着されて
いる。
これらのピストンリング54及び54′とピストン溝5
2c,52dとの間には,次のような関係が成立する。
t′>t,′<, シリンダ51内のピストン本体52が往復動する際に
は,ピストン本体52に装着されたピストンリング54
及び54′の外径面54b,及び54b′の他の縁角部
は,シリンダ内面に圧縮され,ピストン本体52ととも
にシリンダ内部を摺動する。このとき,シリンダ51内
の潤滑油は,破線55の矢印で示されるように流下す
る。即ち,冷媒ガス側56より,冷媒ガスとともに,シ
リンダ内面51aとピストン円筒面52bとの僅かな隙
間を流下し,溝52cの一側部とピストンリング外径面
54bの一縁角間を通り抜け,溝52c内にはいり,溝
52cの底部とピストンリング54との隙間を通り,ピ
ストンリングの内径面54aとピストン溝側部との隙間
を通り,ピストンの円筒面52b中央部とシリンダ内面
51a間の隙間を通って,ピストンリング54′まで流
下する。
更に,ピストンリング54′とシリンダ内面51aとの
隙間を通り,ピストン52の下方に流下して,図示しな
いロータケースに蓄えられる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら,前記した従来のピストンリングを装着し
たピストンアセンブリは,気密性が非常に優れているの
で,一度,このような圧縮機を用いて構成される冷却回
路に流出した潤滑油がロータケースに戻りにくく,圧縮
機内の潤滑不足や,冷却回路システム性能の悪化が生じ
るという欠点を有する。
そこで,本発明の技術的課題は,潤滑油がロータケース
に戻り易く,機構内の潤滑がスムーズに行われる圧縮機
のピストンアセンブリを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば,外径面と内径面とこれらの間の両端面
とを有するピストンリングと,前記ピストンリングを装
着するピストン溝を有するピストン本体とを備え,前記
ピストンリングは,前記ピストンに装着する前には,前
記内径面の直径が前記ピストン溝の溝径よりも小さいも
のであり,前記両端面が円錐面となり且つ前記外径面が
前記ピストン本体の軸方向一側を向くとともに前記内径
面が前記軸方向他側に向いた姿勢で前記ピストン溝に装
着され,前記ピストンリングがシリンダ内壁を摺動しな
がらシリンダ内を往復動する圧縮機のピストンアセンブ
リにおいて,前記ピストンリングは,前記外径面及び前
記内径面の少なくとも一方に,前記端面の一部を含むよ
うに切り欠かれた切り欠き部を有し,前記切り欠き部を
介して,前記ピストンリングによって区画される前記シ
リンダ内空間の間に,ブローバイガス力による潤滑油経
路を形成することを特徴とする圧縮機のピストンアセン
ブリが得られる。
[作 用] 本発明の圧縮機のピストンアセンブリにおいては,ピス
トンリングの外径面及び内径面の少なくとも一方に溝を
設けたために,シリンダ内のピストンリングより上方に
ある潤滑油は,ブローバイガスとともに,ピストン溝及
びピストンリング切り欠き部とにより形成された経路に
沿って流下することにより,ピストン下方のロータケー
ス内に容易に戻ることができる。
[実施例] 本発明の実施例を冷房用圧縮機のピストンアセンブリを
例に挙げて,図面を参照しながら説明する。
第1図(a)及び(b)は本発明の第1の実施例に係る
圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示す図
で,(a)は正面図,(b)は(a)におけるA−A断
面の拡大図である。
第1図(a)及び(b)において,ピストンリング1
は,外径面1aと内径面1bとこれらの面1a及び1b
間を連絡する一端面1cとこれに対向する他端面1dと
を有する継ぎ目のない円環形状で,互いに対向する端面
1c及び1d間の長さ(厚さ)tと外径面1a及び内
径面1b間の長さ(幅)とを有する。また,装着さ
れるピストン本体の外径とほぼ等しい外径ya1と溝径よ
りも小さな内径yb1とを有する。
第1図(b)に示すように,ピストンリング1の内径面
1bには,両端面1c及び1dを一直線に貫通し,この
直線に直交する輪郭が半円形状で,且つ幅寸法の一定な
溝1eが設けられている。
第2図(a)及び(b)は本発明の第2の実施例に係る
圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示す図
