JPH06140936A - 音響信号の伝送方法 - Google Patents

音響信号の伝送方法

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JPH06140936A
JPH06140936A JP30971692A JP30971692A JPH06140936A JP H06140936 A JPH06140936 A JP H06140936A JP 30971692 A JP30971692 A JP 30971692A JP 30971692 A JP30971692 A JP 30971692A JP H06140936 A JPH06140936 A JP H06140936A
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JP
Japan
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signal
data
frequency
frame
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Application number
JP30971692A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshino
治 吉野
Kazuo Hikawa
和生 飛河
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 音響信号を良好に高能率符号化する。 【構成】 予め定められた一定の時間長を有するように
音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレーム
の信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換す
る。前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分との内で、前
記した各フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎
の振幅成分の1次モーメントを求めてそれと直前のフー
リエ変換フレームの振幅成分の1次モーメントとの差
を、予め定められた値と比較する。前記の比較結果に応
じて振幅成分と位相成分との何れか一方または双方の量
子化の際の割当てビット数を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は音響信号の情報量を圧縮
して伝送する音響信号の伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アナログ信号をデジタル信号、例
えばPCM(パルスコードモジュレーション)信号とし
て伝送(あるいは記録再生)することが多くなったが、
前記のPCM信号は情報量が多いために、PCM信号の
伝送(あるいは記録再生)のためには広い伝送帯域が必
要とされる。それで、デジタル信号の信号処理を行う伝
送機器(記録再生機器)、その他の各種の機器において
は、従来からデジタル信号を少ない情報量で効率的に処
理することが行なわれている。そして信号をより少ない
情報量で効率的に符号化できるようにした高能率符号化
方式としては、信号の予測を行なって予測値からのずれ
の成分(残差成分)だけを記録,伝送するようにした各
種の高能率符号化方式や、信号に対してある種の変換
(一般には直交変換)を施して信号の特徴を抽出し、そ
の信号の特徴部分あるいは人間の視覚や聴覚が信号の変
化の少ない部分での変化に対しては敏感であるが信号の
変化の激しい部分においてはある程度の誤差があっても
検知し難いという性質を利用するなどして、各サンプル
あたりの情報量(ビット数)を少なくするようにした各種
の高能率符号化方式等が従来から提案されて来ているこ
とは周知のとおりである。
【0003】しかしながら、例えば、電話の音声信号の
伝送に際して情報量の圧縮を行なうために実用されてい
る線形予測を適用して構成されている周知の高能率符化
方式では、予測系の分子(零)と分母(極)とを予測す
るようにしているが、その予測能力は余り良好ではな
く、音楽信号の伝送には殆ど効果がない。なお、線形予
測を行なうものには、他に、例えばパーコ方式等が存在
するが、これにも性能的に限界がある。そして、前記の
ように、音楽信号の伝送(記録)に関する情報量の圧縮
に適した予測法が無かったこれまでの間に、音楽信号の
伝送(記録)に関する情報量の圧縮のために最も広く用
いられてきたビット圧縮方法は、例えば直交変換による
近接周波数間のマスキング効果を利用してビット圧縮を
行なうものであり、それは例えば、音響信号から所定数
の標本点を有する期間を、窓関数を掛けて順次の各フレ
ームの繋ぎ目を互に重複させて緩やかに繋がるような状
態の順次の1フレーム期間として切出し、各1フレーム
毎に高速フーリエ変換(FFT)により直交変換を行な
った後に、前記の高速フーリエ変換によって得られたデ
ータに関してマスキング曲線の演算を行なって、前記の
マスキング曲線よりも大きな振幅を有するスペクトラム
は伝送(記録)して、マスキング曲線よりも小さな振幅
を有するスペクトラムは伝送(記録)しない、というよ
うに、主スペクトラムによってマスクされて聞えないス
ペクトラムは、それを記録,伝送しないようにするもの
である。なお、直交変換としてはDFT,DCT、その
他も使用できる。
【0004】ところで、前記のようにして音響信号のデ
ータを減少させることができる理由は、人間の聴覚の性
質として、ある周波数成分の音が強く放射されている場
合には、その周波数成分の近傍の周波数についての検知
能力が低下するからであり、検知能力が低下している部
分の周波数成分については少ないビット数を割当て、小
振幅の信号成分は全く伝送しない、等の手段によりデー
タ量の減少が実現できる。そして前記のようなデータ量
の減少により信号精度はかなり低下するが、聴感上にお
いては聴覚のマスキング効果によって、原信号を聴取し
た場合と区別ができないようにできることが多い。前記
のように、従来は高能率符号化を行なうのに、信号を予
測したり、信号を直交変換したりすることが行なわれて
来たが、信号の予測技術と直交変換技術との双方をうま
く融合させて、直交変換されたデータから次のフレーム
の直交変換された信号の予測をできるようにすれば、一
層の高能率符号化が達成できるが、そのようなことは従
来行なわれていなかった。
【0005】本出願人会社では前記の問題点の解決のた
めに、先に、特願平4ー30076号「音響信号の位相
予測方法」により、予め定められた一定の時間長を有す
るように音響信号から切出された順次の各フーリエ変換
フレームにおける第1,第2の各フーリエ変換フレーム
に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換して、前記
した第1,第2の各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ
変換の結果として求められた同一な所定数の離散周波数
毎のデータにより、前記した第1,第2の各フーリエ変
換フレーム毎に、それぞれの離散周波数毎の位相情報を
得て、前記した第1,第2の各フーリエ変換フレームに
おいて互に対応している同一な離散周波数毎の位相情報
の変化の態様を求め、前記した個々の離散周波数毎の位
相情報の変化の態様が時間軸上で一定であるとして、前
記した第1の時間位置と第2の時間位置との時間差の整
数倍の時間位置に存在している第3の時間位置のフーリ
エ変換フレーム内の所定数の離散周波数の個々の位相情
報を決定して、第3の時間位置のフーリエ変換フレーム
の位相情報を予測する方法を提案しており、前記の位相
情報の予測方法の応用による音響信号の高能率符号化に
より、音響信号の伝送(記録)、楽器の音源の構成等を
