JPH0595753A - 熱湯又はスチームによる芝生地の雑草駆除方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ゴルフ場、芝生広場、スポーツターフ、公園、
庭などの芝生地における雑草を駆除することを目的と
し、特に日本芝の芝生地の雑草駆除法に関する。 【構成】熱湯又はスチームを芝生地に撒布して芝生地の
雑草類に接触させることを特徴とする芝生地の雑草駆除
方法。 【実施例】石油ボイラー，熱湯貯留タンク，動力噴霧器
および発電機を、軽トラックに積載したものを移動式熱
湯供給車として用いた。動力噴霧器の送水圧を１平方セ
ンチメートル当たり２〜３キログラムに調節し、耐圧ホ
ースと散布口に接続し、芝生地１平方メートル当たり１
〜１．５リットルの水量にて、各雑草をスポット状に処
理した。処理温度は摂氏７３度であった。その結果、ク
ローバーに対しては３日後に６０パーセント程度の枯死
が認められ、ハルジオン，ミミナグサに対しては３日後
に１００パーセント枯殺されていた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゴルフ場、芝生広場、ス
ポーツターフ、公園、庭などの芝生地における雑草を駆
除することを目的とし、特に日本芝の芝生地の雑草駆除
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】芝生は、ゴルフ場のグリーン、フェアウ
ェイ、ティ、ラフ又はスポーツターフや公園、庭などに
広く利用されているが、芝生地に雑草が進入してスポー
ツをする上からも悪影響があり、また美観の点からもよ
ろしくはない。それらの一年生雑草と多年生雑草の雑草
を除草する方法として、従来は手取による方法、或いは
除草剤の散布処理による方法により雑草の除草を行うこ
とが多い。

【０００３】

【発明が解決すべき課題】芝生地のゴルフ場のグリー
ン、フェアウェイ、ティ、ラフ又は公園、緑地帯、等の
ような広大な面積の場所の雑草の除草を人手による除草
を行うには、多大の労力と経費が掛かり、また、除草剤
の散布処理による除草には農薬の費用が掛かり、また、
環境への配慮から農薬を使用しないことが望ましい。

【０００４】本発明は、熱湯又はスチームを芝生地に撒
布して芝生地の雑草類に接触させることにより芝生地の
雑草駆除することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の芝生地の雑草の
駆除方法は、熱湯をジョロで芝生面に撒布して雑草の葉
や芽に接触させる、または、ボイラーからのパイプの先
に噴霧口を付けて熱湯を撒布して雑草の葉や芽に接触さ
せる。熱源として、温泉地の近傍では温泉熱の利用する
ことにより、燃料の節約，温泉含有物の付加による効果
がある。

【０００６】一年生雑草には、摂氏７０度以上の熱湯を
１平方メートル当たり２．５リッターをジョロにて撒布
することにより直ちに枯死させることができ、また、多
年生雑草 主にチドメグサ、クローバー、カタバミにお
いては、摂氏７０度の熱湯を連続して処理することによ
り、雑草の地上部の駆除を行う。

【０００７】

【実施例１】ノシバの冬期休眠時のゴルフ場ラフに生育
していたクローバー，ハルジオン，ミミナグサに対し
て、熱湯を撒布して雑草を駆除した。装置として、石油
ボイラー，熱湯貯留タンク，動力噴霧器および発電機
を、軽トラックに積載したものを移動式熱湯供給車とし
て用いた。動力噴霧器の送水圧を１平方センチメートル
当たり２〜３キログラムに調節し、耐圧ホースと散布口
に接続し、芝生地１平方メートル当たり１〜１．５リッ
トルの水量にて、各雑草をスポット状に処理した。処理
温度は摂氏７３度であった。その結果、クローバーに対
しては３日後に６０パーセント程度の枯死が認められ、
ハルジオン，ミミナグサに対しては３日後に１００パー
セント枯殺されていた。

【０００８】

【実施例２】給湯、動力噴霧器がセットになっている高
圧温水洗浄機（スチーム化可能）をトラックに積載し
て、ゴルフ場ノシバラフ内に発生しているハルジオン，
チドメグサ，クローバーおよびハコベなどを対象雑草と
した。前記洗浄機によって発生させたスチームを対象雑
草の生育部分のみにスポット状に噴霧処理した。スチー
ム温度の低下は、熱湯より大きいので、噴霧口をできる
だけ雑草に近づけ、接触するぐらいで処理した。その結
果、各雑草ともに、翌日には褐変枯死が認められ、３日
後には、ハルジオン，ハコベで１００パーセント枯殺さ
れ、チドメグサ，クローバーでは６０パーセントの枯死
であった。

