JPH06157465A - 窒素架橋テトラヒドロイソキノリン - Google Patents

窒素架橋テトラヒドロイソキノリン

Info

Publication number
JPH06157465A
JPH06157465A JP5009472A JP947293A JPH06157465A JP H06157465 A JPH06157465 A JP H06157465A JP 5009472 A JP5009472 A JP 5009472A JP 947293 A JP947293 A JP 947293A JP H06157465 A JPH06157465 A JP H06157465A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
lower alkyl
compound
substituted
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5009472A
Other languages
English (en)
Inventor
Donald M Demko
エム デムコ ドナルド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anaquest Inc
Original Assignee
Anaquest Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anaquest Inc filed Critical Anaquest Inc
Publication of JPH06157465A publication Critical patent/JPH06157465A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D217/00Heterocyclic compounds containing isoquinoline or hydrogenated isoquinoline ring systems
    • C07D217/12Heterocyclic compounds containing isoquinoline or hydrogenated isoquinoline ring systems with radicals, substituted by hetero atoms, attached to carbon atoms of the nitrogen-containing ring
    • C07D217/18Aralkyl radicals
    • C07D217/20Aralkyl radicals with oxygen atoms directly attached to the aromatic ring of said aralkyl radical, e.g. papaverine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • A61P21/02Muscle relaxants, e.g. for tetanus or cramps

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性発現が速く、持続性が短く、かつ回復性
が良いという特徴を有する筋肉弛緩剤窒素架橋テトラヒ
ドロイソキノリンを提供することにある。 【構成】N,N'- ジメチル-N,N'-3,11- ジオキサ-4,10-ジ
オキソ-7- イソプロピル-7- メチル-7- アゾニアトリデ
シレン-1,13-ビス- テトラヒドロパパベリニウムトリブ
ロミド、N,N'- ジメチル-N,N'-4,10- ジオキサ-3,11-ジ
オキソ-7- イソプロピル-7- メチル-7- アゾニアトリデ
シレン-1,13-ビス- テトラヒドロパパベリニウムトリブ
ロミド、N,N'- ジメチル-N,N'-4,10- ジオキサ-3,11-ジ
オキソ-7- イソプロピル-7- メチル-7- アゾニアトリデ
シレン-1,13-ビス- [1',2',3',4'-テトラヒドロ-6',7'
- ジメトキシ-1-(3",4",5"- トリメトキシベンジル)イ
ソキノリニウム]トリブロミド、及びこれらの類縁体、
並びにそれらの光学活性体、それらのメソ体、それらの
シス−トランス異性体及びそれらのラセミ体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2つのエステル結合及び
1つの窒素原子、好ましくは第4級の窒素を含む架橋に
よって結合されている新規なビス−テトラヒドロイソキ
ノリンに関する。これらの化合物は有益な特性を有する
筋肉弛緩剤である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般的
に,構造
【0003】
【化7】
【0004】によって表されるビス−1−ベンジル−テ
トラヒドロイソキノリンは、当分野で公知の化合物の類
である。上記の式において、Xは典型的には水素或いは
メトキシの様な低級アルコキシを表し、Rは水素、低級
アルコキシ或いは低級アルキルである。或る場合には、
窒素は4級の窒素であっても良い。上記の式において、
“架橋”によって表される結合構造は、構造
【0005】
【化8】
【0006】を有する初期の筋肉弛緩剤ラウデキシウム
と同様にメチレン結合であることも可能である。この群
の最近の化合物において、一般的に架橋はエステル結合
を典型的に含む炭素−酸素構造である。Taylorら、米国
特許第3,004,031 号、1961年10月10日発行にお
いては、架橋は-(CH2)m -O.CO-(CH2) n -CO.O-(CH2) m
-(式中mは2あるいは3であり、nは0から4である)
である。El-Sayadら、米国特許第4、701、460 号、198
7年10月20日発行においては、mが3であり、nが
2である同様の架橋が開示されている。市販の筋肉弛緩
剤アトラキューリウムの構造は、架橋が -(CH2)2 -CO-O-(CH2)5-O-CO-(CH2)2- であることを除き、上述のラウデキシウムについて示し
た構造と同じである。
【0007】Stenlakeら、米国特許第4,179,507 号、1
979年12月18日発行においては、架橋はA.CO.O.
L.O.CO.B-(式中A及びBは1から3個の炭素アルキレ
ン鎖であり、Lは2から12個の炭素アルキレン鎖或い
は-R-O-R- であり、各Rは少なくとも2個の炭素原子を
有し、総炭素原子数は11を越えない)として定義され
ている。Savareseら、米国特許第4,192,877 号、198
0年3月11日発行及び同第4,235,906 号、1980年
11月25日発行においては、上記の一般式(式中、架
橋は
【0008】
【化9】
【0009】であり、B及びCはオルト或いはパラのど
ちらかであり、-(CH2)m -C-CO-(CH2) n 及び-W-C-CO-(CH
2) n - であり、Wは-CH2- 或いはCH=CH-である)の化
合物が開示されている。Swaringen, Jr.ら、米国特許第
4、761、418 号、1988年8月2日発行においては、架
橋が -(CH2)3-O-CO-CH2-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CO-O-(CH2)3- である上記の式の化合物が開示されている。一般に、先
に参照として引用した特許に記載されている化合物は、
ヒトを含む哺乳動物の骨格筋を弛緩させるような神経の
遮断剤である。
【0010】2番目に当分野で公知の群に属する或る種
の化合物が筋肉弛緩活性を有することが見いだされてい
る。これらは式
【0011】
【化10】
【0012】(式中R及びR’はアルキル基であり、同
じ基もしくは異なる基であっても良く、m及びnは一般
に1から3であり、An- は陰イオンを表す)によって
表されるような直鎖状のトリオニウム、テトラオニウ
ム、ペンタオニウム,ヘキサオニウム化合物である。
【0013】何年もの間、高い効力を有する骨格筋弛緩
剤が絶えず探索されてきた。このことは、一定の治療上
の反応を引き出すために、より少量の化合物を使用する
ことが、副作用の発生率や重度を相応じて低減させるの
で有利である、という思想に本来は基づいていた。しか
しながら最近では、効力の増加には、通常活性の発現の
遅延、一度始まった活性の持続を伴うことがわかってき
た。従って、求められるものは、均衡のとれた特性、す
なわち素早い活性発現、比較的短い活性期間、良い回復
力を組み合わせた適切な効力を有する化合物及び有効な
心臓血管像である。本発明はこのような化合物を提供す
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明により、一般式
【0015】
【化11】
【0016】(式中Aは、-CO-O-或いは-O-CO-であり、
Mは(CH2) n -Z-(CH2)n - 或いは
【0017】
【化12】
【0018】であり、Zは3級或いは4級の窒素であ
り、RはC1-3 アルコキシ基であり、或いは隣接してい
るRはメチレンジオキシ基であり、R1 は低級アルキル
基であり、nは1から6であり、mは2或いは3であ
り、pは1から3であり、X- は薬学上許される陰イオ
ンである)によって表されるビス−テトラヒドロイソキ
ノリン化合物が提供される。
【0019】本発明の新規なビス−テトラヒドロイソキ
ノリン化合物は、非常に望ましい筋肉弛緩特性を有す
る。一般に神経筋遮断剤は非脱分極性及び脱分極性の2
つのタイプのものである。非脱分極性の筋肉弛緩剤の例
にはd−ツボクラリン、パンクロニウムガラミン、アト
ラキュリウム、ジアリルトキシフェリン及びトキシフェ
リンが含まれる。脱分極性の神経筋遮断剤の例にはスク