容易にした。
【0006】図7は前記した本出願人会社による既提案
の位相情報の予測方法の応用例でも使用されうるエンコ
ーダのブロック図であり、また、図8はデコーダのブロ
ック図である。図9において最上方の部分に記載のAU
DIOという表示の波形は高能率符号化の対象にされて
いる音響信号であり、また、前記の音響信号はFram
e Windowの表示のある部分に示されている0,
1,2…のように、それぞれ一定の時間長を有するよう
に切出されて、順次のフーリエ変換フレームとされる。
前記した各フーリエ変換フレームは、音響信号からそれ
ぞれ例えば1024点の標本点を有する期間となるよう
に、窓関数を掛けて順次の各フレームの繋ぎ目を互に重
複させて緩やかに繋がるような状態の順次の1フレーム
期間として切出されたものである。前記した各1フレー
ム毎のフーリエ変換フレームは、例えば離散的有限系列
のフーリエ変換(DFT)または高速フーリエ変換(F
FT)により直交変換が行なわれる。以下の説明では前
記の直交変換が高速フーリエ変換(FFT)によって行な
われるものとして記述されている。
【0007】さて、各1フレーム毎のフーリエ変換フレ
ームについてFFT演算を行なった場合に、前記した各
1フレーム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数
(標本数)をNとし、標本化周波数をfsとすると、f
=fs/N で示されるfの周波数間隔毎の離散的な各
周波数(合計N個の周波数)についてのFFT演算結果
が得られるが、前記したFFT演算結果は、離散的な各
周波数毎に実数部(Real)振幅と、虚数部(Ima
g)振幅とからなるものである。前記した離散的な各周
波数毎の実数部(Real)振幅と、虚数部(Imag)振
幅とを用いて、次の数1及び数2により、前記した離散
的な各周波数毎に、極座標変換により合成振幅項(Am
p)と位相項(Phase)とを求める。ところで、FF
T演算結果として離散的な各周波数毎に得られたN個の
実数部(Real)振幅とN個の虚数部(Imag)振幅
とにおいて、N個の実数部(Real)振幅には同じ値の
ものが2個ずつ現われており、また、N個の虚数部(I
mag)振幅には絶対値で同じ値のものが2個ずつ現わ
れているから、有効な合成振幅項(Amp)の項数が総数
の1/2となり、また有効な位相項(Phase)の項
数も総数の1/2となるから、FFT出力データ数をF
FTの実数入力データ数と等しくできる。
【0008】
【数1】
【数2】
【0009】今、時間軸上で連続する順次のフーリエ変
換フレーム(フレーム)について、それぞれの離散的な
各周波数毎の実数部(Real)振幅と、虚数部(Ima
g)振幅とを用いて、数1及び数2により、前記した離
散的な各周波数毎に極座標変換により合成振幅項(Am
p)と位相項(Phase)とを求めた場合に、最も常識
的な考え方をとれば、時間軸上で隣り合う2つのフレー
ムでは、同じ振幅になるであろう、と予測するのが自然
でもあり、また実際に例えば標本化周波数が44.1K
Hzで、フレーム長(フレーム長は約1/40秒)として
1024点の標本数を有するものとして、ピアノの音の
信号をFFT演算した場合に得られるFFT演算結果に
よるスペクトルをみても、ある1つのフレームにおける
512個の振幅と、そのフレームの次のフレームにおけ
る512個の振幅とを比べても、あるいは、前記の次の
フレームの次のフレームにおける512個の振幅と比べ
ても、異なるフレームにおけるスペクトル間の変化量が
極めて少ないことが確められてもいる。
【0010】一方、時間軸上で連続している順次のフレ
ームにおける位相の予測は困難であろうことは、順次の
フレームの繰返し時間と、信号の周波数との間は無関係
であり、信号の位相と無関係にフレームが始まり、終了
することから考えても明らかであり、このことから従来
は直交変換による信号予測が困難であるとされて来てい
る。そして、標本化周波数を44.1KHzとし、フレ
ーム長として1024点の標本数を有するものとして、
実際にピアノの音の信号をFFT演算して得たFFT演
算結果によるある1つのフレームにおける512個の位
相の分布をみても、その位相の分布はランダムであるた
めに、その位相の分布によって次のフレームにおける5
12個の位相の分布を予測することはできないことが判
った。
【0011】本出願人会社による前記した既提案の発明
者の高橋氏は、時間軸上の順次のフレームにおける1つ
のフレームについての位相情報を用いても、他のフレー
ムの位相情報の予測を行なうことはできないが、2つの
フレームについて、それぞれのフーリエ変換フレーム毎
のフーリエ変換の結果として求められた同一な所定数の
離散周波数毎の位相情報間の位相情報の変化態様が時間
軸上で一定であるとすればその関係を用いることにより
他のフレームの位相情報の予測も可能となる、というこ
とに着目して、前記した「2つのフレームについて、そ
れぞれのフーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果
として求められた同一な所定数の離散周波数毎の位相情
報間の位相情報の変化態様は時間軸上で一定である」と
いう仮説(以下、高橋の仮説と記載する)を立て、実際
に、単一の周波数の正弦波信号、複数の周波数の正弦波
信号の合成信号、楽器(ピアノ)の音の信号、等の各種
の信号を用いて実験を行なってみたところ、前記の仮説
に従って予測したフレームの位相と実際のフレームの位
相とが、実用的に一致していると認められる程度に正し
い予測結果が得られており、高橋の仮説が実用上で成立
つとすることは各種の実験結果によって裏付けられてい
る。
【0012】高橋の仮説によれば、図9中に示されてい
る例えばフレーム1における離散的な各周波数毎に求め
たN/2個の位相項のデータθi(1)と、例えばフレー
ム2における離散的な各周波数毎に求めたN/2個の位
相項のデータθi(2)と、例えばフレーム3における離
散的な各周波数毎に求めたN/2個の位相項のデータθ
i(3)と、例えばフレーム4における離散的な各周波数
毎に求めたN/2個の位相項のデータθi(4)とにおけ
る、互に同一の周波数値における位相項のデータについ
て、フレーム1における位相項のデータが例えばθ1で
あり、またフレーム2における位相項のデータが例えば
θ2であり、さらにフレーム3における位相項のデータ
が例えばθ3であり、さらにまたフレーム4における位
相項のデータが例えばθ4であったとした場合に、θ2−
θ1≒θ3−θ2≒θ4−θ3≒Δθaのように各フレーム
間における位相の変化量が略々同一となる、というもの
であるから、この仮説が成立つとするならば、2つのフ
レームについてそれぞれの離散的な各周波数毎に求めた
N/2個の位相項における互に対応しているすべての周
波数値の位相項のデータ間の位相の差を知れば、前記し
た2つのフレームとは異なる他のフレームの位相の予測
を行なうことができるのであり、具体的にいうと、前記
した例のように、フレーム1におけるある特定な周波数
値faの位相項のデータがθ1で、フレーム2における
ある特定な周波数値faの位相項のデータがθ2である
場合には、前記したフレーム2の次のフレームにおける
ある特定な周波数値faの位相項のデータθ3を、 θ3≒
θ2+(θ2−θ1)=2θ2−θ1…(a)のように予測す
る、というようにして、前記のような位相の予測をフレ
ーム1,2中の離散的な各周波数のすべてについて個々
に行なうことにより、フレーム3の信号の位相の予測が
可能である、としているのである。
【0013】前記した高橋の仮説に従うと、1つのフレ
ームの位相情報、例えばフレーム1だけの位相情報が判
っても、その位相情報を用いて他のフレームの位相情報
を予測することは不可能であるが、2つのフレームの位
相情報が判れば、他のフレームの位相情報を予測するこ
とが可能となるのであり、隣接している2つのフレー
ム、例えばフレーム1の位相情報とフレーム2の位相情
