JPH058808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、じやがいも等の根菜類の茎を土壌中
にその根部を残して引抜く茎引抜装置に関する。

（従来の技術） じやがいも等の根菜類は土壌中に根部を有し、
地面上に茎が伸びている。

従来、かかる土壌中の根菜を収穫する際には、
掘取機を用いて土壌を堀起こし、根菜を収穫す
る。掘取機にて収穫する為には、根菜の茎が掘取
機の作業に支障となる為、手作業であらかじめ茎
を引き抜くことが多い。又、この茎の引抜き作業
を機械化したものとしては、互いに逆方向に回転
した左右一対の筒状回転ドラムで茎を挾持して茎
のみを引き抜く装置が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、畝より茎のみ手でもつて引抜く
ことは手間・時間のかかる作業であり、しかも広
大な農地を手作業で行うことは重労働であつた。

又、回転ドラム方式の茎の引抜き装置では茎の
挾持が弱くて引抜力が不足したり、又、土・石の
噛み込みのためうまく作動しなくなつたり、ある
いは畦表面に被せたビニールシートの巻き込みが
あり、円滑な引抜き作業ができないといつた問題
点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は従来のかかる問題点を解決した根菜の
茎引抜装置を提供せんとするものであり、その要
旨は、左右一対の水平駆動軸のそれぞれの前後間
に複数の鋼棒を同心円筒面に沿つて並行に横架し
て左右一対のカゴ状ドラムを形成するとととも
に、同鋼棒を複数の鋼棒群に分け、各鋼棒群にお
いて鋼棒は鋼棒直径程の短かい間隔で連列し、し
かも各鋼棒群の群間距離は鋼棒直径よりかなり長
いものとし、又これらの一対のカゴ状ドラムは互
いに噛合し、且つ噛合個所において鋼棒が上方向
に動くように互いに逆方向に回転させ、根菜の茎
を左右一対のカゴ状ドラム間に挾持して上方に持
ち上げて茎を引き抜くことを特徴とする根菜の茎
引抜装置にある。

（作用） この考案の装置はテーラー等の移動作業車に搭
載され、一対のカゴ状ドラムを畦の上にし、その
水平駆動軸を畦方向に向け、カゴ状ドラムを互い
に逆方向に回転させながら畦に沿つて移動させて
使用する。左右のカゴ状ドラムの鋼棒群が離反し
たとき、ドラム間には広い巾の空間が開放され、
この時点で根菜の茎がカゴ状ドラムの間に入り込
む。次に鋼棒群が近づいて噛合したときに茎をそ
の凹凸のある噛合個所で強く挾持し、上方に持ち
上げて茎を強く引張して茎のみ引き抜くものであ
る。又、この噛合個所で土・石等が噛み込んで
も、その鋼棒群の棒間隙からドラム内部へ押し込
まれて開放される。大きな石・その他のものも噛
合個所を過ぎて鋼棒群が互いに離れて、その鋼棒
群の間の広い空間から落下する。又、畦の上に被
せられたビニールシートはドラムに挾持されても
噛合個所を過ぎれば下方への引張力、又は自重に
よつてドラム間の空間から下方に落下してドラム
に巻き込まれることはない。

（実施例） 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第１〜第６図に示す実施例の根菜の茎引抜装置
Ａはエンジンで自走する作業機Ｂに搭載される。
又そのカゴ状ドラム１は二つの鋼棒群２を対向す
る周面に設け、各鋼棒群には６本の鋼棒３が鋼棒
直径程の間隔おいて連列され、又ドラム１先端に
茎案内用円錐筒４を取付けた例である。図中５は
水平駆動軸、６は鋼棒３の取付板、７は作業機Ｂ
のエンジン、８はミツシヨン部、９は作業機Ｂの
車輪、１０はミツシヨン部の出力軸、１１，１２
は出力軸１０の動力を水平駆動軸５に伝達するベ
ルト、１３はドライブシヤフト、１４は水平駆動
軸５の軸受部材、１５はドラム１を定位置に支持
するドラム支持フレーム、１６は作業機Ｂの機体
フレーム、１７は作業機Ｂのハンドル、１８は傾
倒した茎ａの引起し装置、１９は同引起し装置の
前方に傾いたフレーム、２０，２１は同フレーム
先端に取付けたケース、２２はタイン、２３は一
方のカゴ状ドラム１を移動自在に支持するドラム
支持フレーム、２４は同ドラム支持フレームを左
右水平方向に進退させる進退杆、２５はビニール
シートＣ及びじやがいもの持ち上りを抑える湾曲
した押え板である。

本実施例では本考案の茎引抜装置Ａを第５、第
６図に示す様にエンジン７で自走する作業機Ｂの
前部に搭載している。作業機Ｂのエンジン７の動
力はチエーンを介してミツシヨン部８に伝動さ
れ、車軸を介して車輪９を回動して自走可能と
し、又ミツシヨン部８の一つの出力軸１０の動力
はベルト１１，１２、ドライブシヤフト１３を介
して茎引抜装置Ａの左右一対の水平駆動軸５に伝
達され、同水平駆動軸を互いに逆方向に同一回転
数でもつて回転させ、よつてカゴ状ドラム１を逆
方向に回動させるものである。

又、本実施例のカゴ状ドラム１の一方はドラム
支持フレーム１５によつて定位置で回転するが、
他方はそのドラム支持フレーム２３が進退杆２４
の進退の具合で水平に移動でき、左右のドラム１
間の間隔を調整可能として、茎の太さ、挾持力の
調整に対応できるようにしている。

更に本実施例ではビニールシートＣ及び地中の
じやがいもの持ち上りを防ぐため押え板２５でビ
ニールシートＣ・地表面を押さえている。尚、本
考案の鋼棒群を３群としたカゴ状ドラムの例を第
７図に示している。

（考案の効果） 以上の様に本考案によれば、根菜の茎を強力な
力で引抜くことができるとともに、土・石・ビニ
ールの噛み込み・巻き込みもなく円滑に茎の連続
引き抜き作業が行えるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す平面図、第２図は同側面
図、第３図は使用状態を示す説明図、第４図は同
実施例のカゴ状ドラムを示す正面図、第５図は同
右側面図、第６図は同左側面図、第７図は他のカ
ゴ状ドラムの例を示す説明図である。 Ａ……茎引抜装置、Ｂ……作業機、Ｃ……ビニ
ールシート、１……カゴ状ドラム、２……二つの
鋼棒群、３……６本の鋼棒、４……円錐筒、５…
…水平駆動軸、６……取付板、７……エンジン、
８……ミツシヨン部、９……車輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の水平駆動軸のそれぞれの前後間に複
   数の鋼棒を同心円筒面に沿つて並行に横架して左
   右一対のカゴ状ドラムを形成するとともに、同鋼
   棒を複数の鋼棒群に分け、各鋼棒群において鋼棒
   は鋼棒直径程の短かい間隔で連列し、しかも各鋼
   棒群の群間距離は鋼棒直径よりかなり長いものと
   し、又これらの一対のカゴ状ドラムは互いに噛合
   し、且つ噛合個所において鋼棒が上方向に動くよ
   うに互いに逆方向に回転させ、根菜の茎を左右一
   対のカゴ状ドラム間に挾持して上方に持ち上げて
   茎を引き抜くことを特徴とする根菜の茎引抜装
   置。