JPH0580808A - 事例ベースを用いた自己再帰型の自動調整システムおよび調整方法 - Google Patents

事例ベースを用いた自己再帰型の自動調整システムおよび調整方法

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JPH0580808A
JPH0580808A JP3239975A JP23997591A JPH0580808A JP H0580808 A JPH0580808 A JP H0580808A JP 3239975 A JP3239975 A JP 3239975A JP 23997591 A JP23997591 A JP 23997591A JP H0580808 A JPH0580808 A JP H0580808A
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JP
Japan
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adjustment
characteristic
amount
adjustment amount
target
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JP3239975A
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English (en)
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Hiroshi Matsumoto
弘 松本
Makoto Shimoda
下田  誠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】運転特性の調整を必要とする対象について、最
適調整量を出力する自動調整システムの提供。 【構成】対象からの特性データの入力処理を行う入力処
理手段11と、過去の事例に基づいて調整量の仮決定を
行う調整量仮決定手段13と、仮決定された調整量によ
る特性改善量の予測を行う特性改善量予測手段15と、
予測された特性改善量に基づいて対象について予測され
る特性が目的の特性に達しているか否かを判定する予測
特性判定手段17と、最適調整量を求める計算を行っ
て、最適調整量を出力する最適調整量演算手段18とを
備える。上記予測特性判定手段17は、予測される特性
が目的の特性に達していない場合、調整量仮決定手段1
3を動作させ、予測される特性が目的の特性に達した場
合、最適調整量演算手段18を動作させる機能を有す
る。 【効果】調整量決定を自動的に行うことができ、しか
も、調整による改善量を予測して、目的の特性に達して
いるか否を判定して、リスクの軽減を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機器、設備等の調整に
用いられる自動調整システムに係り、特に、事例ベース
を用いて、自己再帰的に調整が行える自己再帰型自動調
整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子、電気機器、機械装置等を含む各種
機器、および、発電設備、プラント、製造ライン等を含
む各種設備にあっては、その出荷時や保守点検時に、経
験に基づく高度な調整を必要とするものがある。この種
の調整を必要とするものとして、例えば、タービンや発
電機等の回転機のバランス調整、カラーテレビの色調
整、大規模集積回路(VLSI)製造装置のステッパア
ライメントの調整、制御系パラメータの調整、塗料やプ
ラスチック材料等の調合、冶金や乾燥等における熱処理
プロセスの温度または時間の調整などがある。
【0003】上記例示したような機器もしくは設備を目
的の特性または性能となるように調整することは、これ
らの特性に種々の要因が複雑に関係するので、定形的な
手順もしくは方法では調整が困難な場合が多い。そのた
め、従来ではその機器の取扱いや特性に熟知したベテラ
ンの調整員を配置し、図10に示すような調整員の経験
と勘による調整がなされていた。すなわち、機器もしく
は設備の特性を計測し、その特性が不十分であれば調整
員により調整量が決定される。このとき、調整員は、過
去の調整データを参考にしながら、ドキュメント化され
ていない経験的知識やノウハウもしくは直感に基づき調
整量を決定していた。ベテラン調整員は、調整量の決定
に際し、調整後の特性をより正確に予測している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、調整量
