JPH06104790B2 - 顔料分散剤および顔料水分散液 - Google Patents
顔料分散剤および顔料水分散液Info
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- JPH06104790B2 JPH06104790B2 JP4093907A JP9390792A JPH06104790B2 JP H06104790 B2 JPH06104790 B2 JP H06104790B2 JP 4093907 A JP4093907 A JP 4093907A JP 9390792 A JP9390792 A JP 9390792A JP H06104790 B2 JPH06104790 B2 JP H06104790B2
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水分散液に関する。更に詳しくは、抄紙用填料として使
用する炭酸カルシウム等の顔料を水中に分散させるため
に用いる分散剤およびこの分散剤を用いた顔料水分散液
に関する。
ては、タルク、炭酸カルシウム、珪藻土、カオリンなど
がある。これらは通常は乾粉の状態で供給されている
が、近年炭酸カルシウムの湿式粉砕スラリーに代表され
るように填料の取扱の容易さや、隠蔽力の向上を目的と
して水スラリー化される傾向にある。これらの水スラリ
ーには、通常分散剤としてアニオン性のポリカルボン酸
ナトリウム等が使用されている。しかし、この場合、填
料にマイナス荷電を与えるためパルプとの静電反発が起
こり、歩留り率の低下、地合いの不均一化を引き起こす
という問題がある。填料の歩留り率の低下は、特に近年
中性紙用填料として注目されている炭酸カルシウムの場
合、抄紙工程で使用されるプラスチックワイヤーの摩耗
を引き起こし経済的に不利益をもたらす弊害となること
から、水スラリーの普及がなかなか進まない状況にあ
り、填料の歩留り率の向上が重要な課題となっている。
この課題を解決するために、填料にカチオン荷電を与え
るカチオン分散剤を用いた水スラリーの検討が行われて
いる。
ば特開昭57-48340(ジアリルジメチルアンモニウムクロ
ライドのホモポリマー、ジアリルジメチルアンモニウム
クロライドとアクリルアミドとの共重合体)、特開昭63
-235377 (ポリジアリルアンモニウムクロライド、ポリ
3,5−メチレンピペリジニウムクロライド)、などが知
られている。
ジアリルジメチルアンモニウムクロライドや、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとの
共重合体は、高固形分の顔料水スラリーを得るためには
0.2〜3.7 重量%固形分/固形分が必要であることが示
されている。また実施例では、ジアリルジメチルアンモ
ニウムクロライドのホモポリマーによるクレーの分散に
おいて50重量%の固形分スラリーを得るには、 1.0重量
%固形分/固形分の添加が必要であることが示されてい
る。通常クレーの分散に使用されるポリアクリル酸ソー
ダは 0.1〜0.3重量%固形分/固形分の添加で低粘度の7
0〜72重量%固形分スラリーが得られることと比較する
と、分散効果の点で不十分といえ、コストも上がる。ま
た、高い歩留り率を得るためには、カチオン分散剤で前
処理が必要であることなど、工程が長くかかり煩雑であ
り効率低下につながる。
モニウムクロライド、ポリ 3,5−メチレンピペリジニウ
ムクロライドの場合、これら単独で炭酸カルシウムスラ
リーを作成すると比較的高添加量においても低粘度の高
固形分スラリーが得られないため、予めカチオン化され
た保護コロイドで前処理する方法が示されている。
ンモニウムクロライド、ポリジアリルアンモニウムクロ
ライド、ポリ 3,5−メチレンピペリジニウムクロライド
などのカチオン分散剤の場合、通常の合成方法において
はアリル基の破壊的連鎖移動反応が起こるため、重合性
が低い、高分子量の重合体が得られ難い、また収率が低
いなどの問題点がある。
に単独で使用する場合、通常使用されているポリアクリ
ル酸ソーダと比較して分散効果が不十分であり、十分な
高固形分、低粘度スラリーが得られない。また添加量に
おいても多量( 0.2〜3.7 重量%固形分/固形分)を必
要とすること、更には、製造面においても難があるなど
経済的に不利であった。
のこれら欠点に鑑み、本発明の課題は、顔料のカチオン
分散剤において、特に抄紙用填料として使用する炭酸カ
ルシウム等の顔料を水中に分散させるために用いるカチ
オン分散剤において、(1) 低添加量で経日安定性のよい
高固形分の低粘度スラリーを形成でき、(2) 陰イオン性
の電荷をもつ顔料または填料に高い陽イオン性の電荷を
与えることによりパルプ繊維への吸着を向上させ、更に
は(3) 製造方法において容易に高い収率で得られるカチ
オン分散剤を開発し、且つこのカチオン分散剤を用いた
顔料水分散液を開発することである。
で填料の分散効果が優れ、填料へ付与するカチオン荷電
量の大きい、且つ製法も容易な顔料分散剤を得ることを
目的に鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は、ジアリルアミン塩または/およびアルキ
