JPH059119A - 養毛・育毛用経口組成物 - Google Patents

養毛・育毛用経口組成物

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JPH059119A
JPH059119A JP3161433A JP16143391A JPH059119A JP H059119 A JPH059119 A JP H059119A JP 3161433 A JP3161433 A JP 3161433A JP 16143391 A JP16143391 A JP 16143391A JP H059119 A JPH059119 A JP H059119A
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JP
Japan
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hair
growth
sulfate
composition
hair growth
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Application number
JP3161433A
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English (en)
Inventor
Takuo Kosuge
卓夫 小菅
Koichi Hirai
孝一 平井
Yoshinori Kitagawa
義徳 北川
Wataru Fujii
亙 藤居
Yasushi Koda
裕史 好田
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Publication date
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 シムノールサルフェート(式〔I〕)を有効
成分として含有する養毛・育毛用経口組成物。 【効果】 本発明の養毛・育毛用経口組成物は、薬剤あ
るいは機能性食品として経口的に摂取して、脱毛を予防
及び治療することができると共に、発毛を促進すること
ができる。 (式中、Mは水素原子又はカチオンを示し、好ましいカ
チオンとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウムも
しくはアンモニウムイオン、又は有機アミンを示す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシムノールサルフェート
を有効成分とする養毛・育毛用経口組成物、更に詳細に
は、薬剤あるいは健康食品として経口的に摂取して体内
活性化によって養毛・育毛をはかる養毛・育毛剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、頭髪に対する関心が高まってお
り、それに伴い毛髪用剤、発毛、養毛、育毛剤(育毛
剤)は100種類以上が市販されているといわれてい
る。育毛剤の使用対象としては、男性型脱毛症と各種脱
毛症のさいの毛成長の補助が挙げられる。男性型脱毛症
は、「遺伝的因子を持つ男性の前頭ないし頭頂部の毛包
がアンドロジェンの影響を受け、成長期が短縮されて早
く休止期に入り、毛は脱落する。これが毛周期毎にくり
返されるため、毛包はその度に縮小され、産生される硬
毛(終毛)は次第に軟毛化する」過程と考えられる。本
症は稀に遺伝的背景が強い女性にもみられ、更年期以降
に発症する。Adachi(J. Soc. Cosmet. Chem.,21,9
01(1970))によれば、毛母細胞に取り入れられたテ
ストステロン(TS)は、5α−レダクターゼにより生物
活性のより強いジヒドロテストステロン(DHT )に変換
される。DHT は核内で酵素活性を阻害してATP の産生を
減少させ、蛋白合成不全を招来する。このため成長期毛
は休止期毛(棍毛)に移行する。TSのレセプターは脂腺
(Takayast, S., J. Steroid. Biochem., 9,181
(1978))と毛包毛乳頭の腺維芽細胞(勝岡育生ほか;
日本皮膚科学会第637回東京研究地方会,1988)に認
められている。男性脱毛症は、しばしばフケ症や脂漏と
それに伴う炎症病変を合併する。また、高度の脂漏性皮
膚炎やフケ症は脱毛を伴うことがあり、脂漏性脱毛症と
呼ばれている。
【0003】従来より、前述した脱毛症の治療を目的と
して、各種薬剤を配合した育毛剤が使用されている。例
えば、パントテン酸やビタミンB2 等のビタミン類、メ