と機器もしくは設備の特性の因果関係が明確でない場合
は、ベテラン調整員といえども1回で調整を完了するこ
とが困難である。この様な場合は、調整操作後の特性計
測を参考にした、調整員の経験と勘に基づく調整操作が
繰返されることになる。そのため、1回当りの調整に時
間のかかる大規模設備などでは、この調整操作を繰返す
ことにより、膨大な時間と費用がかかるという問題があ
った。また、初回の調整においては、調整が不十分であ
ることによるリスクを伴なう割合が多く、安全管理の上
で困難を伴う場合があった。
【0005】本発明は、従来の人為的な調整による前記
問題を解決するために、調整量決定を自動化することが
できる自己再帰型事例ベース自動調整装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の一態様によれば、運転特性の調整を必要と
する対象について、最適調整量を出力する自動調整シス
テムにおいて、対象からの特性データの入力処理を行う
入力処理手段と、過去の事例に基づいて調整量の仮決定
を行う調整量仮決定手段と、仮決定された調整量による
特性改善量の予測を行う特性改善量予測手段と、予測さ
れた特性改善量に基づいて対象について予測される特性
が目的の特性に達しているか否かを判定する予測特性判
定手段と、最適調整量を求める計算を行って、最適調整
量を出力する最適調整量演算手段とを備え、上記予測特
性判定手段は、予測される特性が目的の特性に達してい
ない場合、調整量仮決定手段を動作させ、予測される特
性が目的の特性に達した場合、最適調整量演算手段を動
作させる機能を有することを特徴とする自動調整システ
ムが提供される。
【0007】また、対象が目的の特性となるように調整
する方法であって、最適調整量を決定するために、次の
手順、 a.調整対象からその特性の計測結果を収集する。
【0008】b.計測に結果に基づいて調整量を仮に決
定する。
【0009】c.決定された調整量による特性改善量を
予測する。
【0010】d.予測された特性が目的の特性に至って
いるか否かを判定し、予測された特性が目的の特性に至
るまで、上記c、dおよびeの手順を繰り返えす。
【0011】e.予測特性が目的の特性になったとき、
仮調整量の累積和を求めて、最適調整量を算出する。
【0012】を含むことを特徴とする特性調整方法が提
供される。
【0013】
【作用】調整量仮決定手段は、入力処理手段により処理
された計測結果について、過去の事例に基づいて調整量
の仮決定を行う。この仮決定された調整量について、特
性改善量予測手段は、この調整量によりどれだけ特性が
改善されるかの予測を行う。予測特性判定手段は、予測
された特性改善量に基づいて対象について予測される特
性が目的の特性に達しているか否かを判定する。これに
より、仮決定した調整量が適当か否かがわかる。不適当
な場合、再び、調整量仮決定手段を起動し、さらに、調
整量を決定する。そして、上記したように、特性改善量
を予測し、その結果について、当否を判定する。本発明
は、これを繰り返して、妥当な調整量を決定する。
【0014】上記予測特性判定手段は、仮決定の調整量
により調整を行ったとして、予測される特性が目的の特
性に達した場合、最適調整量演算手段を動作させる。最
適調整量演算手段は、仮決定さえた調整量に基づいて、
最適な調整量を算出する。例えば、繰返し仮決定された
調整量の累積和を用いて求めることができる。算出され
た最適調整量は、外部に出力され、例えば、表示され
る。また、操作量に直接変換して、調整操作に用いるこ
ともできる。
【0015】なお、調整対象について、それが目的の特
性に達しているか否かを判定して、達していないとき、
上記した調整量の仮決定以下の各処理を再度行うことも
できる。これを、繰り返すことにより、調整操作そのも
のを再帰的に行わせることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0017】図2に、本発明の一実施例の自己再帰型自
動調整システムの調整手順の概要を示す。本実施例の自
動調整システムは、調整対象のプロセスからその特性の
計測結果を収集すると共に、計測結果について周波数分
析等の処理を行う(ステップ201)。そして、計測さ
れた特性が目的の特性となっているか否かの良否判定を
行う(ステップ202)。特性が目的の特性に至ってい
ないとき、調整量を仮に決定する(ステップ203)。
そして、決定された調整量による特性改善量を予測する
(ステップ204)。予測された特性が目的の特性に至
っているか否かを判定し、予測された特性が目的の特性
に至まで、ステップ203および204の手順を繰り返
