JPH06125778A - リボザイムを用いたrna転写機能を有するベクターとそれを用いたrna製造法 - Google Patents

リボザイムを用いたrna転写機能を有するベクターとそれを用いたrna製造法

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JPH06125778A
JPH06125778A JP5107097A JP10709793A JPH06125778A JP H06125778 A JPH06125778 A JP H06125778A JP 5107097 A JP5107097 A JP 5107097A JP 10709793 A JP10709793 A JP 10709793A JP H06125778 A JPH06125778 A JP H06125778A
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rna
ribozyme
tat
pv3ta
vector
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JP5107097A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Tahira
和誠 多比良
Satoshi Nishikawa
諭 西川
Hidekatsu Maeda
英勝 前田
Atsushi Okawa
淳 大川
Soichi Okabe
宗一 岡部
Takashi Shimayama
隆 嶋山
Hiroshi Izutsu
浩 井筒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase and Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Hitachi Chemical Co Ltd
Nagase and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 余分な塩基配列が付加していない1種または
2種以上のRNA転写産物を、優れた転写効率で製造す
ること。 【構成】 DNA配列の5'末端と3'末端とに各々、セル
フプロセッシングにより当該5'末端と3'末端を各々切断
するリボザイムを有するRNAを1単位として、当該R
NA単位を1個又は2個以上連結したRNAをコードす
るDNA配列を含む加してなるリボザイムRNAをコー
ドするDNA配列を含むベクター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リボザイムを用いたR
NA転写機能を有するベクターとそれを用いたRNA製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、すべての酵素はタンパク質から構
成されていると確信されていたが、1981年に酵素活性を
有するRNA分子、すなわちリボザイムが発見され、従
来の酵素に関する概念は打ち破られた。この画期的発見
はコロラド大学のチェック(T.Cech)らによってもたら
された。すなわち、原生動物のテトラヒメナのリボソー
ムRNA(rRNA)前駆体においては、機能上不必要
なイントロン(IVS)がタンパク質酵素の力を借りず
に、セルフスプライシングにより取り除かれることが証
明された(Cell,Vol.31,p.147-157(1982);Nature Vol.30
8, p.820-825 (1984))。
【0003】その後、例えばホスホジエステル結合をセ
ルフスプライシングする触媒機能を有するRNA分子が
次々と発見された。また、他のRNA分子を切断するR
NA分子(リボザイム)も見出されている。最近このよ
うな中で、ハセロフ(J.Haseloff)と ジャーラック
(W.L. Gerlach)は、数種の植物病原性ウイルスのサテ
ライトウイルスのリボザイムの間で共通に保持されてい
る塩基配列に着目し、わずか24塩基で構成された短鎖リ
ボザイムを遺伝子操作技術を用いて構築し、人工リボザ
イムの作出に成功した(NatureVol.334, p.585-591 (19
88);特願平3-502638号) 。
【0004】また、大塚らは非自己のRNA分子の切断
を触媒する短鎖リボザイムを化学合成で調製した(特願
平2-195883号)。図1はこの短鎖リボザイムの構造と作
用部位を示すもので、当該人工リボザイムは、基質とな
るRNA分子の塩基配列を認識して塩基対を形成する結
合部位Cと、24個の特定の塩基配列を有するB(触媒活
性部位を含む)から構成されており、基質として示され
た標的RNAはA(GUC)部分に隣接する位置で切断
を受ける(図中、矢印で示す)。
【0005】なお、このA部分のRNA配列は、GUC
のみに限定されるものではなく、他の配列に変更するこ
とも可能である。そして、このハセロフ(J.Haseloff)
らの人工リボザイムの構築において用いられた手法は、
上記のリボザイムの設計に基づいてリボザイムRNAと
相補塩基配列を有し、リボザイムRNAをコードするD
NAを合成してプラスミドに挿入し、さらにこの組み換
えプラスミドを形質転換して得られたクローンを適当な
制限酵素で切断して、リボザイムRNAをコードするD
NA断片を得、これを鋳型としてインビトロ(in vitr
o)で転写することにより人工リボザイムを得るもので
あった。かかる手法の実施においては標的RNAの結合
部位の塩基配列が異なる3種のリボザイムを合成し、こ
の3種のリボザイムがクロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼに対応するmRNAを各々異なる位置
で切断することを明らかにしている。
【0006】リボザイムは基質特異性が高く、標的部位
の数塩基の違いも認識することができる。ベネット(M.
J.Bennett)らは、リボザイムを用いて4つのアイソザ
イム遺伝子より構成されるマメのグルタミンシンセテー
スmRNAの切断実験を行い、4つのうち1つの遺伝子
由来のmRNAを標的とするよう設計したリボザイム
が、塩基配列がよく似た他のアイソザイム遺伝子由来の
mRNAは切断しないことを報告している(Nucleic Ac
ids Research,Vol.20,p.831-837(1992))。
【0007】リボザイムのこれらの性質を利用して、リ
ボザイムを薬剤、特に、抗RNAウイルス剤として応用
しようという試みがなされている。ロッシー(J.J.Ross
i)らは、リボザイムを用いてヒト免疫不全症ウイルス
(HIV-1)を切断をすることに成功した(Science Vol.24
7, p.1222-1224(1990)) 。彼らはHIV-1のgag遺伝子中の
GUCの3'側を切断するリボザイムを設計し、これをコ
ードするDNAをヒトβ−アクチンプロモーターの下流
に連結し、CD4を有するヒーラ細胞に形質転換した。こ
の形質転換体にHIV-1を感染させ、ポリメラーゼ伸長反
応により正常なgagRNAが顕著に減少していることを
確認した。
【0008】ところが、リボザイムの基質特異性が高い
ということは、逆の見方をすると、リボザイムの認識部
位に塩基置換や欠損等の変異が生じると、もはや当該リ
ボザイムはこれを基質とすることができずに、切断でき
ないことになってしまう。そのため、塩基配列が頻繁に
変化する微生物由来のRNA、例えば、前述の塩基配列
の変化速度が早いことが知られているHIV-1では、永続
的に作用するリボザイムを設計することは困難である。
【0009】これを解決する方法の一つとして、標的R
NAの多数の作用部位に多種類のリボザイムを同時に作
用させることが考えられ得る。一ヵ所の標的部位が変異
を起こしたとしても、他の標的部位が同時に変異を起こ
す確率はかなり低いであろうし、標的部位として、その
RNAが機能するのに重要な部位を選択しておけば、変
異を起こした場合そのRNAは、もはや機能することが
できなくなってしまう。
