JPH06128257A - ピリドジアゼピン化合物 - Google Patents

ピリドジアゼピン化合物

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JPH06128257A
JPH06128257A JP30172692A JP30172692A JPH06128257A JP H06128257 A JPH06128257 A JP H06128257A JP 30172692 A JP30172692 A JP 30172692A JP 30172692 A JP30172692 A JP 30172692A JP H06128257 A JPH06128257 A JP H06128257A
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JP
Japan
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substituent
formula
alkyl
carbons
general formula
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Application number
JP30172692A
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English (en)
Inventor
Minoru Moriwaki
稔 森脇
Hirotake Yamato
裕武 大和
Takayuki Yuchi
剛之 有地
Hiroshi Yasumatsu
浩 安松
Hiroshi Komatsu
弘嗣 小松
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Welfide Corp
Original Assignee
Welfide Corp
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Publication date
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 〔式中、Arはハロゲンで置換されたフェニルなどを示
す。環Aはピリジン環を示す。R1 ,R2 は水素、ハロ
ゲン、アルキル等を示す。R3 はウレイドなどを示す。
Xは酸素または硫黄を示す。Yは水素、アルキル等を示
すか、XとYが結合して、トリアゾール環、イミダゾー
ル環を形成する。〕により表されるピリドジアゼピン化
合物またはその製薬上許容される塩。 【効果】 本化合物はCCK拮抗作用、ガストリン拮抗
作用を有し、さらに細胞接着阻害作用を有し、医薬とし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコレシストキニンおよび
ガストリンに対し優れた拮抗作用を有し、かつ優れた細
胞接着阻害作用を有する新規なピリドジアゼピン化合物
またはその製薬上許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】コレシストキニン(以下、CCKとも言
う)はアミノ酸33個からなるニューロペプタイドであ
り、C末端側の8個のアミノ酸からなるCCK−8でも
活性を有している。ガストリンはアミノ酸34個からな
り、C末端側の5個のアミノ酸からなるペンタガストリ
ンでも活性を示し、ペンタガストリンのアミノ酸配列は
CCKのN末端と同一である。両者およびその受容体は
共に胃腸組織や中枢神経系に存在し、膵臓酵素分泌や胃
酸分泌の制御および不安等の情動にも関与していると考
えられている。これらCCKおよびガストリンに対し拮
抗作用を有する化合物は、膵臓障害や胃腸系潰瘍などの
疾患の予防または治療薬として、また抗不安薬としても
有望視され、現在までに多数の拮抗性物質が研究されて
きている。CCK拮抗物質としては、ベンゾトリプト
〔プロシーディング・オブ・ナショナル・アカデミー・
オブ・サイエンス・オブ・ユー・エス・エー(Proc. Na
tl.Acad.Sci. U.S.A.) 第78巻、第6304頁(19
81年)〕が、ガストリン拮抗物質としてはプログルミ
ド〔ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー
(J.Med.Chem.)第27巻、第1597頁(1984
年)〕が知られている。しかしながら、これらの作用は
比較的弱く、さらに高い活性を有し、安全性の優れた化
合物が望まれている。また、ペプチド系拮抗物質につい
ては、その作用の持続が短いこと、不安定であること、
および吸収性がよくないことなどの面で必ずしも満足の
いくものではない。さらに、近年になって、いくつかの
炎症性疾患およびアレルギー性疾患の発症・進行に対
し、種々の細胞接着分子が深く関与していることが明ら
かになってきており、細胞接着阻害作用を有する化合物
が優れた抗炎症薬または抗アレルギー薬となり得ること
が期待されている。たとえばプロシーディング・オブ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ユ
ー・エス・エー(Proc. Natl.Acad.Sci. U.S.A.) 第8
8巻(1991年)355〜359頁には、N−(フル
オレニル−9−メトキシカルボニル)アミノ酸類が白血
球接着を阻害することにより種々の動物炎症モデルにお
ける反応を抑制することが、また、アメリカン・フェデ
レーション・フォー・クリニカル・リサーチ・アニュア
ル・ミーティング(American Federation for Clinical
Research Annual Meeting, 1991年5月6日)の抄
録には同系化合物が白血球上の接着分子(CD18な
ど)発現を抑制することにより血管内皮細胞への白血球
接着が阻害されることなどが記載されている。一方、国
際出願公開WO89/05812号公報および特開平3
−223290号公報にはCCK拮抗作用またはガスト
リン拮抗作用を有するチエノジアゼピン化合物が開示さ
れている。また、特公昭47−9598号公報には鎮痙
作用などを有するピリドジアゼピン化合物が開示されて
いる。上記したように、現在まで報告されているCCK
拮抗薬およびガストリン拮抗薬は、その効果が決して満
足できるものではなく、より優れた作用を有する化合物
の開発が望まれている。また、血管内皮細胞への白血球
接着阻害作用を有する優れた抗炎症薬、抗アレルギー薬
の開発も望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より優れ
たCCK拮抗薬、ガストリン拮抗薬および/または細胞
接着阻害薬を開発することを目的に鋭意探索した結果、
ある種のピリドジアゼピン化合物が優れたCCK拮抗作
用、ガストリン拮抗作用または血管内皮細胞への白血球
接着を阻害する作用を有していることを見いだし、本発
明を完成させるに至った。
【0004】すなわち、本発明は一般式:
【化7】 〔式中、Arは置換基を有していてもよいアリールまた
は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示す。環
Aは次のピリジン環を示す。
【化8】 1 ,R2 は同一または異なって、水素、ハロゲン、炭
素数1〜6個のアルキル、炭素数1〜6個のアルコキ
シ、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を
有していてもよいヘテロアリールを示す。あるいは、R
1 とR2 は互いに結合して置換基を有していてもよい6
員環を形成することができる。R3 は式: −(CH2)aN(R4)CZN(R5)(R6) (1) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。Zは酸素原
子または硫黄原子を示す。R4 は水素、炭素数1〜20
個のアルキルまたは置換基を有していてもよいアラルキ
ルを示す。R5 ,R6 は同一または異なり、それぞれ水
素、炭素数1〜20個のアルキル、置換基を有していて
もよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいシク
ロアルキルアルキル、置換基を有していてもよいアリー
ル、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有
していてもよいヘテロアリールまたは置換基を有してい
てもよいヘテロアリールアルキルを示す。)により表さ
れる基、式: −(CH2)aN(R4)COR7 (2) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。R4 は水
素、炭素数1〜20個のアルキルまたは置換基を有して
いてもよいアラルキルを示す。R7 は炭素数1〜20個
のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2
〜20個のアルキニル、置換基を有していてもよいアリ
ール、置換基を有していてもよいヘテロアリール、置換
基を有していてもよいアラルキルまたは置換基を有して
いてもよいヘテロアリールアルキルを示す。)により表
される基、あるいは式: −(CH2)aN(R4)SO2 9 (3) −(CH2)aN(R4)COOR10 (4) −(CH2)aOCON(R11)( R12) (5) −(CH2)aCON(R13)( R14) (6) −(CH2)aOCOR15 (7) −(CH2)aOSO2 16 (8) −(CH2)aCOR17 (9)、および −(CH2)aS(O)nR18 (10) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。R4 は水
素、炭素数1〜20個のアルキルまたは置換基を有して