えさせる(ステップ205)。そして、予測特性が目的
の特性になったとき、最適調整量を算出する(ステップ
206)。得られた最適調整量に基づいて、プロセスに
対する調整操作が行われる(ステップ207)。そし
て、調整が行われた後、再びステップ201に戻り、調
整の必要性が判定され、必要な場合、上記手順を繰り返
す。
【0018】本実施例は、この手順を、事例ベースを用
いた自己再帰型自動調整システムにより実現する。図1
に、事例ベースを用いた自己再帰型自動調整システムの
一実施例を構築するためのハードウエアシステム構成の
一例を示す。
【0019】図1に示すハードウエアシステムは、プロ
セス500について調整を実行するための計算機システ
ム1と、この計算機システム1に周辺装置として接続さ
れる、入力装置7、表示装置8および外部記憶装置9と
を備えて構成される。計算機システム1は、中央処理装
置2、主記憶3、インタフェース4、5および内部バス
6を有する。
【0020】インタフェース4には、プロセス500か
らの計測値が入力される。また、インタフェース4に
は、入力装置7および外部記憶装置9が接続される。入
力装置7からは、システムに対する指示、データ等が入
力される。また、外部記憶装置9には、図5に示すよう
な自動調整のための手順を記述するプログラム、後述す
る第1および第2の事例ベースの構成データ、その他の
制御プログラム等が記憶される。これらは、主記憶3に
転送されて、中央処理装置2により実行される。インタ
フェース5には、表示装置8が接続される。表示装置8
は、例えば、CRTディスプレイ、その駆動回路および
表示制御装置(いずれも図示せず)を有する。計算機シ
ステム1への入力データ、計算機システム1での処理結
果等を表示出力する。表示は、文字、数字等のほか、グ
ラフィックスにより表示することができる。
【0021】本実施例の自動調整システムは、図9に示
すように、プロセスからの計測値および/または入力装
置からのデータの入力処理を行う入力処理手段11と、
計測された特性が目的の特性となっているか否かの判定
を行う運転特性評価手段12と、過去の事例に基づいて
調整量の仮決定を行う調整量仮決定手段13と、仮決定
された調整量による特性改善量の予測を行う特性改善量
予測手段15と、予測特性の良否を判定する予測特性判
定手段17と、最適調整量を求める計算を行って、最適
調整量を出力する最適調整量演算手段18と、演算結
果、途中の判定結果、入力データ等の出力処理を行う出
力処理手段19とを備える。これらの各手段は、上述し
たハードウェアシステムにおいて、計算機システム1が
ソフトウェアを実行することにより実現される。
【0022】運転特性評価手段12は、計測結果が、プ
ロセスが目的の特性となっていないことを示すとき、調
整量仮決定手段13を起動する。また、特性改善量予測
手15段は、予測特性が目標に達しないとき、目標に達
するまで、繰返し調整量仮決定手段13を起動する。ま
た、予測特性判定手段17は、予測特性が目標に達する
とき、最適調整量演算手段18を起動する。従って、本
実施例によれば、自己再帰的に調整動作が実行される。
【0023】調整量仮決定手段13は、過去の調整事例
における調整前の運転特性と調整量との対応関係を与え
る第1の事例ベース14を有し、これを用いて、調整量
の仮決定を行う。特性改善量予測手段15は、過去の調
整事例における調整量と調整後の特性改善量との対応関
係を与える第2の事例ベース16を有し、これを用いて
特性改善量の予測を行う。
【0024】上記第1および第2の事例ベース14,1
6は、例えば、ニューラルネットワークにより構成され
る。第1の事例ベース14のニューラルネットワーク
は、過去の調整事例における調整前の運転特性と調整量
との対応関係を予め学習して、特定の結合の重み係数を
持つニューロンの群として構築される。同様に、第2の
事例ベース16のニューラルネットワークは、過去の調
整事例における調整量と調整後の特性改善量との対応関
係を予め学習して、特定の結合の重み係数を持つニュー
ロンの群として構築される。本実施例では、第1および
第2の事例ベース14,16は、それぞれ別個に構築さ
れるものを用いる。なお、共通のニューラルネットワー
クとして構築することもできる。
【0025】調整量仮決定手段13は、新たな運転特性
を上記第1の事例ベースのニューラルネットワークに入
力させて、学習されている対応関係に基づいて得られる
調整量を仮の調整量として出力する。また、特性改善量
予測手段15は、上記決定された仮の調整量を上記第2
の事例ベースに入力させて、学習されている対応関係に
基づいて得られる特性改善量の予測値を出力する。