【0010】一方、リボザイムと同様のものにアンチセ
ンスRNAがある。これは、標的RNAを相補する塩基
配列を有するRNAで、標的RNAあるいは標的RNA
をコードするDNA鎖と2本鎖を形成することで標的R
NAの転写あるいは、標的RNAが機能することを阻止
するものである。その作用機構は、非常に複雑で、標的
RNAの転写阻害、スプライシング阻害、翻訳阻害、あ
るいは標的RNAと2本鎖を形成することにより、RN
ase による分解を誘導する等が報告されている(Antise
nse Nucleic Acids and Proteins(Eds. J.N.M.Hol and
A.R.van der Krol)Marcel Dekker,New York(1991))。
【0011】アンチセンスRNAもリボザイム同様、抗
RNAウイルス剤等の薬剤としての応用が試みられてい
る。ハン(L.Han)らは、マウス白血病ウイルスのパッ
ケージングに必須なウイルス遺伝子の配列に相補的なア
ンチセンスRNAを発現するトランスジェニックマウス
を作成し、これが白血病ウイルスに曝されても全く発病
しないことを示した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA., V
ol.88 ,p.4313-4317(1992))。
【0012】アンチセンスRNAの場合も、リボザイム
同様基質特異性が高い。そのため、前述のリボザイムと
同様に、標的RNAにかかわる問題をはらんでいること
が当該分野で知られている。リボザイムあるいはアンチ
センスRNAを生体内に供給する方法として、化学的方
法;酵素法;また、あるいは遺伝子組み換え法で合成し
たものを生体外部から入れる方法;遺伝子組み換え法、
すなわちリボザイムあるいはアンチセンスRNAをコー
ドするDNAを適当なプロモーターの下流につないだも
のを、適当なベクターに挿入し、これを生体内に導入す
ることにより、生体内でリボザイムあるいはアンチセン
スRNAを産生する方法が知られている。前者の化学的
方法は、リボザイムあるいはアンチセンスRNAの効果
を持続させるためには、頻繁にリボザイムあるいはアン
チセンスRNAを生体内に注入し、十分な濃度を維持す
る必要がある。
【0013】これに対して、後者の遺伝子組み換え法は
生体内で絶えずリボザイムあるいはアンチセンスRNA
を産生し続けることができるため、リボザイムあるいは
アンチセンスRNAを注入し続ける等の問題点を解決す
ることができる。ところで、多種類のリボザイムあるい
はアンチセンスRNAを生体内に供給する場合、それぞ
れのリボザイムあるいはアンチセンスRNAを生体外で
前述のように合成し、生体外から供給することは可能で
あるが、組み換え遺伝子法によりこれを行うことは、多
種の遺伝子を生体内に導入するのと同じことであり、こ
の技術は非常に困難であることが当該分野で知られてい
る。
【0014】リボザイムに関しては、唯一、チェン(Ch
en) らは多種のリボザイムを一度に作用させるものとし
て、一つのプロモーターの下流に多種のリボザイムを幾
つも連結し、一分子中に多種のリボザイム活性部位をも
つものとして考案した(Nucleic Acids Res.Vol.20,p458
1-4589(1992)) 。しかし、このような構築物は一分子中
に相補的な配列を多く含み、それらの干渉作用により必
ずしもリボザイム活性が高いとはいえない。このこと
は、連結するリボザイム活性部位が多くなるほど顕著で
あると考えられる。
【0015】さらに、リボザイムあるいはアンチセンス
RNAの様な特定のRNA転写物をインビトロ(in vit
ro) で得ようとする場合、従来法においては、目的とす
るRNAをコードするDNAを鋳型として、RNAに転
写する際に、当該DNAにより組み換えられたプラスミ
ドを制限酵素で切断してから転写するという余分の手間
を要するものであった(ラン・オフ法と呼ばれてい
る)。
【0016】この理由は、当該プラスミドに挿入された
DNA断片を鋳型としてRNAを転写する場合に必然的
に生ずる、5'末端側と3'末端側における余分な塩基配列
を可能な限り転写させないようにするためである。すな
わち、5'末端側は、プロモータのすぐ下流に上記DNA
を連結させることによって処理されていたが、3'末端側
の処理は、RNAの転写において未だユニバーサルなタ
ーミネータが見い出されておらず、当該3'末端側の処理
に際して制限酵素を使用するいわゆるランオフ法を採ら
ざるを得なかった(図2)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記の制限酵素を使用
する従来の方法は、制限酵素を使用するという余分の手
間に加えて、転写において切断された線状のDNAを使
用する必要があるため、インビトロ(in vitro)では、
RNAを合成することが可能であるが、生体内におい
て、RNAをコードするDNA断片を含む組み換えベク
ターを保持、増殖せしめつつRNA転写物を産生させる
ことができないという欠点を有していた。さらに、5'末
端側の処理においてプロモーターのすぐ下流に目的とす
るRNAに対応するDNAを連結したとしても、転写開
始点から目的とするRNAに対応するDNAまでの間の
余分な塩基配列が付加してしまうということを避けるこ
とができなかった。まして、余分な塩基配列が付加され
ていない複数個のRNAを同時に産生させるベクター
は、存在しなかった。
【0018】本発明の課題は、上記のin vitroでの制限
酵素による切断を行わずに、目的とするRNA転写物を
コードするDNAにより組み換えられた環状のベクター
をそのまま鋳型として用いることができるとともに余分
な塩基配列を有しないRNA、あるいは、余分な塩基配
列を有しない多種類のRNAを同時に転写することが可
能であり、かつ生体内においても当該組み換えベクター
を保持増殖させながら目的とするRNA転写物を高い転
写効率で産生することが可能な、リボザイムを用いたR
NAの新規な転写システムを提供しようとするものであ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ベクターの構築において、目的とするRNA転
写物の5'末端と3'末端とを各々セルフプロセッシングに
より切断するリボザイムRNAをコードするDNAを一
単位とし、当該1単位又は2単位以上を直列に連結し、
特定の配列のプロモーターの下流に、あるいは特定の配
列のプロモーター及びターミネーターの間に配置するこ
とにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発
明を完成するに至ったものである。
【0020】すなわち、本発明は次の(1)から(4)を要旨
とするものである。 (1) DNA配列の5'末端と3'末端とに各々、セルフプ
ロセッシングにより当該5'末端と3'末端を各々切断する
リボザイムを有するRNAを1単位として、当該RNA
単位を1個又は2個以上連結したRNAをコードするD
NA配列を含むベクター。
【0021】(2) 前記(1)に記載したRNA単位を、1
乃至10単位連結したRNAをコードするDNA配列を含
むベクター。 (3) 前記(1)に記載したRNA単位をn個(nは1以上
の整数)連結したRNAをコードするDNA配列を含む
ベクターにおいて、5'末端側から1番目の上記RNA単
位の5'末端の近傍にプロモーターが付加されており、か
つ当該プロモーターに対応するターミネーターが、5'末
端側からn番目の上記RNA単位の3'末端の近傍に付加
されていることを特徴とする、RNAをコードするDN
A配列を含むベクター。
【0022】(4) 前記(1)〜(3)に記載されたベクター
を鋳型として、当該ベクターDNAをRNAに転写する
ことを特徴とする、5'末端側と3'末端側がセルフプロセ
ッシングされたRNA転写物の製造方法。 (5) 前記(1)〜(3)に記載されたベクターにより形質転
換された、微生物、又は動物細胞若しくは植物細胞。
【0023】以下、本発明を更に詳述する。本発明のベ
