JPH06102087B2 - 人工心臓 - Google Patents

人工心臓

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JPH06102087B2
JPH06102087B2 JP4334589A JP33458992A JPH06102087B2 JP H06102087 B2 JPH06102087 B2 JP H06102087B2 JP 4334589 A JP4334589 A JP 4334589A JP 33458992 A JP33458992 A JP 33458992A JP H06102087 B2 JPH06102087 B2 JP H06102087B2
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sealing liquid
heart
pump
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健二 山崎
信孝 伊藤
敏夫 森
治雄 飯山
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Sun Medical Technology Research Corp
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Nok Corp
Sun Medical Technology Research Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体の心臓の心室、す
なわち左心室または右心室内に埋設して使用される体内
埋設形の補助的な人工心臓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の人工心臓は、ダイヤフラム形、サ
ック形、軸対称形、遠心形、プッシャプレート形等、各
種の形式のものがある。しかし、いずれも人体の心臓に
代わって、あるいは人体の心臓をバイパスして血液を送
る形式のものである。
【0003】ところで、最近では人体の心臓の心室内に
埋設され、大動脈弁等を貫通するノズルの先端からこの
心室内の血液を大動脈内に送る補助的な人工心臓が開発
されている。このような人工心臓は、これを埋設しても
心臓の機能を損なうことがなく、心臓の鼓動だけでは不
足する血液を動脈に送るように構成されている。このよ
うな人工心臓は、心臓の鼓動によっても血液が送られる
ため、万一この人工心臓が停止しても心臓の鼓動により
血液が送られるため安全性が高く、また患者の負担も少
ない等の利点がある。
【0004】上記のような人工心臓は、当然のことなが
ら、心臓の心室内に挿入される部分の容積がこの心室の
最小収縮容積より小さくなければならない。このため、
このような人工心臓では、ポンプ本体が円筒状の軸流形
のポンプ部と、その先端に設けられたノズル部と、この
ポンプ部の基端部に設けられた駆動部とから構成されて
いる。そして、心臓の心室の心尖部を切開して短円筒状
の心尖部リングを埋め込み、この心尖部リングを貫通し
て上記のポンプ部とノズル部を心室内に挿入し、ノズル
部の先端部を大動脈弁等を貫通して大動脈内に挿入し、
容積の大きい駆動部はこの心臓の外側の胸腔内に埋設す
るように構成される。
【0005】しかしながら、上記のような人工心臓にお
いては、上記のポンプ部と駆動部との間の軸シール機構
が問題となる。すなわち、このような人工心臓では、上
記の駆動部内にはモータ等が内蔵され、この駆動部から
ポンプ部まで延長された駆動軸を介してポンプ部のロー
タが駆動される。そして、このポンプ部内は血液が流通
し、またこの血液には血圧が作用する。一方、上記の駆
動部内の空間部には血液が流入することが許されない。
万一この駆動部内の空間に血液が侵入すると、この血液
が凝固してモータ等の作動を阻害する不具合を生じる。
【0006】このような駆動部内への血液の侵入を防止
するには、この駆動部とポンプ部の間に、上記の駆動軸
の液封をなすシール機構を設ける必要がある。しかし、
このような人工心臓は人体内に埋設されるものであるか
ら、長期間の間、保守等なしで確実に作動する必要があ
り、このような長期間にわたって完全なシールを維持す