ルジアリルアミン塩10〜99モル%と非イオン性ビニルモ
ノマー1〜90モル%とを構成単位とする重合体を含有す
ることを特徴とする顔料分散剤,並びに顔料が該分散剤
存在下で水中に分散されてなる顔料水分散液である。
ルアミン塩において、アルキル基としては、メチル、エ
チル、ブチル基などが挙げられる。
塩または/およびアルキルジアリルアミン塩は、塩酸、
硫酸、硝酸、酢酸などの無機ないし有機酸によりアミノ
基の部位が塩となっているものである。
ルモノマーはアクリルアミド、メタクリルアミド、N−
ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
これらの内好ましいものとしては、アクリルアミドまた
は/およびメタクリルアミドが挙げられる。
塩または/およびアルキルジアリルアミン塩と非イオン
性ビニルモノマーとのモル比は、通常10〜99モル%/1
〜90モル%、好ましくは50〜99モル%/1〜50モル%、
更に好ましくは80〜98モル%/2〜20モル%である。
ましくは0.10〜1.80、特に好ましくは0.15〜0.70であ
る。
となる各モノマー成分を混合し、ラジカル重合開始剤を
用い溶媒中で重合させることにより該重合体が得られ
る。ラジカル重合開始剤としては例えば過酸化水素、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、第3級ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロク
ロライド、2,2−アゾビス(2−アミジノブタン)ジ
ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(N−フェニルア
ミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビ
ス(N,N−ジメチルアミジノプロパン)ジヒドロクロ
ライド、およびアゾビスバレロニトリルなど一般的に用
いられるラジカル重合開始剤ならば特に限定されること
なく使用することができる。また溶媒としては水あるい
は水と水溶性有機溶媒の混合液が適宜使用できる。水溶
性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロ
パノール、n−プロパノール、ホルムアミド、ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチル
スルホキシド、などが挙げられる。また上記重合反応に
用いる各成分の量を通常の範囲で示すと、構成成分とな
るモノマー成分計 100重量部を溶媒20〜900 重量部に溶
解しラジカル重合開始剤0.05〜20重量部を加え、必要に
応じ酸性亜硫酸ソーダ、硫酸第1鉄などの還元剤0.01〜
5 重量部併用して重合反応を行うとよい。重合温度は通
常30〜110 ℃、重合時間は通常 3〜20時間程度とするこ
とが好ましく重合反応は有利には窒素ガスを吹き込みな
がら行われる。
ジアリルアミン塩または/およびアルキルジアリルアミ
ン塩の単独重合ではアリル基の破壊的連鎖移動反応が起
こるため重合性が低く、また高分子量の重合体が得られ
難いが、ジアリルアミン塩または/およびアルキルジア
リルアミン塩とアクリルアミドまたは/およびメタクリ
ルアミドを共重合した場合には、容易に高分子量の重合
体を得ることができ、重合速度も速くなり高収率で重合
体を得ることができることを見い出した。
ク、炭酸カルシウム、珪藻土、カオリン、硫酸カルシウ
ムなど)を水中に分散させる際に、単独ないし必要によ
り他の分散剤たとえばポリカルボン酸ナトリウムなどの
アニオン系高分子型分散剤と併用して適用することが可
能である。この併用系の場合、本発明の顔料分散剤 100
重量部に対し、他の分散剤は20重量部以下の配合割合が
好ましい。
は、微粒子乾粉に顔料分散剤を添加する方法、粗大粒子
の乾式粉砕後分散剤を添加する方法、または粗大粒子の
湿式粉砕方法があるが、湿式粉砕方法が好ましい。その
理由は製造工程が簡単で、しかも粒度調整が容易であ
り、且つ微粒子を得られることなどが挙げられる。湿式
粉砕による顔料水分散液の製造方法としては、バッチ
式、連続式のいづれの方法であってもよい。装置として
はサンドミル、アトライター、ボールミルなどの粉砕媒
体を使用したミルなどが使用できる。
分散液の粒度分布は、2μm以下が45〜98重量%、好ま
しくは60〜98重量%である。
応じて顔料の沈降性を改善することを目的として添加す
るカチオン性保護コロイドとしては、デンプン、ガラク
トマンナン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース、タンパク質、スチレン・ブタジエン共重合体、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのカチオン
変性物が挙げられる。該微粒子にされた顔料水分散液に
対するカチオン性保護コロイドの添加量は、顔料に対し
て0.05〜2.0 重量%固形分/固形分、好ましくは 0.1〜
0.5 重量%固形分/固形分である。
て、顔料に対する本発明の分散剤の添加量は、0.01〜0.