クターは、調製したRNA1単位をセルフプロセッシン
グにより切断する、又は2単位以上を直列に連結するこ
とにより構築することができる。本発明のベクターの構
築は、まずDNA配列の5'末端と3'末端とに各々、セル
フプロセッシングにより当該5'末端と3'末端を各々切断
するリボザイムを有するRNA単位を調製することによ
り行うことができる。
【0024】すなわち、目的とするRNA転写物の5'末
端側と3'末端側を処理するため2つのリボザイムRNA
をコードするDNA断片を連結する。このうち、第1の
DNA配列は、RNA転写物の5'末端側を処理するため
のもので、リボザイムRNAの触媒活性部位をコードす
る部分と、その両端の基質となる転写されるRNAの切
断部位(5'末端側)を認識する結合部位をコードする部
分を含む。このリボザイムRNAとコードするDNAは
目的とするRNA転写物をコードするDNAの5'上流側
に連結する。
【0025】また、同じく挿入される第2のDNA配列
は、転写されたRNAの3'末端側を処理するためのもの
で前記目的とするRNA転写物をコードするDNAの3'
下流側に連結され、リボザイムRNAの触媒活性部位を
コードする部分とその両端の基質となる転写されるRN
Aの切断部位(3'末端側)を認識する結合部位をコード
する部分より成る。
【0026】そして、複数個のRNA単位を連結するベ
クターの構築においては、上記において調製したRNA
単位の5'末端と3'末端とを各々、セルフプロセッシング
により切断するリボザイムを有するRNAをコードする
DNAを1単位又は2単位以上を直列に連結することに
よりなる。次に、RNA転写物の製造においては、上記
のベクターを用いてRNA転写物を製造する。かかる場
合は、当該組み換えベクターを試験管内あるいは微生物
(細菌、酵母、カビを含む)、植物、動物等の生体中に
保持せしめてRNAの転写を行う。
【0027】なお、上記RNA単位を単数個コードする
ベクターに関しては、プロモーターの3'の下流側の転写
開始点から開始され、目的とするRNA転写物の領域を
すぎても終了せず、目的とするRNA転写物の3'側のプ
ロセッシングリボザイムの領域をも通過し転写が続けら
れる。この時、生成したRNAの5'末端及び3'端末は、
すでにリボザイムによるセルフプロセッシングにより切
断されて余分な塩基配列は付加されない。
【0028】上記RNA単位を複数個連結してコードす
るベクターに関しては、前記(1)のベクターと同じく、
プロモーターの3'の下流側の転写開始点から開始され、
目的のRNA転写物群の領域を過ぎても転写が続けられ
る。同時に、各目的RNAの5'末端及び3'端末のプロセ
ッシングリボザイムの作用により、余分な塩基配列が付
加されない各目的RNAが切り出される。
【0029】なお、本発明において上記RNA単位を連
結可能な単位数は100単位程度までであるが、好ましく
は1〜10単位程度である。以上の点を更に具体的に説明
する。例えば、図3は酵母の凝集性に関する遺伝子由来
mRNA(以下、SFL1mRNAという。)を切断し得る
リボザイムを産生する本発明の組み換えプラスミドpGEN
E 8459v3の構造を表すものである。すなわち、pGENE 84
59(多比良ら、特願平1-329831及び、K.Taira et.al.,
Protein Engineering,3, 733-737(1990)) のEcoRI/Sac
I断片を取り除き、この代わりに、常法により化学合成
した新たなオリゴヌクレオチドEcoRI/SacI断片を挿入
することを示している。
【0030】挿入する塩基配列は図3のpGENE 8459v3の
EcoRIサイトからSacIサイトに相当し、両鎖とも化学合
成した後、それぞれの5'末端をリン酸化してリガーゼを
用いて連結する。当該プラスミドは、 T7 RNAポリメ
ラーゼのためのプロモータの下流側にSFL1mRNAの切
断部位を認識する結合部位をコードする部分とループ状
の触媒活性部位をコードする部分からなるリボザイムR
NAに対応するDNA部分を有しており、更にその5'上
流側と3'下流側において転写されたRNAがセルフプロ
セッシングにより切断される切断部位(Cleavage site)
と、この切断を行うループ状の触媒活性部位、及び上記
セルフプロセッシングの切断部位を認識する結合部位か
らなるリボザイムRNAをコードする2つのDNA配列
を有している。
【0031】そして、上記結合部位をコードするDNA
配列は、切断部位直前にある一つの塩基部分を除いてそ
の両側の塩基配列と相補の関係にあり塩基対を形成す
る。当該プラスミドにおいては、転写は T7 プロモータ
の下流+1から始まり、SFL1用のリボザイム部分、及び
その下流側の塩基配列部分が順次RNAに転写される。
そして、転写されたRNAは前記した5'末端及び3'末端
の切断部位において2つのリボザイムによりセルフプロ
セッシングされることにより、余分な塩基配列は得られ
るリボザイムには付加されない。
【0032】従って、この図3の組み換えプラスミドを
鋳型として転写することにより得られるリボザイムRN
Aは図4の塩基配列を有するものとなる。このリボザイ
ムRNAは5'及び3'末端側に相補の塩基配列を有し、塩
基対を形成してヘアピン構造となっており、このため生
体内におけるエキソヌクレアーゼによる分解に対し、安
定性を有するものである。
【0033】また、例えば、図5及び図6は、HIV-1遺
伝子あるいは、これに由来するmRNAの5'側Long ter
minal repeat配列(以下、LTRという。)と、HIV-1のta
t遺伝子あるいは、これ由来のmRNAを切断し得るリ
ボザイムをそれぞれ産生する本発明の組み換えプラスミ
ドpV3TA-LTR-tatの構造を表すもので、以下にその構築
の概要を述べる。
【0034】前述のpGENE8459(多比良ら、特願平1-329
831及び、K.Taira etal. Protein Engineering,3, 733-
737(1990)) のEcoR/SacI断片を取り除き、常法により
化学合成した新たなオリゴヌクレオチドEcoRI/SacI断
片を代わりに挿入した。挿入した塩基配列は図7に示
す、pV3TA-LTRのEcoRIサイトからSacIサイトに相当し、
両鎖とも化学合成した後、それぞれの5'末端をリン酸化
してリガーゼを用いて連結した。
【0035】次に、得られたプラスミドのXhoI/SalI断
片を取り除き、常法により化学合成した2種の合成リン
カー(図9B,Cに塩基配列を示す。)の5'末端をリン
酸化してリガーゼを用いて連結したものを代わりに挿入
した。挿入後、リガーゼを用いて連結した。更に、得ら
れたプラスミドのSalI/HindIII 断片を取り除き、常法
により化学合成した新たなオリゴヌクレオチド(図9D
に塩基配列を示す。)を代わりに挿入し、リガーゼを用
いて連結した。こうして得られた、図7の組み換えプラ
スミドpV3TA-LTRのApaI/EcoRV 断片を取り除き、常法
により化学合成したオリゴヌクレオチドApaI/EcoRV 断
片(図9Eに塩基配列を示す)を代わりに挿入し、リガ
ーゼを用いて連結した。こうして得られた図8に示す、
組み換えプラスミドpV3TA-tatを鋳型に、図10に示した
2種の化学合成プライマーを用いて、PCR(ポリメラ
ーゼチェイン反応)法により増幅し、制限酵素KpnI及び
HindIIIで処理後、図7のpV3TA-LTRのKpnI-HindIII間に
挿入し、リガーゼを用いて連結し、図5及び図6の組み
換えプラスミドpV3TA-LTR-tatを構築した。
【0036】当該プラスミドは T7RNAポリメラーゼ
のためのプロモーターの下流側に以下の構造体を有して
いる。すなわち、生体内での安定性を計るため3'末端部
分に少なくとも20個以上最大100個のアデニン残基より
なるポリAテイルとそれに続くGUCの塩基配列を付加
したメチオニンtRNAのアンチコドン部位に挿入され
た状態(Cotten and Birnstiel,EMBO J.,8,3861-3866(1