る軸シール機構を提供するのは現在の技術では容易では
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、上記のような人工心臓におい
て、駆動部内に血液が侵入するのを長期間にわたって完
全に防止することができる軸シール機構を備えた人工心
臓を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、人体の心臓の
心室内に挿入して使用される補助的な人工心臓であっ
て、人体の心臓の心尖部を切開してこの心尖部に埋設固
定される筒状の心尖部リングと、人工心臓本体とを備
え、この人工心臓本体は、上記の心尖部リング内を貫通
して人体の心臓の心室内に挿入される円筒状の軸流形の
ポンプ部と、このポンプ部の先端部に突設され人体の心
臓の動脈弁を介して動脈内に挿入されるノズル部と、上
記のポンプ部の基端部に設けられ駆動軸を介して上記の
ポンプ部を駆動するとともに上記の人体の心臓の外側に
設けられる駆動部とを備えている。
【0009】そして、上記の駆動部とポンプ部との間に
は上記の駆動軸の液密を維持し上記のポンプ側から駆動
部側に血液が侵入するのを防止するシール機構が設けら
れており、また上記のシール機構より上記の駆動部側の
部分には上記の駆動軸の周囲を囲んで形成された密封液
室が形成されており、この密封液室内には密封液が充填
されている。
【0010】また、好ましい実施例によれば、上記の密
封液としては生理食塩水またはヘパリン等の血液凝固防
止剤を含んだ液が用いられ、上記の密封液室は、人体内
に埋設され内部に密封液が充填された可撓性の材料から
なる密封液バッグに接続されている。
【0011】また、上記のシール機構は、弾性材料から
形成され弾性変形により前記の駆動軸の周面に密着する
とともに、この駆動軸の周面との間に前記の密封液の潤
滑膜を形成するオイルシールを備えている。
【0012】
【作用】上記のポンプ部は、駆動部内に内蔵されている
モータ等によって駆動され、このポンプ部は心臓の心室
内の血液を吸入し、その先端部のノズル部から大動脈弁
等をバイパスして大動脈内に吐出される。したがって、
心臓の鼓動による血液の送り出しに加えて、この人工心
臓によっても血液が大動脈に送られる。よって、この心
臓による血液の送り出し量の不足を補い、必要な血液の
送り出し量を確保する。また、このポンプ部の容積は心
室の最収縮時の容積より小さく、心臓の自然な鼓動を妨
げることがない。
【0013】そして、上記のポンプ部内の血液が駆動部
内に侵入することが、上記のシール機構によって防止さ
れる。この場合、このシール機構より駆動部側には密封
液室が形成され、この密封液室内には生理食塩水等の密
封液が充填されている。よって、この密封液により、こ
のシール機構の密封や潤滑等が確保され、血液がこのシ
ール機構から駆動部側に侵入することが確実に防止され
る。
【0014】また、万一シール機構の劣化等により、血
液が侵入しても、この侵入した血液はこの密封液室内の
密封液に混入するので、この血液が凝固することはな
く、この人工心臓の作動を妨げることはない。
【0015】また、実施例によれば、このシール機構は
オイルシールを備えている。このオイルシールは、駆動
軸の外周面に弾性的に密着し、血液の侵入を確実に防止
するとともに、駆動軸の外周面との間に密封液の潤滑膜
が形成され、磨耗することがなく耐久性が高い。さら
に、このようなオイルシールは、その設計によって、こ
のオイルシールと駆動軸の外周面との間に形成される密
封液の潤滑膜がポンプ部側に一方的に送られるように設
計することができる。したがって、この駆動部側に血液
が侵入するのを確実に防止することができる。
【0016】また、好ましい実施例によれば、上記の密
封液室は人体の胸腔等に埋設された密封液バッグに連通
しているので、この密封液バッグから密封液の補給がな
され、長期間にわたってこの密封液室内に密封液を供給
することが可能である。
【0017】
【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1ないし図4は本発明の第1の実施例を示す。図
1には本発明の人工心臓が人体の心臓Aの左心室Bに埋
設された状態を示す。なお、Cは心尖部、Dは左心房、