チオニンやセリンなどのアミノ酸類、アセチルコリン誘
導体などの血管拡張剤、レゾルシンやヒノキチオールな
どの殺菌剤、紫根エキスなどの抗炎症剤、エストラジオ
ールなどの女性ホルモン剤、セファランチンなどの皮膚
機能亢進剤などを配合した育毛剤を頭皮に直接使用して
いる。しかしながら、従来の育毛剤は、フケ、カユミ、
脱毛などの予防及び改善に有効で、発毛や育毛を促進す
るとされているが、いまだ満足すべき効果を発揮するも
のは得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
こうした局所的療法ではなく、脱毛、白髪が老化と共に
進行することから、体内のホルモンの異常、栄養不良及
び栄養の過剰摂取等の新陳代謝に係わる代謝異常がその
真の原因ではないかと考え、上記脱毛を身体の内部活性
化によって防止することを目的として研究を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯かる状況において、本
発明者は、深海ザメの胆汁に含まれているシムノールサ
ルフェートの生理活性及び薬理活性を調べていたとこ
ろ、これが養毛・育毛に対し優れた効果を有することを
見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、シムノールサルフェ
ートを有効成分として含有する育毛・養毛用経口組成物
を提供するものである。
【0007】本発明の有効成分であるシムノールサルフ
ェートは深海ザメの胆汁の一成分であり、次式の構造を
有するものである。
【0008】
【化1】
【0009】このシムノールサルフェートは特表平2-50
3554号公報に記載されていてすでに公知の化合物であ
り、これは同公報に記載の方法に従って、深海ザメの肝
臓又は胆嚢から抽出単離することにより製造される。本
発明においては、シムノールサルフェートは純粋なもの
でも、またシムノールサルフェートを含有する粗製生成
物でもよく、また種々の薬理学的に許容可能な塩の形態
でも使用することができる。
【0010】本発明における養毛・育毛効果の評価は、
高脂肪食による粗毛及び脱毛モデルを用いて行った。こ
のモデルは、久保ら(薬学雑誌,108,971(198
8))によって報告されたものである。久保らは、マウ
スを高バター食で飼育すると、マウスの毛が粗毛にな
り、飼育箱中に多くの脱毛を観察すること、毛の発育が
緩慢になることを見い出している。また、彼らは高バタ
ー食マウスの外皮中の中性脂肪を測定し、発毛と外皮中
の中性脂肪含量との間に負の相関があることを報告して
いる。
【0011】この方法によってシムノールサルフェート
の養毛・育毛効果を試験した結果は次とおりである。
【0012】試験1 シムノールサルフェートの養毛・育毛効果 (1)実験動物:ddY 系雄性マウス(6週齢)を1群に
つき10匹を用いた。 (2)実験条件 (イ)コントロール群:粉末試料CE−1(日本クレア)
で2週間飼育した。 (ロ)高脂肪食群:高脂肪食〔無塩バター30%、胆汁
末2%、コレステロール10%、粉末食(CE−1)(日
本クレア)58%〕で2週間飼育した。 (ハ)高脂肪食+シムノールサルフェートA(シムノー
ルサルフェート含量:約64%)(0.5 %)添加群:上
記の高脂肪食を用いて動物を1週間飼育した後、シムノ
ールサルフェートAを0.5 %添加し、更に1週間飼育し
た。 (ニ)高脂肪食+シムノールサルフェートA(1.0 %)
添加群:(ハ)と同様のスケジュールでシムノールサル
フェートAを1.0 %添加した。 (3)測定方法:シムノールサルフェート投与終了後、
表1に示すスコアを用いて毛髪の劣化度を二重盲検法で
評定した。
【0013】
【表1】
【0014】(4)統計処理:効果判定基準としてはSt
udent のt 検定を用いた。 (5)結果:図1に示すとおりであり、高脂肪食を用い
てマウスを飼育すると粗毛や脱毛が発現し、毛質、毛並
の悪化が認められた。一方、シムノールサルフェートA
を0.5 及び1.0 %高脂肪食に添加して飼育すると高脂肪
食摂取による毛質の劣化が用量依存的に改善され、1.0
%添加群では有意に改善された。
【0015】試験2 血清中総コレステロール及び中性脂質の測定 シムノールサルフェート投与終了後、各群のマウスから
採血し、その血液について次のように測定した。マウス
の心臓から採血した血液を遠心機で10,000回転10分間
遠心し、その上清(血清)について日立生化学自動分析
装置を用いて総コレステロール値及び中性脂肪値を測定
した。その結果は、図2及び図3に示したとおりであ
る。高脂肪食でマウスを飼育すると、血清中総コレステ