989))で、LTRmRNA結合部位およびループ状の触媒
活性部位を有するリボザイムRNAをコードするDNA
配列と、その5'上流側と3'下流側において転写されたR
NAがセルフプロセッシングにより切断される切断部分
(Cleavage site)と、この切断を行うループ状の触媒
活性部位及び上記セルフプロセッシングの切断部位を認
識する結合部位からなるリボザイムRNAをコードする
2つのDNA配列、これらに続く形で上記構造体中のLT
RmRNA結合部位をtatmRNA結合部位に変更したも
のである。
【0037】これら結合部位をコードするDNA配列も
また、切断部位直前にある1つの塩基部分を除いてその
両側の塩基配列と相補の関係にあり塩基対を形成する。
該プラスミドは、転写を T7プロモータの下流+1から
始め、LTR用のリボザイム部分、その3'側セルフプロセ
ッシングリボザイム部分、tat用のリボザイム部分の5'
側セルフプロセッシングリボザイム部分に続いてtat用
のリボザイム部分およびその下流側の塩基配列部分を順
次RNAに転写していくが、転写されたRNAは前記し
た4つのリボザイムによりセルフプロセッシングされる
ことにより、余分な塩基配列が付加していないLTR用お
よびtat用リボザイムに切り分けられる。
【0038】また、例えば図11は、図8のpV3TA-tat に
T7プロモーターに対するターミネーターを付加した構造
を表すもので、以下にかかる構築の概要を述べる。前述
のpV3TA-tat のKpnI/HindIII 断片を取り除き、常法に
より化学合成したT7ターミネーター配列を含むKpnI/Hi
ndIII 断片を代わりに挿入した。このようにして、図11
に示す組み換えプラスミドpV3TA-tat-Term1 を得た。
【0039】当該プラスミドは、前述のpGENE8459v3 や
pV3TA-LTR-tat と同様にプロセッシングリボザイムの作
用によりtat 切断用のリボザイムが切り出される。この
際、T7ターミネーターを付加することにより、tat 用リ
ボザイムの転写量がT7ターミネーターを付加しないもの
の約2倍に増加することが判明した(図17) 。すなわ
ち、特定のプロモーターにあったターミネーターを付加
することにより、リボザイムの生産量を上げることが可
能になる。
【0040】かかる図5、図6、及び図11の組み換えプ
ラスミドを鋳型として転写することにより得られる2種
のリボザイムRNAは、それぞれ図16に示す塩基配列を
有するものとなる。当該リボザイムは、t-RNA構造を
形成するようになっており、さらに3'側には30個のアデ
ニン残基によりなる、ポリAテイルを有している。これ
らの構造は、生体内におけるエキソヌクレアーゼによる
分解に際し、安定性を保持することが当該技術分野で知
られている。
【0041】この図3、図5、図6、及び図11の組み換
えプラスミドは、リボザイムRNAを製造するリボザイ
ムとして、SFL1切断用のリボザイム、LTR 切断用のリボ
ザイム、tat 切断用のリボザイム、プロモーターとして
T7 RNAポリメラーゼのためのターミネーター及びベ
クターとしてpUC119を用いているが、本発明は特にこれ
らの要素に限定されるものではない。
【0042】すなわち、上記の図3の組み換えプラスミ
ドは、リボザイムRNAを生産するものであるが、2種
に限らず、5'末端と3'末端とを各々、セルフプロセッシ
ングにより切断するリボザイムを有する異なるリボザイ
ムをコードするDNA断片を連結することで、所望する
種のリボザイムRNAを生産させることが可能である。
また、両プロセッシングリボザイムの間のリボザイムを
全て同じものにすることにより、プラスミド当たりの同
一種のリボザイムの生産量を上げることも可能となる。
さらに、製造するRNAはリボザイムに限らず、例えば
RNAウイルスのRNA、アンチセンスRNA、種々の
mRNA等、広くRNA転写産物の製造に適用可能であ
る。
【0043】用いるプロモーターも、例えばSP6 ,GAL7,
SV40,CaMV35S等、種々のものを使用することが可能であ
り、用いるターミネーターも上記プロモーターに対応す
るものを選択することが可能である。さらに本発明にお
いては、組み換えベクターは、特に環状のままであって
も、RNAを転写できるための種々の生体中においても
機能を発揮するものであって、リボザイム機能を発揮さ
せようとする生体、例えば植物、動物等の種類に応じて
適切なベクターを選択することができる。
【0044】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
る。ただし、これらの実施例により本発明の技術的範囲
が限定されるものではない。 〔実施例1〕 組み換えベクターpGENE 8459v3の構築 先に述べた方法(多比良ら、特願平1-329831号;Taira,
K., Oda, M., Shinshi, H., Maeda, H., and Furukaw
a, K. Protein Engineering,3, 733-737(1990))で図3
のEcoR/SacI断片を化学合成し、これを含む溶液 3.3μ
l(100pmol)を制限酵素EcoRIとSacIで前もって切断して
おいた組み換えプラスミドpGENE8459(多比良ら、特願
平1-329831号;Taira K., Oda, M., Shinshi, H., Maed
a, H., andFurukawa, K. Protein Engineering,3, 733-
737(1990))に林等の方法(1)Hayasi,K.,Nakazawa,M.,I
shizaki,Y. and Obayashi,A.Nucleic Acids Res.,13,32
61-3271(1985), 2)Hayashi,K.,Nakazawa,M.,Ishizaki,
Y.,Hiraoka,N. and Obayashi,A.Nucleic Acids Res.,1
3,7979-7992(1985)) により連結した。
【0045】この溶液を用いて大腸菌MV1184株を形質転
換し、コロニーを形成させた後プラスミドを取り出し、
挿入された断片中のXhoIサイトを利用してポジティブ
なクローンを選択した。また、塩基配列はDNAシーク
エンサー(アプライドバイオシステムズ社製370A)を用
いて確認した。 〔実施例2〕 組み換えベクターpV3TA-LTRの構築 先に述べた方法(多比良ら、特願平1-329831号;Taira
K., Oda, M., Shinshi, H., Maeda, H., and Furukawa,
K. Protein Engineering,3, 733-737(1990))で図8A
のEcoRI/SacI断片を化学合成し、前述の林等の方法
で、制限酵素EcoRIとSacIで前もって切断しておいた図
3の組み換えプラスミドpGENE 8459v3に連結し、大腸菌
MV1184に形質転換した。コロニーを形成させた後プラス
ミドを取り出し、断片が挿入されたことによりKpnIサイ
トが消失したことを利用してポジティブなクローンを選
択した。
【0046】得られた組み換えプラスミド0.5μgを制限
酵素XhoIとSalIで処理したものに、先に述べた方法(多
比良ら、特願平1-329831号;Taira K., Oda, M., Shins
hi,H., Maeda, H., and Furukawa, K. Protein Enginee
ring,3, 733-737(1990))で化学合成し、リン酸化し、
連結した図8の合成リンカー(B,C)を2μg 加え、
前述の林らの方法で連結した。これを大腸菌MV1184に形
質転換し、コロニーを形成させた後プラスミドを取り出
し、断片が挿入されたことによりば BamHIサイトが消失
したことと、ApaIサイト、EcoRV サイトが生じたことを
利用してポジティブなクローンを選択した。
【0047】さらに、こうして得られた組み換えプラス