【0026】予測特性判定手段17は、例えば、調整前
の運転特性と上記特性改善量の予測値との差を求めて、
今回の調整による運転特性の予測値を求める。また、こ
の予測値と、目標値とを比較して、予測値が目標に達し
ているか否か判定する。
【0027】最適調整量演算手段18は、初期値に、上
記再帰動作を繰り返すことにより得られた1以上の仮の
調整量を加算して、最適調整量を求める。
【0028】出力処理手段19は、最適調整量を表示出
力する。また、調整対象に調節操作を行うように操作信
号を出力することもできる。
【0029】次に、本発明の一実施例の自己再帰型自動
調整システムについて、タービン発電機におけるバラン
ス調整に適用した例を用いて、さらに詳細に説明する。
本例は、図3に示すように、3台のタービンと1台の発
電機とを有する1軸型のタービン発電機の例である。
【0030】図3は、タービンの振動計測部とバランス
ウエート取付け位置を示す。図3において、振動計測部
25は、8台が、タービン21,22,23および発電
機24のそれぞれの両端に配置される。同様に、バラン
スウエートも、8個が、タービン21,22,23およ
び発電機24にそれぞれ2個ずつ配置される。なお、以
下の説明では、振動計測部25を、その位置に応じたチ
ャネル番号CHi(i=1〜8)で示す。また、バラン
スウエートの重さおよびその取付け角度を、miおよび
θi(i=1〜8)で示す。これらをベクトル表記する
と、M,Θとなる。
【0031】図4は、チャネル番号CH1のバランスウ
エートの調整例を示すものである。同図では、基準位置
(θ=0)からθ1(0)にM1(0)の初期ウエートがあった
角度をΔθ1(1)、おもさをΔM1(1)だけ修正したことを
示す。
【0032】次に、図1および図9の他、図5を参照し
て、本実施例による自動調整の一例について説明する。
【0033】図5は、本実施例によるタービンバランス
の調整手順を示す。入力処理手段1は、まず、振動特性
Y(0)の計測結果を取り込み、その処理を行う(ステッ
プ501)。計測結果の取り込みは、各振動計測部から
オンラインでデータを収集することができる。なお、運
転員が、測定結果をマニュアル入力してもよい。また、
計測結果の処理は、ここでは、調整前の運転時に得られ
た振動の回転周波成分の位相ΘR(0)とオーバオール値A
R(0)、総合振動のオーバオール値AA(0)、第2、3調波
成分のオーバオール値A2R(0)、A3R(0)および1/2調
波成分のオーバオール値AR/2(0)などを周波数分析によ
り求める。
【0034】次に、運転特性評価手段12は、Y(0)を
判定条件YLと比較する(ステップ502)。Y(0)がY
Lより小さければ、特性は目的の特性となっているの
で、調整を行なわない。一方、Y(0)がYLより大きけれ
ば、中央処理装置2は、ソフトウェア上のカウンタをn
=1にセットし、バランスウェート調整量仮決定に進む
(ステップ503)。
【0035】バランスウェート調整量仮決定手段13
は、バランスウェートの仮の調整量ΔX(n)(初回はn
=1)を決定する(ステップ504)。ただし、ΔX
(n)はΔM(n)とΔΘ(n)の総合ベクトル表記である。こ
のバランスウェート調整量仮決定手段13は、過去の調
整作業で蓄積した調整事例ベース14として、調整前振
動特性とバランスウェート調整量との対応関係を予め学
習させたニューラルネットワーク(以下、単にニューロ
と呼ぶこともある)を用いる。この振動特性(Y)とバラ
ンスウェート調整量Xとの関係を学習により構築された
ニューロの特性を、
【0036】
【数1】ΔX=f(Y) ・・・・・(1) とする。よって、図5の場合、仮決定された調整量ΔX
(n)は次式で表わされる。
【0037】
【数2】 ΔX(n)=f(Y(n-1)) ・・・・・(2) 次に、この仮決定された調整量に対応した振動特性の改
善量ΔY(n)を予測する(ステップ505)。このため
に、振動特性改善量予測手段15は、過去の調整作業で
蓄積した調整事例ベース16として、バランスウェート
調整量と調整後振動特性改善量との対応関係を予め学習
したニューロを用いる。このバランスウェート調整量Δ
Xと振動特性改善量ΔYとの関係を学習により構築され
たニューロの特性は次式
【0038】
【数3】 ΔY=g(ΔX) ・・・・・(3) で表わされる。
【0039】よって、図5の場合、予測値ΔY(n)は、
次式で表わされる。
【0040】
【数4】 ΔY(n)=g(ΔX(n)) ・・・・・(4) ここで、ΔY(n)はΔΘR(n),Δ AA(n),ΔAR(n),Δ
2R(n),ΔAR/2(n)などの成分からなる。