Eは僧帽弁、Fは大動脈弁、Gは大動脈である。
【0018】この人工心臓1は、心尖部リング2と、人
工心臓本体部3とから構成されている。この心尖部リン
グ2は、鍔部を有する短い円筒状をなし、心臓Aの心尖
部Cを切開し、この心尖部Cを貫通して埋め込まれる。
また、上記の本体3は、ポンプ部4と、このポンプ部4
の先端部に設けられたノズル部6と、このポンプ部4の
基端部に設けられた駆動部5とから構成されている。そ
して、このポンプ部4とノズル部6は上記の心尖部リン
グ2を貫通して左心室B内に挿入され、ノズル部6はさ
らに大動脈弁Fの中心部を貫通して大動脈G内に挿入さ
れている。なお、上記の心尖部リング2とこの本体部3
との間は、通常のシール機構、たとえばシール部材8に
よって液密が確保されている。
【0019】上記のポンプ部4は、比較的小形の円筒形
をなし、その容積はこの左心室Bの最収縮時の最小容積
より小さく形成され、この心臓の自然の鼓動を妨げない
ように構成されている。このポンプ部4内には、小形の
軸流ポンプが内蔵され、上記の駆動部5内に内蔵された
モータによって駆動される。そして、このポンプ部4
は、その外周面に形成された吸込口7から左心室B内の
血液を吸入し、先端のノズル部6の先端部から大動脈弁
Fをバイパスして大動脈G内に吐出するように構成され
ている。
【0020】上記のノズル部6は、軟質の合成樹脂材料
から形成された柔軟なもので、上記の大動脈弁Fの中心
部を貫通するとともに、この大動脈弁Fの機能を損なわ
ず、かつこの大動脈弁Fに損傷を与えないように構成さ
れている。
【0021】また、上記の駆動部5は、この心臓Aの外
側の胸腔内に埋設されている。そして、この駆動部5内
にはモータ等が内蔵され、また必要に応じて電池、およ
び制御電子部品が内蔵されている。この駆動部5は電線
9を介して非接触形の電極10に接続され、この電極1
0は人体の皮膚Hの近傍に埋設されている。そして、こ
の電極10を介して、外部の電源装置(図示せず)から
必要な電力が供給されるように構成されている。
【0022】また、この駆動部5は、可撓性の管11を
介して密封液バッグ12に接続されている。この密封液
バッグ12は可撓性の材料から形成され、生理食塩水等
の密封液が充填されている。そして、この密封液バッグ
12はたとえば胸腔または腹腔内の適宜の部位に埋設さ
れている。
【0023】次に、上記の本体3の構成を図2を参照し
て説明する。上記のポンプ部4は円筒状のケーシング2
1を備えており、このケーシング21の先端部は細径に
縮径されて上記のノズル部6を形成し、また基端部は延
長部24を介して前記の駆動部5に接続されている。そ
して、このケーシング21内には、軸流形のポンプ、た
とえばプロペラ22および整流作用をなす複数のガイド
ベーン23が配置されている。そして、このケーシング
21の外周面には上記の吸込口7が形成され、この吸込
口7から上記のプロペラ22、ガイドベーン23を介し
て先端部のノズル部6に至るまで、このケーシング21
の内部に円滑な血液の流路が形成されている。
【0024】また、上記のノズル部6には可撓性の合成
樹脂材料からなる薄肉円筒状のノズルチューブ25が取
り付けられている。このノズルチューブ25は、前述の
ように、大動脈弁Fとの接触を改善し、この大動脈弁F
の損傷を防止し、またこの大動脈弁Fの機能を損なわな
いように構成されている。さらに、このノズルチューブ
25は、柔軟性を有する薄肉の筒状をなしているため、
万一この人工心臓が故障した場合に、大動脈G内の血圧
によって潰れ、このノズル部6を介して大動脈Gから左
心室B内に血液が逆流することを防止する逆止弁の作用
をなすように構成されている。
【0025】また、上記のプロペラ22には駆動軸26
の先端部が接続されている。この駆動軸26は、上記の
延長部24内を通り、上記の駆動部5内まで延長されて
いる。そして、この駆動部5内にはモータが内蔵され、
32はそのステータコイル、33はロータである。そし
て、上記の駆動軸26の基端部は上記のロータ33に接
続されている。なお、34はこの駆動部5を密閉する蓋
部材である。
【0026】また、この駆動軸26の先端部はセラミッ
ク材料製の軸受28によって支承され、また基端部は駆
動部5内のセラミック材料製の動圧軸受35,36によ