いてもよいアラルキルを示す。R9 ,R10は炭素数1〜
20個のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭
素数2〜20個のアルキニル、置換基を有していてもよ
いシクロアルキル、置換基を有していてもよいシクロア
ルキルアルキル、置換基を有していてもよいアリール、
置換基を有していてもよいヘテロアリール、置換基を有
していてもよいアラルキルまたは置換基を有していても
よいヘテロアリールアルキルを示す。R11,R12または
13,R14は同一または異なり、それぞれ水素、炭素数
1〜20個のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニ
ル、炭素数2〜20個のアルキニル、置換基を有してい
てもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロア
リール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは置
換基を有していてもよいヘテロアリールアルキルを示
す。R15,R16,R17,R18はそれぞれ炭素数1〜20
個のアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置
換基を有していてもよいヘテロアリール、置換基を有し
ていてもよいアラルキルまたは置換基を有していてもよ
いヘテロアリールアルキルを示す。nは0,1または2
を示す。)から選ばれる基を示す。Xは酸素原子または
硫黄原子を示す。Yは水素、炭素数1〜20個のアルキ
ル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2〜20個
のアルキニル、置換基を有していてもよいアラルキル、
置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル、ま
たは式:−(CH2)bCOOR19(ここで、R19は水
素、炭素数1〜20個のアルキル、炭素数2〜20個の
アルケニルまたは置換基を有していてもよいアラルキル
を示す。bは1〜6の整数を示す。)により表される基
を示す。または、XとYは互いに結合して=N−N=C
( R20)−または=N−CH=C( R20)−(ここで、
20は水素、ハロゲン、炭素数1〜20個のアルキル、
炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2〜20個のア
ルキニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、
置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル、置
換基を有していてもよいアリール、置換基を有していて
もよいヘテロアリール、置換基を有していてもよいアラ
ルキル、置換基を有していてもよいヘテロアリールアル
キル、または式:−(CH2)bCOOR21(ここで、R
21は水素、炭素数1〜20個のアルキル、炭素数2〜2
0個のアルケニルまたは置換基を有していてもよいアラ
ルキルを示す。bは1〜6の整数を示す。)により表さ
れる基を示す。)により表される基を示す。〕により表
されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許容さ
れる塩に関する。
【0005】さらに、本発明は一般式
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
ピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許容される塩
に関する。
【0006】上記一般式(I)に関し、アリールとは、
その芳香環上にハロゲン、炭素数1〜6個のアルキル、
炭素数1〜6個のアルコキシ、トリフルオロメチル、ニ
トロ、アミノ、シアノおよび水酸基から選ばれる1〜3
個の置換基を有していてもよいフェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチルなどがあげられる。ヘテロアリールと
は、環を構成するヘテロ原子が窒素、酸素、硫黄等であ
り、その環上にハロゲン、炭素数1〜6個のアルキル、
炭素数1〜6個のアルコキシ、トリフルオロメチル、ニ
トロ、アミノ、シアノおよび水酸基から選ばれる1〜3
個の置換基を有していてもよく、たとえば、ピリジル
(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、キノ
リル(2−キノリル、3−キノリルなど)、インドリル
(2−インドリル、3−インドリルなど)、チエニル
(2−チエニル、3−チエニル)、フリル(2−フリ
ル、3−フリル)、ベンゾフリル(2−ベンゾフリル、
3−ベンゾフリルなど)、1H−ベンズイミダゾール−
2−イル、2−ベンゾチアゾリルなどがあげられる。ハ
ロゲンとは塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を示す。炭素数
1〜20個のアルキルとは、直鎖または分枝状でもよ
く、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、イ
ソペンチル、第3級ペンチル、ヘキシル、オクチル、2
−エチルヘキシル、2,2−ジエチルオクチル、1,
1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル、デシル、ド
デシル、テトラデシル、オクタデシル、エイコシルなど
があげられる。該アルキルの好ましい炭素数は1〜6個
である。置換基を有していてもよいアラルキルとは、ア
ルキル部の炭素数が1〜6個、好ましくは1〜4個であ
って、その芳香環上にハロゲン、炭素数1〜6個のアル
キル、炭素数1〜6個のアルコキシ、トリフルオロメチ
ル、ニトロ、アミノ、シアノおよび水酸基から選ばれる
1〜3個の置換基を有していてもよく、ベンジル、1−
フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプ
ロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、
6−フェニルヘキシル、1−ナフチルメチル、2−ナフ
チルメチル、ジフェニルメチル、4−フェニル−3−メ
チルブチルなどがあげられる。
【0007】炭素数2〜20個のアルケニルとは、ビニ
ル、プロペニル、2−メチル−1−プロぺニル、3−メ
チル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニ
ル、3,4,5−トリメチル−1−ブテニル、3−ブテ
ニル、3−ヘキセニル、5−ドデセニル、6−エチル−
3−デセニル、11,11−ジメチル−7−テトラデセ
ニル、14−オクタデセニル、8−エイコセニルなどが
あげられる。該アルケニルの好ましい炭素数は、2〜8
個である。炭素数2〜20個のアルキニルとは、1−プ
ロピニル、3−メチル−1−ブチニル、1,4−ジメチ
ル−1−ヘキシニル、エチニル、プロパルギル、3−ヘ
キシニル、3,4−ジエチル−1−オクチニル、5−ド
デシニル、6−エチル−3−デシニル、11,11−ジ
メチル−7−テトラデシニル、14−オクタデシニル、
8−エイコシニルなどがあげられる。該アルキニルの好
ましい炭素数は、2〜8個である。置換基を有していて
もよいシクロアルキルとは、炭素数3〜10個を有し、
たとえば、シクロプロピル、2,3−ジメチルシクロプ
ロピル、シクロブチル、3−メチルシクロブチル、シク
ロペンチル、3,4−ジメチルシクロペンチル、シクロ
ヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ビ
シクロ〔3.3.0〕オクタン−1−イル、ビシクロ
〔3.3.1〕ノナン−9−イルなどがあげられる。
【0008】置換基を有していてもよいシクロアルキル
とは、シクロアルキル部が炭素数3〜10個、アルキル
部が炭素数1〜6個、好ましくは1〜3個であって、た
とえばシクロプロピルメチル、2,3−ジメチルシクロ
プロピル、シクロブチルメチル、3−メチルシクロブチ
ルメチル、シクロペンチルメチル、3,4−ジメチルシ
クロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、4−メチ
ルシクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シク
ロオクチルメチル、2−シクロヘキシルエチル、3−シ
クロヘキシルプロピル、ノルボルニルメチル、1−アダ
マンチルメチル、ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−1
−イルメチル、ビシクロ〔3.3.1〕ノナン−9−イ
ルメチルなどがあげられる。置換基を有していてもよい
ヘテロアリールアルキルとは、その環上にハロゲン、炭
素数1〜6個のアルキル、炭素数1〜6個のアルコキ
シ、トリフルオロメチル、ニトロ、アミノ、シアノおよ
び水酸基から選ばれる1〜3個の置換基を有していても
よく、アルキル部の炭素数が1〜4個、好ましくは1〜
2個であって、環を構成するヘテロ原子が窒素、酸素あ
るいは硫黄等であるものである。たとえばピリジル(2
−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)メチル、キ
ノリル(2−キノリル、3−キノリルなど)メチル、イ
ンドリル(2−インドリル、3−インドリルなど)メチ
ル、チエニル(2−チエニル、3−チエニル)メチル、
フリル(2−フリル、3−フリル)メチル、ベンゾフリ
ル(2−ベンゾフリル、3−ベンゾフリルなど)メチ
ル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル、2−
ベンゾチアゾリルメチル、2−(2−チエニル)エチ
