JPH0591358U - 蹄 鉄 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この考案は、軽量を保ちつつ、高い耐摩耗性
を有し、かつ適度な柔軟性を有し、馬の四肢に掛かる違
和感を無くし、四肢に悪影響を与えることを防ぐ蹄鉄を
得ることを目的とする。 【構成】 この考案の蹄鉄は、蹄鉄の基材を軽量素材で
形成し、蹄鉄の接地面に、チタンあるいはチタン合金を
設けて構成する。チタンあるいはチタン合金は、基材の
底面側に、複数の凹部を設け、この凹部にチタンあるい
はチタン合金を取付け固定してもよい。さらに、蹄鉄の
基材をアルミニウム合金および硬質合成樹脂で重層に形
成し、その底面側に砂粒状あるいは粉末状のチタンある
いはチタン合金を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、蹄鉄に関する。

【０００２】

【従来の技術】

蹄鉄の用途は、近年競馬用の蹄鉄の比率が非常に高い。そして、従来は競走馬 の蹄鉄においては、日常生活には比較的丈夫な日常用蹄鉄、例えば軟鉄製の蹄鉄 を履かせ、競走時には比較的軽い競走用蹄鉄、例えばアルミニウム合金製蹄鉄を 履き替えて使用することが多かった。

【０００３】 しかし、履かえ時の繁雑さや、履き替えの時に蹄を傷めたりする虞れがある為 、日常時にも競走時にも履く兼用蹄鉄が、次第に多くの馬に使用される傾向にな っている。

【０００４】 そして兼用蹄鉄は、競走時にもそのまま履く為、軽く柔らかいアルミニウム合 金製の蹄鉄の使用率が高い。しかし、アルミニウム製の蹄鉄を日常の生活に履か せる場合、アルミニウムだけでは、柔らかく非常に磨り減りが早いので、それを 緩和する為、底面、接地面の一部に露出する構成で、長手方向に亙って鋼鉄製の 摩耗緩和片を埋め込んである構成の蹄鉄を使用していた。

【０００５】 また、逆に蹄の保護の為に蹄鉄の上面側、即ち接蹄面に弾力性のある素材を設 け、蹄にクッション性を付与した蹄鉄も知られていた。

【０００６】

【この考案が解決しようとする課題】

兼用蹄鉄は、日常生活と競争の両方に使用する為、より軽く、より摩耗に強く 、より弾力性のある性質を有する蹄鉄が、一層強く求められている。しかし、従 来のように、アルミニウム合金製であると蹄鉄全体は軽量に成るが、摩耗性が弱 いという問題点があった。

【０００７】 また、耐摩耗性を得る為に、このアルミニウム合金製の蹄鉄に、より堅い鋼鉄 製の摩耗緩和片を設けると、摩耗の度合を少なくすることはできる。しかし、鋼 鉄片を底面に設けると、それだけでも蹄鉄全体が重くなるという問題点があった 。

【０００８】 また、馬はそれぞれ四肢の形状が違い、その歩行走行時の大地を蹴るときの強 さ、歩行の癖なども違う。その為、馬によっては新しい蹄鉄を履いてからなかな か慣れないで、足を傷める原因となることもあった。特に、蹄鉄は履いてある程 度角が取れ、蹄の返しが良くなる必要があるが、鋼鉄片を設けるとこれが引っ掛 かって四肢に負担がかかりすぎる場合があった。

【０００９】 さらに、蹄鉄にクッション性を与える場合、接地面側に弾性材を接着するのは 、歩行の引っ掛かりや、滑りに危険な為や、走行時に蹄の返りでの推進力が得ら れない為、考えられなかった。

【００１０】 この考案は、軽量を保ちつつ、高い耐摩耗性を有し、かつ適度な柔軟性を有し 、馬の四肢に掛かる違和感を無くし、四肢に悪影響を与えることを防ぐ蹄鉄を得 ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決する為の手段】