1 重量%固形分/固形分、好ましくは0.03〜0.05重量%
固形分/固形分であり、分散剤の投入は、一括、分割い
づれでもよいが、分割投入の方が相対的に低添加量にな
るので好ましい。
使用する場合、その添加量はパルプに対して5〜30重量
%固形分/固形分である。
が、本発明はこれに限定されるものではない。実施例中
の部、%は特に断わらない限り重量部、重量%である。 実施例1 還流冷却器、温度計、滴下ロート、攪拌装置およびガス
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%)500 部とアクリルアミド(40%)5部およ
び水15部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を
80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロートを用いて重合開始
剤、過硫酸アンモニウム(25%)30部を4時間にわたり
滴下した。滴下終了後1時間反応を続け粘稠な淡黄色液
状物を得た。これを50g採り、500ml のアセトン中に注
ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回 100
mlのアセトンでよく洗浄した後真空乾燥して白色固体2
2.5gを得た。収率は82.0%であった。得られた重合体
の1N−NaCl水溶液中、25℃での極限粘度は0.30
(dl/g)、GPCより求めた重量平均分子量は 5.0
万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%)500 部とアクリルアミド(40%)13部およ
び水40部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を
80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロートを用いて重合開始
剤、過硫酸アンモニウム(25%)30部を4時間にわたり
滴下した。滴下終了後1時間反応を続け粘稠な淡黄色液
状物を得た。これを50g採り、500ml のアセトン中に注
ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回100m
l のアセトンでよく洗浄した後真空乾燥して白色固体2
2.0gを得た。収率は84.0%であった。得られた重合体
の1N−NaCl水溶液中、25℃での極限粘度は0.32
(dl/g)、GPCより求めた重量平均分子量は 5.3
万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%)500 部とアクリルアミド(40%)21部およ
び水90部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を
80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロートを用いて重合開始
剤、過硫酸アンモニウム(25%)30部を4時間にわたり
滴下した。滴下終了後1時間反応を続け粘稠な淡黄色液
状物を得た。これを50g採り、500ml のアセトン中に注
ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回 100
mlのアセトンでよく洗浄した後真空乾燥して白色固体2
3.0gを得た。収率は95.6%であった。得られた重合体
の1N−NaCl水溶液中、25℃での極限粘度は0.33
(dl/g)、GPCより求めた重量平均分子量は 5.5
万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%) 200部とアクリルアミド(40%)40部およ
び水 220部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度
を60℃に昇温した。攪拌下で重合開始剤、2,2−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド(10
%)40部を2時間おきに4回に分けて加えた。最初の開
始剤を加えて 1.5時間後から滴下ロートでアクリルアミ
ド(18%) 280部を4時間にわたり滴下した。開始剤添
加終了後2時間反応を続け粘稠な淡黄色液状物を得た。
これを50g採り、500ml のアセトン中に注ぐと白色の沈
澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回100ml のアセトン
でよく洗浄した後真空乾燥して白色固体11.5gを得た。
収率は96.2%であった。得られた重合体の1N−NaC
l水溶液中、25℃での極限粘度は1.10(dl/g)、G
PCより求めた重量平均分子量は26万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン硫
酸塩(60%) 500部とアクリルアミド(40%)12部およ
び水40部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を
80℃に昇温した。攪拌下で重合開始剤、過硫酸アンモニ
ウム(25%)30部を4時間にわたり滴下した。滴下終了
後1時間反応を続け粘稠な淡黄色液状物を得た。これを
50g採り、500ml のアセトン中に注ぐと白色の沈澱を生
じた。沈澱を濾別しさらに2回100ml のアセトンでよく
洗浄した後真空乾燥して白色固体23.0gを得た。収率は