ミド 0.5μgを制限酵素SalIとHindIII で処理し、先に
述べた方法(多比良ら、特願平1-329831号;Taira K.,
Oda,M., Shinshi, H., Maeda, H., and Furukawa, K. P
rotein Engineering,3, 733-737(1990))で化学合成し
た図9Dの合成リンカーを前述の林等の方法で連結し
た。これを大腸菌MV1184に形質転換し、コロニーを形成
させた後プラスミドを取り出し、断片が挿入されたこと
によりSalIサイトが消失したことを利用してポジティブ
なクローンを選択した。この組み換えプラスミドの塩基
配列をDNAシークエンサー(アプライドバイオシステ
ムズ社製370A)を用いて確認した。 〔実施例3〕 組み換えプラスミドpV3TA-LTR-tatの構
先に述べた方法(多比良ら、特願平1-329831号;Taira
K., Oda, M., Shinshi,H., Maeda, H., and Furukawa,
K. Protein Engineering,3, 733-737(1990) )で化学合
成した図8EのApaI/EcoRV断片を、制限酵素ApaIとEco
RVで処理した図7の組み換えベクターpV3TA-LTRに前述
の林らの方法で連結し、これを大腸菌MV1184に形質転換
し、コロニーを形成させた後プラスミドを取り出し、断
片が挿入されたことをDNAシークエンサー(アプライ
ドバイオシステムズ社製370A)を用いて塩基配列を確認
することによりポジティブなクローンを選択した。
【0048】こうして得られたプラスミド(以下、pV3T
A-tat と呼ぶ)(図8)を鋳型に、図10に示した2種の
プライマーを用い、ゲルファンド(D.H.Gelfand)等の
方法(PCR Protocols. A Guide to Methods and Applic
ations. Academic Press, Inc., San Diego,CA, p.129-
141(1990))に従い、PCR(ポリメラーゼチェイン反
応)法により増幅反応をおこなった。増幅反応は、92℃
で1分30秒、50℃で2分、72℃で4分、これを1サイク
ルとして25サイクル行った。なお、この反応はパーキン
エルマーシータスインストルメンツ社製DNAサーマル
サイクラー480を用いた。得られたDNA断片を、常法
に従いクロロホルム抽出、エタノール沈澱を行った後、
制限酵素KpnIとHindIIIで処理し、制限酵素KpnIとHindI
IIで処理した組み換えプラスミドpV3TA-LTRに連結し、
大腸菌MV1184に形質転換し、コロニーを形成させた後、
プラスミドを取り出し断片が挿入されたことを制限酵素
EcoRIとHindIIIで切断することにより確認した。 〔実施例4〕組み換えプラスミドpV3TA-tat-term 1及び
pV3TA-tat-term2の構築 次に前記のようにして構築した組み換えプラスミドpV3T
A-tatの3' 末端にT7ターミネーターを付加した。先に
述べた方法によりT7ターミネーター配列(METHOD IN EN
ZYMOLOGY,VOL185,p.60-89(1990))を含むKpnI/HindIII
リンカー2.0μgを合成し、制限酵素KpnI/Hind IIIで
切断しておいたpV3TA-tat0.5μgに前述の方法で連結
し、大腸菌MV1184に形質転換した。コロニーを形成させ
た後、プラスミドを取り出し、制限酵素KpnI/Hind II
Iで処理し、アガローズゲル電気泳動することにより、
この合成リンカーが挿入されていることを確認した。こ
のプラスミドをpV3TA-tat-term 1(図11)と称する。な
お、このプラスミドpV3TA-tat-term1 は、Escherichia
coli MV1184 に導入されて、E.coli TERM 1 として通商
産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されてお
り、その寄託番号は微工研菌寄第13143 号である。
【0049】次に組み換えベクターpV3TA-tat-term1の
改変を行った。先に述べた方法により、図11のXho1サイ
トからApa1サイトの配列を有するXhoI/ApaIリンカー
2.0μgを合成し、制限酵素XhoIとApaI1 で理したpV3T
A-tat-term10.5μgに前述の方法で連結し、大腸菌MV118
4に形質転換した。コロニーを形成させた後プラスミド
を取り出し、制限酵素XhoIとApaIとで処理し、アガロ
ースゲル電気泳動法により、この合成リンカーがが挿入
されていることを確認した。このプラスミドをpV3TA-ta
t-term 2( 図12)と称する。なお、このプラスミドpV3T
A-tat-term 2は、Escherichia coliMV1184に導入され
て、E.coli TERM 2 として通商産業省工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託されており、その寄託番号は微工
研菌寄第13144 号である。 〔実施例5〕組み換えプラスミドpV3TA-(tat)n(n-1〜5,
10) 型の構築 pV3TA-tat のSmaIサイトにBglII リンカー(5'-GGGAGAT
CTCCC-3') を、KpnIサイトにBamHI リンカー(5'-CGGAT
CCGGTAC-3') を挿入した。このようにして得たプラスミ
ドを、制限酵素BglII とBamHI で処理し、tat 用リボザ
イム配列を含むBglII BamHI DNA断片及びtat 用リボ
ザイム配列を含まないBglII BamHI DNA断片(以下、
BglII BamHI ベクターと呼ぶ)をアガロースゲル電気泳
動により分離回収した。回収したDNA断片をT4リガー
ゼを用いて連結後、再度、制限酵素BglII と BamHIで処
理した。当該反応物をBglII-BamHIベクターに連結し、
当該ベクターを用いてE.coli MV1184 を形質転換し、コ
ロニーを形成させた後でプラスミドを取り出し、これを
制限酵素BglII と BamHIで処理することにより、tat 用
リボザイム配列を含むBglII- BamHI DNA断片を1〜
5個、及び10個含むものを選択した。以後、この種のプ
ラスミドをpV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型と呼ぶ(図13−
B)(ここでnは、tat 用リボザイムを含むBglII-BamH
I DNA断片が何個入ったかを意味する。例えば、1 個
ではpV3TA-(tat)1、2 個ではpV3TA-(tat)2。 〔実施例6〕直列連結型リボザイム発現プラスミドの構
pV3TA-tat を制限酵素XhoIで処理し、Klenow flagment
で平滑化したのち、制限酵素HindIII で処理し、tat 用
リボザイム配列を含むXhoI-HindIII DNA断片をアガ
ロースゲル電気泳動により分離回収した。当該DNA断
片を、pV3TA-tat を制限酵素XbaIで処理し、Klenow fla
gment で平滑化した後、制限酵素HindIII で処理したも
のに連結した。さらにこれを制限酵素XbaIで処理し、Kl
enow flagment で平滑化したのち、制限酵素HindIII で
処理し、先のDNA断片を連結した。以下、この操作を
繰り返し、T7プロモーターの下流にtat 用リボザイム配
列が直列に1個〜5個、及び10個含むものを構築した。
ただし、この構築方法では、1個あるいはそれ以上連な
ったtat 用リボザイム配列の5'端と3'端に自分自身を切
断するプロセッシングリボザイムが付加される。以下、
この種のプラスミドを直列連結型リボザイム発現プラス
ミド(n-1〜5,10) と呼ぶ(図13−B)。 〔実施例7〕リボザイムの製造 前述の方法(多比良ら、特願平1-329831号;Taira K.,
Oda, M., Shinshi, H., Maeda, H., and Furukawa, K.