で,(a)は正面図,(b)は(a)のB−B断面図で
ある。
これらの図において,ピストンリング2は,外径面2a
と内径面2bとこの面2a及び2bの互いに異なる面の
縁間を連絡する一端面2cとこれに対向する他端面2d
とを有する継ぎ目のない円環形状で,互いに対向する端
面2c及び2d間の長さ(厚さ)tと外径面2a及び
内径面2b間の長さ(幅)とを有する。また,装着
されるピストンの外径とほぼ等しい外径ya2と溝径より
も小さな内径yb2とを有する。
ピストンリング2に対して,中心を通る線で2等分する
位置の外径面2a及び内径面2bに,両端面2c及び2
dを一直線に貫通し,この直線に直交する面内での輪郭
が半円形状で,且つ幅寸法の一定な溝2e,2f,及び
溝2g,2hが夫々対向して設けられている。このた
め,潤滑油の流下が第1の実施例で示すピストンリング
よりスムーズに行われる。
第3図(a)及び(b)は本発明の第3の実施例に係る
圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示す図
で,(a)は正面図,(b)は側面図である。この図に
おいて,ピストンリング3は,外径面3aと内径面3b
とこの互いに異なる面の縁間を連絡する一端面3cとこ
れに対向する他端面3dとを有する継ぎ目のない円環形
状で,互いに対向する端面3c及び3d間の長さ(厚
さ)tと外径面3a及び内径面3b間の長さ(幅)
とを有する。また,装着されるピストン本体の外径と
ほぼ等しい外径ya3と溝径よりも小さな内径yb3とを有
する。
ピストンリング3の周を,中心を通る線で4分割する位
置の外周面3a及び内径面3bに,両端面3c及び3d
を一直線に貫通し,この直線に直交する面内で輪郭が半
円形状で,且つ幅寸法の一定な溝3e,3f,及び溝3
g,3hは設けられている。これらの溝3e,3fは外
径面に,中心に関して互いに対称的な位置に設けられ,
溝3g,3hは内径面に互いに対称的な位置に設けられ
ている。この溝を設けることによりシリンダ内摺動面全
体に渡って均一に潤滑できる。
第4図(a),(b)及び(c)は本発明の第4の実施
例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリング
を示す図で,(a)は正面図,(b)は(a)の溝4f
の部分の側面の拡大図,(c)は(b)を変形した一例
を示し,(b)に相当する部分を示す拡大側面図であ
る。
第4図(a)及び(b)において,本発明の第4の実施
例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリング
は,第3の実施例と同様の位置に溝が設けられている。
ピストンリングは,外径面4aと内径面4bとこれらの
互いに異なる面の縁間を連絡する一端面4cとこれに対
向する他端面4dとを有する継ぎ目のない円環形状で,
互いに対向する端面4c及び4d間の長さ(厚さ)t
と外径面4a及び内径面4b間の長さ(幅)とを有
する。また,装着されるピストンの外径とほぼ等しい外
径ya4と溝径よりも小さな内径yb4とを有する。
ピストンリング4の周を,中心を通る線で4分割する位
置の外径面4a及び内径面4bに,両端面4c及び4d
を中心軸に対して傾斜して貫通し,この直線に直交する
面内で輪郭が半円形状で,且つ幅寸法の一定な溝4e,
4f,及び溝4g,4hが設けられている。これらの溝
4e,4fは内径面に,中心に関して実質的に互いに対
称的な位置に設けられ,溝4g,4hは内径面に実質的
に互いに対称的な位置に設けられている。
これらの溝を設けることによりシリンダ及びピストンリ
ング間に隙間を形成し,この溝を潤滑油が,通過するこ
とにより内摺動面全体に渡って均一に潤滑できる。
一方,第4図(c)で示される変形例は,実施例4と同
様な正面形状を有する。そして,ピストンリング4の周
を,中心で通る線で4分割する位置の外径面4a及び内
径面4bに,両端面4c及び4dを中心軸に対して蛇行
しながら貫通し,この直線に直交する面内で輪郭が半円
形状で,且つ幅寸法の一定な溝4e,4f,及び溝4
g,4hが設けられている。これらの溝4e,4fは外
径面に,中心に関して互いに対称的な位置に設けられ,
溝4g,4hは内径面に実質的に対称的な位置に設けら
れている。
潤滑油の粘度及び,シリンダ内部の圧力に応じて,これ
らの溝の中心に対する傾斜が選択される。
即ち,第3の実施例の中心軸に沿う直線的な溝より,変
形例の傾斜した溝は,同一の幅において流体の流通経路