【0041】次に、振動特性の改善により予測される振
動値Y(n)を求める(ステップ506)。Y(n)は、
【0042】
【数5】 Y(n)=Y(n-1)−ΔY(n) ・・・・・(5) で表わされる。そして、このY(n)が目的の特性である
か否か判定する(ステップ507)。これが判定条件よ
りも大きければ、n=n+1として、バランスウェート
調整量仮決定のステップ504にもどり、新たなY(n)
に対応した調整量の仮決定を行う(ステップ508,5
04)。
【0043】この様に、再帰型でバランス調整量を求め
ることにより、やがて振動特性予測値がY(n)<YLも満
足するような最適調整量XMが求まる。ここで、XMは次
式で表わされる。
【0044】
【数6】
【0045】ここで、X(0)はM(0)とΘ(0)の総合ベク
トルである。このXMをもって、実際のタービンのバラ
ンスウェートを修正することになる(ステップ51
0)。
【0046】ここで、ニューラルネットワークの構造お
よび学習方法について説明する。
【0047】図6はニューラルネットワークを構成する
1つのユニットモデル111を示す。ここで、ユニット
への入力信号X1,X2,…,Xn((1)式の場合は
Y、(3)式の場合はΔX)は、値域(0,1)をと
り、シナプス加重W1,W2,…,Wnは、値域(−∞,
+∞)をとるものとする。ここで、i番目の入力Xi
らユニットへ伝わる入力uiを、
【0048】
【数7】 ui=Wii ・・・・・(7) とすると、ユニットへの総入力Uは、
【0049】
【数8】
【0050】となる。また、ユニット出力yは、
【0051】
【数9】
【0052】で定義する。但し、(9)式において、U
oは、バイアスである。
【0053】本実施例では、以上述べたユニットモデル
111を、図7に示すように層状に配置し、各ユニット
111からの出力信号を次層の各ユニット111への入
力信号とする構成としたものをニューラルネットワーク
とする。上記のユニットモデル111とニューラルネッ
トワークの構造に関しては、ザ エム アイ ティープ
レス、ニューロコンピューティング フアンデーション
ズ オブ リサーチ、1988年、第318頁から第3
62頁(The MIT Press, Neurocomputing Foundations
of Research,1988,pp318−362)に詳しく述
べられている。
【0054】また、本論文では図7に示すように、ある
入力信号パターン112を入力層に与えたとき、出力信
号パターン113が所望する信号パターン、すなわち教
師信号パターン114となるように、両者の誤差に応じ
て中間層の各ユニットへの入力部の接続強度、すなわち
シナプス加重を修正する学習アルゴリズム(バックプロ
パゲーションと称している)が示されている。
【0055】本実施例の学習方法においても、学習アル
ゴリズムそのものは上記論文に示されたバックプロパゲ
ーションを用いる。
【0056】図8はバックプロパゲーションのアルゴリ
ズムを具体的に説明したものである。本図は、アルゴリ
ズムを判り易くするために、出力層のk番目の出力信号
3k((1)式ではΔXのk番目要素、(3)式ではΔ
Yのk番目要素に対応)に着目して、これを教師信号y
tkに一致させるためのシナプス加重の修正手順を示した
ものである。以下、図8に示すアルゴリズムを具体的に
説明する。
【0057】まず、k番目の出力信号y3kと教師信号y
tkとの誤差ek は、
【0058】
【数10】 ek=ytk−y3k ・・・・・(10) である。ユニットの動作レベルU3kにおける誤差の影響
度をd3kとすると、d3kは、
【0059】
【数11】 d3k=ek f′3k(U3k) ・・・・・(11) で表される。但し、f′(U)は次のとおり。
【0060】
【数12】
【0061】従って、出力層k番目のユニットにおける
j番目の入力部にあるシナプス加重W3k2jの修正量Δ
3k2j(N+1)は次式で表される。
【0062】
【数13】 ΔW3k2j(N+1)=η・d3k・y2j ・・・・・(13) ここで、Nは前回を表す記号でηは学習定数と称する。
また、y2jは中間層のj番目の出力信号を示す。但し、
安定な収束を実現するために、(13)式で得た修正量
をそのまま使用せず、次式で表す方法で修正し、新たな
シナプス加重W3k2j(N+1)を次式のように得る。
【0063】
【数14】 W3k2j(N+1)=W3k2j(N)+ΔW3k2j(N+1) +α・ΔW3k2j(N) ・・・・(14) ここで、αは安定化定数と称する。
【0064】以上、出力層の入力部のシナプス加重の修
正方法を示した。