報とが判かれば、前記した2つのフレーム以外の他のフ
レームの位相情報の予測が可能であることを示してお
り、また、1フレームの時間長のK倍だけ離れている2
つのフレーム、例えばフレーム1の位相情報とフレーム
4の位相情報とが判かれば、フレーム4から1フレーム
の時間長のK倍だけ離れている他のフレーム、例えばフ
レーム7の位相情報を予測することも可能なのであっ
て、前記した高橋の仮説を一般的に表現すると、「予め
定められた一定の時間長を有するように音響信号から切
出された順次の各フーリエ変換フレームにおける第1,
第2の各フーリエ変換フレームに同じ窓関数を用いて離
散的にフーリエ変換して、前記した第1,第2の各フー
リエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果として求めら
れた同一な所定数の離散周波数毎のデータにより、前記
した第1,第2の各フーリエ変換フレーム毎に、それぞ
れの離散周波数毎の位相情報を得て、前記した第1,第
2の各フーリエ変換フレームにおいて互に対応している
同一な離散周波数毎の位相情報の変化の態様を求め、前
記した個々の離散周波数毎の位相情報の変化の態様が時
間軸上で一定であるとして、前記した第1の時間位置と
第2の時間位置との時間差の整数倍の時間位置に存在し
ている第3の時間位置のフーリエ変換フレーム内の所定
数の離散周波数の個々の位相情報を決定して、第3の時
間位置のフーリエ変換フレームの位相情報を予測でき
る」とすることができる。
【0014】図7に示すブロック図は、前記したような
高橋の仮説による音響信号の位相予測技術を応用して、
記録,伝送の対象にされる信号の情報量の圧縮を行なっ
て記録,伝送を行なう場合に、各フレーム毎に振幅の残
差信号Ai(m)−Ai(m-1)と、位相の残差信号Δθi
(m)=θi(m)−{2θi(m-1)−θi(m-2)}とを記
録,伝送するように構成されたエンコーダの構成例を示
したものであり、また図8はデコーダの構成例を示して
いる。図12は前記した図7に示されているデコーダに
おける位相の予測値と残差値とを示している図である。
前記の各残差信号は、予測が当っていれば零になるが、
通常は予測値との僅かなずれが発生するから、前記の残
差信号が零になることは少ないが元の信号の情報量に比
べで残差信号の情報量は遥かに少ないものになってい
る。
【0015】図7において、1は記録,伝送の対象にさ
れているデジタル音響信号の入力端子であり、前記した
デジタル音響信号の入力端子1に供給されたデジタル音
響信号から、ブロック2によってオーバーラップされた
状態で予め定められた一定の時間長を有するように切出
された順次のフーリエ変換フレームは、それぞれが例え
ばN点の標本点を有する期間毎に窓関数を掛けて、順次
の各フレームの繋ぎ目を互に重複させて緩やかに繋がる
ような状態の順次の1フレーム期間となるように、ブロ
ック3において窓関数が乗算された後に、ブロック4に
おいて高速フーリエ変換演算(FFT演算)が行なわれ
る。FFT演算の結果としてそれぞれのフーリエ変換フ
レーム毎に、同一の一定な周波数間隔f{ただし、各1
フレーム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数標
本数をNとし、標本化周波数をfsとして、f=fs/
N}を有するN個の離散的な周波数毎に実数部(Rea
l)振幅と、虚数部(Imag)振幅とからなるFFT演
算結果のデータが得られる。
【0016】前記のようにFFT演算の結果として得ら
れたN個の離散的な周波数毎のデータは、それぞれの離
散的な周波数のデータ毎に、それぞれ異なる信号処理装
置によって信号処理が行なわれるのであるが、図7には
N個の信号処理装置の内の1個の信号処理装置の構成だ
けが例示されている。図7において、前記の信号処理装
置は直交座標→極座標変換のように表示されているブロ
ック6とマルチプレクサ18との間の構成部分である。
FFT演算の結果として得られたN個の離散的な周波数
毎の実数部と虚数部とからなる特定な離散的な周波数の
データは、直交座標→極座標変換部6において極座標変
換されて振幅項と位相項とに分離された後に、既述の数
1に従った振幅の計算と、既述の数2に従った位相の計
算とが行なわれることにより、順次のフレームについて
前記した離散的な各周波数毎に、合成振幅項Ai(m)
と位相項θi(m)とを求められる。前記した直交座標
→極座標変換部6の計算結果として得られる特定な離散
的な周波数の合成振幅項Ai(m)はラッチ回路7と減
算器8とデータセレクタ9とに供給される。前記したデ
ータセレクタ9は、端子34に供給される切換信号によ
って、前記した合成振幅項Ai(m)による設定データ
と、前記した減算器8から出力された残差データとの何
れか一方を選択してマルチプレクサ18に出力させる。
前記したデータセレクタ9の切換動作は、後述のデータ
セレクタ16の切換動作と連動して行なわれる。
【0017】また、前記した直交座標→極座標変換部6
の計算結果として得られる特定な離散的な周波数の位相
項θi(m)はラッチ回路10と減算器14とデータセ
レクタ16とに供給される。m番目のフレームにおける
特定な離散的な周波数(今、仮にfaとする)の位相の
計算結果として直交座標→極座標変換部6から出力され
た位相θi(m)のデータがラッチ回路10に保持され
る以前にラッチ回路10に保持されていた位相のデー
タ、すなわちm-1番目のフレームにおける特定な離散的
な周波数faの位相の計算結果として直交座標→極座標
変換部6から出力されていた位相θi(m-1)のデータ
は、位相予測部PFCにおけるラッチ回路12に保持さ
れる。前記した位相予測部PFCは、図示の構成例では
ラッチ回路12と利得が2の増幅器11と、減算器13
とによって構成されている。前記した位相θi(m-1)の
データがラッチ回路12に保持される以前にラッチ回路
12に保持されていた位相のデータ、すなわち、m-2番
目のフレームにおける特定な離散的な周波数faの位相
の計算結果として直交座標→極座標変換部6から出力さ
れていた位相θi(m-2)のデータは、減算器13に対し
て減数信号として供給されており、前記の減算器13に
対して被減数信号として供給されているのは、前記した
利得が2の増幅器11からの出力であるから、前記の減
算器13から出力される予測位相のデータ、すなわち、
位相予測部PFCから出力される予測位相のデータは2
θi(m-1)−θi(m-2)である。
【0018】前記の直交座標→極座標変換部6の計算結
果として得られる特定な離散的な周波数の位相θi(m)
は、ラッチ回路10と減算器13とデータセレクタ16
とに供給される。m番目のフレームにおける特定な離散
的な周波数(今、仮にfaとする)の位相の計算結果と
して直交座標→極座標変換部6から出力された位相θi
(m)のデータがラッチ回路10に保持される以前にラッ
チ回路10に保持されていた位相のデータ、すなわちm
-1番目のフレームにおける特定な離散的な周波数faの
位相の計算結果として直交座標→極座標変換部6から出
力されていた位相θi(m-1)のデータは、ラッチ回路1
2と利得が2の増幅器11と、減算器13とによって構
成されている位相予測部PFCにおけるラッチ回路12
に保持される。なお端子5はシフトクロック信号の供給
端子である。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ
回路12に保持される以前にラッチ回路12に保持され
ていた位相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームに
おける特定な離散的な周波数faの位相の計算結果とし
て直交座標→極座標変換部6から出力されていた位相θ
i(m-2)のデータは、減算器13に対して減数信号とし
て供給されており、前記の減算器13に対して被減数信
号として供給されているのは、前記した利得が2の増幅