シニルコリン及びデカメトニウムが含まれる。一般に非
脱分極性の筋肉弛緩剤は、例えば1から3時間の長い作
用期間を有する。このことは、1時間以内の外科処置に
は明らかに不利であり、なぜならば処置の最終段階にお
いて患者が薬剤の影響から十分回復するまで患者の呼吸
を補助し続ける必要があり得るからである。非脱分極性
の筋肉弛緩剤は、頻脈及び高血圧症のような副作用を有
することが知られている。
【0020】非脱分極性剤が抗コリンエステラーゼ活性
を有する化合物で拮抗される一方、拮抗剤自身はアトロ
ピンの様な抗コリン作用剤で中和されるような副作用を
典型的に生じさせる。従って第2の、恐らくは第3の治
療剤が患者に投与されなければならない。1群の脱分極
性神経筋遮断剤は非可逆的であると認められている。或
る場合には、それらは、眼内の圧迫、胃内の緊張、心性
不整脈、カリウムの遊離及び筋肉痛の様な副作用を引き
起こす可能性がある。またそれらは、作用期間において
も非脱分極性薬剤よりかなり短い。
【0021】本発明の非脱分極性神経筋遮断剤は、例外
的に均衡のとれた特性を有し、そのためにいかなる時間
をも要する外科的処置用、特に短時間の処置用の筋肉弛
緩剤として有用である、という点で有利である。主題化
合物は素速い活性発現、短い活性期間、急速な回復及び
最少限の心血管への影響をもって特徴づけられる。それ
らは、いかなる時間を要する外科処置での使用に適する
が、特に気管の挿管の様な30分以下の短時間の処置に
適する。本発明の新規なビス−テトラヒドロイソキノリ
ン化合物は式
【0022】
【化13】
【0023】により表され、これらの光学活性体、これ
らのメソ体、シス−トランス異性体及びこれらのラセミ
体を含む。(式中Aは-C-CO-或いは-O-CO-を表し;Mは
-(CH2)n -Z-(CH2)n - 或いは
【0024】
【化14】
【0025】であり;RはC1-3 アルコキシ基であり、
或いは隣接しているRがメチレンジオキシ基であり;R
1 は低級アルキル基であり;Zは-N+ (R2R3)-,-N(R4)-、
-N(CO-Y)- 及び-N[(CH2)n -A-R5]- から成る基から選ば
れ、R2 及びR3 は、鎖内の炭素原子の1つがN、S及
びOから成る群より選ばれたヘテロ原子によって置換さ
れても良い低級アルキル;低級シクロアルキル;低級シ
クロアルキル低級アルキル;アリール;アリール低級ア
ルキル;4から6員の複素環から成る基から独立に選ば
れ、或いはMが-(CH2)n -Z-(CH2)n - である場合には、
2 及びR3 は、それらが結合されている窒素と一緒に
4から6員の複素環を形成し;R4 は鎖内の1個以上の
炭素原子がN、S及びOから成る群から選ばれたヘテロ
原子によって置換されても良い直鎖或いは分枝鎖C1-10
アルキル基;置換されたもしくは置換されていない低級
シクロアルキル基;置換されたもしくは置換されていな
い低級シクロアルキル低級アルキル基;置換されたもし
くは置換されていないアリール基;置換されたもしくは
置換されていない4から6員の複素環;或いは-(CH2)n
-O-CO-R1であり;R5 は低級アルキル或いは低級アルケ
ニルであり;Yは水素、鎖内の1個以上の炭素原子が
N,S及びOから成る群より選ばれたヘテロ原子によっ
て置換されても良い低級アルキル;低級アルコキシ;ア
リール;アリールオキシ;低級シクロアルキル;低級シ
クロアルキル低級アルキル;4から6員の複素環;或い
は-NR2R3であり;X- は薬学上許される陰イオンであ
り;mは2または3であり;nは独立に1から6であ
り;pは1から3である)
【0026】上記の式Iにおいて、Rは好ましくはメト
キシであり、或いは隣接しているRがメチレンジオキシ
であり;R1 は好ましくはメチル或いはエチルであり、
メチルが特に好ましく;R2 及びR3 はそれらが低級ア
ルキルである場合にはイソプロピル或いはエチルである
ことが好ましい。特にことわらない限り、本明細書で用
いる“低級アルキル”或いは“低級アルケニル”という
用語は1から6個の炭素原子を含む直鎖或いは分枝鎖炭
化水素基を示す。この定義は特に定義しない限り低級ア
ルコキシ基のアルキル部分にも同様に適用される。本開
示で用いる用語“低級シクロアルキル”は3から6個の
炭素原子を含む環状炭化水素基を示す。用語“ハロゲ
ン”は全ての4種のハロゲンを示し、フッ素及び塩素が
好ましい。
【0027】上記の式IにおけるR4 及びYの意味につ
いては、アルキル鎖の1個以上の炭素原子がヘテロ原子
で置換されても良い場合、窒素及び酸素が特に好まし
い。例えばR4 は-(CH2)2-NH-(CH2)2-CH3 基であっても
良いし、Yは-CH2-O-C2H5 基などであっても良い。
4 、Y、R2 及び/或いはR3 が複素環であっても良
い場合、このような環は4から6員で構成されても良
く、N、S及びOから選ばれた1個以上のヘテロ原子を
含んでも良い。R2 およびR3 が複素環を形成するため
に結合している場合、このような環は少なくとも1個以
上の窒素原子を含まなければならないと定義される。適
切な複素環の例には、アゼチジにル、ピロリル、ピペリ
ジル、ピラジル、モルホリル、ピリミジル、トリアゾリ
ル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニ
ル、チエニル、等が含まれる。上記の式Iにおけるこれ
らの複素環は、シクロアルキル基或いは例えばフェニル
基、ナフチル基のようなアリール基と同様に、好ましく
は低級アルキル、ハロゲン化した低級アルキル、低級ア
ルコキシ、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシ及びアシルオ
キシから成る群から選ばれた1個以上の置換基で置換さ
れても良い。好ましい複素環には、アゼチジニル、ピロ
ジニル、チエニル、フラニル及びピペリジルが含まれ
る。
【0028】上記の式Iにおいて、X- によって表され
る薬学上許される陰イオンは、例えば塩化物イオン、臭
化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等の無機陰イオ
ン及び酢酸イオン、シュウ酸イオン、トリフルオロ酢酸
イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、ベンゼンスル
ホン酸イオン(ベシレート)、メタンスルホン酸イオン
(メシレート)、トルエンスルホン酸イオン(トシレー
ト)等の有機陰イオンを含む。本発明により薬学上許さ
れる特に好ましい陰イオンは、臭化物イオン、塩化物イ
オン及びベシレートである。本発明の化合物の好ましい
群において、上記の式IにおいてRはメトキシであり、
1 はメチルであり、nはベンジル環においては2或い
は3であり、その他においては2であり、Zは4級窒素
であり、即ちZは-N+ (R2R3)- であり、mは3である。
この群の中でR2 及びR3 の1つが低級アルキルである
該化合物が特に好ましい。
【0029】本発明の化合物の別の好ましい群におい
て、上記の式IにおけるRはメトキシであり、R1 はメ
チルであり、nはベンジル環においては2或いは3であ
り、その他においては2であり、mは2であり、Zは-N
C(R4)-であり、式中、R4 は低級アルキル或いは-(CH2)
n -O-CO-R1基、特にターシャリーブチル或いは2−アセ
トキシエチルである。化合物の更に好ましい群におい
て、m,n,R及びR1 は上述の定義と同じであり、Z
は-N(CO-Y)- であり、式中、Yはアリールオキシ、アル
コキシ或いは水素である。この群の中で特に好ましい化
合物はYがメトキシ、ベンジルオキシ或いは水素である
化合物である。
【0030】本発明の化合物は様々な方法で製造可能で
ある。一般に上記の式Iの化合物は式 HO-(CH2)n -NR'-(CH2)n -OH (式中、nは1から6であり、R’は上述の定義と同じ
2 ,R3 或いはR4 である)によって表されるアミン
ジオールを、塩化アクリロイルと反応させて、相当する
ビス−アクリレートを生成させ、該アクリレートをその
後以下の反応スキーム:
【0031】
【化15】
【0032】に従って所望のベンジル−テトラヒドロイ
ソキノリンと反応させてビス−アミンを生成させ、ビス
−アミンをその後式R1-Hal(式中、R1 は上記の定義と
同様であり、Halはハロゲン、好ましくは臭素を表
す)によって表される通常のアルキル化剤と反応させる
ことによって製造できる。Zが-N+ (R2R3)- であり、R
2及びR3 の1つが低級アルキルである場合に上記の式
Iの化合物が生成される。上記の反応はMが-(CH2)n -Z
-(CH2)n である主題化合物の製造を具体的に説明したも
のであるが、またMが
【0033】
【化16】
【0034】である化合物にも適用できる。上記の反応
において、窒素架橋する前に環窒素が4級化することが
見いだされた。従って、反応条件を制御することにより
Zが-N+ (R2R3)- 以外である式Iの化合物を生成させる
ことが可能であり、例えば反応はヨウ素よりも臭素でゆ
っくりと進行することから、架橋窒素の4級化が始まる
前に反応を停止することが可能である。架橋窒素に結合
している或る種の置換基が4級化を防ぐことも見いださ
れた。これらの例にはターシャリーブチル及び-CH2-CH2
-O-CO-CH3 が含まれる。対照的に、ヨウ素、例えばR1-I
を用いると、反応はより急速に進み、架橋窒素の4級化
が容易に起こる。
【0035】上記の反応スキ−ムにおいて、塩化アクリ
ロイルとアミノ−ジオールとの反応は、トリエチルアミ
ン、4−ジメチルアミノピリジン等の如き有機塩基の存
在下で、例えば0℃から25℃の低温で行われる。得ら
れたビスアミンと所望の1−ベンジル−テトラヒドロイ
ソキノリンとの反応は例えばパラキシレン、トルエン等