【0065】次に、中間層の入力部のシナプス加重の修
正方法を説明する。図8では、中間層のj番目のユニッ
トのi番目の入力部にあるシナプス加重W2j1jに着目
して、その修正方法を示してある。この場合のユニット
の動作レベルU2jにおける誤差の影響度d2jは、出力層
の全ユニット出力の誤差を考慮して決定されるべきで、
下記(15)式で表される。
【0066】
【数15】
【0067】従って、中間層j番目のユニットにおける
i番目の入力部にあるシナプス加重の修正量ΔW2j
1i(N+1)は、次式で表される。
【0068】
【数16】 ΔW2j1i(N+1)=η・d3j・y1i ・・・・・(16) ここで、Nは前回を示す記号で、ηは学習定数と称す
る。また、y1iは入力層のi番目の出力信号を示す。但
し、出力層の場合と同様、安定な収束を実現するため
に、(16)式で得られた修正量をそのまま使用せず、
次式で表す方法で修正し、新たなシナプス加重W2j
1i(N+1)を次式のように得る。
【0069】
【数17】 W2j1i(N+1)=W2j1i(N)+ΔW2j1i(N+1) +α・ΔW2j1i(N) ・・・・(17) ここで、αは安定化定数と称する。
【0070】上記(10)〜(17)式の演算処理を繰
り返すことにより誤差ek を最小化することができる。
すなわち、出力層からの出力信号パターンを教師信号パ
ターンに一致させることができ、その結果、入力信号パ
ターンがニューラルネットワーク内のシナプス加重分布
(すなわち、回路内接続強度分布)として記憶(学習)
したことになる。また、別の入力信号パターンを入力層
に提示し、教師信号パターンもこれに対応して別のパタ
ーンを提示すれば、上記アルゴリズムが動作し、新たな
シナプス加重分布として記憶したことになる。
【0071】このようなアルゴリズムを用いれば、複数
の学習サンプルを同一ニューラルネットワーク内に記憶
することが可能である。学習完了後のニューラルネット
ワークを用いれば、既学習パターンと同一のパターンが
入力された場合は、学習時に用いた出力信号パターンと
同一のものが出力層から出力される。また、未学習のパ
ターンが入力された場合でも、既学習パターンとの類似
度に応じて出力信号パターンも類似したものが得られ
る。
【0072】以上は、タービン発電機のバランス調整に
本発明を適用した例について述べたが、本発明は過去の
調整事例を有する分野であれば適用可能である。以下
に、それを説明する。
【0073】カラーテレビは、赤、青、緑の光を適宜輝
度調整して自然色を実現する必要がある。しかし、3つ
のパラメータを最適調整することは極めて困難な作業と
なる。これに対して、本発明を適用すると、製造ライン
での初期調整を自動化できる。さらに、自動調整回路を
テレビ自体に内蔵させれば、特性の経年変化にも追従し
て、常に、自然色を維持することが可能となる。
【0074】VLSI製造装置においては、露光装置の
ステッパアライメントの調整精度がVLSIの加工精度
に大きく影響する。アライメントは、ステッパのX軸と
Y軸の位置合せのことを示し、これも過去の調整事例を
活用することが可能であり、特性の経年変化にも追従可
能である。
【0075】プロセスの制御装置においては、プロセス
の操業状況や時間経過と共に操作量や制御パラメータを
最適化してゆく必要がある。この場合、プロセス特性の
非線形性や経年変化が問題となる。このような場合も本
発明を適用すると、過去の運転事例や調整事例を活用す
ることが可能となる。例えば、発電プラントの熱効率を
最大とする操作量は負荷レベルや伝熱管の経時あるいは
経年変化により変化する。このような場合にも、本発明
を適用すると、高効率運転と安定な制御特性を維持する
ことが可能となる。
【0076】自動車エンジンの制御装置においては、エ
ンジンの回転数や出力に応じて最適な空燃比あるいは点
火位置などを維持することにより、高出力化と排ガスク
リーン化を両立させる必要がある。しかしながら、多く
の調整パラメータを出荷時に最適調整することが困難で
あるばかりか、エンジン特性は天候変化や経年劣化など
により大きく変化する。このような問題に対しても、本
発明は極めて効果的に活用することが可能である。すな
わち、出荷時の工場における初期調整はもちろん、エン
ジン制御装置の一部として自動調整機能を内蔵させるこ
とにより、常に良好な制御特性を維持することが可能で
ある。
【0077】この場合、(1)式におけるYの値として
は排ガスの清浄度を表わす窒素酸化物濃度NOx、炭化
水素濃度HC及び一酸化炭素濃度COを用い、さらに、
運用条件として、その時のエンジンの回転数Nとトルク
τも入力パラメータとして、調整パラメータであるΔX