器11からの出力であるから、前記の減算器13から出
力される予測位相のデータ、すなわち、位相予測部PF
Cから出力される予測位相のデータは2θi(m-1)−θ
i(m-2)である{図12参照}。
【0019】前記した位相予測部PFCから出力された
予測位相のデータ2θi(m-1) −θi(m-2)が、減算
器14において実際の位相データθi(m)から減算され
ることによって、前記の減算器14からは位相残差信号
Δθi(m)=θi(m)-{2θi(m-1) −θi(m-
2)}が出力されて、それがデータセレクタ16を介して
量子化スケーリング17に供給され、そこで、周波数に
従って量子化サイズが設定された後に、マルチプレクサ
18に供給される。前記したマルチプレクサ18では、
特定な離散的な周波数(今、仮にfaとする)の振幅残
差信号ΔAi(m)と、特定な離散的な周波数faの位
相残差信号Δθi(m)とを合わせて出力端子19に供給
する。なお、前記した出力端子19には、少なくとも1
度はオリジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi
(m)、供給されていることはいうまでもない。そして、
前記したマルチプレクサ18には、フーリエ変換フレー
ム内の所定数の離散周波数毎の振幅残差信号ΔAi
(m)と、位相残差信号Δθi(m)とを発生させている
他のすべての信号処理回路からの出力データも供給され
ているから、マルチプレクサ18からは、情報量が圧縮
された状態の音響信号のデータが出力されて、出力端子
19を介して伝送路に送出されることになる。
【0020】次に図8を参照して伝送系の受信側の一例
構成について説明する。図8において、20は受信側に
設けられたデコーダの入力端子であり、この入力端子2
0には、図7を参照して既述した送信側から伝送路(図
示していない)を介して受信側に伝送されて来た情報量
が圧縮された状態の音響信号のデータ、すなわちフーリ
エ変換フレーム内の所定数の離散周波数毎の振幅残差信
号ΔAi(m)と、位相残差信号とを含んで構成されてい
る音響信号のデータから、図示されていないデ・マルチ
プレクサによって分離された、特定な離散周波数毎の振
幅残差信号ΔAi(m)と、位相残差信号Δθi(m)と
を含んでいる信号が供給されている。前記した入力端子
20に供給された特定な離散周波数毎の振幅残差信号Δ
Ai(m)と位相残差信号Δθi(m)とを含んでいる信
号は、ある特定な離散的な周波数のデータについての信
号処理を行なう信号処理装置によって所定の信号処理を
受ける。図8にはある特定な離散的な周波数のデータに
ついての信号処理を行なう1個の信号処理装置が代表的
に示されている。
【0021】入力端子20に特定な離散周波数のオリジ
ナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、及び
振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi(m)な
どを含んで構成されている信号が供給された信号処理回
路では、デ・マルチプレクサ21によって特定な離散周
波数(今、仮にfaとする)のオリジナルの振幅成分A
i(m)や、位相成分θi(m)、及び振幅残差信号ΔA
i(m)や位相残差信号Δθi(m)を分離して、振幅成
分の信号処理回路と、位相成分の処理回路とに供給す
る。図8においてラッチ回路24から加算器25に与え
られているデータは、前記したデ・マルチプレクサ21
から加算器25に与えられている振幅残差信号ΔAi
(m)が、m番目のフレームにおける振幅残差信号ΔAi
(m)である場合には、m-1番目のフレームの合成振幅項
のデータAi(m-1)であるから、加算器25においてm
-1番目のフレームの合成振幅項のデータAi(m-1)と、
m番目のフレームにおける振幅残差信号ΔAi(m)と
が加算されて、加算器25からはm番目のフレームの合
成振幅項のデータAi(m)が出力され、それがラッチ回
路24によって保持されるとともに、データセレクタ2
6を介して極座標→直角座標変換部27に供給される。
【0022】また、前記のようにデ・マルチプレクサ2
1によって分離された特定な離散周波数(今、仮にfa
とする)のオリジナルの振幅成分Ai(m)や、位相成
分θi(m)、及び振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差
信号Δθi(m)とにおける位相成分θi(m)及び位相残
差信号Δθi(m)は、再量子化器22によって再量子
化された後に、加算器29とデータセレクタ30とに供
給されている。前記した加算器29から出力されるデー
タが、m番目のフレームにおける特定な離散的な周波数
の位相項のデータθi(m)となることは、前記した加算
器29で加算される2つのデータが、デ・マルチプレク
サ21から加算器29に与えられている位相残差信号Δ
θi(m)が、m番目のフレームにおける位相残差信号Δ
θi(m)と、位相予測部PFCから出力された2θi
(m-1)−θi(m-2)とであるからである。前記した加算
器29から出力されたm番目のフレームにおける特定な
離散的な周波数の位相項のデータθi(m)は、データセ
レクタ30を介して極座標→直角座標変換部27に供給
されるとともに、ラッチ回路28に供給されている。な
お、端子23にはシフトクロック信号が供給されてい
る。
【0023】前記した加算器29から出力された位相θ
i(m)のデータがラッチ回路28に保持される以前に、
ラッチ回路28に保持されていた位相のデータ、すなわ
ちm-1番目のフレームにおける特定な離散的な周波数f
aの位相θi(m-1)のデータは、ラッチ回路12と利得
が2の増幅器11と、減算器13とによって構成されて
いる位相予測部PFCにおけるラッチ回路12に保持さ
れる。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ回路1
2に保持される以前にラッチ回路12に保持されていた
位相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームにおける
特定な離散的な周波数faの位相θi(m-2)のデータ
は、減算器13に対して減数信号として供給されてお
り、前記の減算器13に対して被減数信号として供給さ
れているのは、前記した利得が2の増幅器11からの出
力であるから、前記の減算器13から出力される予測位
相のデータ、すなわち、位相予測部PFCから出力され
る予測位相のデータθi(m)は2θi(m-1)−θi(m-
2)である。それで、前記した位相予測部PFCから出
力された予測位相のデータθi(m)=2θi(m-1) −
θi(m-2)と、m番目のフレームの位相残差信号Δθi
(m)=θi(m)−{2θi(m-1) −θi(m-2)}と
が加算器29で加算されると、加算器29からはm番目
のフレームにおける特定な離散的な周波数faの位相項
のデータθi(m)が出力されることになる。
【0024】前記のように加算器25から出力されたm
番目のフレームの合成振幅項のデータAi(m)と、加算
器29から出力されたm番目のフレームにおける特定な
離散的な周波数の位相項のデータθi(m)とが、それぞ
れ所定のデータセレクタ26,30を介して極座標→直
角座標変換部27に供給されることにより、極座標→直
角座標変換部27では、前記したm番目のフレームの合
成振幅項のデータAi(m)と、加算器29から出力され
たm番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の位
相項のデータθi(m)とによって、前記した特定な離散
的な周波数faにおける実数部(Real)振幅と、虚数
部(Imag)振幅とを計算により求めて出力し、それを
逆FFT演算部31に供給する。前記した逆FFT演算
部31には、フーリエ変換フレーム内の所定数の離散周
波数毎に設けられているすべての信号処理回路からの出