の如き適切な有機溶媒の存在下で例えば118℃から1
35℃、好ましくは125℃から130℃の昇温下で行
われる。生成物は典型的にはフラッシュクロマトグラフ
ィーによって回収される。ビス−アミンの4級化は、ア
セトニトリル、塩化メチレン等の如き有機溶媒の存在下
で行われる。室温でおよそ3日間、アルキル化剤として
臭化メチルを使用すると、環窒素及び架橋窒素の両者に
4級化が起こる。環窒素及び架橋窒素の4級化はヨウ化
メチルで約24時間以内に達成できる。
【0036】また、上記のアミンジオールを式Hal-(C
H2) n -COOH (式中、nは上記の定義と同じであり、H
alはハロゲン、好ましくは臭素である)によって表さ
れる化合物と反応させて式; Hal-(CH2) n -CO-O-(CH2) n -NR'-(CH2)n -O-CO-(CH2) n -Hal (式中R’は上記の定義と同じである)によって表され
る化合物を得ても良い。この化合物をその後、所望のベ
ンジル−テトラヒドロイソキノリンと反応させて、ビス
−アミンを生成させ、ビス−アミンはその後上記のよう
に4級化される。また、所望の1−ベンジル−テトラヒ
ドロイソキノリンを好ましくはアセトニトリル或いは塩
化メチレンの様な有機溶媒の存在下で、約50℃の様な
緩やかな加熱下で、以下の反応スキームに従って臭化ア
ルカノールと反応させて相当するアルカノールを生成さ
せ、次にアルカノールを上記の様に塩化アクリロイルと
反応させてアクリレートを生成させる。
【0037】
【化17】
【0038】(式中、nは1から6である)上記反応ス
キームにおいて生成する所望の1−ベンジル−テトラヒ
ドロイソキノリンアルカノールを式BR-(CH2)n -COOH に
よって表されるブロモ酸と反応させて式
【0039】
【化18】
【0040】によって表される化合物を生成させても良
い。上記の中間体、即ちブロモエステル或いはアクリレ
ートのどちらか一方を、その後、式R'-NH2(式中R’は
上記の定義と同様である)によって表される適当なアミ
ンと反応してビス−テトラヒドロイソキノリンを生成
し、ビス−テトラヒドロイソキノリンをその後上記のよ
うに4級化する。
【0041】主題化合物中の環窒素の4級化は新しい不
斉中心を生じる。4級化工程は完全なジアステレオ選択
性を欠いているので、得られる化合物はジアステレオマ
ーの混合物である。それ故、本発明はこれらの化合物の
全ての光学活性体、及びこれらの組み合わせを含むだけ
でなく、これらのラセミ体及びメソ体を含む。架橋の両
端のテトラヒドロイソキノリン部分中に不斉中心があ
り、かつ1−ベンジル基と架橋との間の配置関係は独立
にシス或いはトランスであるので、これらの化合物は全
てトランス、全てシス、シス−トランス、トランス−シ
スであってもよい。主題化合物の配置関係に関する限
り、トランス−トランス関係が好ましい。
【0042】光学活性の1−ベンジルテトラヒドロイソ
キノリンの利用は1位に於ける固定された立体化学のた
めに潜在的なジアステレオマーの数をかなり減少するこ
とが認められる。光学活性のテトラヒドロイソキノリン
は、酒石酸誘導体の如き適当な有機酸化合物による遊離
塩基の分割により、既知の操作により調製される。潜在
的なジアステレオマーの数の更なる減少は、架橋窒素が
対称である場合に実現される。従来の技術に説明された
Stenlakeら、及びEl-Sayadらの特許のような特許刊行物
は、テトラヒドロイソキノリンの4級化の好ましい方向
は1−アルキル置換基の反対側からであることを教示し
ている。4級化がメチル基により行われる場合、主異性
体中の架橋結合に対する1−ベンジル置換基の配置関係
がシスである化合物が生成される。一方、N−メチルテ
トラヒドロイソキノリンがハロアルカノール或いはその
他の更に大きな基で4級化される場合、優位を占める配
置関係はトランスである。典型的には、約3:1 〜約5:1
の比のトランス異性体とシス異性体の混合物が通常得ら
れる。
【0043】従来、これらの異性体を分別結晶化により
分離しようとする努力は一貫した結果を生じず、しかも
物質のかなりの損失を生じた。本発明によれば、シスア
ルカノールクオート(quat)及びトランスアルカノールク
オートがモノメチルビフェニル酸或いは同様の酸、例え
ば、2−フェニル安息香酸のそれらのエステル、或いは
それらの相当するアミドのクロマトグラフィーにより有
効に分離し得る方法が提供される。これらのエステルは
二つの合成の一つにより調製し得る。
【0044】下記のスキームに示される第一の合成にお
いて、N−メチルテトラヒドロイソキノリンのアルカノ
ール4級化合物がジシクロヘキシルカルボジイミドの如
き活性化剤或いはカップリング剤の存在下でビフェニル
酸モノメチルエステルと反応させられる。ジフェニル酸
モノメチルエステルは相当する酸無水物とメタノールの
反応によるような通常の手段により生成し得る。同様
に、4級化合物は通常N−メチルテトラヒドロイソキノ
リンと式X-CH2-(CH2) n -OH(式中、Xはハロゲンであ
り、かつnは1〜3である)により表される化合物の反
応により生成し得る。
【0045】
【化19】
【0046】下記のスキームに示される第二の合成にお
いて、モノメチルビフェニル酸エステルのハロエチルエ
ステルが最初に生成され、そしてN−メチルテトラヒド
ロイソキノリンがそれにより直接4級化される。いずれ
かの合成により生成されたシス異性体とトランス異性体
の分離は、メタノール、酢酸エチル及びトリフルオロ酢
酸の溶離を使用して、例えば、シリカゲルカラムによる
クロマトグラフィーにより容易に行われる。溶離剤の成
分であり得るその他の溶媒は、その他の低級アルカノー
ル、例えば、エタノール及びイソプロパノール、有機
酸、例えば、酢酸、及び無機酸、例えば、硫酸を含む。
単離され、精製されたエステルは、例えば、エタノール
中の水酸化ナトリウムの如きアルコール性塩基を使用し
て容易に加水分解される。
【0047】
【化20】
【0048】下記のスキームに示されるように、シスア
ルカノール4級化合物或いはトランスアルカノール4級
化合物のいずれかと架橋部分のアミンジ酸のカップリン
グは、前記のようにアルコールと酸をカップリングさせ
る通常の方法により容易に行われる。この方法により、
テトラヒドロイソキノリン部分の1位及び4級窒素、2
位に於ける立体化学を調節することが可能である。それ
故、本発明によれば、単一異性体を精製形態で得ること
が可能である。
【0049】
【化21】
【0050】本発明の化合物は、静脈投与、筋肉投与、
或いは皮下投与により非経口的に投与できる。主題化合
物を含む組成物用の適切な薬剤担体には、例えば等張
水、注射用滅菌水(USP)が単独で、或いはエタノー
ル、プロピレングリコールのような他の溶剤、或いはエ
マルフォー(Emulphor 、商標) 、クレモフォー(Cremoph
or、商標)-EL等の当業者に周知の従来の溶剤との組み合
わせで含まれる。また主題化合物を含む滅菌溶液或いは
懸濁液には、以下の補助剤:注射用水のような滅菌希釈
液、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グ
リセリン、プロピレングリコール、或いは他の合成溶
媒;ベンジルアルコール或いはメチルパラベンのような
抗菌剤;アスコルビン酸またはメタ重亜硫酸のような酸
化防止剤、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)の様な
キレート剤、酢酸、クエン酸或いはリン酸のような緩衝
液、及び塩化ナトリウム或いはデキストロースの様な張
度調製剤を含んでも良い。好ましい製剤は、pHがおよ
そ4に緩衝された本発明の化合物の水溶液である。非経
口投与用の製剤は、アンプル、使い捨ての注射器、或い
は再使用可能なガラスまたはプラスチック製の投薬用バ
イアルに調合されても良い。
【0051】本発明の化合物は、所望の筋肉弛緩剤とし
ての治療効果を提供するための有効量で、動物或いは人
のような哺乳類への投与が可能である。化合物の活性及
び所望の治療効果の度合いが変わるために、用いられる
化合物の投与水準も変化する。実際の投与量も、患者の
体重及び特別な患者の個々の過敏症といったような一般
的に認められている因子によって決められる。この様に
特定の患者(ヒト)用の投与単位は体重1Kg当たり約1
mgという様に低く、開業医は所望の効果が得られるまで
加減しても良い。投与を容易にし、投与量を均一化する
為に、主題化合物を投与単位形態に調製することが有利
である。典型的な非経口投与用組成物は、本発明の化合
物を少なくとも約0.1重量%含むが、この量は本発明
による化合物の約0. 1重量%から50重量%の間で変
化しても良い。本発明の化合物の正確な量がそのような
組成物中に存在するということは、適切な投与単位水準
が得られるということである。本発明の化合物は、好ま
しくは静脈内に投与され、初回投与量は一般に約1. 3
5mgから約2. 75mgの範囲であり、好ましくは患者の
体重Kg当たり約1. 95mgからである。この投与量は挿
管法に必要な典型的な投与量であり、ED90投与と定義
される。この初回投与が行われたのち、外科的な処置の
間中、筋肉の弛緩を維持する為に、より少量の投与量が
注射或いは注点滴のどちらか一方によって静脈内に投与
される。初回静脈内に投与される容量は、典型的には約
3mlから約7mlであり、この投与体積は約3秒から約1
0秒の期間にわたって注射される。本発明は、本発明の
化合物及び組成物の製造を説明するために提供する以下
の実施例によって更に具体的に説明されるが、それに限
定されるものではない。
【0052】
【実施例】実施例1 本実施例はアミン−ジオールと塩化アクリロイルとの反
応によるビス−アクリレートの製造を具体的に説明す
る。ジヒドロキシエチル−イソプロピルアミン(15.