との関係を学習によりニューラルネットワークに構築す
る。この場合のΔXの値としては、燃料噴射時期調整Δ
θIN,点火時期調整量ΔθIG,空燃比調整量ΔA/Fお
よび排ガス再循環量調整量ΔEGRとなる。この関係を
(1)式と対応させて記述すると、次の(18)式とな
る。
【0078】
【数18】 ΔX=f(Y,N,τ) ・・・・・(18) また、調整後の排ガスの清浄度改善量ΔYを予測するた
めに、ΔXとの関係を、学習によりニューラルネットワ
ークで構築する。この場合、(3)式に対応したΔYの
値として、窒素酸化物濃度改善量ΔNOx、炭化水素濃
度改善量ΔHCおよび一酸化炭素濃度改善量ΔCOを用
い、次の(19)式に示すΔX,Nおよびτとの関係を
学習する。
【0079】
【数19】 ΔY=g(ΔX,N,τ) ・・・・・(19) 以上の方法により、本発明は、自動車エンジンにも容易
に適用できる。
【0080】塗料やプラスチック材料は、極力少ない種
類の素材を適宜調合することにより、任意の色彩や特性
を出すことが要求される。この場合、試行錯誤的に混合
していたのでは、膨大な時間と材料を無駄にしてしま
う。この様な課題に対しても、本発明は有効で、過去の
調合事例に基づき自動的に最適な調合比を決定すること
が可能である。
【0081】この場合、(1)式におけるYの値として
は塗料やプラスチックの色彩情報や特性値を用い、調整
パラメータであるΔXとの関係を学習によりニューラル
ネットワークに構築する。この場合、ΔXの値として
は、各種材料の調合比の調整量である。また、調整後の
色彩や特性の改善度ΔYを予測するために、(3)式に
示したΔXとの関係を、学習によりニューラルネットワ
ークで構築する。
【0082】冶金や乾燥などの熱処理において、加熱の
温度や時間が製品に与える影響の大きいことは良く知ら
れている。この場合、熱処理プロセスでの多数のスケジ
ュールパラメータを最適化するには、長年の経験と勘が
必要とされている。この様な課題に対しても、本発明は
有効で、過去の操業事例に基づきスケジュールパラメー
タの調整を自動化することができ、製品の歩留りと品質
を向上することができる。
【0083】この場合、(1)式におけるYの値として
は、熱処理後の製品物性(例えば硬度、弾性率など)を
用い、調整パラメータであるΔXとして、加熱時間調整
量Δtと、そのときの温度調整量ΔTとの関係を、学習
によりニューラルネットワークに構築する。また、調整
後の製品物性の改善度ΔYを予測するために(3)式に
示したΔXとの関係を学習によりニューラルネットワー
クで構築する。
【0084】以上述べた機器及び設備の製造プロセスそ
のものにも本発明が適用できることは言うまでもない。
また、本発明の調整装置をポータブル化することも効果
的であり、機器もしくは設備に内蔵することも容易であ
る。
【0085】本発明における調整量仮決定および特性改
善量予測において、入力情報として、運転特性のみでな
く、負荷レベルや温度状態などの運用条件を用いること
も勿論可能であり、効果的である。
【0086】本発明における再帰動作により得られた複
数の調整量を加重加算して最適的な調整量とすることも
可能である。
【0087】本発明では、調整量仮決定手段と特性改善
量予測手段を個別の機能として分離しているが、必ずし
も分離する必要はない。すなわち、運転特性の入力によ
り調整量仮定値と特性改善量予測値を同時に出力する機
能としても、本発明の本質は変わらない。
【0088】本発明では、特性改善量予測手段を設けて
いるが、仮決定された調整量で実際の装置もしくは設備
を調整しても、安全上あるいは操業上問題がない場合
は、直接調整することも可能である。この場合は、調整
後の運転特性を再び調整量仮決定手段に入力し、この時
の出力値、すなわち、調整量に従って実際に調整すると
いう再帰動作を繰返すことにより、最適調整量を決定す
ることができる。
【0089】本発明の実施例で述べた調整量仮決定手段
と特性改善量予測手段では、ニューロを用いることでそ
れを実現するとしたが、過去の調整事例を学習できるも
のであれば、必ずしもニューロである必要はない。例え
ば、上記機能の入出力関係が定量的に分かっているもの
であれば定式化して使用すればよい。また、定量的に分
からなくても定性的な論理関係として分かっていれば、
ファジィルールで表現し、ファジィ推論により機能させ
ることが可能である。勿論、統計的な学習方法として、
従来から広く利用されている回帰分析モデルで表現する
ことも可能である。さらに、両機能は、計算機のソフト
ウェアとして実現してもよいし、専用のハードウェアと
して実現しても、本発明の本質は変わらない。