Protein Engineering,3, 733-737(1990))でRNAの転
写を行った。
【0050】図14において、(A)から(D)は、鋳型DNA
として環状のpGENE 8459v3を用いた場合を、また、(E)
から(H)は鋳型DNAとして制限酵素HindIIIにより切断
した線状pGENE 8459v3を用いた場合をそれぞれ示してい
る。転写反応時間は、(A)と(E)の場合30分;(B)と(F)の
場合1時間;(C)と(G)の場合2時間30分;(D)と(H)の場
合6時間であった。
【0051】32Pでラベル化された上記(A)〜(H)の各転
写産物は8.3%尿素を含む6%ポリアクリルアミドゲル
を用いて解析した。図16には約50塩基から130塩基まで
の領域を示す。図15において、(A)から(E)は、鋳型DN
Aとして環状のpV3TA-LTR-tatを用いた場合を示してお
り、(A)は0分;(B)は30分;(C)は1時間;(D)は2時
間;(E)は4時間転写反応をさせた。
【0052】32Pでラベル化された上記(A)〜(E)の各転
写産物は8.3%尿素を含む6%ポリアクリルアミドゲル
を用いて解析した。図15には約50塩基から300 塩基まで
の領域を示す。更にpV3TA-tat、pV3TA-tat-term1及びpV
3TA-tat-term2を鋳型として用いたInvitroにおける転写
反応を行った。塩化セシュウム密度勾配遠心法で精製し
たプラスミドpV3TA-tat、pV3TA-tat-term1及びpV3TA-ta
t-term2の各々2μgを、40mMTris-HCl(pH7.5),6mM MgCl
2,2mMスペルミジン、0.01% bovine serum alubumin,0.
375mM ATP,CTP,GTP,UTP, 0.74MBq α-32P〔CTP〕20uni
tsT7 RNA ポリメラーゼを含む反応溶液50μl中37℃
で反応させ、0、1、3、6、12、24時間ごとに7μl
ずつ回収した。これらに0.02%ブロモフェノールブル
ー、0.02%キシレンシアノール、50mM EDTA、9M尿素を
含む水溶液を等容量加え、90℃で2分間加熱した後オー
トラジオグラフィーにかけた。なお、各々のオートラジ
オグラムの強度はフジ写真フイルム社製のバイオイメー
ジアナライザーBA100により測定した。
【0053】オートラジオグラフィーの結果を図17に示
す。(A)から(F)はpV3TA-tatを鋳型に用いた場合、(G)か
ら(L)はpV3TAtat-term1を鋳型に用いた場合、(M)から
(R)はpV3TA-tat-term2を鋳型に用いた場合の各々の結果
を示す。反応時間は(A)、(G)、(M)が0時間;(B)、
(H)、(N)が1時間;(C)、(I)、(O)が3時間;(D)、
(J)、(P)が6時間;(E)、(K)、(Q)が12時間;(F)、
(L)、(R)が24時間であった。また、これらのオートラジ
オグラムの内、tat 用リボザイムの部分の強度の相対値
(レーン(B)の値を1とした場合)をグラフ化して表し
たのが図18である。
【0054】図18の結果より転写されたtat用リボザイ
ムの転写量はT7ターミネーターを3' 末端に付加したpV3
TA-tat-term1では付加しないpV3TA-tatの2倍であっ
た。更にSac1サイトを除去したpV3TA-tat-term2はpV3TA
-tat-term1の約2倍、pV3TA-tatの約4倍であった。ま
た、図17の結果より、ターミネーターを3'末端に付加
することにより高分子量域側の非特異的な転写物の生産
が抑制されており、さらにSacIサイトを除去したこと
により、5'端処理用のリボザイムが付加したtat用リボ
ザイム転写量が劇減していた。以上の結果をまとめる
と、pV3TA-tat-term2をリボザイムの転写、発現プラス
ミドとして用いれば、従来のリボザイム発現プラスミド
であるpV3TA-tatに比較して目的とするリボザイムの生
産量を少なくとも4倍にすることができ、さらに高分子
領域側の非特異的な転写物の生産を抑制することか可能
となり、リボザイムによるRNAの生産方法の著しい進
歩をもたらしたことになる。
【0055】図19において、(A)はpV3TA-(tat)1、(B)は
pV3TA-(tat)2、(C)はpV3TA-(tat)3、(D)はpV3TA-(ta
t)4、(E)はpV3TA-(tat)5、(F)はpV3TA-(tat)10をそれぞ
れ等量鋳型に用い、6時間転写反応させたものを、7M尿
素を含む5%ポリアクリドアミノゲル電気泳動により解
析した結果である。ここで5'CAR は、5'端にある5'端処
理用リボザイム、5'CAR+3'CAR は各tat 用リボザイムの
間に位置する5'端処理用リボザイムと3'端処理用リボザ
イムが連結したもの、5'CAR+3'CAR+tatRは、5'端処理用
リボザイムと3'端処理用リボザイムとtat 用リボザイム
が連結したものである。5'CAR 及び 5'CAR+3'CAR+tatR
は、添加した鋳型の種類に関係なく一定であるが、その
他のものは鋳型のn数に比例して増加した。すなわち、
tat 用リボザイムとその5'側及び3'側に位置する端処理
用リボザイムを一単位として、当該単位数に比例してta
t 用リボザイムの生産量が増加した。
【0056】図20は、tat 用リボザイムの生産量を経時
的に調べたものである。ここで、pV3TA-(tat)1を鋳型と
した場合の反応6時間後のtat 用リボザイム量を相対的
に示したものである。これより明らかなように、tat 用
リボザイム量は鋳型のn数に比例して増加しており、n
=10 の場合いずれの時間においてもn=1の場合のほぼ
10倍のtat 用リボザイム量が生産された。
【0057】以上のことにより、両プロセッシングリボ
ザイムの間のリボザイムを全て同じものにすることによ
り、プラスミド当りのリボザイムの生産量を上げること
ができることが判明した。 〔実施例8〕リボザイム反応 A)pGENE 8459v3を用いて製造したリボザイム反応 図16の「SFL1用リボザイム」及び線状pAM19SFL1ac(Pst
I)を鋳型として同様に転写及び電気泳動された「SFL1m
RNA」をそれぞれポリアクリルアミドゲルより切り出
し、400μlの0.3M酢酸ナトリウム/0.1mM EDTA/20mM T
ris・HCl(pH8)を含む緩衝液を用いてそれぞれのRNA
を抽出した。常法によりエタノール沈澱を行い、単離し
た基質(SFL1mRNA)が酵素(SFL1用リボザイム)より
過剰な条件で混合し、50mM Tris・HCl(pH8)/10mM MgCl
2を含む緩衝液中37℃で切断反応を追った。
【0058】図5及び図6と同じ組成のゲルで解析した
結果を図21に示す。(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の反応時
間は、それぞれ0.1、2.5、5.5、9.5時間である。時間と
共にSFL1mRNAが図4のような複合体をリボザイムと
形成し、SFL1mRNAが二つに切断される。図14及び図
21の結果より明らかなように、a. 環状のpGENE 8459v3
を鋳型とした場合、61塩基で構成されるSFL1用リボザイ
ムが放出された。これは5'端処理用及び3'端処理用のリ
ボザイムが効率よく作用したためである。また、5'端処
理用リボザイムとSFL1用リボザイムが連結した断片も徐
々に切断を受け二つに別れる(図14、A〜D)。b. 3'端
処理用リボザイムのすぐ下流にあるHindIIIサイトを切
断した線状pGENE 8495v3を鋳型とした場合、まず5'端処