が長くなるので,流体と溝との抵抗が増加するので,流
体の流通速度を調整することができる。
第5図(a),(b)及び(c)は本発明の第5の実施
例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリング
を示す図で,(a)は正面図,(b)は(a)の溝5f
の部分の側面の拡大図,(c)は(b)を変形した一例
を示し,(b)に相当する部分を示す拡大側面図であ
る。第5図(a)及び(b)において,本発明の第5の
実施例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリ
ングは,外径面5aと内径面5bとこれらの互いに異な
る面の縁間を夫々連絡する一端面5cとこれに対向する
他端面5dとを有する継ぎ目のない円環形状で,互いに
対向する端面5c及び5d間の長さ(厚さ)tと外径
面5a及び内径面5b間の長さ(幅)とを有する。
また,装着されるピストンの外径とほぼ等しい外径ya5
と溝径よりも小さな内径yb5とを有する。
ピストンリング5の周を,中心で通る線で4分割する位
置の外径面5a及び内径面5bに,一端面5cから端面
5dに向かって,リングの厚さ方向に中央部まで,溝5
e,5f,及び溝5g,5hが夫々設けられている。
この直線に直交する面内で輪郭が半円形状で,且つ幅寸
法の一定な溝5e,5f,及び溝5g,5hが設けられ
ている。これらの溝5e,5fは外径面に,中心に関し
て互いに対称的な位置に設けられ,溝5g,5hは内径
面に互いに対称的な位置に設けられている。
この溝5e,5f,5g,及び5hを設けることにより
シリンダ内摺動面と,リングとに隙間を形成し,シリン
ダ内摺動面全体に渡って均一に潤滑できる。
第5図(c)に示すように,変形例に係るピストンリン
グは,第5の実施例と同様の正面形状を有する。ピスト
ンリング5の周を,中心を通る線で4分割する位置の外
径面5a及び内径面5bに,一端面5cから端面5dに
向かって,リングの厚さ方向に中央部まで,溝5e,5
f,及び溝5g,5hが設けられている。この溝は,直
線に直交する面内で輪郭が半円形状で,且つ幅寸法が中
心軸に沿う方向中央部に進むにつれて,幅等の中心軸に
直交する寸法が次第に小さくなる。
これらの溝5e,5fは外径面に,中心に関して実質的
に互いに対照的な位置に設けられ,溝5g,5hは内径
面に実質的に互いに対称的な位置に設けられている。潤
滑油の粘度及び,シリンダ内部の圧力に応じて,これら
の溝の形状が選択される。
即ち,第3の実施例の中心軸に沿う直線的な溝3e,3
f,3g,3hより,外径面の一端から中心軸方向に中
央部まで設けられた溝5e,5f,5g,5hは,同一
の幅においても流体の流通経路が短いが,中央部で溝5
e,5f,5g,5hが消失し,溝の終点のリング面に
衝突して,折曲しなければならないので,潤滑が一面よ
り他面に向かって,直線的に貫通したものよりも,流通
速度が遅くなる。従って,溝を通過する流体の流通速度
を調整することができる。
第6図(a)及び(b)は本発明の第6の実施例に係る
圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示す図
で,第6図(a)は正面図,(b)は(a)のC−C断
面図である。これらの図において,ピストンリング6
は,外径面6aと内径面6bとこの面の縁を連絡する一
端面6cとこれに対向する他端面6dとを有する継ぎ目
のない円環形状で,互いに対向する端面6c及び6d間
の長さ(厚さ)tと外径面6a及び内径面6b間の長
さ(幅)とを有する。また,装着されるピストンの
外径とほぼ等しい外径ya6と溝径よりも小さな内径yb6
とを有する。ピストンリング6の外径面6a及び内径面
6bに,一端面6cから他端面6dに向かって中央部ま
で形成され,この直線に直交する面内での輪郭が半円形
状で,且つ幅及び深さ寸法が中央部に進むに従って次第
に狭く,浅くなる溝6eが設けられている。
第6図(c)は本発明の第6の実施例に係る圧縮機のピ
ストンアセンブリのピストンリング6をピストンに設け
られた溝に装着した状態を示す断面図である。
第6図において,一面側6cに設けられた溝6eにより
シリンダ壁面51a及びピストンリング6との間に隙間
ができ,この部分をシリンダ上方から潤滑油及び冷媒ガ
ス等の流体が通過し,シリンダ下方に達することができ
る。潤滑油の流下する際に,次第に,この部分で流体の
