JPH059909B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンセントとプラグからなるコネクタ
ーに関し、さらに詳しくは内部構造を改良した安
全性の高いコネクターに関するものである。

従来、映画・テレビ・写真スタジオ・舞台等の
各種照明器具を電路に接続する場合に用いられて
いるコンセントは、例えば第１図および第２図に
示すように、基台２とカバー３からなる本体１内
にプラグ刃の受刃４を２個並列に装着した構成か
らなり、照明器具に設けられたプラグを差込むこ
とによつて、基台２とカバー３に夫々設けられた
溝部７ａにより形成されるプラグ刃挿入用の差込
口から挿入された一対のプラグ刃が受刃４により
弾性的に挾持されて接続されるようになつてい
る。しかし、このうな構造を有する従来のコンセ
ントにおいては、受刃４は、プラグ刃と接触する
負荷側接続部５と電源側のリード線を接続する電
源側端子部６を、１枚の金属板により一体に構成
したものである。一方プラグは第３図に示すよう
に、本体１９の先端面より一体のプラグ刃１９ａ
が、直接突出した構造となつていた。従つて、受
刃４は、基台２とカバー３に夫々設けられた溝部
８ａにより形成されるリード線挿入用開口８から
挿入されたリード線の接続により、常時電源に接
続しており、プラグが差込まれていない場合には
プラグ刃差込口７内に露出している受刃４に触れ
ると感電のおそれがあり、また、導電性の器物の
接触により短絡事故を生じるおそれもあつて、安
全性が劣るという欠点があつた。更にプラグを差
込むときにプラグ刃１９ａが受刃４に半接触状で
接続してきたコンセントの前面よりプラグ刃１９
ａが露出して係止された場合には、その露出した
部分に触れると感電する危険性があつた。

そこで本発明はプラグが完全に差込まれた場合
にのみ電路が接続し、短絡事故や感電事故を防止
した安全性の高いコネクターを提供することを目
的とするものである。

即ち本発明は、一側に電源リード線挿入用の開
口を、他側にプラグ刃挿入用の差込口とを、それ
ぞれ有する基台と、カバーと、から成る本体内
に、略Ｕ字形に折り曲げられたその一辺が該基台
の側壁に固定され、他辺がその先端部裏面に接点
を備えたプラグ刃接触部である一対のバネ板弾性
の導電金具と、該プラグ刃接触部の該接点に対向
する位置に接点を備えた一対のリード線取付金具
と、両導電金具の中心線がその板面の中心線とな
るように配設された略Ｕ字形に折り曲げられたバ
ネ板弾性の金具であつて、その一辺がその先端部
にて該基台に固定され、他辺がプラグ側のアース
金具と面接触する、該固定点からプラグ刃挿入用
の差込口に向かつて延伸するアース金具と、が装
着されたコンセントと； 一側に電源リード線挿入用の開口を、他側に該
コンセントの該差込口に挿入可能に突設された差
込部と、該差込部の中心線をその底面の中心線と
し、該差込部の前後に突き出すように形成された
コンセント側のアース金具の厚み方向の面をその
側壁内面に摺接可能に受け入れる溝と、をそれぞ
れ有する基台と、カバーと、から成る本体に、該
溝の側壁外面に固定され、該差込部から突出する
一対のプラグ刃と、該溝の底面にその板面が当接
するように固定されたアース金具と、が装着され
たプラグと； から構成され、 上記プラグ刃挿入用の差込口から挿入されるプ
ラグ刃が、その溝にコンセント側のアース金具を
受け入れると共にプラグ刃接触部を押圧し、上記
導電金具の接点リード線取り付け金具の接点とが
接触するようにしたことを特徴とする照明または
動力線用コネクター、である。ここで、動力線と
は、モーター等回転機およびヒーター等へ電力を
供給する線を言い、信号線を除く意味である。