理用リボザイム、SFL1用リボザイム、及び3'端処理用リ
ボザイムが連結された状態で産生され、徐々に切断を受
けるが、環状のpGENE 8459v3を鋳型とした場合と比べて
転写効率が悪く、また副産物も多かった(図14、E〜
H)。T7 RNAポリメラーゼを用いてSFL1遺伝子の転写
産物を作成し、その後、単離したSFL1用リボザイムと混
ぜた場合においては、SFL1用リボザイムがうまく作用す
ると76塩基のSFL1転写産物が切り出されるように結合部
位を設計したものであり(図4)、実際予想どおり76塩
基の断片が確認できた(図21) 。
【0059】以上の結果をまとめると、5'端処理用リボ
ザイムと3'端処理用リボザイムは分子内で設計どおりに
切断反応を起こした。また、SFL1用リボザイムも設計ど
おりに分子間で切断反応を起こした。また環状DNAを
鋳型とする方が転写効率および純度の面で優れており、
またpGENE 8459v3の「SFL1用リボザイム」領域はカセッ
ト式になっており他の配列と置き換えることができるの
で、特に短いRNA転写産物を単離する場合、pGENE 84
59v3の方が従来のラン・オフ法より優れている(制限酵
素を用いて切断する手間もはぶける)ことが明らかにな
った。 B)pV3TA-tat、pV3TA-LTRおよびpV3TA-LTR-tat用いて
製造したリボザイム反応pV3TA-tat、pV3TA-LTR、pV3TA-
LTR-tatおよびT7-LTR(T7 プロモーターの下流にHIV-1
のgag遺伝子のcDNA(転写開始点から422塩基対下流
を含む)を有するDNA断片)、T7-tat(T7 プロモー
ターの下流にHIV-1のtat遺伝子のcDNA(翻訳開始点
から149塩基対下流を含む)を有するDNA断片)を鋳
型として同様に転写および電気泳動されたtat用リボザ
イム、LTR用リボザイム、tat用リボザイム+LTR用リボ
ザイムおよびLTRRNA、tatRNAをそれぞれポリアク
リルアミドゲルより切り出し、前述と同様にゲルからR
NAを抽出した。エタノール沈澱後、tat用リボザイム
とtatRNA、LTR用リボザイムとLTRRNA、tat用リボ
ザイム+LTR用リボザイムとLTRRNAとtatRNAをそ
れぞれ前述の条件で切断反応を行った。
【0060】図14と同じ組成のゲルで解析した結果を図
22に示す。(A)〜(F)は、tat用リボザイムとtatRNA、
(G)〜(L)は、tat用リボザイム+LTR用リボザイムとLTR
RNAとtatRNA、(M)〜(R)はLTR用リボザイムとLTR
RNAの切断反応の結果である。反応時間は(A)、(G)、
(M)が0時間;(B)、(H)、(N)が0.5時間、(C)、(I)、(O)
が1時間;(D)、(J)、(P)が2時間;(E)、(K)、(Q)が4
時間;(F)、(L)、(R)が6時間である。
【0061】図15及び図22の結果より、pV3TA-LTR-tat
を鋳型とした場合、163 塩基で構成されるtat用リボザ
イムおよびLTR用リボザイムの両方が産生されているこ
とが明らかである。すなわち、pV3TA-tatより産生され
たtat用リボザイムは、tat RNA(149塩基)を、49塩
基と100塩基のRNA断片に切断し、pv3TA-LTRより産生
されたtat用リボザイムは、LTRRNA(422塩基)を、7
0塩基と352塩基のRNA断片に切断しているが、pV3TA-
LTR-tatより産生されたリボザイムは、tatRNAとLTR
RNAをそれぞれ同じパターンで切断している。
【0062】これらのことからをまとめると、2個の5'
端 処理用リボザイムと2個の3'端処理用リボザイムは
分子内で設計通りに切断反応を起こし、2種のリボザイ
ムすなわちLTR用リボザイム、tat用リボザイムが産生さ
れた。また、産生された両リボザイムは余分な塩基配列
を含まず、さらに、それぞれの標的RNAを設計通りに
切断した。両端にシスに作用するリボザイムを有するR
NAをコードするDNAをつなげていくことで、複数種
のリボザイムのようなRNAを一度に産生することが可
能である。 C)組み換えプラスミドpV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型を
鋳型として用いたin vitro転写切断反応 組み換えプラスミドpV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型を鋳型
として用い、これにより転写されるリボザイムによるHI
V-1tatRNAの切断を、転写反応と切断反応を同時に行
う転写切断反応を用いて検討した。
【0063】反応は、以下の条件で行った。すなわち、
40mM Tris-HCl(pH8.0),20mM MgCl2,2mM スペルミジン,1
mM ジチオスレイトール,1mM NTP,2 units/μl ヒト胎
盤リボヌクレアーゼインヒビター,20nM tat RNA(32P
で放射ラベルしたもの),2nM 鋳型プラスミドの混合物を
37℃で保温し、各時間ごとに採取した。
【0064】採取した反応物を7M尿素を含む5%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動により解析した結果を図23に
示す。(A)はpV3TA-(tat)1、(B)はpV3TA-(tat)2、(C)はp
V3TA-(tat)3、(D)はpV3TA-(tat)4、(E)はpV3TA-(ta
t)5、(F)はpV3TA-(tat)10を鋳型として用いたもので、
反応時間は0,1,3,6,12時間で行った。これより明らかな
ように、切断効率は鋳型のn数に比例して増加してい
た。また、切断効率を直列連結型リボザイム発現プラス
ミドを鋳型として用いた場合と比較したのが図24であ
る。これは、反応開始6時間後の添加したtat RNAの
切断された割合を示したものである。
【0065】n数が3個までは両方ともにほぼ同じ切断
効率を示したが、直列連結型ではそれ以上のn数におい
ては飽和状態に達したのに対して、pV3TA-(tat)n(n-1〜
5,10) 型では直線的に増加していた。以上のことによ
り、pV3TA-(tat)n(n-1〜5,10)型を用いた場合のほう
が、単にリボザイムを直列に連結したものに比べて、切
断効率の点で有利であることが示された。
【0066】
【発明の効果】本発明のリボザイムRNAをコードする
DNA断片を含むベクターは、環状のままでも制限酵素
を用いることなく5'末端及び3'末端側において余分な塩
基配列が付加されていないRNA転写物を製造すること
が可能なものであり、従来のように制限酵素を用いる場
合に比べて簡便な操作でRNA転写物の製造を行うこと
ができるほか、試験管内のみでなく、生体内においても
該組み換えベクターを保持増殖せしめながら、RNA転
写物の産生を図ることができる。特に、3'末端にターミ
ネーターを付加することにより、本発明のベクターは、
それらを含まないリボザイムRNAをコードするDNA
断片を含むベクターに比して転写効率が飛躍的に高める
ことが可能になる。
【0067】また、本発明のリボザイムRNAをコード
するDNA断片を複数個連結させたものを含むベクター
は、5'末端及び3'末端側において余分な塩基配列が付加
されていない複数種のRNA転写物を一度に製造するこ
とが可能なものであり、また、同一のRNA転写物の生
産性を向上させることが可能となる。この場合も、試験
管内のみでなく、生体内においても該組み換えベクター
を保持増殖せしめながら、RNA転写物の産生を図るこ
とができる。
【0068】これらのことは、例えば、余分な塩基配列
を付加されていないリボザイムRNAあるいはアンチセ