力データが供給されているから、逆FFT演算部31か
らはもとの音響信号のデータが復原され、それにブロッ
ク32で示されている窓関数掛けと、ブロック33で示
されているオーバーラップ加算とが施されることによ
り、もとのデジタル音響信号に復原されて出力端子35
に送出されることになる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】そして、前記した本出
願人会社の既提案の「音響信号の位相予測方法」を応用
して音響信号の伝送(記録,再生)を行なえば、音響信
号を高能率符号化して伝送(記録,再生)できるため
に、所期の効果が得られるのであるが、なお一層の高能
率符号化によりデータ量を圧縮し、しかも、高品質の状
態で音響信号を伝送(記録,再生)することのできる音
響信号の伝送方法が求められた。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は予め定められた
一定の時間長を有するように音響信号から切出された順
次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を用い
て離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変換フ
レーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同一な
所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各フ
ーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の振幅成分
と位相成分とを、それぞれ高能率符号化した後に伝送す
る音響信号の伝送方法において、音響信号の振幅成分の
1次モーメント周波数の変化を検出する手段を設け、前
記した各フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎
の振幅成分と位相成分との何れか一方または双方に対し
て、前記した音響信号の振幅成分の1次モーメント周波
数の変化量に応じた適応量子化を施して伝送するように
した音響信号の伝送方法を提供する。
【0027】
【作用】予め定められた一定の時間長を有するように音
響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレームの
信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換し、前
記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換の結果
として求められた同一な所定数の離散周波数毎のデータ
を用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に得た各
離散周波数毎の振幅成分と位相成分との内で、前記した
各フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の振幅
成分の1次モーメントを求め、それと直前のフーリエ変
換フレームの振幅成分の1次モーメントとの差を、予め
定められた値と比較して、その比較結果に応じて割当て
ビット数を決定する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の音響信号の伝送方法の具体的
な内容を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本
発明の音響信号の伝送方法に使用されるエンコーダの構
成例を示すブロック図、図2は本発明の音響信号の伝送
方法に使用されるデコーダの構成例を示すブロック図、
図3はエンコーダの構成の一部を説明するための図、図
4乃至図6は構成や動作の説明のために用いられる図、
図7は既提案の音響信号の伝送方法に使用されるエンコ
ーダの構成例を示すブロック図、図8は既提案の音響信
号の伝送方法に使用されるデコーダの構成例を示すブロ
ック図、図9は既提案の音響信号の伝送方法の構成原理
及び動作を説明するための図である。本発明の音響信号
の伝送方法で使用されるエンコーダの構成例を示す図1
において図7を参照して既述した既提案の音響信号の伝
送方法で使用されるエンコーダにおける構成部分と対応
する構成部分には、図7に示されているエンコーダで使
用した図面符号と同一の図面符号を使用しており、ま
た、本発明の音響信号の伝送方法で使用されるデコーダ
の構成例を示す図2において、図8を参照して既述した
既提案の音響信号の伝送方法で使用されるエンコーダに
おける構成部分と対応する構成部分には、図8に示され
ているエンコーダで使用した図面符号と同一の図面符号
を使用している。
【0029】本発明の音響信号の伝送方法で使用される
エンコーダの構成例を示している図1において、1は記
録,伝送の対象にされているデジタル音響信号の入力端
子であり、前記したデジタル音響信号の入力端子1に供
給されたデジタル音響信号から、ブロック2によってオ
ーバーラップされた状態で予め定められた一定の時間長
を有するように切出された順次のフーリエ変換フレーム
は、それぞれが例えばN点の標本点を有する期間毎に窓
関数を掛けて、順次の各フレームの繋ぎ目を互に重複さ
せて緩やかに繋がるような状態の順次の1フレーム期間
となるように、ブロック3において窓関数が乗算された
後に、ブロック4において高速フーリエ変換演算(FF
T演算)が行なわれる。そして前記したブロック4にお
けるFFT演算の結果としてそれぞれのフーリエ変換フ
レーム毎に、同一の一定な周波数間隔f{ただし、各1
フレーム毎のフーリエ変換フレームにおけるデータ数標
本数をNとし、標本化周波数をfsとして、f=fs/
N}を有するN個の離散的な周波数毎に実数部(Rea
l)振幅と、虚数部(Imag)振幅とからなるFFT
演算結果のデータが得られる。
【0030】前記のようにFFT演算の結果として得ら
れたN個の離散的な周波数毎のデータは、それぞれの離
散的な周波数のデータ毎に、それぞれ異なる信号処理装
置により信号処理が行なわれるのであるが、図1中には
N個の信号処理装置の内の1個の信号処理装置の構成だ
けが、図中で直交座標→極座標変換のように表示されて
いる一点鎖線図示のブロック6とマルチプレクサ18と
の間に示されている。そして、前記のFFT演算の結果
として得られたN個の離散的な周波数毎の実数部と虚数
部とからなる特定な離散的な周波数のデータは、直交座
標→極座標変換部6において極座標変換されて振幅項と
位相項とに分離された後に、既述の数1による振幅の計
算が振幅計算部6Aで行なわれ、また既述の数2による
位相の計算が位相計算部6Pで行なわれることにより、
順次のフレームについて前記した離散的な各周波数毎
に、合成振幅項Ai(m)と位相項θi(m)とが求め
られる。
【0031】そして、前記した直交座標→極座標変換部
6における振幅計算部6Aでの計算結果として得られる
特定な離散的な周波数の合成振幅項Ai(m)は、ラッチ
回路7と、減算器8及び切換スイッチ9Sの固定接点
a、ならびに適応量子化制御信号,ビット数情報発生部
37の入力端子とに供給され、また、前記した直交座標
→極座標変換部6における位相計算部6Pの計算結果と
して得られる特定な離散的な周波数の位相項θi(m)
はラッチ回路10と減算器14と切換スイッチ16Sの
固定接点aとに供給される。前記した切換スイッチ9S
の可動接点vは、端子15に供給される切換信号によっ
て、前記した直交座標→極座標変換部6の振幅計算部6
Aにおける計算結果として得られる特定な離散的な周波
数の合成振幅項Ai(m)によるオリジナルデータと、前
記した減算器8から出力された残差データとの何れか一
方を選択してマルチプレクサ18に出力させる。前記し
た切換スイッチ9Sの切換動作は、後述の切換スイッチ
16Sの切換動作と連動して行なわれるが、前記した切