ル、2−(2−フリル)エチルなどがあげられる。R1
とR2 が互いに結合して形成される置換基を有していて
もよい6員環とは、ベンゼンを示し、置換基としてはハ
ロゲン、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数1〜6個の
アルコキシ、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、水
酸基などがあげられる。置換基およびR1 ,R2 におけ
るハロゲンとは、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素を示し、
炭素数1〜6個のアルキルとは、メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、第3級ペンチル、ヘキシ
ルなどがあげられ、炭素数1〜6個のアルコキシとは、
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブ
トキシ、イソブトキシ、第3級ブトキシ、ペンチルオキ
シ、イソペンチルオキシ、第3級ペンチルオキシ、ヘキ
シルオキシなどがあげられる。
【0009】一般式(I)の好ましい化合物としては、
N−(6−(4−クロロフェニル)−9−イソプロピル
−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,
4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−
4−イル)−N’−(3−メチルフェニル)ウレア、N
−(6−(4−クロロフェニル)−9−イソプロピル−
1−プロピル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,
4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−
4−イル)−N’−(3−メチルフェニル)ウレア、N
−(6−(2−クロロフェニル)−9−イソプロピル−
1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,
4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−
4−イル)−N’−(2−メトキシフェニル)ウレア、
N−(6−(2−クロロフェニル)−1,9−ジメチル
−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾ
ロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)−
N’−(4−メトキシフェニル)ウレア、N−(1−メ
チル−5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジヒドロ−
2H−ピリド〔2,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン−3
−イル)−N’−(3−メチルフェニル)ウレア、N−
(5−(2−クロロフェニル)−1−メチル−8−イソ
プロピル−2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ピリ
ド〔2,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン−3−イル)−
2−インドールカルボキサミド、N−フェニル−(6−
(4−クロロフェニル)−1−メチル−4H−ピリド
〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド、
N−(3−メチルフェニル)−(6−(4−クロロフェ
ニル)−1,9−ジメチル−4H−ピリド〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド、N−(3−
クロロフェニル)−(6−(4−クロロフェニル)−9
−イソプロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド、N−(2−
メトキシフェニル)−(6−(4−クロロフェニル)−
1−メチル−9−フェニル−4H−ピリド〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド、N−(3−
メトキシフェニル)−(6−(4−クロロフェニル)−
1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,
4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−
4−イル)アセトアミド、N−(6−(4−クロロフェ
ニル)−1,9−ジメチル−4H−ピリド〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)−p−トルエンスルホンア
ミド、N−(6−(2−クロロフェニル)−9−イソプ
ロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕
〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジ
アゼピン−4−イル)−p−トルエンスルホンアミド、
(5−(4−クロロフェニル)−8−イソプロピル−1
−メチル−2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2H−ピリ
ド〔2,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン−3−イル)−
N−(3−メチルフェニル)カーバメート、(6−(2
−クロロフェニル)−1,9−ジメチル−4H−ピリド
〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)−N−(3−メ
チルフェニル)カーバメート、などの化合物またはその
製薬上許容される塩があげられる。
【0010】本発明の化合物の製薬上許容される塩とし
ては無機酸または有機酸との酸付加塩、および無機塩
基、有機塩基またはアミノ酸との塩があげられ、本発明
の目的からするとそれら塩は無毒性のものが好ましい。
また、一般式(I)、(II)、(III) 、(IV)の化合物は少
なくとも1個のキラルな炭素原子を有していることか
ら、それに基づくラセミ体、光学活性体またはジアステ
レオマーなどはすべて本発明に包含されるものである。
【0011】方法1: 一般式(I)中、R3 が式
(1)により表される基である化合物は、一般式
【化13】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物と一般式 R24NCZ (VI) (式中、R24はR5 またはR6 を示し、R5 ,R6 およ
びZは前記と同義である。)により表されるイソシアネ
ートまたはイソチオシアネートとを付加させることによ
って製造できる。一般式 (V)の化合物と一般式(VI)の化
合物との付加反応は、本反応を阻害しない適当な溶媒中
で行われる。溶媒としてはたとえば、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオ
キサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒を
用いる。本反応の温度は用いられる試薬や溶媒により異
なるが、一般には−20℃から溶媒の沸点が好ましい。
【0012】方法2: 一般式(I)中、R3 が式
(2)により表される基である化合物は、一般式(V)
の化合物と一般式 R7 COW (VII) 〔式中、R7 は前記と同義であり、Wは脱離基(水酸
基、ハロゲン、エステル基(ペンタクロロフェノキシ、
p−ニトロフェノキシなど)またはチオエステル基(フ
ェニルチオ、2,6−ジメチルピリジン−4−チオな
ど)など)を示す。〕により表される化合物とを縮合さ
せることにより製造することができる。一般式(V)の
化合物と一般式(VII) の化合物との縮合反応は、適当な
溶媒中で行われる。溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオ
キサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの有機溶媒を
用い、必要により塩基または脱水縮合剤の存在下に−2
0℃から溶媒の沸点までの温度で行う。必要により用い
られる塩基としては、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ金属炭酸塩
(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ金属
炭酸水素塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムな
ど)、アルカリ金属水素化物(水素化ナトリウムな
ど)、または有機塩基(トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、N−メチルモルホリンなど)があげられる。
また、必要によりテトラブチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリエチルアンモニウムアイオダイドなど
の相関移動触媒を用い、上記の有機溶媒と水との二相系
にてアルカリ金属水酸化物を使用することもできる。脱
水縮合剤としてはアミド合成に用いられるものがよく、
たとえばジシクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル
−N’−(3−ジメチルアミノメチル)カルボジイミド
ハイドロクロライド、ジフェニルホスホリルアジド、N
−メチル−2−クロロピリジニウムアイオダイドなどが
あげられる。