ンスRNAを生体内で一度に多種製造することが可能で
あることを意味し、特にこれらを塩基配列が変化しやす
い、例えば前述のHIV-1に効果的に作用させることが可
能となる。さらに、一度に多種のRNAに、リボザイム
RNAあるいはアンチセンスRNAを作用させることも
可能となる。
【0069】本発明のベクターは、医薬、動物薬、農薬
或いは試薬等、又はそれらの製造に有効に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハセロフ(J.Haseloff)等が示した短鎖人工
リボザイムの構造を示す図である。
【図2】 従来の転写手段であるラン・オフ法を示す模
式図である。
【図3】 組み換えプラスミドpGENE 8459v3の構造を示
す図である。
【図4】 SFL1用リボザイムの塩基配列とその5'端およ
び3'端におけるステム構造、さらにSFL1mRNAとの複
合体を示す図である。
【図5】 組み換えプラスミドpV3TA-LTR-tatの構造を
示す図である。
【図6】 組み換えプラスミドpV3TA-LTR-tatの構造を
示す図である。
【図7】 組み換えプラスミドpV3TA-LTRの構造を示す
図である。
【図8】 組み換えプラスミドpV3TA-tatの構造を示す
図である。
【図9】 組み換えプラスミドpV3TA-LTR、pV3TA-tatの
構築に用いた合成リンカ−の塩基配列を示す図である。
【図10】 組み換えプラスミドpV3TA-LTR-tatの構築に
用いたPCR反応用の合成オリゴヌクレオチドプライマ
ーの塩基配列を示す。
【図11】 組み換えプラスミドpV3TA-tat-term1の構造
を示す図である。
【図12】 組み換えプラスミドpV3TA-tat-term2の構造
を示す図である。
【図13】 pV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型プラスミドの概
念図である。
【図14】 環状および線状のpGENE 8459v3を鋳型として
転写して得られた各種転写産物の電気泳動図である。
【図15】 pV3TA-LTR-tatを鋳型として転写して得られ
た各種転写産物の電気泳動図である。
【図16】 LTR用及びtat用リボザイムの塩基配列とその
tRNA構造およびポリAテイル構造を示す図である。
【図17】 pV3TA-tat, pV3TA-tat-term1及び pV3TA-ta
t-term2を鋳型として転写して得られたそれぞれの転写
産物の電気泳動図である。
【図18】 pV3TA-tat, pV3TA-tat-term1及び pV3TA-ta
t-term2を鋳型として転写して得られた転写産物-tatリ
ボザイムRNAの、pV3TA-tat で転写された生産物を1
とした場合の転写効率の反応時間に対する変化を示した
図である。
【図19】 pV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型プラスミドをそ
れぞれ等量鋳型に用い、転写反応させたものの電気泳動
図である。
【図20】 pV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型プラスミドをそ
れぞれ鋳型として転写して得られた転写産物-tatリボザ
イムRNAの、pV3TA-tat で転写された生産物を1とし
た場合の転写効率の反応時間に対する変化を示した図で
ある。
【図21】 SFL1用リボザイムによるSFL1-mRNAの切
断を示す電気泳動図である。
【図22】 LTR用リボザイム及びtat用リボザイムによる
LTRRNAおよびtatRNAの切断を示す電気泳動図であ
る。
【図23】 プラスミドpV3TA-(tat)n(n-1〜5,10) 型を鋳
型として用いたin vitro転写切断反応の結果物の電気泳
動図である。
【図24】 切断効率を連結するリボザイムの単位数との
関連において検討を行った図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/10 //(C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91) 9281−4B C12N 5/00 C (72)発明者 多比良 和誠 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業技 術院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 西川 諭 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業技 術院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 前田 英勝 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業技 術院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 大川 淳 兵庫県神戸市西区室谷2丁目2番3号 長 瀬産業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 岡部 宗一 兵庫県神戸市西区室谷2丁目2番3号 長 瀬産業株式会社研究開発センター内 (72)発明者 嶋山 隆 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 日立 化成工業株式会社内 (72)発明者 井筒 浩 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業株 式会社筑波開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA配列の5'末端と3'末端とに各々、
    セルフプロセッシングにより当該5'末端と3'末端を各々
    切断するリボザイムを有するRNAを1単位として、当
    該RNA単位を1個又は2個以上連結したRNAをコー
    ドするDNA配列を含むベクター。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したRNA単位を、1乃
    至10単位連結したRNAをコードするDNA配列を含む
    ベクター。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したRNA単位をn個
    (nは1以上の整数)連結したRNAをコードするDN
    A配列を含むベクターにおいて、5'末端側から1番目の
    上記RNA単位の5'末端の近傍にプロモーターが付加さ
    れており、かつ当該プロモーターに対応するターミネー
    ターが、5'末端側からn番目の上記RNA単位の3'末端
    の近傍に付加されていることを特徴とする、RNAをコ
    ードするDNA配列を含むベクター。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載されたベク
    ターを鋳型として、当該ベクターDNAをRNAに転写
    することを特徴とする、5'末端側と3'末端側がセルフプ
    ロセッシングされたRNA転写物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3に記載されたベク
    ターにより形質転換された、微生物、又は動物細胞若し
    くは植物細胞。
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