JPH0613530Y2 - 漏水及び結露対策を施した路上局用制御盤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ．産業上の利用分野 この考案は、盤内部の配管に結露した水分を排出すると
ともに、盤内部への漏水を検知するようにした制御盤に
関する。

Ｂ．考案の概要 本考案は、電機計装機器類及び水関係器具を収納した制
御盤において、 制御盤本体内部の断熱材を被覆していない水関係配管を
集中配置し、配管の集結下部に結露受皿を設置し、結露
受皿に外部に通ずる排水管を設置するとともに、制御盤
本体内の底面部に漏水検知用センサを設置して構成する
ことにより、 配管表面に結露した水滴を、結露受皿で受け、この結露
受皿に接続する排水管から外部に排水するようにして、
配管表面の結露が制御盤内部に漏水するのを防止し、さ
らに、漏水検知用センサにより、漏水を直ちに発見でき
るようにしたので、漏水に対する補修を早期に実行で
き、盤内の錆の発生を有効に防止し、さらに、電気設備
の漏電，誤動作を防止し、電気計装品の使用寿命を延命
し、その機能上の信頼性を向上できるようにしたもので
ある。

Ｃ．従来の技術 従来の制御盤の中には、例えば、水道施設として用いら
れる路上局用制御盤がある。この路上局用制御盤は、路
上等の屋外に設置されるもので、排水管の流量，圧力及
び残塩等の値を計測し、遠方監視制御装置を介して、中
央へ信号伝送を行ったり、又は電動制御弁の開度制御を
行うものである。このため、路上局用制御盤内部には、
水関係器具として、水配管，圧力センサ，流量センサ，
残塩センサ及び脱泡槽等の器具に混在して、電気計装機
器類として、配線用しゃ断器，計装用パネル機器，電源
類及び遠方監視制御装置等を収納してした。

Ｄ．考案が解決しようとする問題点 上述のような従来の水関係器具と電気計装機器類を具備
する路上局用制御盤等では、その盤内に水関係の配管等
が存在するため、電気計装品にとって良好な環境である
周囲温度０℃〜４０℃，湿度２０〜８０％に保つのが難
しく、夏季にはその配管部分に結露を生じたり、又はそ
の配管から漏水することがある。このため、盤内の電気
計装機器類に水滴が付着する等して漏電したり、これに
より誤動作することがあり、さらに、盤内が湿潤して錆
が発生することがある。この結果、その電気計装機器類
の使用寿命も短くなり、その信頼性も低下するという問
題があった。

本考案は上述の点に鑑み、制御盤内の漏水及び結露に対
する防水対策に万全を期すようにし、漏電，錆の発生，
誤動作を防止し、さらにこの制御盤内部に設置した、電
気計装品の使用寿命を延命し、かつその信頼性を低下さ
せないようにすることを目的とする。

Ｅ．問題点を解決するための手段 本考案の漏水及び結露対策を施した制御盤は、制御盤本
体内部の断熱材を被覆していない水関係配管を集中配置
し、この配管の集結下部に結露受皿を設置し、結露受皿
に外部に通ずる排水管を設置するとともに、制御盤本体
内の底面部に漏水検知用センサを設置して構成したこと
を特徴とする。

Ｆ．作用 上述のように構成することにより、配管表面に結露した
水滴を、結露受皿で受け、この結露受皿に接続する排水
管から外部に排水するようにして、配管表面の結露が制
御盤内部に漏水するのを防止し、さらに、漏水検知用セ
ンサにより、漏水を直ちに発見できるようにするという
作用を奏する。

Ｇ．実施例 以下、本考案の漏水及び結露対策を施した制御盤の一実
施例を、第１図乃至第３図によって説明する。

第１図は、本例の制御盤の全体斜視図で、１は制御盤本
体、２，２はその前面に観音開きに設けた前面扉であ
る。

この制御盤本体１の内部は、中央を縦に仕切る内隔壁３
によって、電気計装機器室４と、水関係器具室５とに２
分割する。

そして、この電気計装機器室４には、計装用パネル機器
６及びその他に配線用しゃ断器，電源類，遠方監視制御
装置等を収納する。また、水関係器具室５には、水配管
７，８，９，１０，残塩センサ１１、その他に圧力セン
サ，流量センサ，脱泡槽等を収納するようにする。