【0013】方法3: 一般式(V)の化合物をジクロ
ロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、四塩化
炭素、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの不活性溶
媒中、必要により塩基(トリエチルアミン、ピリジン、
N−メチルモルホリンなど)の存在下、一般式: Q−SO2 9 (VIII) (式中、Qは塩素などのハロゲンを示し、他の記号は前
記と同義である。)により表されるスルホン酸ハライド
と反応させることにより、一般式:
【化14】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0014】方法4: 一般式(V)の化合物をクロロ
ホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
の不活性溶媒中、一般式 Q−COOR10 (IX) (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
ハロゲン化物と反応させることにより、一般式:
【化15】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0015】方法5: 一般式(III) の化合物をジクロ
ロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジメチ
ルホルムアミド、四塩化炭素などの不活性溶媒中、一般
式: Q−CON(R11)(R12) (X) (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
ハロゲン化物と反応させるか、または一般式: OCN−R28 (XI) (式中、R28はR11またはR12の一方を示す。)により
表されるイソシアネートと反応させることにより、一般
【化16】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0016】方法6: 一般式(IV)の化合物と一般式 HN(R13)(R14) (XII) (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物を反応させることにより、一般式
【化17】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。反応は、適当な溶媒(テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの有機溶
媒)中、必要により塩基または脱水縮合剤の存在下に−
20℃から溶媒の沸点までの温度を行う。必要により用
いられる塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、
N−メチルモルホリンなどがあげられる。脱水縮合剤と
しては、通常ぺプチド合成に用いられているものがよ
く、たとえばジシクロヘキシルカルボジイミド、N−エ
チル−N’−(3−ジメチルアミノメチル)カルボジイ
ミド塩酸塩、ジフェニルホスホリルアジド、N−メチル
−2−クロロピリジニウムアイオダイド、分子篩などが
あげられる。
【0017】方法7: 一般式(III) の化合物をジクロ
ロメタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジメチ
ルホルムアミド、四塩化炭素などの不活性溶媒中、一般
式 Q−COR15 (XIII) (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
酸ハライドと反応させるか、あるいは一般式 (R15CO)2 O (XIV) (式中、記号は前記と同義である。)により表される酸
無水物と反応させることにより、一般式
【化18】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0018】方法8: 一般式(III) の化合物と一般式 Q−SO2 16 (XV) (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物を反応させることによって、一般式
【化19】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0019】方法9: 一般式
【化20】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物を、水素化ナトリウム、カリウム第3級ブトキシ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウムな
どの塩基の存在下に炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキル
と反応させて、3位にアルコキシカルボニル基を導入
し、次いで一般式 Q−(CH2 )aCOR17 (XVII) (式中、各記号は前記と同義である。)のハロゲン化物
を反応させ、得られる一般式
【化21】 (式中、R29はメチル、エチルなどのアルキルを示し、
他の各記号は前記と同義である。)により表される化合
物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化バリウ
ムなどの塩基の存在下に水または水と適当な溶媒(メタ
ノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン
など)との混合溶媒中、0℃から用いた溶媒の沸点まで
の温度で加水分解を行い、さらに、酸(塩酸、硫酸、臭
化水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスル
ホン酸など)を用いて脱炭酸反応を行うことによって、
一般式
【化22】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。
【0020】方法10: 一般式(III) の化合物をジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、ト
ルエン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの不活
性溶媒中、オキシ塩化リン、三臭化リン、塩素、臭素、
N−ブロモコハク酸イミドなどのハロゲン化剤と反応さ
せてハロゲン化し、これを適当な溶媒(メタノール、エ
タノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミ
ドなど)中で、一般式 R18SH または R18SNa (XIX) (式中、R18は前記と同義である。)により表されるチ
オールまたはチオラートを反応させることにより、一般
【化23】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。この化合物をエタノール、メタノー
ル、酢酸あるいは酢酸と水の混合溶媒中、酸化剤(過酸
化水素、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウ
ム、オゾン、酸化ルテニウムなど)で酸化すると、一般
【化24】 (式中、n’は1または2を示し、他の各記号は前記と
同義である。)により表される化合物が得られる。
【0021】一般式(II)において、aが0である一般式
【化25】 (式中、各記号は前記と同義である。)の化合物は、一
般式(XVI) の化合物に塩基(水素化ナトリウム、カリウ
ム第3級ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、
ブチルリチウムなど)の存在下、炭酸ジアルキル(炭酸
ジエチルなど)を反応させて6位にアルコキシカルボニ
ル基(エトキシカルボニルなど)を導入し、次いでO−
(2,4−ジニトロフェニル)ヒドロキシルアミンと反
応させて一般式
【化26】 (式中、R25はエチルなどのアルキルを示し、他の各記
号は前記と同義である。)により表される化合物を得、
この一般式(XX)の化合物を塩基(水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムなど)
の存在下に水または水と有機溶媒(メタノール、エタノ
ール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどが好ましい。)との混合溶媒中、約0℃から用
いた溶媒の沸点までの温度で加水分解反応に付し、得ら
れた反応液を塩酸、硫酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢
酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸を用いて酸
性にし、脱炭酸することによって得ることができる。
【0022】一般式(V)において、aが1〜6である
化合物は、上記と同様にしてアルコキシカルボニルを導
入した後、一般式
【化27】 (式中、a’は1〜6の整数、Qはハロゲンを示す。)
により表される化合物を反応させ、一般式
【化28】 (式中、Phthはフタロイルを示し、他の各記号は前
記と同義である。)により表される化合物を得、この一
般式(XXII)の化合物を塩基(水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムなど)の存
在下に水または水と有機溶媒(メタノール、エタノー
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどが好ましい。)との混合溶媒中、約0℃から用い
た溶媒の沸点までの温度で加水分解反応に付し、得られ
た反応液を塩酸、硫酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢
酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸を用いて酸
性にすることによって脱炭酸を行い、次いで適当な溶媒
(水、メタノール、エタノーール、イソプロピルアルコ
ール、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの
混合溶媒など)中、ヒドラジンを加え、0℃から用いる
溶媒の沸点までの温度で脱保護することによって、一般
【化29】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物を得る。
【0023】また、一般式(V)の化合物は、上記のよ
うにして得られる一般式(II −1)または一般式(II −
2)の化合物に一般式 R4 Q (XXIII) (式中、Qはハロゲンを示し、R4 は前記と同義である
が水素以外の基を示す。)により表されるハロゲン化ア
ルキルを適当な溶媒(ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミドなど)
中、塩基(水素化ナトリウム、カリウム第3級ブトキシ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウム、
ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸水素ナトリウムなど)の存在下に−20℃
から用いた溶媒の沸点までの温度で反応させるか、ある
いは水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナト
リウムなどの還元剤の存在下にアルデヒドと反応させる
ことにより得られる。
【0024】一般式(III) において、aが0である化合
物は、以下に示す合成経路によって合成することができ
る。
【化30】 (式中、各記号は前記と同義である。)一般式(XVI) の
化合物をクロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
ベンゼン、トルエンなどの不活性溶媒中、メタクロロ過
安息香酸、過酸化水素、過酢酸などの過酸でN−オキシ
ド(XXIV)とし、これを無水酢酸中でポロノフスキー転位
反応に付すことによって一般式(XXV) で表される化合物
とした後、水と適当な有機溶媒(メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなど)との混合液中で、水
酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カリウムなど
の塩基と反応させて加水分解することにより、一般式(I
II−1)の化合物を得る。
【0025】一般式(III) において、aが1〜6である
化合物は、前記と同様にして、一般式(XVI) の化合物の
3位にアルコキシカルボニル基を導入した後に、一般式 Q−(CH2 )aOCOR’ (XXVI) (式中、R’はメチル、エチルなどのアルキルを示し、
他の記号は前記と同義である。)により表されるハロゲ
ン化物を反応させて得られる一般式
【化31】 (式中、各記号は前記と同義である。)の化合物を前記
と同様に脱炭酸および加水分解することによって合成さ
れる。一般式(III) において、aが1〜6である化合物
は、一般式(XVI) の化合物をテトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ジメ
チルホルムアミドなどの不活性溶媒中、塩基(水素化ナ
トリウム、カリウム第3級ブトキシド、リチウムジイソ
プロピルアミド、ブチルリチウムなど)の存在下、式:
Q−(CH2 )aNPhthあるいは式:Q−(C
2 )aOCOR’(式中、各記号は前記と同義であ
る。)と反応させて直接的に得ることもできる。この反
応は普通0℃以下−50℃までで進行し、得られた化合
物をそれぞれ脱保護、加水分解することによって合成す
ることができる。
【0026】一般式(IV)の化合物は、以下に示す合成経
路によって合成することができる。
【化32】 (式中、各記号は前記と同義である。)一般式(XVI) の
化合物を水素化ナトリウム、カリウム第3級ブトキシ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、ブチルリチウムな
どの塩基の存在下、炭酸ジエチルなどの炭酸ジアルキル
と反応させてジアゼピン環3位にエトキシカルボニル基
などのアルコキシカルボニル基を導入し、次に一般式Q
−(CH2 )aCOOR’(ここでR’,Q ,aは前
記と同義である。)で表されるハロエステルを反応させ
ると一般式(XXIX)の化合物を得る。一般式(XXIX)の化合
物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化バリウ
ムなどの塩基の存在下に水または水と適当な溶媒(メタ
ノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン
など)との混合溶媒中、0℃から用いた溶媒の沸点まで
の温度で加水分解反応を行い、次いで塩酸、硫酸、臭化
水素酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸などの酸を用いて酸性にして脱炭酸反応を行うこと
によって、一般式(IV)の化合物を得る。
【0027】このようにして得られた本発明の一般式
(I)、(II)、(III) 、(IV)の化合物は再結晶、カラム
クロマトグラフィーなどのそれ自体公知の方法により、
反応混合物から分離、精製することができる。本発明の
化合物は常法により無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、
リン酸、硝酸など)、有機酸(酢酸、プロピオン酸、コ
ハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、アスコルビン酸など)、無機塩基(水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンモニウム
など)、有機塩基(メチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエタノ
ールアミン、エチレンジアミン、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン、キニーネ、グアニジン、シンコニンな
ど)またはアミノ酸(リジン、オルニチン、アルギニ
ン、アラニンなど)と処理することにより塩とすること
ができる。また、水和物やその他の溶媒和物も含まれ
る。本発明の化合物中、キラルな炭素原子を有する場合
には、通常ラセミ体として得られる。ラセミ体は常法に
より光学異性体に分割することができる。そのような光
学異性体は光学活性な出発物質を使用することによって
も製造することができる。個々のジアステレオマーは分
別結晶またはクロマトグラフィーによって精製できる。
【0028】なお、一般式
【化33】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物を用いて、特開平1−156982号公報、特開
平1−79185号公報等に記載の方法に準じて合成す
ることにより、一般式
【化34】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物および一般式
【化35】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物が得られる。また、一般式(XVI) のうち、
【化36】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物は、上記公報に記載の方法に準じて、一般式(XVI
−1) の化合物から合成される一般式
【化37】 (式中、各記号は前記と同義である。)により表される
化合物に一般式
【化38】 (式中、R27はメチル、エチルなどのアルキルまたはベ
ンジルなどのアラルキルを示し、R20は前記と同義であ
る。)により表される化合物を反応させることにより製
造される。反応は、通常、反応に不活性な溶媒(メタノ
ール、エタノール、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンまたはこれこらの混合溶媒など)中、酸触媒(塩酸、
硫酸、ポリリン酸などの鉱酸類、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸などの低級脂肪酸、メタンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸などの有機スルホン酸など)の存在下に室
温〜150℃で、好ましくは溶媒の還流下に行われる。
上記反応中、酸触媒それ自体が液状であるものを用いる
場合は、これに溶媒を兼ねさせることもできる。
【0029】
【作用および発明の効果】本発明の一般式(I)の化合
物およびその塩は優れたコレシストキニンおよびガスト
リン拮抗作用を有し、また強力かつ持続性のある膵臓酵
素および胃酸分泌抑制作用を示すことから、中枢および
末梢神経に作用する薬剤および膵臓障害や胃腸潰瘍の予
防または治療薬として有用である。また、本発明の化合
物はコレシストキニン拮抗作用にもとずく抗不安作用が
期待でき、抗不安薬としても有用である。次に、本発明
の化合物の薬理試験方法を示す。 実験例1:コレシストキニン受容体結合試験 ラット大脳皮質を20倍量の氷冷した0.32Mシュク
ロース液にホモゲナイズ(ポリトロン、15,000r
pmで60秒間)、1,000g、10分間遠心する。
上清をさらに40,000g、15分間遠心する。得ら
れたぺレットを洗う目的で10mM HEPES緩衝液
(pH7.4、130mM NaCl、5mM MgC