換スイッチ9S,16Sの切換動作は、前記した各切換
スイッチ9S,16Sにおけるそれぞれの切換制御信号
供給端子15,36に対して、図示されていない制御回
路から図示されていない線を介して供給される切換制御
信号、及び適応量子化制御信号,ビット数情報発生部3
7の出力端子37b{図3の(a)参照}から線50を介
して供給される切換制御信号によって行なわれるのであ
る。
【0032】前記した切換スイッチ9Sは、最初に伝送
すべきフーリエ変換フレームにおける振幅成分のデータ
の伝送時に、端子15に対して図示されていない制御回
路から供給された切換制御信号によって、可動接点vが
固定接点a側に切換えられた場合と、前記した最初に伝
送すべきフーリエ変換フレームにおける振幅成分のデー
タの伝送時以外のフーリエ変換フレームにおいても、後
述されている適応量子化制御信号,ビット数情報発生部
37の出力端子37b{図3の(a)参照}から線50を
介して切換スイッチ9Sの切換制御信号の供給端子15
に供給される切換制御信号によって可動接点vが固定接
点a側に切換えられた状態にされた場合とにおいては、
切換スイッチ9Sの可動接点vから適応量子化部38に
対して、振幅成分のオリジナルデータを供給しうるよう
な動作を行なうが、前記以外の場合には前記した切換ス
イッチ9Sの可動接点vが切換スイッチ9Sの固定接点
b側に切換えられて、減算器8から出力された残差デー
タ、すなわち、順次のフーリエ変換フレームの振幅成分
Ai(m)間の残差が、切換スイッチ9Sの可動接点v
から適応量子化部38に供給される。前記のようにして
切換スイッチ9Sを介して出力された振幅成分は、適応
量子化部38において適応量子化されてマルチプレクサ
18に与えられる。適応量子化部38における適応量子
化動作は、適応量子化制御信号,ビット数情報発生部3
7から適応量子化部38に供給される適応量子化制御信
号,ビット数情報に基づいて行なわれる。
【0033】図3は前記した適応量子化制御信号,ビッ
ト数情報発生部37の一例構成を示すブロック図{図3
の(a)}と、構成原理を説明するための図{図3の
(b)}とであり、図3中に示されている各端子37
a,37c〜37e等は、図1中にブロック37によっ
て示してある適応量子化制御信号,ビット数情報発生部
37における各端子37a,37c〜37e等に対応さ
せてある。図3に示されている適応量子化制御信号,ビ
ット数情報発生部37に対して、前記した直交座標→極
座標変換部6における振幅計算部6Aでの計算結果とし
て得られた特定な離散的な周波数の合成振幅項Ai(m)
が、順次に入力端子37aを介して供給されると、適応
量子化制御信号,ビット数情報発生部37における1次
モーメント周波数計算部(重心周波数計算部)45で
は、順次の1フーリエ変換フレーム期間毎の合成振幅項
Ai(m)を演算して、各1フーリエ変換フレーム期間毎
に1次モーメント周波数(重心周波数)fi(m)を求め
て、それをラッチ回路46と減算器47とに供給する。
そして前記した適応量子化制御信号,ビット数情報発生
部37における1次モーメント周波数計算部(重心周波
数計算部)45において行なわれる順次の1フーリエ変
換フレーム期間毎の1次モーメント周波数(重心周波
数)fiの演算は、次の数3で示される数式を用いて行
なわれるのであり、数3を満たすx{図3の(b)参
照}が1フーリエ変換フレーム期間毎の1次モーメント
周波数(重心周波数)fiとなる。
【0034】
【数3】
【0035】前記した適応量子化制御信号,ビット数情
報発生部37における1次モーメント周波数計算部(重
心周波数計算部)45において求められた順次の1フー
リエ変換フレーム期間毎の1次モーメント周波数(重心
周波数)fi(m)は、ラッチ回路46に供給されるとと
もに減算器47に対して被減数信号として供給される。
減算器47には前記したラッチ回路46から、1フーリ
エ変換フレーム期間前の1次モーメント周波数(重心周
波数)fi(m−1)が減数信号として供給されているか
ら、減算器47からは隣接する各1フーリエ変換フレー
ム期間の1次モーメント周波数(重心周波数)の差の周
波数値Δfiが出力される。そして、前記の減算器47
から出力された周波数値Δfiは判定回路48に供給さ
れて、予め定められた値と比較されることにより、音響
信号の振幅成分の1次モーメント周波数(重心周波数)
の変化量を示す信号が得られ、それが信号発生回路49
に与えられる。
【0036】ところで、楽器音、例えばピアノの単音な
どをみのと、アタックタイムの期間には波形が乱れてお
り、その後時間の経過により、次第にその音程に従った
周期の定常的な波形となるが、前記の場合について各1
フーリエ変換フレーム期間の1次モーメント周波数(重
心周波数)を観測してみると図5に示すような結果が得
られ、また、図5に示されている1次モーメント周波数
(重心周波数)の時間軸上での変化量(微分値)を求め
ると図6に示されているような変化の態様が得られる。
人間の聴覚は一般に過渡的な変化に対してより敏感であ
ること、及び既述した既提案による位相予測法は音響信
号が定常状態の場合に予測誤差が少なくなることから、
前記した図5及び図6に示されているピアノの打鍵時の
アタックの状態から定常状態を経てサスティーンの状態
に至るまでの期間における1次モーメント周波数(重心
周波数)の変化の状態、及び1次モーメント周波数(重心
周波数)の時間軸上での変化量の状態により、音響信号
の過渡的な変化の状態を検出して前記の検出結果に従っ
て音響信号のデータ量を適応量子化すれば、効率良く可
変転送レートの音響信号伝送を行なうことが可能にな
る。
【0037】そこで、本発明の音響信号の伝送方法で
は、前記のように減算器47から出力された周波数値Δ
fiを、判定回路48において予め定められた値{例え
ば、図4の(b)中の基準値}と比較して、音響信号の
振幅成分の1次モーメント周波数(重心周波数)の変化
量が大きな場合には、例えばビット数を多く割当てたデ
ータを作って伝送したり、あるいは、オリジナルデータ
を伝送したりし、また、音響信号の振幅成分の1次モー
メント周波数(重心周波数)の変化量が小さな場合に
は、例えばビット数を少く割当てたデータを作って音響
信号を高能率伝送するようにしたのである。すばわち図
3において、適応量子化制御信号,ビット数情報発生部
37における1次モーメント周波数計算部(重心周波数
計算部)45における減算器47から出力された周波数
値Δfiが与えられた判定回路48において、前記の周
波数値Δfiの値を予め定められた値と比較して得た判
定結果が、信号発生回路49に与えられると、信号発生
回路49では前記した判定回路48から与えられた判定
結果に従って、各出力端子37b〜37eに対して、そ
れぞれ所定の信号を送出する。
【0038】今、本発明の音響信号の伝送方法が、音響
信号の振幅成分の1次モーメント周波数(重心周波数)
の変化量が大きな場合に、ビット数を多く割当ててオリ
ジナルデータを伝送するようにするとともに、音響信号
の振幅成分の1次モーメント周波数(重心周波数)の変
化量が小さな場合には、ビット数を少く割当てたデータ
を作って音響信号を高能率伝送するようにして実施され
るとした場合について説明すると次のとおりである。前
記のような実施の態様の場合に、例えば音響信号の振幅
成分の1次モーメント周波数(重心周波数)の変化量が
大きな状態のときには、図3の適応量子化制御信号,ビ
ット数情報発生部37の信号発生回路49では、既述し
た判定回路48から与えられた判定結果に従って、出力
端子37bから線50を介して、切換スイッチ9Sの切
換制御信号供給端子15と、切換スイッチ16Sの切換
制御信号供給端子36とに対して、前記した各切換スイ
ッチ9S,16Sの可動接点vを固定接点a側に切換え
た状態にする切換制御信号を供給して、前記した切換ス
イッチ9Sの可動接点vから適応量子化部38に対して
オリジナルの振幅成分が与えられるようにし、また、前