06g 、102. 3mmol)をジクロロメタン(210m
l)中で、トリエチルアミン(45. 6ml、327.35
mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(1. 26g 、
10. 23mmol)と合わせた。混合物を冷却し、ジクロ
ロメタン(75ml)中の塩化アクリロイル(1. 26g
、102. 23mmol)の溶液を30分間にわたってそ
れに滴加した。混合物を室温まで暖め、21時間撹拌し
続けた。水(125ml)を添加し、更に10分間撹拌し
続け、その後混合物をエーテル(375ml)で抽出し
た。抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して油状
物を得、その油状物を溶出液としてヘキサン/酢酸エチ
ル(97/3)を用いてシリカゲルによるフラッシュク
ロマトグラフィーを行った。6リッターの溶出液を使用
した後、その混合比を90/10に変えることによって
溶出液の極性を増加させた。透明な油状物として、16
g (62%)のイソプロピル−ジ(アクリルイルエチ
ル)アミンを得た。
【0053】実施例2 本実施例は1−ベンジル−テトラヒドロイソキノリン
ビスアミンの製造を具体的に説明する。ラセミ体のシュ
ウ酸テトラヒドロパパベリン(2.0g 、4.61mmo
l)を30mlの水に懸濁し、水酸化アンモニウムで約p
H9に合わせた。混合物を100mlのクロロホルムで希
釈し、15分間撹拌して液層を分離し、更に水層を10
0mlのクロロホルムで抽出した。合わせた有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥させ濃縮した。得られた遊離塩基を
6.0mlのp −キシレンに溶解し、実施例1で生成した
イソプロピル−ビス−(アクリルイルエチル)アミン
(0. 54g 、2. 10mmol)と合わせた。混合物を1
30℃で3日間撹拌し続けた。その後溶媒を除去し、粗
反応混合物について酢酸エチルを用いたシリカゲルによ
るフラッシュクロマトグラフィーを行い、1. 15g
(55%)の純粋なイソプロピル−ジ−2−[3−(N
−テトラヒドロパパベリニル)−プロピオニル]エチル
アミンを得た。
【0054】実施例3 本実施例は実施例2で生成したようなタ−シャリ−アミ
ンの4級化を具体的に説明する。実施例2で生成したイ
ソプロピル−ビス−2−[3−(N−テトラヒドロパパ
ベリニル)−プロピオニル]エチルアミン(1. 15g
、1. 16mmol)を15mlのアセトニトリルに室温で
溶解した。過剰のヨウ化メチル(4. 5ml)を1回で添
加し、混合物を22時間撹拌した。その後反応混合物を
250mlのエーテルに滴加し、得られた沈澱物をブフナ
ー漏斗で吸引ろ過した。フィルターケーキを200mlの
エーテルで洗浄し、30分間減圧下に置き、20mlの塩
化メチレンに溶解して250mlのエーテルに再沈澱させ
た。沈澱物を回収して前記と同様に洗浄し、減圧下で乾
燥させた。固形物を減圧オーブン中で、65℃にて16
時間乾燥させ、1. 37g (81%)のイソプロピル−
メチル−ビス−2−[3−(N−テトラヒドロパパベリ
ニウム)−プロピオニル]エチルアンモニウムトリヨー
ジドを灰白色の固体として得、その融点は142−14
5℃であり、構造はNMR(270MHZ、CDCl3 )に
より確認された。
【0055】実施例4−40 一般式
【0056】
【化22】
【0057】(式中nは2である)の構造を有する化合
物を、実施例1から3の方法に従い製造した。 実施例 R R' 収率(%) 融点( ℃) 4 OCH3 CH3 82 141-155 5 H CH3 83 132-145 6 H n-C4H9 78 134-138 7 H C2H5 83 127-136 8 OCH3 n-C4H9 95 125-132 9 OCH3 C2H5 90 120-133 10 H (CH2)2COOCH3 83 121-144 11 OCH3 (CH2)2COOCH3 82 132-145 12 H i-C3H7 81 142-145 13 OCH3 i-C3H7 75 142-145 14 OCH3 (CH2)2OCOCH=CH2 88 109-136 15 H (CH2)2OCOCH=CH2 86 105-134 16 OCH3 CH2Ph 96 77-99 17 H CH2Ph 74 70-92
【0058】以下の化合物は架橋窒素に於いて4級塩を
生成しなかった。 実施例 R R' 収率(%) 融点( ℃) 18 H t-C4H9 76 78-84 19 OCH3 t-C4H9 83 129-133 20 H (CH2)2OCOCH3 96 94-111 21 H (CH2)2OCOCH3 86 91-108
【0059】架橋窒素に於ける置換基が-CO-Y である以
下の化合物も、架橋窒素に於いて4級塩を生成しなかっ
た。 実施例 R R' Y 収率(%) 融点( ℃) 22 H H PhCH2O 96 120-140 23 OCH3 H PhCH2O 75 130-138 24 OCH3 OCH3 PhCH2O 82 110-120 25 H H H 74 122-134 26 OCH3 H H 73 116-122
【0060】以下の化合物は光学的に活性なテトラヒド
ロイソキノリンから製造され、従って光学的に活性であ
る。 実施例 R R' 収率(%) 融点( ℃) [α]o 27 H C2H5 73 140-142 (+)55.2 °(1.00,CHCl3) 28 H i-C3H7 70 142-143 (+)58.9 °(1.08,CHCl3) 29 H i-C3H7 90 142-143 (-)58.1 °(1.04,CHCl3) 30 H C2H5 89 141-142 (-)59.3 °(1.04,CHCl3) 31 OCH3 i-C3H7 89 137-138 (-)56.1 °(1.32,CHCl3) 32 OCH3 C2H5 88 136-137 (-)56.1 °(1.30,CHCl3)
【0061】以下の化合物は、最初に上述で示した式に
よって表される化合物を具体的に説明するものであり、
架橋中のnは2以外を意味する。これらの化合物もまた
光学的に活性である。 実施例 R n 立体配置 収率(%) 融点( ℃) [ α]o 33 i-C3H7 3 S 93 142-150 +58.5 34 C2H5 3 S 93 139-145 +56.3 35 i-C3H7 1 R 92 138-146 -56.4 36 i-C3H7 1 S 92 134-138 +56.1 37 C2H5 1 R 91 134-136 -45.3 38 C2H5 1 S 80 130-132 +55.0 39 i-C3H7 4 S 69 100-102 +54.0 40 i-C3H7 5 S 70 115-118 +58.1
【0062】実施例41 本実施例は式
【0063】
【化23】
【0064】(式中Halは臭素であり、nは2であり、
R’はイソプロピルである。)によって表される化合物
の製造を具体的に説明する。適切な容器中で、25mlの
塩化メチレン中で、4−ブロモ酪酸(5. 0g 、0. 0
3mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0. 2g )及
びジシクロヘキシルカルボジイミド(6. 18g 、0.