2 を含む)にホモゲナイズ(ポリトロン、15,00
0rpmで10秒間)−遠心(40,000g、10分
間)の操作を2回行う。最終的に得られたぺレットを3
0倍量のアッセイ用緩衝液(130mM NaCl、5
mM MgCl2 、0.02%バシトラシン、1mg/
lフェニルメタンスルフォニルフルオライド含有5mM
HEPES、pH6.5)にホモゲナイズ(ポリトロ
ン、15,000rpmで20秒間)し、シナプス膜標
本とする。シナプス膜標本0.9mlに 3H−CCK8
(終濃度0.5nM)50μlおよび被験液あるいは溶
媒50μlを加え、22℃で40分間反応させ、ガラス
繊維濾紙(ワットマンGF/B)吸引濾過後、直ちに氷
冷した10mM HEPES緩衝液(pH7.4)3m
lで3回洗浄し、濾紙上の放射能濃度を測定する。1μ
MCCK8 存在下の結合量を非特異的結合量とする。 実験例2:コレシストキニン受容体結合試験 ラット膵臓を20倍量の氷冷した10mM HEPES
緩衝液(pH7.4、130mM NaCl、5mM
MgCl2 を含む)にホモゲナイズ(ポリトロン、1
5,000rpmで60秒間)し、40,000g、1
5分間遠心する。得られたぺレットを洗う目的で、10
mM HEPES緩衝液にホモゲナイズ(ポリトロン、
15,000rpmで10秒間)−遠心(40,000
g、10分間)の操作を2回行う。最終的に得られたぺ
レットを60倍量のアッセイ用緩衝液(130mM N
aCl、5mM MgCl2 、0.02%バシトラシ
ン、1mg/lフェニルメタンスルフォニルフルオライ
ド含有10mM HEPES、pH7.4)にホモゲナ
イズ(ポリトロン、15,000rpmで20秒間)
し、シナプス膜標本とする。シナプス膜標本0.9ml
3H−CCK8 (終濃度0.5nM)50μlおよび
被験液あるいは溶媒50μlを加え、22℃で60分間
反応させ、ガラス繊維濾紙(ワットマンGF/B)吸引
濾過後、直ちに氷冷した10mMHEPES緩衝液(p
H7.4)3mlで3回洗浄し、濾紙上の放射能濃度を
測定する。1μM CCK8 存在下の結合量を非特異的
結合量とする。実験例1および実験例2におけるCCK
レセプター結合試験における試験化合物の効果は次式に
より阻害率を求め、特異的結合を50%抑制する濃度
(IC50)で評価する。
【0030】また本発明の一般式(I)の化合物は、白
血球上のCD18発現を抑制することによって血管内皮
細胞への白血球接着を阻害する作用を有しており、ま
た、invivo における白血球浸潤をも抑制する。この作
用により、本化合物が、細胞接着がその発症・進行に関
与する種々の炎症性疾患、アレルギー性疾患等に対する
治療薬または予防薬として有用であると期待され、また
自己免疫性疾患ならびに膵臓移植時の拒絶反応を予防ま
たは治療するために、さらに、腫瘍細胞の転移を予防す
るためにも使用できる。以下に薬理試験方法を示す。 実験例3:培養ヒト血管内皮細胞(HUVEC)へのU
937細胞(ヒト組織球性白血病細胞)接着阻害作用 HUVECを牛胎児血清(20%)、牛脳由来血管内皮
細胞増殖因子(20μg/ml)およびヘパリン(10
0μg/ml)を含む199培地に浮遊させ、コラーゲ
ンでコートされた96ウエル組織培養用プレートに添加
後、37℃、5%CO2 存在下で培養する。細胞がコン
フルエントに達した時点でインターロイキン1(10U
/ml)を添加し、さらに24時間培養する。洗浄後、
ロイコトリエンB4(1μM)および試験化合物と共に
U937細胞(3×105 細胞/ウェル)を添加し、3
0分間インキュベートする。プレートを倒置することに
より非接着細胞を除去した後、ローズベンガル溶液(リ
ン酸緩衝生理食塩水中0.25%)を加え、5分間放置
する。199培地を用いて非接着細胞を2回洗浄・除去
した後、リン酸緩衝生理食塩水で希釈した50%エタノ
ールを添加し、20分間放置することにより細胞内に取
り込まれたローズベンガル色素を漏出させる。96ウェ
ルプレート用吸光度計を用いて570nmの吸光度を測
定し、HUVECのみのウェルの吸光度を差し引いた値
をU937細胞接着の指標とする。 実験例4:ヒト末梢血好中球のCD18発現に対する作
用 ほとんどの白血球系細胞の表面に発現する接着分子のひ
とつであるLFA−1(リンパ球ファンクション アソ
シエイテッド アンチゲン−1(lymphocyte function a
ssociated antigen-1)) のβ鎖を構成するCD18抗原
の発現に対する作用を検討する。デキストランを用いて
調製したヒト末梢血好中球を牛胎児血清(20%)を含
むRPMI1640培地に浮遊させ、ロイコトリエンB
4(1μM)および試験化合物と共に96ウェル濾過用
プレートに添加する(2×105細胞/ウェル)。37
℃、5%CO2 存在下で90分間培養した後、RPMI
1640培地にて1回洗浄し、マウス抗ヒトCD18モ
ノクローナル抗体(4μg/ml)を添加する。氷冷下
で1時間放置した後、1回洗浄し、パーオキシダーゼ標
識抗マウスイムノグロブリン抗体(2.5μg/ml)
を添加する。氷冷下で1時間放置した後、2回洗浄し、
パーオキシダーゼ用基質、〔2,2’−アジノ−ビス
(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)〕を
添加する。室温で30分間放置した後、96ウェルプレ
ート用吸光度計を用いて405nmの吸光度を測定し、
CD18抗原発現の指標とする。 実験例5:オキサゾロン誘発マウス耳浮腫に対する作用 体毛を除去したマウス腹部にオキサゾロン溶液(アセト
ン中50mg/ml)50μlを塗布することによって
感作した後、6日目にマウス右耳の表裏に5μlずつオ
キサゾロン溶液を塗布する。24時間後に左右の耳を直
径6mmのパンチャーを用いてくり抜き、その重量を直
示天秤にて測定する。処置耳(右耳)の重量から未処理
(左耳)の重量を差し引いた値を浮腫の指標とする。試
験化合物は0.5%メチルセルロース溶液に懸濁し、感
作後3〜6日目に経口により投与する(0.1ml/体
重10g)。
【0031】本発明の化合物およびその製薬上許容され
る塩を医薬品として用いる場合には通常、担体、賦形
剤、希釈剤、溶解補助剤などの製薬上許容しうる添加剤
(乳糖、コーンスターチ、タルク、カオリン、生理食塩
水、滅菌水など)を混合し、錠剤(糖衣錠、フィルムコ
ート錠を含む。)、カプセル剤、散剤、注射剤、点滴
剤、坐剤、ハップ剤などの形態で患者に安全に投与しう
る。投与量は患者の性別、年齢、体重または症状により
変わりうるが、通常、成人1日当たり経口で約1〜50
0mgの範囲が好ましい。また、一般式(II)、(III) 、
(IV)の化合物は一般式(I) の化合物の合成中間体として
有用である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されないことは言うまでも
ない。 原料調製例1 2−アミノ−3−(4−クロロベンゾイル)−5−イソ
プロピルピリジン10.0gをピリジン200mlに溶
解し、グリシンエチルエステル塩酸塩10.0gを加
え、15時間加熱還流する。この反応液にグリシンエチ
ルエステル10gを追加し、さらに15時間還流する。
反応後、反応液を減圧濃縮して溶媒を留去後、残渣に酢
酸エチルを加えた。この溶液に1規定塩酸水を加えて有
機層を洗浄し、さらに飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下濃縮すると橙色の油状物を得
る。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルム−メタノール(10:1)の溶出液
で溶出された溶液を濃縮すると微黄色の5−(4−クロ
ロフェニル)−1,3−ジヒドロ−8−イソプロピル−
2H−ピリド〔2,3−e〕−1,4−ジアゼピン−2
−オン6.3gを得る。これをメタノールから再結晶す
ると融点189〜190℃の微黄色粉末結晶を得る。 原料調製例2 3−(4−クロロベンゾイル)−2−アミノピリジン
5.7gとピリジン3.9gおよびクロロホルム50m
lを加え均一の溶液とし、室温下、N−フタロイルアミ
ノ酢酸クロリド7.3gを加え、反応液を2時間加熱還
流した。反応後、反応液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧下、濃縮すると橙色の残渣が
得られた。これに少量のエタノールを加えて結晶化し、
濾取すると、融点198〜200℃の2−(N−フタリ
ルアラニル)アミノ−3−(4−クロロベンゾイル)ピ
リジン7.6gを2−(N−フタリルアラニル)アミノ
−3−(4−クロロベンゾイル)ピリジン0.42gお
よびエタノール4mlを加え均一の溶液とし、室温下に
ヒドラジン1水和物0.12gを加え、室温で2時間攪
拌した。反応後、析出した結晶を濾取、少量のエタノー
ルで結晶を洗浄後、乾燥して、白色結晶の3−(4−ク
ロロベンゾイル)−2−〔N−(2−ヒドラジノカルボ
ニル)ベンゾイルアラニル〕ピリジン0.34gを得
た。融点220℃(分解)。3−(4−クロロベンゾイ
ル)−2−〔N−(2−ヒドラジノカルボニル)ベンゾ
イルアラニル〕ピリジン9.0gとトルエン400ml
の溶液を15時間加熱還流した。反応後、反応液を減圧
濃縮してトルエンを留去後、クロロホルムを加え、析出
した結晶を濾取する。得られた結晶をクロロホルムから
再結晶すると白色粉末状結晶の5−(4−クロロフェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−ピリド〔2,3−e〕
−1,4−ジアゼピン−2−オン4gを得た。融点25
4〜255℃。
【0033】参考例1 原料調製例1で得た5−(4−クロロフェニル)−1,
3−ジヒドロ−8−イソプロピル−2H−ピリド〔2,
3−e〕−1,4−ジアゼピン−2−オン5.5gおよ
びクロロホルム180mlの均一溶液に五硫化リン5.