って支承されている。また、この駆動軸26の先端部に
はシール機構31が設けられ、このシール機構によって
上記のポンプ部4内と駆動部5内との間の軸封がなさ
れ、上記のポンプ部4内の血液がこの駆動部5内に侵入
するのを防止するように構成されている。
【0027】また、このシール機構31より駆動部5側
の部分、例えば上記のケーシング21の延長部24内に
は、この駆動軸26を囲んで密封液室30が形成されて
いる。そして、この密封液室30内には、密封液、たと
えば生理食塩水が充填されている。なお、この食塩水に
は必要に応じてヘパリン等の血液凝固防止剤、およびそ
の他の必要な薬剤が添加される。
【0028】また、上記の軸受28の外周面とケーシン
グ21の内周面との間には軸方向の溝27が形成され、
上記のシール機構31の駆動部5側の空間はこの溝27
を介して上記の密封液室30と連通しており、この空間
は密封液で満たされ、実質的に上記の密封液室30の一
部となっている。また、上記の動圧軸受35の外周面と
ケーシング21の内周面との間にも軸方向の溝37が形
成され、この溝37は上記の密封液室30内に連通し、
また駆動部5の壁に形成された細径の通路38に連通し
ている。そして、この密封液室30は、この溝37、通
路38および前述の管11を介して前述して密封液バッ
グ12に連通している。
【0029】次に、上記のシール機構31について説明
する。この実施例では、このシール機構31としてオイ
ルシールが用いられている。このオイルシールは、合成
ゴム等の弾性材料で形成され、弾性的に変形可能なリッ
プ部を有する部材であり、このリップ部が上記の駆動軸
26の外周面に当接し、液密を維持する。このオイルシ
ールは、駆動軸26との間に上記の密封液の潤滑膜が形
成されることが特徴であり、この潤滑膜により確実なシ
ール性を発揮し、またこの駆動軸26の外周面との直接
の接触が防止され、長期間にわたって磨耗が防止され
る。
【0030】図3には、このシール機構31の好ましい
構成を示す。このものは、合成ゴム等のオイルシール4
1を備え、このオイルシール41は弾性的に変形可能な
リップ部42を有している。そして、このリップ部42
の内周面が上記の駆動軸26の外周面に接触している。
また、このものは、上記のリップ部42と駆動軸26の
外周面との接触圧力を安定させるために、ガータースプ
リング43を備えている。このようなオイルシール41
は、上記のように、リップ部42の内周面と駆動軸26
の外周面との間に密封液の薄い潤滑膜が形成されるよう
に設計される。この潤滑膜として介在した密封液は、駆
動軸26の回転によってシール面内を循環するように設
計される。また、この実施例では、この潤滑膜として介
在した密封液は、一方的にポンプ部4側に流れ、微量ず
つこのポンプ部4内に流出するように設計される。した
がって、このような密封液の挙動により、ポンプ部4側
から血液がこのオイルシール41と駆動軸26との間の
シール面に侵入することが確実に防止される。
【0031】なお、この密封液は食塩水であり、またポ
ンプ部4内に流出する量は微量であるため、人体にはま
ったく影響がない。なお、この密封液の流出量はたとえ
ば1か月につき数cc程度で十分であり、流出した密封
液は前述の密封液バッグ12から供給される。したがっ
て、たとえば上記の密封液バッグ12の容量を数十cc
程度にしておけば、約1年間以上の期間にわたって外部
から密封液を補給する必要はない。
【0032】なお、このシール機構31は上記のような
オイルシールに限定されず、条件が許せば、ラビリンス
パッキン等、その他の形式のシール機構が適用できるこ
とはもちろんである。
【0033】また、次に図4を参照して前記の動圧軸受
35,36の構成を説明する。この動圧軸受は、上記の
駆動軸26の基端部側を回転自在に支承するとともに、
上記の密封液室30と、駆動部5内の空間との間のシー
ル作用とを兼用している。
【0034】すなわち、この動圧軸受は外側の固定側軸
受35と内側の回転側軸受36の2つの部材から構成さ
れており、これらはセラミック材料で形成されている。
そして、これら固定側軸受35および回転側軸受36は
それぞれ円筒部35a,36aとフランジ部35b,3
6bを備えており、回転側軸受36の円筒部36aは固