03mmol)を合わせ入れた。この混合物に、10mlの塩
化メチレンに溶かしたN−イソプロピルジエタノールア
ミン(2. 0g 、0. 015mmol)の溶液を滴加した。
得られた発熱性混合物を48時間撹拌し、ろ過、濃縮を
行い、溶出液としてヘキサンと酢酸エチルの80:20
混合物を用いたシリカゲルによるMPLCクロマトグラ
フィーにより生成物を精製した。3. 6g のイソプロピ
ル−ジ−[2−(3−ブロモプロピオニル)−エチル]
−アミンを得た。
【0065】実施例42 実施例2に従って製造した(+/−)−テトラヒドロパ
パベリン(1. 50g、4. 4mmol)の遊離の塩基を、
10mlのアセトニトリル中で、実施例41で製造したタ
ーシャリーアミン(0. 93g 、2. 0mmol)と合わせ
た。得られた混合物を40mlのアセトニトリルに溶かし
た炭酸カリウム(2. 25g 、16. 3mmol)溶液に滴
加した。混合物を50℃で16時間保持し、室温まで冷
却して15mlの水と合わせ、100mlのエーテルで2回
抽出した。合わせたエーテル抽出物を15mlの水で2回
洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させてから濃縮した。酢
酸エチルを用いて、シリカゲルによるMPLCクロマト
グラフィーによって精製を行い、1. 10g の純粋なイ
ソプロピル−ジ−2−[3−(N−テトラヒドロパパベ
リニル)−プロピオニル]エチルアミン及び0. 80g
の混合画分を得た。精製した生成物を実施例3の方法に
従って4級化した。
【0066】実施例43 本実施例は1−ベンジル−テトラヒドロイソキノリン−
アルカノールの生成により、本発明の化合物の製造を具
体的に説明する。実施例2に従って生成した(+/−)
−テトラヒドロパパベリン(2. 70g、7. 86mmo
l)の遊離の塩基を20mlのアセトニトリル中で炭酸カ
リウム(4. 35g 、31. 45mmol)及び2−ブロモ
プロパノール(1. 47g 、11.79mmol)と合わせ
た。混合物を50℃で48時間加熱し、室温まで冷却し
て炭酸カリウムをろ去した。ろ液を100mlのエーテル
で希釈し、20mlの水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥
させ、濃縮した。クロマトグラフィーにより2. 30g
の2−(1−ヒドロキシエチル)−テトラヒドロパパベ
リンを得た。
【0067】実施例44 適切な容器中で、実施例43で生成したアルカノール
(2. 30g 、5. 94mmol)、トリエチルアミン
(0. 96g 、9. 50mmol)及び4−ジメチルアミノ
−ピリジン(触媒として)を15mlの塩化メチレン中で
合わせた。混合物を氷浴で冷却し、5mlの塩化メチレン
中の塩化アクリロイル(0. 60g 、6. 25mmol)を
滴下処理した。混合物を室温まで暖め、その後21時間
撹拌した。反応混合物を5mlの水と合わせ、30mlのエ
ーテルで2回抽出し、乾燥させ、濃縮した。シリカゲル
によるクロマトグラフィー精製を行い、1. 00g の2
−(1−アクリロイルエチル)−テトラヒドロパパベリ
ンを得た。上述で得たアクリレート(1. 50g 、3.
40mmol)を過剰のイソプロピルアミン(5. 00ml、
58. 70mmol)と合わせて無溶媒で18時間室温で撹
拌した。過剰のイソプロピルアミンを減圧下で除去し
た。別の当量(1. 50g 、3. 40mmol)の上記アク
リレートを添加した。塩化メチレン(5. 00ml)を添
加して均質な溶液を得た。その後塩化メチレンを蒸留
し、得られた粘性の残留物を無溶媒で95−98℃で5
日間加熱した。酢酸エチルを用いたシリカゲルによるク
ロマトグラフィーを行って、1. 50g のイソプロピル
−ジ−2−[3−(N−テトラヒドロパパベリニル)−
プロピオニル]エチルアミンを得、その後臭化メチルを
用いた実施例3の方法に従って4級化し、N, N’−ジ
メチル−N, N’−3,11−ジオキサ−4,10−ジ
オキソ−7−イソプロピル−7−メチル−7−アゾニア
トリデシレン−1,13−ビス−テトラヒドロパパベリ
ニウムトリブロミドを得、融点は142−144℃、収
率は86%であった。
【0068】実施例45 無水ジフェニル酸(10g、0.045mol)をメタノー
ル30mlに溶解し、一夜還流させた。溶媒を除去し、減
圧で生成物を乾燥させてジフェニル酸モノメチルエステ
ル11.8gを得た。ラウダノシン、2−メチル−テト
ラヒドロパパベリン(10g、0.46mol)及びヨウ化
ナトリウム(7.24g、0.049mol)をアセトン2
50mlに溶解した。この溶液に、ブロモエタノール
(6.09g、0.048mol)を添加し、その混合物を
48時間還流させた。エーテルで沈殿させて[2−メチ
ル−2−(2−ヒドロキシエチル)]−テトラヒドロパ
パベリニウムヨージドの3:1 トランス−シス混合物2
4.39gを得た。
【0069】先に生成したエステル生成物及びヨージド
生成物の等モル量(0.0083mol)並びに4−ジメチ
ルアミノピリジン50mgを塩化メチレン15mlに溶解し
た。ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.88g、
0.009mol)を添加し、その混合物を室温で12時間
攪拌した。その反応混合物をろ過し、沈殿を塩化メチレ
ンで洗浄した。濾液を濃縮してシス及びトランス2−メ
チル−2−エトキシ−[(2−オキソ−2’−カルボキ
シメチル)−ビスフェニル]テトラヒドロパパベリニウ
ムヨージドの粗混合物を得た。その生成物を酢酸エチ
ル、メタノール及びトリフルオロ酢酸の70/30/
0.6混合物を使用してシリカゲルによるクロマトグラ
フィーにより分離した。クロマトグラフィー画分の濃縮
に続いて、残渣を塩化メチレンに個々に溶解し、残留ト
リフルオロ酢酸を重炭酸ナトリウム水溶液で中和した。
シスエステル0.26g及びトランスエステル2.14
gを得た。
【0070】トランスエステル(9.82g)をメタノ
ール20mlに溶解した。70%の水性エタノール中10
重量%の水酸化ナトリウムの溶液を、その溶液が淡いピ
ンクからフェノールフタレイン終点に変わるまで滴下し
て添加した。室温で15分間攪拌した後、生成物を回収
し、クロマトグラフィーにより精製してトランス[2−
メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)]テトラヒドロ
パパベリニウムヨージド3.5gを得た。同様の反応及
び精製をシスエステルについて行った。実施例46 イソプロピル−ビス−(2−カルボキシエチル)アミン
の次亜塩素酸塩(250mg、0.0011mol)を塩化メチレン
10mlに溶解し、N−メチルモルホリン(0.12ml、
0.0011mol)及びペンタフルオロフェノール(408mg、
0.0022mol)と合わせた。ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(454mg、0.0022mol)及び触媒量の4−ジメチルア
ミノピリジンを添加し、その混合物を室温で一夜攪拌
し、次いで60℃で24時間攪拌した。生成物、N,N'-
ジメチル-N,N'-3,11- ジオキサ-4,10-ジオキソ-7- イソ
プロピルアミノ- トリデシレン-1,13-ビス- テトラヒド
ロパパベリニウムジヨージドを、メタノール、酢酸エチ
ル及びトリフルオロ酢酸の62/38/0.06混合物
を使用してクロマトグラフィーにより分離した。トラン
ス−トランス生成物(0.16g)を室温で一夜にわた
ってアセトニトリル(0.5ml)中でヨウ化メチル(1
ml)で4級化した。その生成物をエーテルで沈殿させ、
精製してトランス−トランスN,N'- ジメチル-N,N'-3,11
- ジオキサ-4,10-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メチル
-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス-テトラヒドロパ
パベリニウムトリヨージド0.13gを得た。
【0071】実施例47 本発明の化合物の神経筋接合部遮断活性を説明する為
に、以下のバイオアッセイ法を用いた。この薬理機作を
有する弛緩特性は、外科的な麻酔を行う間、気管内の挿
管及び様々な体腔への到達を促進する為に必要な筋肉群
の収縮を促す為に用いることができた。これらの試験は
それぞれ主題化合物の臨床上の有用性を広く認識させ
た。本発明の化合物が特定の試験において分析されてい
ない場合には、試験されている他の臨床上使用できる薬
との既知の関係に基づいてこのような活性を評価するこ
とができる。
【0072】マウスでの第一段階で、化合物の効力及び
効能の予備的な評価が確立される。動物をスクリーン上
に置き、水平に対して45゜傾けた。有効な投与量によ
ってマウスは握力を失い、傾斜したスクリーンを滑り落
ちた。投与群に於いて試験されるマウスの握力の強さを
100%阻害するために必要とされる投与量(mg/kg体
重)が報告される。試験化合物によって引き起こされる
筋肉弛緩の型が、その後ヒヨコへの注射によって決定さ
れた。シナプス後部のアセチルコリン受容体の拮抗遮断
を引き起こす化合物、すなわち非脱分極性薬は、ヒヨコ
に弛緩性の麻痺を引き起こすが、シナプス後部の筋肉膜
の脱分極性を引き起こす薬は、硬直性の麻痺を引き起こ
す。この試験によって非脱分極性であることが示される
化合物のみが更に試験される。この試験で主題化合物が
非脱分極性の筋肉弛緩剤であることが確立された。
【0073】試験化合物の活性の発現速度及び持続性を
具体的に説明し、効力の範囲を確かめるために、ウサギ
の足の繋れん分析を用いた。この試験で連続4回刺激及
びテタヌスの消滅、硬直後の単収縮の増強作用及び弛緩
を逆転させる抗コリンエステラーゼ薬ネオスチグミンの
投与を観察することによって作用機作も確かめられた。
可逆性、素早い活性の発現及び短い持続性は麻酔科医に
とって重要な因子である。表Iに、本発明の化合物の投
与量を臨床上使用される薬の投与量と比較して示す。臨
床上、0. 1から0. 14mg/kgのベキュロニウムが気
管内挿管の為に使用されるが、弛緩を維持する為には
0. 010mg/kgが使用される。従って主題化合物に適
用されても良い投与量の範囲の概算として、ED90は
挿管投与の為の概算の2倍とされるが、ボーラス投与を
維持する為には、ED90の20から25%の投与量が
必要とされるかもしれない。臨床上の投与範囲は、概算
されたED90の29%から200%であってもよい。
【0074】