84gを加え、室温で2時間攪拌する。反応後、反応液
を水にあけ、クロロホルムで抽出する。有機層を飽和食
塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮す
ると橙色の油状物を得る。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(1
00:1)の混合液で溶出して得られる溶液を減圧濃縮
すると、淡黄色結晶5.5gを得る。これをエタノール
から再結晶すると5−(4−クロロフェニル)−1,3
−ジヒドロ−8−イソプロピル−2H−ピリド〔2,3
−e〕−1,4−ジアゼピン−2−チオンの微黄色粉末
状結晶を得る。融点201〜202℃ 得られたチオン体2.0gをクロロホルム20mlとメ
タノール20mlに均一に溶解し、ヒドラジン1水和物
0.6mlを注加する。反応液を室温で2時間攪拌後、
反応液を水にあけ、クロロホルムで抽出する。飽和食塩
水で2回洗浄後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、クロロホルム−メタノール(100:
1)の溶出液で溶出された溶液を減圧濃縮すると5−
(4−クロロフェニル)−2−ヒドラジノ−8−イソプ
ロピル−3H−ピリド〔2,3−e〕−1,4−ジアゼ
ピン1.60gを橙色の油状物として得る。5−(4−
クロロフェニル)−2−ヒドラジノ−8−イソプロピル
−3H−ピリド〔2,3−e〕−1,4−ジアゼピン
2.0gとトルエン25mlの均一な溶液に無水ノルマ
ル酪酸1.06gを加え、3時間加熱還流する。反応
後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出する。有機層
を飽和食塩水、次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さ
らに飽和食塩水で2回洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧濃縮して橙色の残渣を得た。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタ
ノール(100:1)の溶出液により溶出された溶液を
減圧濃縮すると淡黄色の結晶を得る。この結晶をエタノ
ールから再結晶すると6−(4−クロロフェニル)−9
−イソプロピル−1−プロピル−4H−ピリド〔3,2
−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピンの白色粉末状結晶を得る。融点204〜
205℃ 参考例2 参考例1と同様にして、融点214〜215℃の6−
(4−クロロフェニル)−9−イソプロピル−1−メチ
ル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリア
ゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピンを得た。
【0034】実施例1 炭酸ジエチル30mlに6−(4−クロロフェニル)−
9−イソプロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2
−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン1.0gおよび60%水素化ナトリウム
0.20gを加え加熱する。5時間還流した後、20℃
に冷却しO−(2,4−ジニトロフェニル)ヒドロキシ
ルアミン2.1gを加え、2時間攪拌する。反応後、反
応液を氷水にあけ、酢酸エチルにより抽出する。有機層
を食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥す
る。無水硫酸マグネシウムを濾別後、溶液を減圧下濃縮
する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、クロロホルム−メタノール(100:1)
で溶出した溶液を濃縮すると融点214〜215℃のエ
チル(4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−9−
イソプロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−
f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)カルボキシレート0.82
gを得る。エタノール70mlおよび水13mlの混合
液にエチル(4−アミノ−6−(4−クロロフェニル)
−9−イソプロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,
2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕
〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)カルボキシレート
0.71gを溶解し、水酸化バリウム8水和物0.55
gを加え、室温で24時間攪拌する。反応後、1規定塩
酸水によりpH2まで酸性とした後、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液により中和し、クロロホルムにより抽出する。
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮
し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付す。クロロホルム−メタノール(10:1)の混
合溶媒で溶出した溶液を減圧濃縮すると橙色の油状物4
−アミノ−6−(4−クロロフェニル)−9−イソプロ
ピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,
2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピ
ン0.25gを得る。1 H-NMR(CDCl3) δ:1.36(6H,d,J=7.9Hz), 2.76(3H,s),
3.18(1H,m,J=7.9Hz), 1.54-1.88(2H,bs), 5.01(1H,s),
7.10-7.76(6H,m)
【0035】実施例2 実施例1と同様にして、6−(4−クロロフェニル)−
9−イソプロピル−1−プロピル−4H−ピリド〔3,
2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕
〔1,4〕ジアゼピンから4−アミノ−6−(4−クロ
ロフェニル)−9−イソプロピル−1−プロピル−4H
−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ
〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピンを得る。1 H-NMR(CDCl3) δ:0.94(3H,t,J=8Hz), 1.36(6H,d,J=6.4
Hz), 1.72(2H,m,J=8Hz), 1.84-2.28(2H,bs), 2.98-3.32
(3H,m), 5.00(1H,s), 7.08-7.72(6H,m) 実施例3 クロロホルム8mlに4−アミノ−6−(4−クロロフ
ェニル)−9−イソプロピル−1−メチル−4H−ピリ
ド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン0.20gを溶解し、3−メ
チルフェニルイソシアネート0.08mlを加え、2時
間攪拌する。反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、クロロホルム−メタノール(50:1)の
溶液で溶出した溶液を減圧濃縮すると白色の結晶0.2
2gを得る。これをヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒か
ら再結晶すると、融点254〜255℃のN−(6−
(4−クロロフェニル)−9−イソプロピル−1−メチ
ル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリア
ゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)
−N’−(3−メチルフェニル)ウレア0.10gを得
る。 実施例4 実施例3と同様にして4−アミノ−6−(4−クロロフ
ェニル)−9−イソプロピル−1−プロピル−4H−ピ
リド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3
−a〕〔1,4〕ジアゼピンから融点237〜238℃
のN−(6−(4−クロロフェニル)−9−イソプロピ
ル−1−プロピル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,
2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピ
ン−4−イル)−N’−(3−メチルフェニル)ウレア
を得る。
【0036】上記実施例と同様にして以下の化合物が製
造される。 (5) N−(6−(2−クロロフェニル)−9−イソ
プロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕
〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジ
アゼピン−4−イル)−N’−(2−メトキシフェニ
ル)ウレア (6) N−(6−(2−クロロフェニル)−1,9−
ジメチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕
トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−
イル)−N’−(4−メトキシフェニル)ウレア (7) N−(1−メチル−5−フェニル−2−オキソ
−1,3−ジヒドロ−2H−ピリド〔2,3−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−3−イル)−N’−(3−メチ
ルフェニル)ウレア (8) N−(5−(2−クロロフフェニル)−1−メ
チル−8−イソプロピル−2−オキソ−1,3ジヒドロ
−2H−ピリド〔2,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン−
3−イル)−2−インドールカルボキサミド (9) N−フェニル−(6−(4−クロロフェニル)
−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,
4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−