以下に図面により本発明の実施例を具体的に説
明する。

コンセント本体１１は従来のコンセントと同様
に絶縁性合成樹脂の基台１２とカバー１３から構
成され、一側にはプラグ本体１９のプラグ刃１９
ａを挿入するため基台１２とカバー１３に夫々設
けられた溝部１７ａにより形成される差込口１７
を、また他側には電源側のリード線を挿入するた
め基台１２とカバー１３に夫々設けられた溝部１
８ａにより形成される開口１８を備えている。一
対の導電金具１４はりん青銅などの金属板ばね材
料を一辺が他辺よりい長い略Ｕ字形に折り曲げた
もので、プラグ刃１９ａの接触面と平坦に圧接す
るように、それぞれの長辺側のプラグ刃接触部１
５の先端部を溝部１８ａ側に向けかつ短辺を基台
１２に設けられた側壁１２ａと突出部１２ｂとの
間隙に挿入することにより基台１２に装着されて
いる。プラグ刃接触部１５の先端部のプラグ刃１
９ａに接触する側と反対側には、銀・ニツケル合
金などから成る接点１４ａが設けられている。ま
た、導電金具１４の接点１４ａと同材質の接点１
６ａと電源側リード線接続用の端子１６ｂを設け
た一対のリード線取付金具１６が、接点１６ａを
導電金具１４の接点１４ａに近接して対向するよ
うにそれぞれ基台１２に装着されている。

なお、導電金具１４の装着手段として上記実施
例では基台１２に設けた側壁１２ａと突出部１２
ｂにより挾持したが、この他、ネジ止めなどの適
宜の手段を採用してもよい。

さらに、両導電金具１４，１４の中間位置（第
４図において、長手方向中心線がそれに相当す
る）には、該金具１４と同材質の板ばね材料を一
辺が他辺より長い略Ｕ字形に折り曲げられたアー
ス金具２０ａが、その長辺を上に、その短辺を下
にし（第４図において、右側の導電金具１４を90
度右回りに回転せしめた態様である）、しかも、
プラグ刃１９ａがコンセントに挿入装着された時
点で、該金具の短辺がプラグ側のアース金具２０
ｂと過不足なく平坦に圧接するように、その長辺
端部を係止点として基台１２に装着されている。
ただし、その折曲部は、安全性の観点より、差込
口１７の内方に位置せしめる。

一方、プラグ本体１９は基台２２とこれと対称
形のカバーからなり、一側には電源リード線用の
開口２８を有し、他側からは差込口１７の内寸に
ほぼ等しい差込部２１が延長されており、これが
差込口１７に挿入可能となつている。差込部２１
は基台２２およびカバーの一部であり、基台２２
と同じく電気絶縁性の材料でできている。そして
本体１９内に装着される一対のプラグ刃１９ａは
差込部２１の先端部から突出している。

さらに、両プラグ刃１９ａ，１９ａの中間位置
（第５図において、長手方向中心線がそれに相当
する）には、その底面に、導電金具１４と同材質
の板材よりなるアース金具２０ｂをそれと当接す
るように固定せしめ、かつその側壁内面に、プラ
グ刃１９ａをコンセントに挿入する際コンセント
側のアース金具２０ａの厚み方向の面が摺接可能
な幅を有する、プラグ刃１９ａの先端近傍内方迄
延伸する溝２０ｃが、長手方向に形成されてい
る。

次に上記実施例の作用を説明すると、差込口１
７から挿入されるプラグ本体１９のプラグ刃１９
ａは、第７図に示すように導電金具１４の弾性に
抗してプラグ刃接触部１５を外側（同図において
紙面の左右方向）へ押圧しながら挿入装着され、
（この時、プラグの基台１２に形成された溝２０
ｃにコンセントのアース金具２０ａが嵌入せしめ
られ、該挿入動作のガイドとして働く結果、プラ
グ刃１９ａのコンセントへの該挿入動作が円滑に
行なわれる）差込部２１の先端部が差込口１７に
挿入される時点において、外側へ曲げられた導電
金具１４の接点１４ａとリード線取付金具１６の
接点１６ａとが押圧接触し、電気的な導通が得ら
れる（勿論、アース金具２０ａもアース金具２０
ｂにて押圧せしめられ、アース金具２０ｂと面接
触するので、本来のアース機能を発揮し得る状態
となる）。また、プラグ１９を引抜くと、プラグ
刃接触部１５は導電金具１４の弾性により復帰し
て第４図の状態になり、接点１４ａと接点１６ａ
とが離れるため、電路は遮断される（両アース金
具の導通も同様）。

また、上記実施例ではコードコネクター型コン
セントについて述べたが、これに限定されるもの
ではなく、第８図に示す如くのウオールコンセン
ト、フロアコンセントなど、プラグ差込式のコン
セントであれば種々のものに適用し得るものであ
る。