【表1】 表 I 神経筋接合部位遮断活性(ED90, mg/kg) マウス パンクロニウム 0.020 0.012 ベクロニウム 0.025 0.017 アトラキューリウム 0.631 0.071 サクシニルコリン 0.200 0.129 実施例7 1.259 1.884 実施例9 0.794 1.782 実施例12 1.259 2.360 実施例13 0.501 2.474 実施例23 1.585 0.532 実施例26 1.000 1.709 実施例27 1.585 2.660 実施例28 1.585 2.190 実施例29 1.995 2.000 実施例30 5.012 1.700 実施例31 6.310 2.930 実施例32 5.012 3.760 実施例44 1.000 1.858
【0075】ウサギに於ける主題化合物の詳細な薬理を
表IIに示す。以下は、主題化合物の神経筋遮断活性を述
べる為にウサギで使用される方法を簡単に記述したもの
である。これらの方法の更に詳細な記述は「ウサギに於
ける活性の発現、持続性及び非脱分極性骨格筋弛緩剤か
らの回復についての測定に於けるマイクロコンピュータ
ーの使用」P.D.ThutらのDrug development Research 5
巻182ページ1985年に提示されている。体重2.
5kgから3. 4kgの間の雄のニュージーランド白ウサギ
をペントバルビタール(30mg/kg)で麻酔し、40℃
の水を満たした温度制御パッドに仰向けに置いた。気管
開口術により200mi/脈拍を導出する解放系を使用
し、室内空気を1分間当たり28呼吸で機械的に肺に通
気した。この通気は38mmHgでp CO2 及び85mmH
gでp O2 が維持された。直接の動脈血圧を、右総頚動
脈から測定した。試験化合物を耳周縁部の静脈に取り付
けたカニューレを通して投与した。脊髄を板のラックに
付け、大腿部を抑えて各前足をクッション付きの板にテ
ープで固定した。筋肉の緊張を測定する為に各足の左中
指を力変換器に接続した。両前腕の肘にある尺骨神経の
両側に取り付けた1対のピン電極によって神経の興奮が
示された。右の尺骨神経を5msec間にHZ1pps で刺激
した。左尺骨神経も不規則な連続4回刺激及び硬直刺激
を加えることによって15秒毎に同様に刺激した。
【0076】表IIに示すパラメーターは、効力(ED9
0)(けいれんの張度をそのコントロール値の10%ま
で落とす為に必要とされる投与量)、開始(T85%)
(注入時から最大限の薬効の85%が達成されるまでの
時間、持続性(注入時から連続4回刺激が75%まで回
復する時間)、血圧(BP)(投薬前血圧の百分率変
化)及び心拍数(HR)(投与前心拍数からの百分率変
化)である。
【0077】
【表2】 表 II ウサギの足の繋れん等有効投与量データ化合物 ED90 T85% 持続時間 BP HR (mg/kg) (秒) (分) (%変化) (%変化) アトラキューリウム 0.050 72.00 13.00 - 3.40 - 1.00 ベクロニウム 0.020 97.30 16.80 1.10 - 1.90 パンクロニウム 0.020 147.50 32.50 2.70 0.00 スクシニルコリン 0.129 44.00 13.60 26.50 31.80 実施例7 1.884 34.16 6.22 3.40 1.40 実施例9 1.782 31.48 9.54 - 3.10 - 1.00 実施例12 2.360 29.88 8.87 - 3.00 - 0.90 実施例13 2.474 34.40 9.10 4.90 - 1.10 実施例23 0.532 34.00 8.10 0.00 - 3.00 実施例26 1.709 37.58 9.41 0.80 - 2.30 実施例27 2.663 34.96 8.76 0.70 - 1.10 実施例28 2.190 45.87 8.25 6.40 0.50 実施例29 1.998 41.26 7.74 - 3.90 - 0.10 実施例30 1.703 29.44 7.22 - 3.30 - 4.60 実施例31 2.928 40.09 8.48 - 4.70 - 3.10 実施例32 3.761 40.71 6.92 - 3.40 - 3.30 実施例44 1.858 28.50 6.80 - 1.30 - 1.40
【0078】体重10kgから13kgの間の雄ビーグル犬
を5%のイソフルランを含む酸素中で、3. 6MAC
(最少麻酔濃度)で、通気挿管を行うのに十分な水準ま
でフェイスマスクによって麻酔した。一度動物に挿管
し、イソフルランを酸素流速1分間当たり500mlで
1. 75MACまで減じた。動物に、定流ベンチレータ
ー(オーメダ7000)で1分間当たり15呼吸の呼吸
速度で換気を行った。左右の大腿部の動脈及び静脈及び
左総頚動脈を分離する為に手術を行った。麻酔水準をそ
の後1. 5MACまで下げ、血管にカテーテルを挿入し
た。適切な監視装置によって動物の体温、右心房の圧、
心拍出量、肺動脈圧、心室内圧及びその変化速度を監視
した。
【0079】各動物の前足を肘で曲げ、確実に束縛し
た。筋肉の緊張を測定する為に、中指を力表示変換器に
接続した。肘の尺骨神経の両側の皮下に取り付けた1対
の電極によって、神経の興奮が示された。検定用刺激電
流水準を一度決めると、実験の間中20秒毎に連続4回
刺激を与えた。試験化合物を導入する前に少なくとも3
0分以上動物を固定した。測定されたパラメーターは上
述のウサギの足の繋れん実験で決定したものと同じであ
り、表III に示される。
【0080】
【表3】 表 III イヌの足の繋れん等有効投与量データ化合物 ED90 T85% 持続時間 BP HR (mg/kg) (秒) (分) (%変化) (%変化) アトラキューリウム 0.079 164.80 25.60 3.00 - 1.10 ベクロニウム 0.019 171.00 26.62 3.50 2.30 パンクロニウム 0.010 169.00 45.70 0.20 - 1.80 スクシニルコリン 0.040 98.00 8.00 25.00 34.00 実施例7 0.845 63.42 14.57 - 0.10 - 1.20 実施例9 0.662 88.29 13.51 0.40 - 1.20 実施例12 0.843 68.30 12.50 1.30 0.60 実施例13 0.694 72.70 11.38 0.00 0.40 実施例23 0.388 96.80 13.20 2.20 0.40 実施例26 1.206 89.20 20.18 1.40 0.80 実施例27 0.734 69.74 13.19 - 1.00 0.30 実施例28 0.782 88.64 15.80 - 0.50 2.60 実施例29 0.783 76.96 13.50 0.00 0.70 実施例30 0.581 83.75 12.49 - 0.60 - 0.10 実施例31 1.369 74.69 12.70 - 3.40 1.50 実施例32 1.354 70.85 12.94 - 0.50 1.30 実施例44 1.133 73.20 14.80 0.80 - 5.30
【0081】表の結果は、主題化合物が比較に用いられ
た化合物程効力は高くないが、活性の発現がかなり速
く、活性の持続時間が短く、優良な心臓血管プロフィー
ルを有するという点で有利であることを示す。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 によって表される化合物並びにそれらの光学活性体、そ
    れらのメソ体、それらのシス−トランス異性体及びそれ
    らのラセミ体から選ばれる化合物。(式中、Aは-CO-O-
    或いは-O-CO-であり;RはC1-3 アルコキシ基であり、
    或いは隣接しているRがメチレンジオキシ基であり;R
    1 は低級アルキルであり;Mは-(CH2)n -Z-(CH2)n - 或
    いは 【化2】 であり;Zは-N+ (R2 R3)-、-N(R4)-、-N(CO-Y)-及び-N
    [(CH2)n -A-R5]- から成る基から選ばれ;R2 及びR3
    は、鎖内の炭素原子の1個がN,S及びOから成る群よ
    り選ばれたヘテロ原子によって置換されても良い低級ア
    ルキル;低級シクロアルキル;低級シクロアルキル低級
    アルキル;アリール;アリール低級アルキル;4から6
    員の複素環から成る基より独立に選ばれ;或いはMが-
    (CH2)n -Z-(CH2)n - である場合、 R2 及びR3 は、それらが結合している窒素と一緒に4
    から6員の複素環を形成し;R4 は鎖内の1個以上の炭
    素原子がN,S及びOから成る群より選ばれたヘテロ原
    子によって置換されても良い直鎖或いは分枝鎖C1-10ア
    ルキル基;置換されたもしくは置換されていない低級シ
    クロアルキル基;置換されたもしくは置換されていない
    低級シクロアルキル低級アルキル基;置換されたもしく
    は置換されていないアリール基;置換されたもしくは置
    換されていない4から6員の複素環及び-(CH2)n -O-CO-
    R1であり;R5 は低級アルキル或いは低級アルケニルで
    あり;Yは水素、鎖内の1個以上の炭素原子がN,S及
    びOから成る群より選ばれたヘテロ原子によって置換さ
    れても良い低級アルキル;低級アルコキシ;アリール;
    アリールオキシ;低級シクロアルキル;低級シクロアル
    キル低級アルキル;4から6員の複素環或いは-NR2R3
    あり;X- は薬学上許される陰イオンであり;mは2或
    いは3であり;nは独立に1から6であり;pは1から
    3である)
  2. 【請求項2】 Zが-N(R2R3)であり、Rがメトキシであ
    り、R1 がメチルであり、nがテトラヒドロイソキノリ
    ン環においては2であり、ベンジル環においては2或い
    は3であり、mが3である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 テトラヒドロイソキノリン環の1−ベン
    ジル基と-(CH2)n -A-M-A-(CH2)n - 部分との間の配置関
    係がトランス−トランスである請求項1に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】 Rがメトキシであり、R1 がメチルであ
    り、R2 及びR3 の一つが低級アルキルであり、nがテ
    トラヒドロイソキノリン環においては2であり、ベンジ
    ル環においては2或いは3であり、mが2であり、Zが
    -N(R4)- であり、そしてR4 が低級アルキル或いは-(CH