記した切換スイッチ16Sの可動接点vから適応量子化
部39に対してオリジナルの位相成分が与えられるよう
にし、さらに、出力端子37c,37dから適応量子化
部38,39に対して、それぞれの適応量子化部38,
39における量子化が多いビット数で行なわれるような
情報を与え、さらにまた、出力端子37eからマルチプ
レクサ18に対して、復号時に必要とされるビット数の
情報を供給する。前記の各適応量子化部38,39によ
って適応量子化されたデータも、前記したマルチプレク
サ18に対して供給され、マルチプレクサ18からの出
力データは出力端子19に供給される。
【0039】さて、直交座標→極座標変換部6における
位相計算部6Pでの計算結果として得られた特定な離散
的な周波数の位相項θi(m)はラッチ回路10と減算
器14と切換スイッチ16Sの固定接点aとに供給され
る。m番目のフレームにおける特定な離散的な周波数
(今、仮にfaとする)の位相の計算結果として直交座
標→極座標変換部6から出力された位相θi(m)のデ
ータがラッチ回路10に保持される以前にラッチ回路1
0に保持されていた位相のデータ、すなわちm-1番目の
フレームにおける特定な離散的な周波数faの位相の計
算結果として直交座標→極座標変換部6から出力されて
いた位相θi(m-1)のデータは、位相予測部PFCにお
けるラッチ回路12に保持される。前記した位相予測部
PFCは、図示の構成例ではラッチ回路12と利得が2
の増幅器11と、減算器13とによって構成されてい
る。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ回路12
に保持される以前にラッチ回路12に保持されていた位
相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームにおける特
定な離散的な周波数faの位相の計算結果として直交座
標→極座標変換部6から出力されていた位相θi(m-2)
のデータは、減算器13に対して減数信号として供給さ
れており、前記の減算器13に対して被減数信号として
供給されているのは、前記した利得が2の増幅器11か
らの出力であるから、前記の減算器13から出力される
予測位相のデータ、すなわち、位相予測部PFCから出
力される予測位相のデータは2θi(m-1)−θi(m-2)
である。
【0040】前記の直交座標→極座標変換部6における
位相計算部6Pの計算結果として得られる特定な離散的
な周波数の位相θi(m)は、ラッチ回路10と減算器1
3と切換スイッチ16Sとに供給される。m番目のフレ
ームにおける特定な離散的な周波数(今、仮にfaとす
る)の位相の計算結果として直交座標→極座標変換部6
から出力された位相θi(m)のデータがラッチ回路10
に保持される以前にラッチ回路10に保持されていた位
相のデータ、すなわちm-1番目のフレームにおける特定
な離散的な周波数faの位相の計算結果として直交座標
→極座標変換部6から出力されていた位相θi(m-1)の
データは、ラッチ回路12と利得が2の増幅器11と、
減算器13とによって構成されている位相予測部PFC
におけるラッチ回路12に保持される。そして、前記し
た位相θi(m-1)のデータがラッチ回路12に保持され
る以前にラッチ回路12に保持されていた位相のデー
タ、すなわち、m-2番目のフレームにおける特定な離散
的な周波数faの位相の計算結果として直交座標→極座
標変換部6から出力されていた位相θi(m-2)のデータ
は、減算器13に対して減数信号として供給されてお
り、前記の減算器13に対して被減数信号として供給さ
れているのは、前記した利得が2の増幅器11からの出
力であるから、前記の減算器13から出力される予測位
相のデータ、すなわち、位相予測部PFCから出力され
る予測位相のデータは2θi(m-1)−θi(m-2)である
{図2参照}。
【0041】前記した位相予測部PFCから出力された
予測位相のデータ2θi(m-1) −θi(m-2)が、減算
器14において実際の位相データθi(m)から減算され
ることによって、前記の減算器14からは位相残差信号
Δθi(m)=θi(m)-{2θi(m-1) −θi(m-
2)}が出力されて、それが切換スイッチ16Sを介して
既述した適応量子化部39にに供給され、そこで、既述
のようにして量子化サイズが設定された後に、マルチプ
レクサ18に供給される。そして、前記したマルチプレ
クサ18には、フーリエ変換フレーム内の所定数の離散
周波数毎の振幅残差信号ΔAi(m)と、位相残差信号
Δθi(m)とを発生させている他のすべての信号処理回
路からの出力データも供給されているから、マルチプレ
クサ18からは、情報量が圧縮された状態の音響信号の
データが出力されて、出力端子19を介して伝送路に送
出されることになる。
【0042】次に図2を参照して受信側のデコーダの一
例構成について説明する。図2において、20はデコー
ダの入力端子であり、この入力端子20には、図7を参
照して既述した送信側から伝送路(図示していない)を介
して受信側に伝送されて来た情報量が圧縮された状態の
音響信号のデータ、すなわちフーリエ変換フレーム内の
所定数の離散周波数毎の振幅残差信号ΔAi(m)と、位
相残差信号、及びビット数情報などを含んで構成されて
いる音響信号のデータから、図示されていないデマルチ
プレクサによって分離された、特定な離散周波数毎の振
幅残差信号ΔAi(m)と、位相残差信号Δθi(m)、
及びビット数情報などを含んでいる信号が供給されてい
る。前記した入力端子20に供給された特定な離散周波
数毎の振幅残差信号ΔAi(m)と位相残差信号Δθi
(m)、及びビット数情報とを含んでいる信号は、ある特
定な離散的な周波数のデータについての信号処理を行な
う信号処理装置によって所定の信号処理を受ける。図8
にはある特定な離散的な周波数のデータについての信号
処理を行なう1個の信号処理装置が代表的に示されてい
る。
【0043】入力端子20に特定な離散周波数のオリジ
ナルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、及び
振幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi(m)及
びビット数情報などを含んで構成されている信号が供給
された信号処理回路では、デマルチプレクサ21によっ
て特定な離散周波数(今、仮にfaとする)のオリジナ
ルの振幅成分Ai(m)や、位相成分θi(m)、及び振
幅残差信号ΔAi(m)や位相残差信号Δθi(m)、な
らびにビット数情報などを分離して、振幅成分は逆量子
化器42に供給され、また、位相成分は逆量子化器43
に供給され、さらにビット数情報はビット数情報の復号
器44に供給される。
【0044】デマルチプレクサ21から振幅成分のデー
タが供給されている逆量子化器42は、ビット数情報復
号器44から供給されたビット数情報によって所定のビ
ット数で逆量子化を行なって振幅成分のデータを復原
し、それを加算器25と切換スイッチ26Sの固定接点
aとに供給する。加算器25に与えられている振幅残差
信号ΔAi(m)が、m番目のフレームにおける振幅残差
信号ΔAi(m)である場合には、m-1番目のフレームの
合成振幅項のデータAi(m-1)であるから、加算器25
においてm-1番目のフレームの合成振幅項のデータAi
(m-1)と、m番目のフレームにおける振幅残差信号ΔA
i(m)とが加算されて、加算器25からはm番目のフ
レームの合成振幅項のデータAi(m)が出力され、それ
がラッチ回路24によって保持されるとともに、切換ス
イッチ26Sを介して極座標→直角座標変換部27に供
給される。
【0045】また、前記のようにデマルチプレクサ21
から位相成分のデータが供給されている逆量子化器43
は、ビット数情報復号器44から供給されたビット数情
報によって所定のビット数で逆量子化を行なって位相成