定側軸受35の円筒部35a内に回転自在に密嵌してお
り、またフランジ部35b,36bは互いに密着して衝
合している。
【0035】また、上記の回転側軸受36の円筒部36
aの外周面およびフランジ部36bの衝合面には、それ
ぞれ複数の動圧発生溝51,52が形成されている。し
たがって、この回転側軸受36が駆動軸26とともに回
転している場合に、これらの動圧発生溝51,52内に
密封液が侵入すると動圧が発生し、この動圧によってこ
の密封液を所定の圧力で密封液室30側に戻すように構
成されている。そして、この動圧発生溝51,52で発
生する動圧は、上記の密封液室30内で発生が予想され
る圧力より十分に高い圧力となるように設定されてい
る。したがって、これらの動圧発生溝によって完全なシ
ール機構が構成され、この密封液室30から駆動部5内
への密封液の侵入は確実に防止される。
【0036】また、図5を参照して本発明の第2の実施
例を説明する。この実施例は、上記の駆動部5内に収容
されるモータを液漬形のものとし、また密封液を循環す
るように構成したものである。
【0037】すなわち、この実施例では上記の駆動部5
内の空間は密封液で満たされており、モータのステータ
コイル32およびロータ33はこの密封液中に浸漬され
ている。また、上記の駆動部5の基端部側には通路55
が形成され、管56を介して上記の密封液バッグ12に
接続されている。さらに、前記の動圧軸受35,36
は、この実施例ではシール作用はなさず、駆動部5内の
密封液を所定の流量で密封液室30側に送るポンプ作用
をなすように構成されている。
【0038】この実施例のものは、上記の動圧軸受3
5,36のポンプ作用により、駆動部5内の密封液が密
封液室30に送られ、さらに溝37、通路38、管11
を通って密封液バッグ12に送られ、さらに上記の管5
6および通路55を通して駆動部5内に戻され、この経
路を循環する。
【0039】この実施例のものは、駆動部5内が密封液
で満たされているので、モータの抵抗が増加するが、前
述の第1の実施例のように、駆動部5内に密封液が侵入
して作動不良を起こす可能性を考慮する必要がなく、設
計が容易であるとともに信頼性も向上する。また、密封
液が循環するので、モータのステータコイル32等で発
生した熱を密封液バッグまで搬送し、分散して人体に放
熱させることができる。したがって、この密封液や駆動
部5の温度は人体の体温と略等しい温度に維持される。
このため、駆動部5の表面の温度が体温以上に上昇して
低温火傷を起こす可能性を考慮しなくてもよく、この人
工心臓の放熱設計が容易となり、かつ信頼性も向上す
る。なお、この第2の実施例は上記の点以外は前記の第
1の実施例と同様な構成であり、図5中、第1の実施例
と同様の部分には同じ符号を付してその説明を省略す
る。
【0040】また、図6には本発明の第3の実施例を示
す。この実施例は、ポンプ部4内での血液の流路を円滑
化したものである。すなわち、この実施例ではポンプ部
4の内部の中心部に、ボス部61が突出し、このボス部
61内に前記の軸受28および駆動軸26が配置され、
またこのボス部61の先端部に前記のシール機構31が
設けられている。なお、このシール部31は円錐形に突
出したオイルシールを備えている。また、プロペラ22
のプロペラボス63の後端面には円錐状の凹部が形成さ
れ、ここに上記のシール機構31のオイルシールがわず
かな隙間をもって嵌合している。また、このプロペラボ
ス63の前端面は、ガイドベーン23のガイドベーンボ
ス64にわずかの隙間をもって対向している。そして、
これらのボス部61、プロペラボス63、およびガイド
ベーンボス64はこれらの外形が等しく形成され、した
がってこれらの外周面の間には段差等が形成されておら
ず、ケーシング21の内周面との間に環状の円滑な血液
流路が形成されている。また、前記の吸込口7は上記の
ボス部61の基端側部に形成され、この吸込口7とプロ
ペラ22との間には複数の前整流ベーン62が設けられ
ている。
【0041】この実施例のものは、上記のように血液の
流通する流路が円滑であり、血液の流れが改善されてポ
ンプの効率が向上するとともに、血液の滞留する箇所が
少ないので、血栓等の生じる可能性が少ない。なお、こ
の第3の実施例は上記の点以外は前記の第1の実施例と