この目的を達成する為、この考案の蹄鉄は、蹄鉄の基材を軽量素材で形成し、 蹄鉄の接地面に、チタンあるいはチタン合金を設けて構成する。

【００１２】 また、蹄鉄は、蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成し、蹄鉄の接地面にチタ ンあるいはチタン合金を設けて成る。

【００１３】 さらに、蹄鉄の基材を軽量素材で形成し、その底面に、複数の凹部を設け、こ の凹部にチタンあるいはチタン合金を取付け固定して成る。

【００１４】 また、蹄鉄は蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成し、基材の底面に複数の凹 部を設け、この凹部にチタンあるいはチタン合金を取付け固定して成る。

【００１５】 さらに、蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成するとともに、蹄鉄の接地面に 砂粒状あるいは粉末状のチタンあるいはチタン合金を設けてなる。

【００１６】 さらに、蹄鉄の基材をアルミニウム合金および硬質合成樹脂で複層に形成する とともに、蹄鉄の接地面に砂粒状あるいは粉末状のチタンあるいはチタン合金を 設けてなる。

【００１７】

【作用】

蹄鉄は、基材をアルミニウム合金等の非常に軽量素材で形成し、底面に非常に 軽くて硬度の高いチタンを素材とした合金を設けるので、非常に軽量でありなが ら、高い耐摩耗性を有する。

【００１８】 また、硬度を得る為に、鋼鉄片等の部材を取付けていないので、蹄鉄を歩行時 に引っ掛ける等の事故がない。

【００１９】

【実施例】

この考案を、実施例１の蹄鉄の底面を示す図１、図１の蹄鉄のＡ−Ａ線断面を 示す図２、実施例２の底面を示す図３、図３のＢ−Ｂ線断面を示す図４、他の実 施例である蹄先部分の断面を示す図５に基づいて説明する。

【００２０】 蹄鉄１は、蹄鉄の主たる構成体である基材２と、基材２の底面側３に付設し接 地面あるいは接地面の一部を形成するチタン合金４等とから成り、底面３の長手 方向に亙って設けている溝５と、蹄鉄１の先端に設ける鉄唇６を有する。

【００２１】 蹄鉄１の基材２は軽量性の素材で形成する。さらに、ある程度の柔軟性、弾力 性を有する素材であるほうがよい。例えばアルミニウム合金、ウレタンゴム等の 硬質合成樹脂、ゴム、木、紙等である。また木、紙は、その素材を木屑等に細か く粉砕したものを適当な合成樹脂等で固めてある程度の硬度、柔軟性、弾力性を 有する素材として使用する。また、基材２は、これら複数の軽量素材を重層した ものでもよい。

【００２２】 蹄鉄１は、基材２の底面側３にチタンあるいはチタン合金４を設ける。このチ タンあるいはチタン合金４の記載については、チタン、あるいはチタン合金、あ るいはチタンおよびチタン合金の混合をも含むことを意味し、これらは以下はチ タン合金４と記す。チタン合金４は、固形状４ａ、砂粒状、粉末状４ｂ、あるい は薄い板状体等の形状で蹄鉄１の接地面に設けられる。

【００２３】 実施例１は、チタン合金４が固形状４ａであり、１つの固形状チタン合金４ａ は、直径５〜１０ｍｍ、厚さ３〜５ｍｍ程度の円柱形に形成する。この固形状チ タン合金４ａは基材２の底面側３に長手方向に亙って複数設けている。この実施 例１では、基材２はアルミニウム合金製である。

【００２４】 この固形状チタン合金４ａは、基材２の底面側に形成する円形凹部７に嵌合固 定する。円形凹部７は、チタン合金４ａの大きさに合わせて、予めその深さ、直 径を決めて形成する。チタン合金４ａは、この実施例１では、蹄鉄１の最大横径 部から蹄先部分の釘溝５より外側部分にのみ亙って複数設けている。