    2)n -O-CO-R1である請求項1に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R4 がt−ブチル或いは2−アセトキシ
    エチルである請求項4に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Zが-N(CO-Y)- (式中Yはアリールオキ
    シ、アルコキシ及び水素から成る基から選ばれる)であ
    る請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 R2 及びR3 は、それらが結合されてい
    る窒素と一緒に、5員或いは6員の複素環(これは低級
    アルキル、ハロゲン化低級アルキル、低級アルコキシ、
    ハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、及びアシルオキシから
    なる群から選ばれた一種以上の置換基により置換されて
    いてもよい)を形成する請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 前記の薬学上許される陰イオンが臭化物
    イオン、塩化物イオン、及びベシレートからなる群から
    選ばれる請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-3,
    11- ジオキサ-4,10-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メチ
    ル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス- テトラヒドロ
    パパベリニウムトリブロミドである請求項1に記載の化
    合物。
  10. 【請求項10】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    4,10- ジオキサ-3,11-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メ
    チル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス-テトラヒド
    ロパパベリニウムトリブロミドである請求項1に記載の
    化合物。
  11. 【請求項11】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    4,10- ジオキサ-3,11-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メ
    チル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス-[1',2',3',
    4'-テトラヒドロ-6',7'- ジメトキシ-1-(3",4",5"- ト
    リメトキシベンジル)イソキノリニウム]トリブロミド
    である請求項1に記載の化合物。
  12. 【請求項12】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    3,11- ジオキサ-4,10-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メ
    チル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス[1',2',3',
    4'-テトラヒドロ-6',7'- ジメトキシ-1-(3",4",5"- ト
    リメトキシベンジル)イソキノリニウム]トリブロミド
    である請求項1に記載の化合物。
  13. 【請求項13】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    4,12- ジオキサ-5,11-ジオキソ-8- イソプロピル-8- メ
    チル-8- アゾニアペンタデシレン-1,15-ビス- テトラヒ
    ドロパパベリニウムトリブロミドである請求項1に記載
    の化合物。
  14. 【請求項14】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    4,12- ジオキサ-5,11-ジオキソ-8- イソプロピル-8- メ
    チル-8- アゾニアペンタデシレン-1,15-ビス- [1',2',
    3',4'-テトラヒドロ-6',7'- ジメトキシ-1-(3",4",5"-
    トリメトキシベンジル)イソキノリニウム]トリブロミ
    ドである請求項1に記載の化合物。
  15. 【請求項15】 無毒性の薬学上許される担体と、治療
    上有効な量の式 【化3】 により表される化合物並びにそれらの光学活性体、それ
    らのメソ体、それらのシス−トランス異性体及びそれら
    のラセミ体を含むことを特徴とする筋肉弛緩剤組成物。
    (式中、Aは-CO-O-或いは-O-CO-であり;RはC1-3 ア
    ルコキシ基であり、或いは隣接しているRがメチレンジ
    オキシ基であり;R1 は低級アルキルであり;Mは-(CH
    2)n -Z-(CH2)n - 或いは 【化4】 であり;Zは-N+ (R2 R3)-、-N(R4)-、-N(CO-Y)-及び-N
    [(CH2)n -A-R5]- から成る基から選ばれ;R2 及びR3
    は、鎖内の炭素原子の1個がN,S及びOから成る群よ
    り選ばれたヘテロ原子によって置換されても良い低級ア
    ルキル;低級シクロアルキル;低級シクロアルキル低級
    アルキル;アリール;アリール低級アルキル;4から6
    員の複素環から成る基より独立に選ばれ;或いはMが-
    (CH2)n -Z-(CH2)n - である場合、 R2 及びR3 は、それらが結合している窒素と一緒に4
    から6員の複素環を形成し;R4 は鎖内の1個以上の炭
    素原子がN,S及びOから成る群より選ばれたヘテロ原
    子によって置換されても良い直鎖或いは分枝鎖C1-10ア
    ルキル基;置換されたもしくは置換されていない低級シ
    クロアルキル基;置換されたもしくは置換されていない
    低級シクロアルキル低級アルキル基;置換されたもしく
    は置換されていないアリール基;置換されたもしくは置
    換されていない4から6員の複素環及び-(CH2)n -O-CO-
    R1であり;R5 は低級アルキル或いは低級アルケニルで
    あり;Yは水素、鎖内の1個以上の炭素原子がN,S及
    びOから成る群より選ばれたヘテロ原子によって置換さ
    れても良い低級アルキル;低級アルコキシ;アリール;
    アリールオキシ;低級シクロアルキル;低級シクロアル
    キル低級アルキル;4から6員の複素環或いは-NR2R3
    あり;X- は薬学上許される陰イオンであり;mは2或
    いは3であり;nは独立に1から6であり;pは1から
    3である)
  16. 【請求項16】 哺乳類に筋肉弛緩に有効な量の式 【化5】 により表される化合物、並びにそれらの光学活性体、そ
    れらのメソ体、それらのシス−トランス異性体及びそれ
    らのラセミ体を投与することを特徴とする筋肉弛緩を必
    要とする哺乳類に筋肉弛緩を生じる方法。(式中、Aは
    -CO-O-或いは-O-CO-であり;RはC1-3 アルコキシ基で
    あり、或いは隣接しているRがメチレンジオキシ基であ
    り;R1 は低級アルキルであり;Mは-(CH2)n -Z-(CH2)
    n - 或いは 【化6】 であり;Zは-N+ (R2 R3)-、-N(R4)-、-N(CO-Y)-及び-N
    [(CH2)n -A-R5]- から成る基から選ばれ;R2 及びR3
    は、鎖内の炭素原子の1個がN,S及びOから成る群よ
    り選ばれたヘテロ原子によって置換されても良い低級ア
    ルキル;低級シクロアルキル;低級シクロアルキル低級
    アルキル;アリール;アリール低級アルキル;5から6
    員の複素環から成る基より独立に選ばれ;或いはMが-
    (CH2)n -Z-(CH2)n - である場合、 R2 及びR3 は、それらが結合している窒素と一緒に4
    から6員の複素環を形成し;R4 は鎖内の1個以上の炭
    素原子がN,S及びOから成る群より選ばれたヘテロ原
    子によって置換されても良い直鎖或いは分枝鎖C1-10ア
    ルキル基;置換されたもしくは置換されていない低級シ
    クロアルキル基;置換されたもしくは置換されていない
    低級シクロアルキル低級アルキル基;置換されたもしく
    は置換されていないアリール基;置換されたもしくは置
    換されていない4から6員の複素環及び-(CH2)n -O-CO-
    R1であり;R5 は低級アルキル或いは低級アルケニルで
    あり;Yは水素、鎖内の1個以上の炭素原子がN,S及
    びOから成る群より選ばれたヘテロ原子によって置換さ
    れても良い低級アルキル;低級アルコキシ;アリール;
    アリールオキシ;低級シクロアルキル;低級シクロアル
    キル低級アルキル;4から6員の複素環或いは-NR2R3
    あり;X- は薬学上許される陰イオンであり;mは2或
    いは3であり;nは独立に1から6であり;pは1から
    3である)
  17. 【請求項17】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    3,11- ジオキサ-4,10-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メ
    チル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス-テトラヒド
    ロパパベリニウムトリブロミドである請求項16に記載の
    筋肉弛緩を生じる方法。
  18. 【請求項18】 前記の化合物がN,N'- ジメチル-N,N'-
    4,10- ジオキサ-3,11-ジオキソ-7- イソプロピル-7- メ
    チル-7- アゾニアトリデシレン-1,13-ビス-テトラヒド
    ロパパベリニウムトリブロミドである請求項16に記載の
    筋肉弛緩を生じる方法。
JP5009472A 1992-11-16 1993-01-22 窒素架橋テトラヒドロイソキノリン Pending JPH06157465A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/977311 1992-11-16