87.8%であった。得られた重合体の1N−NaCl水溶
液中、25℃での極限粘度は0.33(dl/g)、GPCよ
り求めた重量平均分子量は 5.5万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%) 500部とアクリルアミド(40%)200 部を
入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を50℃に昇温
した。攪拌下で重合開始剤、2,2-アゾビス(2-アミジノ
プロパン)ジヒドロクロライド(10%)40部を2時間お
きに4回に分けて加えた。10時間反応し粘稠な淡黄色液
状物を得た。これを50g採り、500ml のアセトン中に注
ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回 100
mlのアセトンでよく洗浄した後真空乾燥して白色固体2
3.5gを得た。収率は91.5%であった。得られた重合体
の1N−NaCl水溶液中、25℃での極限粘度は2.30
(dl/g)、GPCより求めた重量平均分子量は65.0
万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%) 200部とアクリルアミド(40%)5部およ
び水 280部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度
を80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロートを用いて重合開
始剤、過硫酸アンモニウム(25%)30部を4時間にわた
り滴下した。滴下終了後1時間反応を続け粘稠な淡黄色
液状物を得た。これを50g採り、500ml のアセトン中に
注ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回 1
00mlのアセトンでよく洗浄した後真空乾燥して白色固体
10.0gを得た。収率は84.4%であった。得られた重合体
の1N−NaCl水溶液中、25℃での極限粘度は0.13
(dl/g)、GPCより求めた重量平均分子量は 1.0
万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルジメチル
アンモニウムクロライド(60%) 500部と水250 部を入
れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を80℃に昇温し
た。攪拌下で滴下ロートを用いて重合開始剤、過硫酸ア
ンモニウム(25%)30部を4時間にわたり滴下した。滴
下終了後1時間反応を続け粘稠な淡黄色液状物を得た。
これを50g採り、500ml のアセトン中に注ぐと白色の沈
澱を生じた。沈澱を濾別しさらに2回 100mlのアセトン
でよく洗浄した後真空乾燥して白色固体15gを得た。収
率は78.0%であった。得られた重合体の1N−NaCl
水溶液中、25℃での極限粘度は0.26(dl/g)、GP
Cより求めた重量平均分子量は 4.0万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルジメチル
アンモニウムクロライド(60%) 500部とアクリルアミ
ド(40%)10部および水 250部を入れ、窒素ガスを流入
させながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロ
ートを用いて重合開始剤、過硫酸アンモニウム(25%)
30部を4時間にわたり滴下した。滴下終了後1時間反応
を続け粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g採り、50
0ml のアセトン中に注ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を
濾別しさらに2回 100mlのアセトンでよく洗浄した後真
空乾燥して白色固体17gを得た。収率は88.4%であっ
た。得られた重合体の1N−NaCl水溶液中、25℃で
の極限粘度は0.38(dl/g)、GPCより求めた重量
平均分子量は 6.0万であった。
導入管を備えた反応器(容量1L)にジアリルアミン塩
酸塩(60%) 500部と水15部を入れ、窒素ガスを流入さ
せながら系内温度を80℃に昇温した。攪拌下で滴下ロー
トを用いて重合開始剤、過硫酸アンモニウム(25%)30
部を4時間にわたり滴下した。滴下終了後1時間反応を
続け粘稠な淡黄色液状物を得た。これを50g採り、500m
l のアセトン中に注ぐと白色の沈澱を生じた。沈澱を濾
別しさらに2回 100mlのアセトンでよく洗浄した後、真
空乾燥して白色固体17.8gを得た。収率は65.0%であっ
た。得られた重合体の1N−NaCl水溶液中、25℃で
の極限粘度は0.25(dl/g)、GPCより求めた重量
平均分子量は 3.5万であった。
まとめ表1に示す。
ド AA:アクリルアミド
および比較品Aを用いて粒径 2μm以下50%の粉砕炭酸
カルシウム〔日本セメント(株)製石灰石の乾式粉砕
品、比表面積17000 cm2 /g〕に所定量の水と分散剤を
加えた後ホモジナイザー〔商品名MS−4型、日本精機
(株)製〕で 5000rpm、 5分間攪拌することにより、50
%炭酸カルシウムスラリーを調整した。得られたスラリ
ーの調整直後および経日後の粘度をB型粘度計にて測定
した結果を表2に示す。また、調整スラリーを遠心沈降
(3000rpm 、60分)した上澄み液を用いた 500倍の希釈
溶液における粒子の表面電荷量を電気泳動法によるゼー