このようにすることによって、水関係器具で生ずる結露
又はその漏水を、内隔壁３でしゃ閉して、電気計装機器
室４内への水の侵入を防止する。

さらに、水関係器具室５内においては、配管の結露対策
として、多数の配管のうち、配置，用途の上で適当なも
のには、その配管７，８，９，１０のパイプ表面に断熱
材を被覆し、外部からしゃ断して結露を防止する。

また、このように断熱材を被覆するのが、不適当又は不
可能な配管１２，１３，１４は、これらを中央の一箇所
に集中配置して、これら配管１２，１３，１４の集結下
部に、所要の大きさの皿状容器である結露受皿１５を設
置する。また、この結露受皿１５には、制御盤本体１外
部に排水するための排水管１６を設置する。

このように構成することにより、第２図の要部の概略図
にも示すように、配管７を通った検水は、制御盤内部の
配管８，９，１０を流通する。この際、断熱材で被覆し
ていない配管１２，１３，１４が冷却されると、この部
分に結露する。そして、時間とともに、その水滴が大き
くなると、その自重により、配管１２，１３，１４の表
面を伝わって、結露受皿１５内に入り、排水管１６によ
って外部に排水される。よって、このような結露が制御
盤内部に漏水することを防止できる。

次に漏水検知対策としては、第３図に示すように、水関
係器具室５内部底面上に、電極等の漏水検知用センサ１
７を設置し、これを電気計装機器室４内に設けた電極リ
レーに接続して、漏水を検知するようにする。

そして、漏水検知用センサ１７が水に浸ると、電気リレ
ーが働いて、漏水を自動検出し、中央盤視所に信号を送
る。

このようにして漏水が発見されると、直ちに作業員が漏
水の補修を行うものである。

従って、制御盤内における漏水による錆の発生を最小限
に押さえることができるものである。

なお、第２図に示すように、この制御盤本体１には、盤
内の漏水を外部に排出するための排水口１８を設置す
る。

Ｈ．考案の効果 以上詳述したように、本考案の漏水及び結露対策を施し
た制御盤では、断熱材を被覆していない所要の配管を集
中配置し、これらの集結下部に、結露受皿を設置し、配
管表面に結露した水滴を結露受皿で受け、この結露受皿
に接続する排水管から外部に排水するようにしたので、
この配管表面の結露が制御盤内部に漏水するのを防止で
きるものであり、さらに、制御盤内の低部に漏水検知用
センサを設置して、漏水を直ちに発見できるようにした
ので、漏水に対する補修を早期に実行でき、盤内の錆の
発生を有効に防止し、さらに、電気設備の漏電，誤動作
を防止し、電気計装品の使用寿命を延命し、その機能上
の信頼性を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の漏水及び結露対策を施した制御盤の全
体斜視図、第２図はその要部の概略構成を示す概略正面
図、第３図はその要部の概略構成を示す概略側面図であ
る。 １……制御盤本体、７，８，９，１０……配管、１２，
１３，１４……配管、１５……結露受皿、１６……排水
管。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０２Ｂ 1/08 Ｎ (56)参考文献 特開 昭61−142907（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−208300（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】制御盤本体の内部を、縦に仕切る内隔壁に
   よって電気計装機器室と、水関係器具室とに２分割し、
   電気計装機器室には、計装用パネル機器及びその他の配
   線用しゃ断器、電源類、遠方監視制御装置等を収納し、
   水関係器具室には、水配管、残塩センサ、その他圧力セ
   ンサ、流量センサ等のセンサを収納するとともに、この
   水関係器具室内の結露しやすい配管の表面に断熱材を被
   覆し、断熱材を被覆していない水関係配管を集中配置
   し、当該配管の集結下部に結露受皿を設置し、当該結露
   受皿に外部に通ずる排水管を設置するとともに、前記制
   御盤本体内の底面部に漏水検知用センサを設置して構成
   したことを特徴とする漏水及び結露対策を施した路上局
   用制御盤。