分のデータを復原し、それを加算器29と切換スイッチ
30Sの固定接点aとに供給する。前記した加算器29
から出力されるデータが、m番目のフレームにおける特
定な離散的な周波数の位相項のデータθi(m)となるこ
とは、前記した加算器29で加算される2つのデータ
が、デマルチプレクサ21から加算器29に与えられて
いる位相残差信号Δθi(m)が、m番目のフレームにお
ける位相残差信号Δθi(m)と、位相予測部PFCから
出力された2θi(m-1)−θi(m-2)とであるからであ
る。前記した加算器29から出力されたm番目のフレー
ムにおける特定な離散的な周波数の位相項のデータθi
(m)は、切換スイッチ30Sを介して極座標→直角座標
変換部27に供給されるとともに、ラッチ回路28に供
給されている。
【0046】前記した加算器29から出力された位相θ
i(m)のデータがラッチ回路28に保持される以前に、
ラッチ回路28に保持されていた位相のデータ、すなわ
ちm-1番目のフレームにおける特定な離散的な周波数f
aの位相θi(m-1)のデータは、ラッチ回路12と利得
が2の増幅器11と、減算器13とによって構成されて
いる位相予測部PFCにおけるラッチ回路12に保持さ
れる。前記した位相θi(m-1)のデータがラッチ回路1
2に保持される以前にラッチ回路12に保持されていた
位相のデータ、すなわち、m-2番目のフレームにおける
特定な離散的な周波数faの位相θi(m-2)のデータ
は、減算器13に対して減数信号として供給されてお
り、前記の減算器13に対して被減数信号として供給さ
れているのは、前記した利得が2の増幅器11からの出
力であるから、前記の減算器13から出力される予測位
相のデータ、すなわち、位相予測部PFCから出力され
る予測位相のデータθi(m)は2θi(m-1)−θi(m-
2)である。それで、前記した位相予測部PFCから出
力された予測位相のデータθi(m)=2θi(m-1) −
θi(m-2)と、m番目のフレームの位相残差信号Δθi
(m)=θi(m)−{2θi(m-1) −θi(m-2)}と
が加算器29で加算されると、加算器29からはm番目
のフレームにおける特定な離散的な周波数faの位相項
のデータθi(m)が出力されることになる。
【0047】前記のように加算器25から出力されたm
番目のフレームにおける特定な離散的な周波数の振幅項
のデータAi(m)と、前記のように加算器29から出力
されたm番目のフレームにおける特定な離散的な周波数
の位相項のデータθi(m)とは、切換スイッチタ26
S,30Sを介して極座標→直角座標変換部27に供給
されることにより、極座標→直角座標変換部27では、
前記したm番目のフレームの合成振幅項のデータAi
(m)と、加算器29から出力されたm番目のフレームに
おける特定な離散的な周波数の位相項のデータθi(m)
とによって、前記した特定な離散的な周波数faにおけ
る実数部(Real)振幅と、虚数部(Imag)振幅とを
計算により求めて出力し、それを逆FFT演算部31に
供給する。前記した逆FFT演算部31には、フーリエ
変換フレーム内の所定数の離散周波数毎に設けられてい
るすべての信号処理回路からの出力データが供給されて
いるから、逆FFT演算部31からはもとの音響信号の
データが復原され、それにブロック32で示されている
窓関数掛けと、ブロック33で示されているオーバーラ
ップ加算とが施されることにより、もとのデジタル音響
信号に復原されて出力端子35に送出されることにな
る。なお、本発明の実施に当って使用されるエンコーダ
やデコーダとしては、図1,図2を参照してこれまでに
説明したエンコーダやデコーダの構成例に限られるもの
ではないことは勿論である。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の音響信号の伝送方法は、予め定められ
た一定の時間長を有するように音響信号から切出された
順次の各フーリエ変換フレームの信号に同じ窓関数を用
いて離散的にフーリエ変換し、前記した各フーリエ変換
フレーム毎のフーリエ変換の結果として求められた同一
な所定数の離散周波数毎のデータを用いて、前記した各
フーリエ変換フレーム毎に得た各離散周波数毎の振幅成
分と位相成分との内で、前記した各フーリエ変換フレー
ム毎に得た各離散周波数毎の振幅成分の1次モーメント
を求め、それと直前のフーリエ変換フレームの振幅成分
の1次モーメントとの差を、予め定められた値と比較し
て、その比較結果に応じて振幅成分と位相成分との何れ
か一方または双方の量子化の際の割当てビット数を決定
して、音響信号の高能率符号化を行なうものであるか
ら、本発明によれば良好に音響信号の高能率符号化を実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音響信号の伝送方法に使用されるエン
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の音響信号の伝送方法に使用されるデコ
ーダの構成例を示すブロック図である。
【図3】エンコーダの構成の一部を説明するための図で
ある。
【図4】構成や動作の説明のために用いられる図であ
る。
【図5】構成や動作の説明のために用いられる図であ
る。
【図6】構成や動作の説明のために用いられる図であ
る。
【図7】既提案の音響信号の伝送方法に使用されるエン
コーダの構成例を示すブロック図である。
【図8】既提案の音響信号の伝送方法に使用されるデコ
ーダの構成例を示すブロック図である。
【図9】既提案の音響信号の伝送方法の構成原理及び動
作を説明するための図である。
【符号の説明】
6…直角座標→極座標変換部、7,10,12,24,2
8,46…ラッチ回路、8,13,14…減算器、11
…利得が2の増幅器、16…データセレクタ、17…量
子化スケーリング、18…マルチプレクサ、21…デマ
ルチプレクサ、25,29…加算器、26,30…デー
タセレクタ、27…極座標→直角座標変換部、31…逆
FFT演算部、37…適応量子化制御信号,ビット数情
報発生部、38,39…適応量子化部、45…1次モー
メント周波数計算部(重心周波数計算部)、47…減算
器、48…判定回路、49…信号発生回路、PFC…位
相予測部、9S,16S…切換スイッチ、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた一定の時間長を有するよ
    うに音響信号から切出された順次の各フーリエ変換フレ
    ームの信号に同じ窓関数を用いて離散的にフーリエ変換
    し、前記した各フーリエ変換フレーム毎のフーリエ変換
    の結果として求められた同一な所定数の離散周波数毎の
    データを用いて、前記した各フーリエ変換フレーム毎に
    得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分とを、それぞ
    れ高能率符号化した後に伝送する音響信号の伝送方法に
    おいて、音響信号の振幅成分の1次モーメント周波数の
    変化を検出する手段を設け、前記した各フーリエ変換フ
    レーム毎に得た各離散周波数毎の振幅成分と位相成分と
    の何れか一方または双方に対して、前記した音響信号の
    振幅成分の1次モーメント周波数の変化量に応じた適応
    量子化を施して伝送するようにした音響信号の伝送方
    法。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6484300A (en) * 1987-09-26 1989-03-29 Fujitsu Ltd Voice spectrum encoding system
JPH04302533A (ja) * 1991-03-29 1992-10-26 Sony Corp ディジタルデータの高能率符号化方法

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