ロール値が有意に上昇した。これにシムノールサルフェ
ートを添加すると、用量依存的に総コレステロール値が
低下する傾向が認められた。一方、血清中の中性脂肪値
は、高脂肪食により有意な変化を示さなかったが、シム
ノールサルフェートを添加すると用量依存的に中性脂肪
値が低下し、1.0%添加時には有意差が認められた。以
上の結果より、シムノールサルフェート添加群は、血清
中総コレステロール値及び中性脂肪値が低下しており、
脂質代謝が改善されていることが考えられる。而して、
男性型脱毛症のなかには皮脂量の増加を伴う脂漏性脱毛
症があり、皮脂量の増加が脱毛症の大きな要因となって
いるが、シムノールサルフェートが脂質代謝を改善する
ことから、脂漏性脱毛症の予防及び治療に対して、効果
を持つことが明らかになった。
【0016】試験3 シムノールサルフェートの育毛効果の実験 (1)実験動物:C3H 雄性マウス(生後60日)を1群
につき10匹を用いた。 (2)測定方法:C3H マウスの背部から両側腹部全体を
バリカンにて刈毛した。翌日より本発明のシムノールサ
ルフェートAの経口投与を開始した。経口投与終了後、
発毛状態の判定を肉眼的に行った。発毛効果は発毛スコ
アを表2に示すような判定基準で判定し、その平均値を
指標として二重盲検法で評価した。
【0017】
【表2】
【0018】(3)実験条件 (イ)コントロール群:粉末飼料CE−1(日本クレア)
で4週間飼育した。 (ロ)シムノールサルフェートA(0.5 %)添加群:CE
−1に0.5 %シムノールサルフェートAを添加したもの
を用い4週間飼育した。 (ハ)シムノールサルフェートA(1.0 %)添加群:CE
−1に1.0 %シムノールサルフェートAを添加したもの
を用い4週間飼育した。 (4)結果 シムノールサルフェートAの育毛効果試験の結果を図4
に示す。シムノールサルフェートAの経口摂取により用
量依存的に発毛の促進が認められた。
【0019】シムノールサルフェートの毒性に関して
は、後記製造例で得たシムノールサルフェートA(シム
ノールサルフェート含量64%)のICR雄性マウス
(SPF)を用いた急性毒性試験(3週齢を日本クレア
社より購入し、4〜5週齢で試験に供した)の結果、L
50値は、腹腔内投与で570mg/kg、経口投与で2000
mg/kg以上であり、シムノールサルフェートは低毒性で
ある。
【0020】以上の試験からシムノールサルフェートを
経口によって摂取すると脱毛症の予防、治療に効果があ
ることが判明した。従って、本発明は、シムノールサル
フェートのこの薬理効果を利用して、薬剤あるいは機能
性食品の形態の養毛・育毛用経口組成物とすることがで
きる。その形態にとくに制限はなく、固形状または液状
のいずれのものであってもよい。すなわち、シムノール
サルフェートを賦形剤、担体等の薬品及び食品の分野に
おいて慣用されている補助成分、例えば、乳糖、ショ
糖、液糖、蜂蜜、ステアリン酸マグネシウム、オキシプ
ロピルセルロース、各種ビタミン類、クエン酸、リンゴ
酸、香料、無機塩などと共に、液剤、散剤、カプセル
剤、錠剤、粉末剤、顆粒剤、ドリンク剤等に製剤化する
ことができる。また、食品分野において慣用されている
任意の基剤を用いて清涼飲料、ジュース、コーヒー、紅
茶などの飲料類、飴、チューインガム、キャンデー、チ
ョコレート、グミなどの菓子類とすることもできる。更
にアルコール飲料やミネラルウォーターに用時添加する
易溶性剤としてもよい。
【0021】本発明の組成物には、この発明の効果を損
なわない限りにおいて、従来から公知の機能性成分を含
有せしめることができる。
【0022】また、ドリンク剤の場合、必要に応じ、他
の生理活性成分、ミネラル、ビタミン、ホルモン、栄養
成分、香味等を混合することにより、嗜好飲料的性格を
持たせることもできる。ドリンク剤の変形例として、ミ
ネラルウォーターの形とすることも可能である。更にシ
ームレスカプセル剤とした場合には、空気中の酸素によ
る酸化を可及的に防ぐことが可能となり、また適量摂取
することができる点でシームレスカプセル剤は好ましい
形態である。シームレスカプセルは、シムノールサルフ
ェートが食用油に不溶であるため製造が困難であるが、
シムノールサルフェートを少量のエタノールに溶解させ
た後、食用油脂である中鎖脂肪酸トリグリセライド(M
CT)に溶解させて用いることにより製造しうる。
【0023】本発明の組成物の投与量は、投与の目的、
投与対象者の状態等により異なるが、シムノールサルフ
ェートとして、経口投与の場合0.01〜100mg/日、好
ましくは0.1 〜50mg/日、とくに好ましくは1〜10