タ電位測定装置を用いて測定した結果を表3に示す。
N ディスパーサント5040,サンノプコ社製)
て、平均粒径30μmの粗粒重質炭酸カルシウム〔日本セ
メント(株)製石灰石原料の乾式粗粉砕品〕に所定量の
水と分散剤を加えた後テーブル式アトライター型媒体攪
拌型ミルを用いてφ1.2mm ガラスビーズ充填率 170%/
仕上がりスラリーで 1500rpm、40分適量の水を随時追加
して湿式粉砕することにより45〜75%炭酸カルシウムス
ラリーを調整した。得られたスラリーの調整直後および
経日後の粘度をB型粘度計(20℃、60rpm )にて測定し
た結果を表4に示す。また、調整スラリーを遠心沈降
(3000rpm 、60分)した上澄み液を用いた 500倍の希釈
溶液における粒子の表面電荷量を電気泳動法によるゼー
タ電位測定装置を用いて測定した結果を表4に示す。
KP:7/3、フリーネス:400ml )に実施例6で調整
した炭酸カルシウムスラリーを対パルプ10.0%添加し、
続いて市販のカチオン化デンプン(ネオタック40T、
日本食品化工社製)を対パルプ 0.5%添加し十分に混合
した。ついで市販のサイズ剤(ハーコン601、ディッ
クハーキュレス社製)および歩留り向上剤(ハイモロッ
クNR11LH、共立有機工業社製)をそれぞれ対パル
プ 0.3%、0.02%、添加して十分に混合せしめた後、ダ
イナミックドレネイジ・ジャーを用いて減圧度 100mmHg
にて抄き、得られたシートを 3.5kg/cm2 で5分間プレ
スして脱水した後、回転式ドライヤーにて 100℃、45秒
乾燥して、坪量60g/ m2 の抄紙を得た。得られた抄紙
中の灰分を常法により測定し、填料歩留り率を計算によ
り求めた結果を表5に示す。
低粘度スラリーを得るには、従来のポリアクリル酸ナト
リウムなどのアニオン系分散剤はもとより、公知の文献
(たとえば特開昭57-48340、特開昭63-235377 )に掲載
のカチオン系分散剤では、添加量が 0.2〜3.7 %固形分
/固形分必要であるのに対して、本発明の顔料水分散液
では0.01〜0.1 %固形分/固形分と分散剤の添加量を大
幅に削減できる。また、分散剤は一般に紙の耐水性、印
刷適性などの品質低下があるため、分散剤の大幅な削減
は極めて有利であり、かつコストも下がる。 (2)パルプの歩留率を向上できる。 抄紙用填料に適用した場合、特に炭酸カルシウムに対し
て本発明の分散剤は、上記(1)で記載の従来の分散剤
と比較して添加量が大幅に少ないにも関わらずその粒子
表面により高いカチオン荷電を付与し、その結果アニオ
ン荷電であるパルプとの親和力をより増加するためパル
プへの填料の歩留り率を改善するとともに、填料の均一
性(地合い)を向上することができる。また、更には抄
紙工程で使用される薬剤、たとえばカチオン化デンプ
ン、歩留り向上剤の添加量を削減でき、経済的に有利で
ある。 (3)分散剤の製造の省力化、収率アップ ジアリルアミン塩または/およびアルキルジアリルアミ
ン塩の重合は一般にアリル基の破壊的連鎖移動反応が起
こるため、重合性が低く、工程時間が長く、収率も低
い。また高分子量の重合体が得られ難い。本発明はアク
リルアミドまたは/およびメタアクリルアミドなどの非
イオン性ビニルモノマーを用いることによって大幅な省
力化、収率アップをはかることができる。また、原料の
面で、ジアリルアミン塩または/およびアルキルジアリ
ルアミン塩と比較して、アクリルアミド、メタクリルア
ミドなど非イオン性ビニルモノマーは安価であり、経済
的にも有利である。
Claims (9)
- 【請求項1】ジアリルアミン塩または/およびアルキル
ジアリルアミン塩10〜99モル%と非イオン性ビニルモノ
マー 1〜90モル%とを構成単位とする重合体を含有する
ことを特徴とする顔料分散剤。 - 【請求項2】非イオン性ビニルモノマーがアクリルアミ
ドまたは/およびメタクリルアミドである請求項1記載
の分散剤。 - 【請求項3】重合体の極限粘度が0.05〜3.00である請求
項1または2記載の分散剤。 - 【請求項4】顔料が請求項1〜3のいずれか1項に記載
の分散剤の存在下で水中に分散されてなる顔料水分散
液。 - 【請求項5】顔料が炭酸カルシウムである請求項4記載
の顔料水分散液。 - 【請求項6】顔料の粗大粒子が水および該分散剤の存在
下で粉砕され、微粒子にされてなる請求項4または5記
載の顔料水分散液。 - 【請求項7】該微粒子にされた後、更にカチオン性保護
コロイドが、添加されてなる請求項6記載の顔料水分散
液。 - 【請求項8】微粒子の粒度分布において、2μm以下が
45〜98重量%である請求項6または7記載の顔料水分散
液。 - 【請求項9】顔料が抄紙用填料である請求項4〜8のい
づれか記載の顔料水分散液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4093907A JPH06104790B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 顔料分散剤および顔料水分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4093907A JPH06104790B2 (ja) | 1992-03-19 | 1992-03-19 | 顔料分散剤および顔料水分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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