US07/977,311 US5240939A (en) 1991-10-31 1992-11-16 Nitrogen bridge tetrahydroisoquinolines

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06157465A true JPH06157465A (ja) 1994-06-03

Family

ID=25525016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5009472A Pending JPH06157465A (ja) 1992-11-16 1993-01-22 窒素架橋テトラヒドロイソキノリン

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5240939A (ja)
EP (1) EP0598171A1 (ja)
JP (1) JPH06157465A (ja)
CA (1) CA2088436A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5569655A (en) * 1993-09-14 1996-10-29 Sterling Winthrop Inc. Substituted heterocyclylisoquinolinium salts and compositions and method of use thereof
TR199902330T2 (xx) * 1997-03-25 2000-02-21 Glaxo Group Limited Ultra k�sa etkili n�rom�sk�ler blokerler olarak ikameli izokuinolinler.
US7358223B2 (en) * 2004-10-04 2008-04-15 Nitto Denko Corporation Biodegradable cationic polymers
EP2101772B1 (en) * 2006-12-06 2012-04-25 Cornell Research Foundation, Inc. Intermediate duration neuromuscular blocking agents and antagonists thereof
EP2125742A2 (en) * 2007-03-08 2009-12-02 Chemagis Ltd. (1r,1'r)-atracurium salts separation process
EP2125743A1 (en) * 2007-03-26 2009-12-02 Chemagis Ltd. (1r,1'r)-atracurium salts separation process
AU2008273724B2 (en) * 2007-05-01 2013-05-23 Chemagis Ltd. Process for Producing Cisatracurium and Associated Intermediates
EP2155684B1 (en) * 2007-05-01 2014-04-09 Chemagis Ltd. Process for producing cisatracurium compounds and associated intermediates
CA2687157A1 (en) * 2007-06-18 2008-12-24 Chemagis Ltd. (1r,1'r)-atracurium salts separation process
US20100256381A1 (en) * 2007-07-09 2010-10-07 Chemagis Ltd. Process for producing cisatracurium and associated intermediates
AU2008320380A1 (en) * 2007-10-29 2009-05-07 Chemagis Ltd. Novel R,R'-atracurium salts
WO2009133556A2 (en) * 2008-05-01 2009-11-05 Chemagis Ltd. Cisatracurium derivatives, preparation and uses thereof
WO2010107488A1 (en) 2009-03-17 2010-09-23 Cornell University Reversible nondepolarizing neuromuscular blockade agents and methods for their use
CN102573794B (zh) 2009-08-19 2017-03-15 康奈尔大学 供生理注射用的半胱氨酸

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3004031A (en) * 1958-07-03 1961-10-10 Allen & Hauburys Ltd Diquaternary salts of papaverino esters
AU506657B2 (en) * 1975-12-10 1980-01-17 Wellcome Foundation Limited, The Isoquinoline derivatives
US4192877A (en) * 1977-08-01 1980-03-11 Massachusetts General Hospital Neuromuscular blocking agents
CA1125287A (en) * 1978-07-21 1982-06-08 John J. Savarese Bis isoquinolinium compositions and methods of use
US4235906A (en) * 1978-07-21 1980-11-25 Massachusetts General Hospital Bis-isoquinolinium compounds, compositions and methods of use
US4701460A (en) * 1980-12-17 1987-10-20 Burroughs Wellcome Co. Long duration neuromuscular blocking agents
JPS5899465A (ja) * 1981-11-23 1983-06-13 ザ・ウエルカム・フアウンデ−シヨン・リミテツド イソキノリン誘導体
GB8418303D0 (en) * 1984-07-18 1984-08-22 Wellcome Found Compounds
BG41897A1 (en) * 1985-07-19 1987-09-15 Ivanov Dichlormethylate of n, n'- 4, 10- dioxa- 3, 11- bis- tetrahydropapaverine and method for its preparation

Also Published As

Publication number Publication date
EP0598171A1 (en) 1994-05-25
CA2088436A1 (en) 1994-05-17
US5240939A (en) 1993-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110156665B (zh) 一种季铵盐类化合物及其制备方法与用途
CA1273341A (en) 1,2,3,4-tetrahydro-6,7-dimethoxy-2-methyl-2- substituted trimethylene-1-(3,4,5-trimethoxybenzyl)- isoquinoline compounds
DE69830157T2 (de) Substituierte isochinoline als ultrakurz wirkende neuromuskuläre blocker
JPH06157465A (ja) 窒素架橋テトラヒドロイソキノリン
SK14372000A3 (sk) Aminocyklohexyletérové zlúčeniny a ich použitie
EP0539470B1 (en) Neuromuscular blocking agents
US4491665A (en) Method of preparing isomers of bis isoquinolinium compounds
WO2022037590A1 (zh) 一种用于麻醉的季铵盐类化合物及其制备方法和用途
US4192877A (en) Neuromuscular blocking agents
JPH02167279A (ja) アポビンカミン酸誘導体
US4235906A (en) Bis-isoquinolinium compounds, compositions and methods of use
US5990124A (en) Neuromuscular relaxants
FI75340B (fi) Foerfarande foer framstaellning av terapeutiskt anvaendbara 5,6; 8,9-tetrahydro-7h-dibens(d,f)azoninderivat.
US4855497A (en) Novel diamine derivatives
US4405627A (en) Diphenylpropylamino-pyridine compounds useful as medicines
CA2054651A1 (en) Peptide amides and amide dimers
US4644004A (en) Pyridynecarboxylic esters of dopamine and of its N-alkyl derivatives
CA1076605A (en) 1-(trialkylamino)-3-(phenylphenoxy)-2-propanol quarternary salts
US6376510B1 (en) Neuromuscular relaxants
MXPA01007783A (es) Relajantes neuromusculares de aralquilo mono-aciloxi.
US4241088A (en) 1-(Trialkylamino)-3-(phenylphenoxy)-2-propanol quarternary salts