JPH0612719Y2 - 流体スプリングを備えたクッション - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、流体スプリングを備えたクッションに関し、
更に詳細には寝台用ベット、イス、マット、枕等に用い
ることのできる流体スプリングを備えた寝台用ベット、
イス、マット、枕等のクッションに関する。

〈従来の技術〉 従来寝台用ベット、イス、マット、枕等のクッションに
は、スポンジ等の弾性材料に金属製スプリングを埋入し
たクッション若しくはスポンジ等の弾性材料のみで構成
されたクッションが知られている。

しかしながら、前者の場合には使用時に金属音が発生し
室内の雰囲気を損ない、また汗、湿気等により金属製ス
プリングが腐食して満足な反発力が得られなくなり、ク
ッションの一部がクッションの外部に露出し、使用者の
衣類、寝具、身体等を損傷したり、錆がベットを汚染す
る等の問題があり、補修しようとしても取替えが困難で
あるという欠点がある。一方、後者の場合には、反発力
が充分でないため、満足すべき性能を備えたクッション
を得ることが困難である。更にまた、両者いずれも反発
力の調節ができないため、使用者の体重、体型、設置個
所等の諸条件を考慮した多様な設計ができず、単に成人
用若しくは子供用に類別して設計しているのが現況であ
る。

また、他の型式のクッションとして弾性に欠けるゴム、
プラスチック等の袋体に空気又は水を注入密封したベッ
ト、枕、マット等が提案されているが、いずれも袋体に
単に空気又は水を注入密封した構造か若しくは複数の区
画室に空気又は水を注入密封した構造であり、一個所を
押圧すると他の個所が隆起してしまうため、身体との接
触部に要求される反発力に欠けるという欠点がある。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案の目的は反発力を容易に調節し、使用者の体重、
体型、設置個所等の諸条件に応じた多様な反発力を有す
る流体スプリングを備えたクッションを提供することに
ある。

本考案の他の目的は使用時に騒音を発生せず、汚染、損
傷の恐れがなく、容易に交換可能な流体スプリングを備
えたクッションを提供することにある。

本考案の更に別の目的は身体の突出部に対して充分な反
発力を有する流体スプリングを備えたクッションを提供
することにある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案によれば、内部に流体を注入密封した弾性包囲体
と、該弾性包囲体を固定するための固定部とを備える、
複数の流体スプリングと、前記固定部と係合して前記流
体スプリングを支持するためのスプリング支持手段とを
備え、前記複数の流体スプリングのうち少なくとも１つ
の流体スプリングの内部に異なる量及び／又は種類の流
体を注入密封することを特徴とするクッションが提供さ
れる。

本考案のクッションの上には、可撓性板部材と、該可撓
性板部材上に設けた複数の弾性突出部材とを備えた補助
クッション板を載置することができる。また、前記流体
スプリングには互いに複数個の流体スプリングを連結固
定するための連結手段を更に設けてもよい。

〈作用〉 本考案に用いる流体スプリングでは、伸縮性を有し、弾
力性に富む弾性包囲体中に異なる量の流体並びに空気、
水、油、ゾル等の異なる種類の流体を注入密封して異な
る反発力を得ることができるため、使用者の体重、体
型、設置個所等に応じて最も適するクッションを設計す
ることができる。また、弾性包囲体の弾性反発力と流体
の流動特性とを組合すことにより使用時の感触が良好な
流体スプリングを備えたクッションを得ることができ
る。

更にまた、本考案のクッションは流体スプリングを用い
るため、使用時に騒音を発生することもなく、万一流体
スプリングが破損してもスプリング支持手段から取り出
し簡単に交換ができる。補助クッション板を用いれば、
弾性突出部材による指圧効果が発現され、血液循環、疲
労回復の効果も期待され、また使用者の体重が補助クッ
ション板により分散され、複数の流体スプリングにより
支持されるので更に良好なクッション感覚を与えること
ができる。流体スプリングを互いに連結固定するための
連結手段を設ければ、複数の流体スプリングが使用時に
変移したり分離する恐れもない。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。
なお、本実施例ではベットについて説明するが、必ずし
もベットに限定されるものではない。