流れが溝に沿って曲折するので、この部分で流体の抵抗
が増加し,第2の実施例のピストンリングより潤滑油の
流下する速度がやや遅い。この溝6eの幅等の寸法によ
り,流下速度を変化させることができる。
第7図(a)及び(b)は本発明の第7の実施例に係る
圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示す図
で,(a)は正面図,(b)は(a)のD−D断面図で
ある。
これらの図において,ピストンリング7は,外径面7a
と内径面7bとこの面の縁を連絡する一端面7cとこれ
に対向する他端面7dとを有する継ぎ目のない円環形状
で,互いに対向する端面7c及び7d間の長さ(厚さ)
と外径面7a及び内径面7b間の長さ(幅)
を有する。
また,装着されるピストンの外径とほぼ等しい外径ya7
と溝径よりも小さな内径りb7とを有する。ピストンリン
グ7を中心を通る線で2等分する位置の外周面7aに,
一端面7cから他端面7dに向かって,中心軸方向中央
部までを溝7e及び溝7fが形成されており,一方,内
径面7bには,一端面7cから他端面7dまで貫通して
設けられた溝7g及び7hが形成されている。これらの
溝は,溝方向に直交する面内での輪郭が半円形状で,且
つ一定な幅寸法を有し,夫々対向して設けられている。
このため,潤滑油の流下がスムーズに行われる。
第7図(c)は本発明の第7の実施例に係る圧縮機のピ
ストンアセンブリのピストンリング7をピストンに設け
られた溝に装着した状態を示す断面図である。
第7図(c)において,幅及び深さtを有するピスト
ン52の溝52cにピストンリングが傾斜して装着され
ている。ピストンリングの端面7cを溝52c側に,他
端面7dを外側にして,尚且つ,外径面7aと端面7c
とにより形成される縁角を溝上側の縁,内径面7bと端
面7dとにより形成される縁角を溝下側の縁,更に端面
7cと内径面とにより形成される縁角を溝底部に当接し
て装着されている。この場合に,ピストンリングの寸
法,幅,厚さtと,ピストン溝,幅,深さtと
の間に, t>t,<, の関係が成立する。
尚,他の実施例についても,同様に t,t,t,t,t,t>t,<, が成立する。
一面側7cに設けられた溝7eによりピストンリング
と,ピストン本体との溝の間に隙間ができ,この部分を
シリンダ上方から潤滑油等の流体が通過し,一度ピスト
ン溝にはいり,さらに他面側7dに設けられた溝7gを
通過して,シリンダ下方に達することができる。潤滑油
の流下する際に,次第にこの部分で流体の流れが溝に沿
って曲折するので,この部分で流体の抵抗が増加し,第
2の実施例のピストンリングより潤滑油の流下する速度
がやや遅い。
この溝7e,7f,7g,7hの輪郭の形状や寸法に応
じて,流下速度を変化させることができる。
次に,本発明の実施例に係るピストンリングの使用状態
を,第2,第6,及び第7の実施例の圧縮機のピストン
アセンブリのピストンリング場合を例に挙げて説明す
る。
第2図(c)は第2の実施例の圧縮機のピストンアセン
ブリのピストンリングをピストン溝に装着したときの状
態を示す断面図である。この図においてシリンダ51内
に,往復動するピストン52が配されている。
ピストン溝52c及び52dにピストンリング2及びこ
のピストンリングと同形状のピストンリング2′が装着
されている。ピストンリング2及び2′は,′の幅を
有するピストンリング溝52c及び52dの底部にピス
トン内径面2b及び2b′の一縁角部が,また溝52c
及び52dのピストンの各端部寄りでない一側部に内径
面2b及び2b′の他の縁角部(外径面2a及び2a′
の一縁角部が溝52c及び52dの他の一側部)に接す
るように傾斜して設けられ,ピストンリング2及び2′
は互いの外径面を最寄のピストン端部に向けるように装
着されている。夫々の溝部は,シリンダ51及びピスト
ンリング2及び2′間に隙間を形成する。
シリンダ内のピストン本体52が往復動する際には,ピ
ストン本体52の溝に装着されたピストンリング2及び
2′の外径面2a及び2a′の他の縁角部はシリンダ内
面51aに圧接し,ピストン本体52とともにシリンダ
内部を摺動する。このとき,シリンダ51内の潤滑油
は,破線2iで示される矢印のように,ピストンリング
2,及び2′及びピストン本体52,またはピストンリ
ング2及び2′,及びシリンダ51の間のピストンリン
グの溝2e,2e,2f,2f′,2g,2g′,2
h,及び2h′,により形成された隙間を通過して冷媒