4−イル)アセトアミド (10) N−(3−メチルフェニル)−(6−(4−ク
ロロフェニル)−1,9−ジメチル−4H−ピリド
〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−
a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド (11) N−(3−クロロフェニル)−(6−(4−ク
ロロフェニル)−9−イソプロピル−1−メチル−4H
−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ
〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)アセ
トアミド (12) N−(2−メトキシフェニル)−(6−(4−
クロロフェニル)−1−メチル−9−フェニル−4H−
ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,
3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミ
ド (13) N−(3−メトキシフェニル)−(6−(4−
クロロフェニル)−1−メチル−4H−ピリド〔3,2
−f〕〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,
4〕ジアゼピン−4−イル)アセトアミド (14) N−(6−(4−クロロフェニル)−1,9−
ジメチル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕
トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−
イル)−p−トルエンスルホンアミド (15) N−(6−(2−クロロフェニル)−9−イソ
プロピル−1−メチル−4H−ピリド〔3,2−f〕
〔1,2,4〕トリアゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジ
アゼピン−4−イル)−p−トルエンスルホンアミド (16) (5−(4−クロロフェニル)−8−イソプロ
ピル−1−メチル−2−オキソ−1,3−ジヒドロ−2
H−ピリド〔2,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン−3−
イル)−N−(3−メチルフェニル)カーバメート (17) (6−(2−クロロフェニル)−1,9−ジメ
チル−4H−ピリド〔3,2−f〕〔1,2,4〕トリ
アゾロ〔4,3−a〕〔1,4〕ジアゼピン−4−イ
ル)−N−(3−メチルフェニル)カーバメート
【0037】同様に、次の表に示す化合物が製造され
る。表注、Meはメチル、Etはエチル、CHMe2
イソプロピル、Phはフェニルを示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/55 AED 9360−4C (72)発明者 安松 浩 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉 富製薬株式会社中央研究所内 (72)発明者 小松 弘嗣 埼玉県入間市小谷田3丁目7番25号 吉富 製薬株式会社東京研究所内内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、Arは置換基を有していてもよいアリールまた
    は置換基を有していてもよいヘテロアリールを示す。環
    Aは次のピリジン環を示す。 【化2】 1 ,R2 は同一または異なって、水素、ハロゲン、炭
    素数1〜6個のアルキル、炭素数1〜6個のアルコキ
    シ、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を
    有していてもよいヘテロアリールを示す。あるいは、R
    1 とR2 は互いに結合して置換基を有していてもよい6
    員環を形成することができる。R3 は式: −(CH2)aN(R4)CZN(R5)(R6) (1) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。Zは酸素原
    子または硫黄原子を示す。R4 は水素、炭素数1〜20
    個のアルキルまたは置換基を有していてもよいアラルキ
    ルを示す。R5 ,R6 は同一または異なり、それぞれ水
    素、炭素数1〜20個のアルキル、置換基を有していて
    もよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいシク
    ロアルキルアルキル、置換基を有していてもよいアリー
    ル、置換基を有していてもよいアラルキル、置換基を有
    していてもよいヘテロアリールまたは置換基を有してい
    てもよいヘテロアリールアルキルを示す。)により表さ
    れる基、式: −(CH2)aN(R4)COR7 (2) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。R4 は水
    素、炭素数1〜20個のアルキルまたは置換基を有して
    いてもよいアラルキルを示す。R7 は炭素数1〜20個
    のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2
    〜20個のアルキニル、置換基を有していてもよいアリ
    ール、置換基を有していてもよいヘテロアリール、置換
    基を有していてもよいアラルキルまたは置換基を有して
    いてもよいヘテロアリールアルキルを示す。)により表
    される基、あるいは式: −(CH2)aN(R4)SO2 9 (3) −(CH2)aN(R4)COOR10 (4) −(CH2)aOCON(R11)( R12) (5) −(CH2)aCON(R13)( R14) (6) −(CH2)aOCOR15 (7) −(CH2)aOSO2 16 (8) −(CH2)aCOR17 (9)、および −(CH2)aS(O)nR18 (10) (式中、aは0または1〜6の整数を示す。R4 は水
    素、炭素数1〜20個のアルキルまたは置換基を有して
    いてもよいアラルキルを示す。R9 ,R10は炭素数1〜
    20個のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭
    素数2〜20個のアルキニル、置換基を有していてもよ
    いシクロアルキル、置換基を有していてもよいシクロア
    ルキルアルキル、置換基を有していてもよいアリール、
    置換基を有していてもよいヘテロアリール、置換基を有
    していてもよいアラルキルまたは置換基を有していても
    よいヘテロアリールアルキルを示す。R11,R12または
    13,R14は同一または異なり、それぞれ水素、炭素数
    1〜20個のアルキル、炭素数2〜20個のアルケニ
    ル、炭素数2〜20個のアルキニル、置換基を有してい
    てもよいアリール、置換基を有していてもよいヘテロア
    リール、置換基を有していてもよいアラルキルまたは置
    換基を有していてもよいヘテロアリールアルキルを示
    す。R15,R16,R17,R18はそれぞれ炭素数1〜20
    個のアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置
    換基を有していてもよいヘテロアリール、置換基を有し
    ていてもよいアラルキルまたは置換基を有していてもよ
    いヘテロアリールアルキルを示す。nは0,1または2
    を示す。)から選ばれる基を示す。Xは酸素原子または
    硫黄原子を示す。Yは水素、炭素数1〜20個のアルキ
    ル、炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2〜20個
    のアルキニル、置換基を有していてもよいアラルキル、
    置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル、ま
    たは式:−(CH2)bCOOR19(ここで、R19は水
    素、炭素数1〜20個のアルキル、炭素数2〜20個の
    アルケニルまたは置換基を有していてもよいアラルキル
    を示す。bは1〜6の整数を示す。)により表される基
    を示す。または、XとYは互いに結合して=N−N=C
    ( R20)−または=N−CH=C( R20)−(ここで、
    20は水素、ハロゲン、炭素数1〜20個のアルキル、
    炭素数2〜20個のアルケニル、炭素数2〜20個のア
    ルキニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、
    置換基を有していてもよいシクロアルキルアルキル、置
    換基を有していてもよいアリール、置換基を有していて
    もよいヘテロアリール、置換基を有していてもよいアラ
    ルキル、置換基を有していてもよいヘテロアリールアル
    キル、または式:−(CH2)bCOOR21(ここで、R
    21は水素、炭素数1〜20個のアルキル、炭素数2〜2
    0個のアルケニルまたは置換基を有していてもよいアラ
    ルキルを示す。bは1〜6の整数を示す。)により表さ
    れる基を示す。)により表される基を示す。〕により表
    されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許容さ
    れる塩。
  2. 【請求項2】 一般式 【化3】 (式中、各記号は請求項1に記載の通りである。)によ
    り表されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許
    容される塩。
  3. 【請求項3】 一般式 【化4】 (式中、各記号は請求項1に記載の通りである。)によ
    り表されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許
    容される塩。
  4. 【請求項4】 一般式 【化5】 (式中、各記号は請求項1に記載の通りである。)によ
    り表されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許
    容される塩。
  5. 【請求項5】 一般式 【化6】 (式中、各記号は請求項1に記載の通りである。)によ
    り表されるピリドジアゼピン化合物またはその製薬上許
    容される塩。
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