以上説明したように、本発明はプラグ刃に接触
する導電金具とリード線を接続する取付金具がプ
ラグ刃を挿入してゆき、プラグの差込部が挿入さ
れる時点で接続して電気的な導通が得られるよう
にしたものであり、プラグをコンセントに完全に
挿入した場合、プラグ刃は導電金具のプラグ刃接
触部と圧着して導電金具に完全に挾着されると共
に、導電金具の接点がリード線取付金具の接点に
確実かつ安定に接触し接続がなされる。また、プ
ラグ刃の根元の差込部は絶縁材製であり、たとえ
プラグ刃が電気導通状態にある時でも、差込部は
電源と絶縁されている。従つて、プラグを挿入し
ていない場合には、プラグ刃挿入用の差込口内に
露出している導電金具のプラグ刃接触部に、万一
手が触れたり器物が接触しても感電、短絡事故を
防止し得るとともにプラグ刃が露出した半接触状
態でも電気が導通することがないので安全性が著
しく向上し、かつ構造も比較的簡単なもので安価
に提供できる利点も有する。

また、コンセントへのプラグ挿入動作が、プラ
グの溝へのアース金具嵌入動作にてガイドされる
ので、プラグとコンセントとの接続作業が円滑か
つ確実に行われ、該作業の安全性がより高められ
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来および本発明の一実施例のコンセ
ントの斜視図、第２図は従来のコンセントのカバ
ーを取外した状態の平面図、第３図は従来のプラ
グの平面図、第４図は本発明の一実施例のコンセ
ントのカバーを取外した状態の平面図、第５図は
プラグの同じ状態の平面図、第６図は同じく導電
金具およびリード線取付金具の斜視図、第７図は
プラグ接続状態の平面図、第８図は他の態様のプ
ラグ接続状態の平面図である。 １，１１……本体、２，１２，２２……基台、
３，１３……カバー、４……受刃、５……負荷側
接続部、６……電源側端子部、７，１７……プラ
グ刃挿入用差込口、７ａ，１７ａ……溝部、８，
１８，２８……リード線挿入用開口、８ａ，１８
ａ……溝部、１４……導電金具、１４ａ……接
点、１５……プラグ刃接触部、１６……リード線
取付金具、１６ａ……接点、１６ｂ……リード線
接続用端子、１９……プラグ本体、１９ａ……プ
ラグ刃、２０ａ，２０ｂ……アース金具、２０ｃ
……溝、２１……差込部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一側に電源リード線挿入用の開口を、他側に
   プラグ刃挿入用の差込口とを、それぞれ有する基
   台と、カバーと、から成る本体内に、略Ｕ字形に
   折り曲げられたその一辺が該基台の側壁に固定さ
   れ、他辺がその先端部裏面に接点を備えたプラグ
   刃接触部である一対のバネ板弾性の導電金具と、
   該プラグ刃接触部の該接点に対向する位置に接点
   を備えた一対のリード線取付金具と、両導電金具
   の中心線がその板面の中心線となるように配設さ
   れた略Ｕ字形に折り曲げられたバネ板弾性の金具
   であつて、その一辺がその先端部にて該基台に固
   定され、他辺がプラグ側のアース金具と面接触す
   る、該固定点からプラグ刃挿入用の差込口に向か
   つて延伸するアース金具と、が装着されたコンセ
   ントと； 一側に電源リード線挿入用の開口を、他側に該
   コンセントの該差込口に挿入可能に突設された差
   込部と、該差込部の中心線をその底面の中心線と
   し、該差込部の前後に突き出すように形成された
   コンセント側のアース金具の厚み方向の面をその
   側壁内面に摺接可能に受け入れる溝と、をそれぞ
   れ有する基台と、カバーと、からなる本体に、該
   溝の側壁外面に固定され、該差込部から突出する
   一対のプラグ刃と、該溝の底面にその板面が当接
   するように固定されたアース金具と、が装着され
   たプラグと； から構成され、 上記プラグ刃挿入用の差込口から挿入されるプ
   ラグ刃が、その溝にコンセント側のアース金具を
   受け入れると共にプラグ刃接触部を押圧し、上記
   導電金具の接点とリード線取り付け金具の接点と
   が接触するようにしたことを特徴とする照明また
   は動力線用コネクター。