同様な構成であり、図6中、第1の実施例と同様の部分
には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0042】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、密封液室の
密封液によってシール機構の密封性や潤滑特性が向上
し、駆動部側への血液の侵入をより確実に防止すること
ができる。また、万一このシール機構から血液が侵入し
ても、この侵入した血液はこの密封液内に混入し、凝固
することがないので、この人工心臓の作動を妨げること
がなく、より信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の人工心臓を左心室内に装着した
状態の断面図。
【図2】第1の人工心臓の本体部分の縦断面図。
【図3】シール機構の部分の縦断面図。
【図4】動圧軸受の分解斜視図。
【図5】第2の実施例の人工心臓の本体部分の縦断面
図。
【図6】第3の実施例の人工心臓の本体部分の縦断面
図。
【符号の説明】
1…本体 2…心尖部リング 4…ポンプ部 5…駆動部 6…ノズル部 26…駆動軸 30…密封液室 31…シール機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−126158(JP,A) 特表 平1−501371(JP,A) 特表 平1−501373(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人体の心臓の心室内に挿入して使用され
    る補助的な人工心臓であって、 人体の心臓の心尖部を切開してこの心尖部に埋設固定さ
    れる筒状の心尖部リングと、人工心臓本体とを備え、こ
    の人工心臓本体は、 上記の心尖部リング内を貫通して人体の心臓の心室内に
    挿入される円筒状の軸流形のポンプ部と、 このポンプ部の先端部に突設され人体の心臓の動脈弁を
    介して動脈内に挿入されるノズル部と、 上記のポンプ部の基端部に設けられ駆動軸を介して上記
    のポンプ部を駆動するとともに上記の人体の心臓の外側
    に設けられる駆動部とを備えており、 上記の駆動部とポンプ部との間には上記の駆動軸の液密
    を維持し上記のポンプ側から駆動部側に血液が侵入する
    のを防止するシール機構が設けられており、 また、上記のシール機構より上記の駆動部側の部分には
    上記の駆動軸の周囲を囲んで形成された密封液室が形成
    されており、この密封液室内には密封液が充填されてい
    ることを特徴とする人工心臓。
  2. 【請求項2】 前記のシール機構は、弾性材料から形成
    され弾性変形により前記の駆動軸の周面に密着するとと
    もに、この駆動軸の周面との間に前記の密封液の潤滑膜
    を形成するオイルシールを備えていることを特徴とする
    請求項1の人工心臓。
  3. 【請求項3】 前記の密封液室は、人体内に埋設され内
    部に密封液が充填された可撓性の材料からなる密封液バ
    ッグに接続されていることを特徴とする請求項1の人工
    心臓。
  4. 【請求項4】 前記の駆動部には動圧シール軸受が設け
    られ、前記の密封液室はこの動圧シール軸受と前記のシ
    ール機構との間に形成されており、この動圧シール軸受
    は上記の駆動軸を支承するとともに回転による動圧で前
    記の密封液を密封液室側に圧送することにより液密を維
    持するものであり、上記の駆動部内は気体が封入されて
    いることを特徴とする請求項1の人工心臓。
  5. 【請求項5】 前記の密封液室は前記の駆動部内まで連
    続しており、この駆動部内は密封液が充填されているこ
    とを特徴とする前記請求項1の人工心臓。
  6. 【請求項6】 前記の密封液室は、人体内に埋設され内
    部に密封液が充填された可撓性の材料からなる密封液バ
    ッグに複数の管を介して連通され、この密封液室と上記
    の密封液バッグとの間で密封液が循環することを特徴と
    する請求項5の人工心臓。
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