本考案によるベットは第１図及び第２図に図示するよう
に、ベットフレーム１０と、これに連結された複数のエ
アスプリング２０と、ベットフレーム１０及びエアスプ
リング２０を組立てた上に載置されるクッション板体３
０と、複数のスプリング連結部材４０とで構成される。
ベットフレーム１０はプラスチックなどの合成樹脂で成
形され、長方形の上下水平枠１１，１２が四隅で垂直柱
１３に連結され垂直柱１３の中間部にはエアスプリング
２０を固定するため複数のスプリング支持開口１５を有
するスプリング支持板１４が一体に形成される。スプリ
ング支持板１４には本実施例では複数のスプリング支持
開口１５を設けるが、これに限定されるものではなく、
例をあげれば、エアスプリング２０を挿入固定する複数
のリングを連結したものであってもよい。上方水平枠１
１の内側面には連結孔１７を有する複数のスプリング連
結片１６が一体に突出形成されており、下方水平枠１２
は補強部材１８によって補強される。補強部材１８は図
示されるように格子構造とすることができ、その他下方
水平枠１２を補強することができるものであればどのよ
うな構造としてもかまわない。

エアスプリング２０は内部に空気が注入密封されたゴム
製の弾性円筒体１９で、上部が狭く下部が広く形成さ
れ、中間部にはリング状膨隆部２１，２２を有し、これ
らリング状膨隆部２１，２２の間には、スプリング支持
板１４のスプリング支持開口１５に挿入支持されるリン
グ状支持溝２３が形成され、上部周面には連結孔２５を
有する連結片２４が周面に沿って等間隔（９０°間隔）
に形成される。エアスプリング２０のリング状膨隆部２
１，２２の直径は、スプリング支持板１４のスプリング
支持開口１５の内径よりも大きくし、一方リング状支持
溝２３の直径は、スプリング支持開口１５の内径に比し
てやや大きくし、エアスプリング２０の上部をスプリン
グ支持板１４のスプリング支持開口１５に下から上に押
し上げると、上方のリング状膨隆部２１が圧縮されて、
スプリング支持開口１５を通過し、次いで膨張復帰し、
リング状支持溝２３がスプリング支持開口１５に挿入さ
れて、リング状膨隆部２１，２２が、スプリング支持板
１４のスプリング支持開口１５の周縁部上下で保持さ
れ、エアスプリング２０はスプリング支持板１４に固定
支持される。

ベットフレーム１０のスプリング支持板１４に支持され
た複数のエアスプリング２０は、両端にフック４１を設
けたスプリング連結部材４０によって連結される。すな
わち、各エアスプリング２０の上方周縁部に形成された
連結片２４の連結孔２５に、スプリング連結部材４０の
両端のフック４１を係合して互に連結させ、エアスプリ
ング２０のうち上方水平枠１１に近接して位置するエア
スプリング２０は、上方水平枠１１に形成されたスプリ
ング連結片１６にフック４１にて連結されるため各エア
スプリング２０を互に連結させると同時にベットフレー
ム１０に連結させる。

クッション板体３０は底面が平坦なゴム板３１の上面に
多数の半球形の突起３２が配列され、突起３２の内部に
は空気が充填され、エアポケット３３を形成し、各突起
３２の間には通気孔３４を穿設する。

本実施例では、弾性円筒体１９中に空気が注入密封され
ているが、水、油、ゾル等の流体を注入し、反発特性を
変えることもできる。

〈考案の効果〉 本考案に用いる流体スプリングでは多様な反発力が得ら
れ、騒音を発生することもなく良好な感触のクッション
を提供することができ、万一破損しても容易に交換補修
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクッションを備えたベットを示す分解
斜視図、第２図は第１図の線II−IIに沿う一部断面透視
図である。 図中、１４……スプリング支持手段，スプリング支持
板、１９……弾性包囲体，弾性円筒体、２０……流体ス
プリング，エアスプリング、２１，２２……固定部，リ
ング状膨隆部、２３……固定部，リング状支持溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に流体を注入密封した弾性包囲体(19)
   と、該弾性包囲体(19)を固定するための固定部(21,22,2
   3)とを備える、複数の流体スプリング(20)と、前記固定
   部(21,22,23)と係合して前記流体スプリング(20)を支持
   するためのスプリング支持手段(14)とを備え、前記複数
   の流体スプリング(20)のうち少なくとも１つの流体スプ
   リング(20)の内部に異なる量及び／又は種類の流体を注
   入密封することを特徴とするクッション(100)。