mg/日である。
【0024】本発明組成物の養毛・育毛効果を十分に発
撹させるための投与量は、年齢、体重、症状等によって
も異なるが、1回の投与形態中にシムノールサルフェー
トが0.5mg 以上含まれるようにするのが実際上便利であ
る。
【0025】
【実施例】次にシムノールサルフェートAの製造例およ
び本発明の実施例を挙げて説明する。
【0026】製造例 シムノールサルフェートAの製造:ヒラガシラ(Rhizop
rionodon acutus.8kg)の5頭(40kg)から取り出し
た胆のう(65g)をホモジナイズした後、凍結乾燥し
10.3gの凍結乾燥物を得た。これをn−ヘキサン100
mlで3回脱脂をおこない、可及的に脂質を除いた。次い
で、エタノール100mlで3回抽出しロータリーエバポ
レーターにより、溶媒を除去し黄色あめ状物質3.7gを得
た。これを蒸留水80mlに溶解し、アンバーライトXA
D−2カラム(3×29cm)にかけた。蒸留水400ml
で洗浄した後、次いでエタノール400mlで溶出した。
エタノール溶出画分をロータリーエバポレーターにより
濃縮した。次いでSephadex LH-20カラム(3×32c
m)にかけ、クロロホルム・エタノール(1:1)混液
(200ml)で溶出した後、次いでエタノール(50m
l)で溶出した。このエタノール溶出画分をロータリー
エバポレーターで溶媒を除去し、あめ状物質1.1gを得
た。このものを逆相高速液体クロマトグラフィー(溶出
液:アセトニトリル−リン酸ナトリウム緩衝液(1:
1))で処理、分取し、常法により、標記シムノールサ
ルフェートA(ナトリウム塩でシムノールサルフェート
含量64%)を淡黄色の粉末として得た。
【0027】実施例1(ドリンク剤) DL−酒石酸ナトリウム 1g コハク酸 0.09g 液糖 8kg クエン酸 120g ビタミンC 100g シムノールサルフェートA 5g 香料 150ml 塩化カリウム 10g 硫酸マグネシウム 5g 当帰エキス 5g 上記成分を配合し、水を加えて100lとし、次いで二
酸化炭素を吹き込み、炭酸入りドリンク剤を製造した。
【0028】実施例2(清涼飲料) 濃縮レモン果汁 5 (重量部) クエン酸ナトリウム 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 シムノールサルフェートA 0.005 香料 0.01 クエン酸 0.2 炭酸水 残量 全量 100.00
【0029】実施例3(ジュース) 濃縮オレンジ果汁 5.0 (重量部) 砂糖 7.0 クエン酸 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 シムノールサルフェートA 0.005 香料 0.1 水 残量 全量 100.00
【0030】実施例4(チョコレート) カカオマス 18.0 (重量部) カカオバター 18.0 粉乳 15.0 砂糖 残量 レシチン 0.5 シムノールサルフェートA 0.01 全量 100.00
【0031】
【発明の効果】本発明の養毛・育毛用経口組成物は、薬
剤あるいは機能性食品として摂取して、脱毛を予防及び
治療することができると共に、発毛を促進することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高脂肪食摂取による毛質劣化に対するシムノー
ルサルフェートの改善効果を示す図である。
【図2】高脂肪食摂取による血清中コレステロール値の
上昇に及ぼすシムノールサルフェートの影響を示す図で
ある。
【図3】高脂肪食摂取群及びこれにシムノールサルフェ
ートを添加した群の血清中トリグリセライド値を示す図
である。
【図4】シムノールサルフェートの投与による育毛効果
を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 藤居 亙 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社基礎研究所内 (72)発明者 好田 裕史 大阪府三島郡島本町若山台1丁目1番1号 サントリー株式会社基礎研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 シムノールサルフェートを有効成分とし
    て含有する養毛・育毛用経口組成物。
JP3161433A 1991-07-02 1991-07-02 養毛・育毛用経口組成物 Pending JPH059119A (ja)

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