ガス56のブローバイガスとともに流下する。
即ち,先ず,シリンダ内面51aとピストンリング外径
面daに設けられた溝2g及び2fを通り,溝52c底
部とピストンリング一端面との隙間を通り,ピストン本
体52の溝52c一側部とピストンリングの溝2h及び
2eを通り,ピストン側面52bの中央部とシリンダ内
面51a間を通ってピストンリング2′に到達する。ピ
ストンリング2′では,潤滑油は溝2f′及び2g′と
シリンダ内面51aによってできる隙間又は,ピストン
溝52dの底部及びピストンリング2′の隙間を通り,
溝2f′及び2g′を通り,ピストン側面とシリンダ間
の隙間に流れ,ピストン下方に流下し,図示しないロー
タケースに蓄えられる。
上方に開口を有するピストンリング2の切欠部2f及び
2gは,ピストン本体52がシリンダ内面51aを上昇
するときには拡張し,一方,ピストン本体52がシリン
ダ内面51aを下降するときには,収縮する。
また,下方に開口を有するピストンリング2′の切欠部
2f′及び2g′は,上記したものと逆に,上昇すると
きには,収縮し,下降するときには拡張する。
従って,ピストン上昇及び下降の一段階を経てスムーズ
に潤滑油が流下することになる。
第1から第7の実施例に示されたピストンリングの外径
面又は内径面の少なくとも一方は,溝を有する。本実施
例には示さないが,この溝は,通常のシームレスリング
の内径面又は外径面に,シリンダ内を潤滑するための必
要に応じた数だけ設けることができる。
第6図(c)は第6の実施例の圧縮機のピストンアセン
ブリのピストンリングをピストン溝に装着したときの状
態を示す部分断面図である。この図においてシリンダ5
1内の往復動するピストン52にピストンリング6が装
着されている。このピストンリングは,ピストンリング
溝52cの側面及び底面にその縁角部が接するように装
着されている。ピストンリング6の端面6cから,6d
に向かって外径面の中央付近まで溝6eが形成されてい
る。この溝6eによりシリンダ内面と,ピストンリング
との間に隙間が形成され,この部分を矢印6iで示され
る方向に潤滑油等の流体が通過することができるので,
潤滑油の循環が良くなり,オイルの無駄を無くすことが
できる。
第6図(c)においては,ピストン本体52の外方に位
置するが,ピストンリング6を図に示されたときと裏返
しにピストン溝52cへ装着することにより,内方に位
置させることもできる。この場合,潤滑油は,ピストン
溝52cを経由して,流下する。
第7図(c)は第7の実施例の圧縮機のピストンアセン
ブリのピストンリング7をピストン溝52cに装着した
ときの状態を示す部分断面図である。この図においてシ
リンダ51内の往復動するピストン本体52にピストン
リング7が装着されている。このピストンリング7は,
ピストンリング溝52cの側面及び底面にその縁角部が
接するように装着されている。このピストンリング7の
端面7cから,7dに向かって外径面の中央付近まで,
溝7eが形成されている。
更に,これと同一の半径上の内径面に,端面7cから端
面7dまで,貫通する溝7gが形成されている。この溝
7eによりピストンリング外径面と,ピストン本体52
との間に隙間が形成され,更にピストン溝の底部とピス
トン外部が溝7gにより連絡される。従って,ピストン
本体上方から,この部分を矢印7iで示される方向に,
ピストン溝52cを経由して潤滑油等の流体が通過する
ことができるので,潤滑油の循環が良くなり,オイルの
無駄を無くすことができる。
第7図(c)において,溝7eは,ピストン本体の内方
に位置するが,ピストンリングを図に示されたときと裏
返しにピストン溝への装着することにより,外方に位置
させることもできる。この場合,潤滑油は,シリンダ内
面とピストンリングとの間の隙間を経由して流下する。
以上の実施例において,ピストンアセンブリとして,冷
房用圧縮機のピストンアセンブリについて説明したが,
本発明は,実施例のような冷房用圧縮機のピストンアセ
ンブリに限定されるものではないということは,言うま
でもない。
[発明の効果] 以上説明したように,本発明によれば,例えば,ピスト
ン型圧縮機において,潤滑油がシリンダよりロータケー
ス内に戻り易いために,圧縮機内の潤滑を良好に行い,
圧縮機耐久寿命が向上し,冷却システム性能も向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の第1の実施例に係る圧縮機のピ