【００２５】 円形状の固形状チタン合金４ａの設ける位置については、実施例１における他 の実施例では蹄鉄１の長手方向全部に亙って設けてもよく、また、最大横径部よ り蹄踵部分にのみ設けてもよく、釘溝５の内側部分にのみ亙って設けてもよく、 両側に亙って設けてもよい。また、適当な部分に部分的に設けることも可能であ る。これら１つの固形状チタン合金４の形状、大きさ、数も特に限定しない。

【００２６】 実施例２は、チタン合金４を蹄鉄１の基材２の底面側３に、砂粒状あるいは粉 末状の形状のものを長手方向全面に亙って平均に厚さ０．５〜５．０ｍｍ程度に 設け、接地面を形成する。

【００２７】 チタン合金４の砂粒状あるいは粉末状の設ける位置については、実施例２にお ける他の実施例ではよく、最大横径部より蹄先部分または最大横径部より蹄踵部 分にのみ設けてもよく、釘溝５の外側部分、あるいは内側部分にのみ亙って設け てもよく、両側に亙って設けてもよい。

【００２８】 実施例３は、基材２が２種以上の性質の異なるものを重層させた構成であり、 上部をアルミニウム合金２ａ、下部をウレタンゴム等の硬質合成樹脂２ｂ等の柔 軟性を有する素材で形成する。

【００２９】 この実施例３の基材２を使用して、その底面側３に、複数の固形状チタン合金 ４ａを長手方向に並設したり、または砂粒状、粉末状のチタン合金４ｂ、または 薄い板状体のチタン合金を底面側３全面あるいは部分に設け、蹄鉄１の接地面を 形造る。この取付け方法は、実施例１および実施例２と同様である。

【００３０】

【考案の効果】

したがって、この考案によれば、非常に軽量でありながら、高度の耐摩耗性を 有し、かつ適度な柔軟性、弾力性を有し、馬の四肢に掛かる違和感を無くし、四 肢に悪影響を与えることを防ぐという効果がある。

【００３１】 また、チタン合金が、固形状に複数形成され、基材の凹部に嵌合固定すること により、確実に基材に固定することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例１の蹄鉄の底面図、

【図２】 図１のＡ−Ａ線断面図、

【図３】 実施例２の蹄鉄の底面図、

【図４】 図３のＢ−Ｂ線断面図、

【図５】 蹄鉄の他の実施例の蹄先部分の断面図

【符号の説明】

１ 蹄鉄 ２ 基材 ２ａ アルミニウム合金 ２ｂ 硬質合成樹脂 ３ 底面側 ４ チタンあるいはチタン合金 ５ 釘溝 ６ 鉄唇 ７ 円形凹部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蹄鉄の基材を軽量素材で形成するととも
   に、蹄鉄の接地面にチタンあるいはチタン合金を設けた
   ことを特徴とする蹄鉄。
2. 【請求項２】 蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成す
   るとともに、蹄鉄の接地面にチタンあるいはチタン合金
   を設けたことを特徴とする蹄鉄。
3. 【請求項３】 蹄鉄の基材を軽量素材で形成するととも
   に、基材の底面側に複数の凹部を設け、この凹部にチタ
   ンあるいはチタン合金を取付け固定して蹄鉄の接地面を
   形成したことを特徴とする蹄鉄。
4. 【請求項４】 蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成す
   るとともに、基材の底面側に複数の凹部を設け、この凹
   部にチタンあるいはチタン合金を取付け固定したことを
   特徴とする蹄鉄。
5. 【請求項５】 蹄鉄の基材をアルミニウム合金で形成す
   るとともに、基材の底面側にに砂粒状または粉末状のチ
   タンあるいはチタン合金を設けたことを特徴とする蹄
   鉄。
6. 【請求項６】 蹄鉄の基材をアルミニウム合金と硬質合
   成樹脂を複層させて形成し、基材の底面側にに砂粒状ま
   たは粉末状のチタンあるいはチタン合金を取付け固定し
   たことを特徴とする蹄鉄。