【０００９】

【実験方法および結果】多年生雑草としてチドメグサ、
クローバー、カタバミ、一年生雑草としてイヌノフグ
リ、オランダミミナグサに対して、湯温 摂氏５０度、
同７０度、同８０度、同１００度の熱湯をジョロで１平
方メートル当たり２．５リッターを連日３回撒布した。

【００１０】チドメグサ、クローバー、カタバミについ
ては、ポット植えしたものに処理し、イヌノフグリ、オ
ランダミミナグサについては、萌芽前ノシバ（Zoysia J
aponica ) ターフ内に生育しているものに対し処理し
た。 各種雑草、ノシバへの熱湯処理前、後の葉温の変
化を表１に示す。

【００１１】

【表１】

【００１２】数値は、3 回平均値葉温は、ミノルタ製放
射温度計を用い測定した、葉温の処理前、後の３日間の
平均値は表１のようになった。チドメグサ、クローバ
ー、カタバミに処理したときよりも、ノシバ ターフへ
の処理において平均葉温が高いのは、芝地上に多少湯が
停滞したためと考えられる。

【００１３】各種雑草の葉枯れの程度、枯死葉の多少、
葉色は、処理前にレイティングした。各種雑草の葉枯れ
の程度を（０〜１０＝ 無〜極多）を表２および表３に
示す。

【００１４】

【表２】

【００１５】

【表３】

【００１６】チドメグサの場合、葉枯れ程度において、
１回目処理後、摂氏８０度撒布区で約５０パーセント、
同１００度撒布区で約９０パーセント、３日連続処理
後、３日目に同７０度以上での撒布区で８０パーセント
以上の葉枯れとなり、枯死葉の多少は、１回目処理後、
同８０度撒布区で２０パーセント、同１００度撒布区で
７０パーセント枯死し、３日連続処理後、３日目には同
７０度撒布区で約８０パーセント、同８０度撒布区で約
９０パーセント、同１００度撒布区で約１００パーセン
ト枯死した。

【００１７】クローバーの場合、葉枯れの程度は、１回
目処理で同８０度撒布区で４０パーセント、同１００度
撒布区で６０パーセント、３回連続処理後、３日目に同
７０度撒布区で５０パーセント、同８０度撒布区で８０
パーセント、同１００度撒布区で９０パーセントとなっ
た。枯死葉は、３日連続処理後、３日目で同７０度撒布
区で約１０パーセント、同８０度撒布区で約６０パーセ
ント、同１００度撒布区で約９０パーセントとなった。

【００１８】カタバミの場合、葉枯れの程度は、３回連
続処理後、３日目には同７０度撒布区で約６０パーセン
ト、同８０度撒布区で約９０パーセント、同１００度撒
布区で約１００パーセントとなった。枯死葉の多少につ
いては、３日連続処理後、３日目において同７０度撒布
区で約５０パーセント、同８０度撒布区で約９０パーセ
ント、同１００度撒布区で約１００パーセントとなっ
た。

【００１９】これらのことにより、多年生雑草について
は、同７０度以上の熱湯撒布（処理直後葉温にすると摂
氏４３度以上）で駆除効果が認められた。一年生雑草へ
の熱湯撒布の結果は、３回連続処理後のノシバターフ内
における一年生雑草の多少（１〜９：極少〜極多）につ
いて、表４に示す。

【００２０】

【表４】

【００２１】一年生雑草のイヌノフグリ、オランダミミ
ナグサは、摂氏８０度以上の熱湯を３回連続処理３日目
には枯死し、３３日後の発生量も摂氏７０度以上の熱湯
撒布３７パーセントと減少した。

【００２２】

【発明の効果】以上の実験結果によって明らかなよう
に、芝生地内に侵入してきた多年生雑草および一年生雑
草に対して、熱湯を撒布することにより、雑草の駆除を
行うことができ、除草剤による雑草の駆除、手取りによ
る除草を行うことなく、芝生地の雑草を駆除して芝生地
を良好な状態で維持することができる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱湯又はスチームを芝生地に撒布して芝生
   地の雑草類に接触させることを特徴とする芝生地の雑草
   駆除方法。