ストンアセンブリのピストンリングを示す正面図,第1
図(b)は第1図(a)のピストンリングのA−Aに沿
う部分断面図,第2図(a)は本発明の第2の実施例に
係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリングを示
す正面図,第2図(b)は第2図(a)のピストンリン
グを示すB−Bに沿う断面図,第2図(c)は本発明の
第2の実施例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピス
トンリングの使用状態を示す断面図,第3図(a)は本
発明の第3の実施例に係る圧縮機のピストンアンブリの
ピストンリング示す正面図,第3図(b)は第3図
(a)のピストンリングの側面図,第4図(a)は本発
明の第4の実施例に係る圧縮機のピストンアセンブリの
ピストンリングを示す図,第4図(b)は第4図(a)
のピストンリングの一部分を示す拡大側面図,第4図
(c)は第4図(b)のピストンリングの変形例の一部
分を示す拡大側面図,第5図(a)は本発明の第5の実
施例に係る圧縮機のピストンアセンブリのピストンリン
グを示す図,第5図(b)は第5図(a)のピストンリ
ングの一部分を示す拡大側面図,第5図(c)は第5図
(b)のピストンリングの変形例の一部分を示す拡大側
面図,第6図(a)は本発明の第6の実施例に係る圧縮
機のピストンアセンブリのピストンリング示す正面図,
第6図(b)は第6図(a)のピストンリングのC−C
線に沿う断面図,第6図(c)は第6図(a)のピスト
ンリングの使用状態を示す部分断面図,第7図(a)は
本発明の第7の実施例に係る圧縮機のピストンアセンブ
リのピストンリングを示す正面図,第7図(b)は第7
図(a)のピストンリングのD−D線に沿う断面図,第
7図(c)は第7図(a)のピストンリングの使用状態
を示す部分断面図,第8図(a)は従来例に係る圧縮機
のピストンアセンブリのピストンリングを示す正面図,
第8図(b)は第8図(a)のピストンリングの断面
図,第8図(c)は第8図(a)及び第8図(b)で示
されたピストンリングの使用状態を示す断面図である。 図中1,2,3,4,5,6,7はピストンリング,1
a,2a,2a′,3a,4a,5a,6a,7aは外
径面,1b,2b,2b′,3b,4b,5b,6b,
7bは内径面,1c,1d,2c,2c′,2d,2
d′,3c,3d,4c,4d,5c,5d,6c,6
d,7c,7dは端面,1e,2e,2f,2g,2
h,2e′,2f′,2g′,2h′,3e,3f,3
g,3h,4e,4f,4g,4h,5e,5f,5
g,5h,6e,7e,7f,7g,7hは溝,2i,
6i,7iは潤滑油の流下方向を示す矢印,51はシリ
ンダ,51aはシリンダ内面,52はピストン本体,5
2c及び52dはピストン溝,53はピストンロッド,
54及び54′はピストンリング,55は潤滑油流下方
向を示す矢印,56は冷媒ガスである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外径面と内径面とこれらに規定される両端
    面とを有するピストンリングと,前記ピストンリングを
    装着するピストン溝を有するピストン本体とを備え,前
    記ピストンリングは,前記ピストンに装着する前には,
    前記内径面の直径が前記ピストン溝の溝径よりも小さい
    ものであり,前記両端面が円錐面となり且つ前記外径面
    が前記ピストン本体の軸方向一側を向くとともに前記内
    径面が前記軸方向他側に向いた姿勢で前記ピストン溝に
    装着され,前記ピストンリングがシリンダ壁を摺動しな
    がらシリンダ内を往復動する圧縮機のピストンアセンブ
    リにおいて, 前記ピストンリングは,前記外径面及び前記内径面の少
    なくとも一方に,前記端面の一部を含むように切り欠か
    れた切り欠き部を有し,前記切り欠き部を介して,前記
    ピストンリングによって区画される前記シリンダ内空間
    に,ブローバイガス力による潤滑油経路を形成すること
    を特徴とする圧縮機のピストンアセンブリ。
JP1060480A 1988-12-02 1989-03-13 圧縮機のピストンアセンブリ Expired - Lifetime JPH0615907B2 (ja)

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