【0090】上記実施例によれば、下記の効果が期待で
きる。
【0091】(1)調整作業の大幅短縮による機器もし
くは設備の稼動率を向上できる。
【0092】(2)調整の自動化により、ベテラン調整
頁不足に対応できて、大幅な省力化が可能となる。
【0093】(3)過去の経験を学習により自動蓄積が
でき、有効活用できるための機器もしくは設備からの生
産物の品質を向上できる。
【0094】(4)試行錯誤的な調整作業が不要で、事
前に調整後の特性評価をするため歩留まりを向上でき
る。
【0095】(5)機器もしくは設備に内蔵することに
より、特性が経年変化しても性能の劣化を最小限に抑え
ることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、調整量決定を自動的に
行うことができ、しかも、調整による改善量を予測し
て、目的の特性に達しているか否を判定して、リスクの
軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動調整システムを構成するハードウ
ェアシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例における調整手順の概要を示
すフローチャート。
【図3】本発明の自動調整システムの適用されるタービ
ンの振動計測部とバランスウェート取付け位置を示す説
明図。
【図4】バランスウェートの調整例を示す説明図。
【図5】タービンバランス調整の手順を示すフローチャ
ート。
【図6】ニューラルネットワークを構成する1つのユニ
ットモデルを示す説明図。
【図7】ニューラルネットワークと学習の基本方式を示
す説明図。
【図8】バックプロパゲーションのアルゴリズムを示す
説明図。
【図9】本発明の自動調整システムの一実施例の構成の
概要を示すブロック図。
【図10】従来の調整手順を示す説明図。
【符号の説明】
1…計算機システム、2…中央処理装置、3…主記憶、
4,5…インタフェース、6…内部バス、7…入力装
置、8…表示装置、9…外部記憶装置、500…プロセ
ス、11…入力処理手段、12…特性判定手段、13…
調整量仮決定手段、14…第1の事例ベース、15…特
性改善量予測手段、16…第2の事例ベース、17…予
測特性判定手段、18…最適調整量演算手段、19…出
力処理手段。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転特性の調整を必要とする対象につい
    て、最適調整量を出力する自動調整システムにおいて、 対象からの特性データの入力処理を行う入力処理手段
    と、過去の事例に基づいて調整量の仮決定を行う調整量
    仮決定手段と、仮決定された調整量による特性改善量の
    予測を行う特性改善量予測手段と、予測された特性改善
    量に基づいて対象について予測される特性が目的の特性
    に達しているか否かを判定する予測特性判定手段と、最
    適調整量を求める計算を行って、最適調整量を出力する
    最適調整量演算手段とを備え、 上記予測特性判定手段は、予測される特性が目的の特性
    に達していない場合、調整量仮決定手段を動作させ、予
    測される特性が目的の特性に達した場合、最適調整量演
    算手段を動作させる機能を有することを特徴とする自動
    調整システム。
  2. 【請求項2】請求項1において、調整量仮決定手段は、
    過去の調整事例における調整前の運転特性と調整量との
    対応関係を与える第1の事例ベースを有し、これを用い
    て、調整量の仮決定を行うものである自動調整システ
    ム。
  3. 【請求項3】請求項2において、上記第1の事例ベース
    は、ニューラルネットワークにより構成され、該ニュー
    ラルネットワークは、過去の調整事例における調整前の
    運転特性と調整量との対応関係を予め学習して、特定の
    結合の重み係数を持つニューロンの群として構築される
    ものである自動調整システム。
  4. 【請求項4】請求項2において、特性改善量予測手段
    は、過去の調整事例における調整量と調整後の特性改善
    量との対応関係を与える第2の事例ベースを有し、これ
    を用いて特性改善量の予測を行うものである自動調整シ
    ステム。
  5. 【請求項5】請求項4において、上記第2の事例ベース
    は、ニューラルネットワークにより構成され、該ニュー
    ラルネットワークは、過去の調整事例における調整量と
    調整後の特性改善量との対応関係を予め学習して、特定
    の結合の重み係数を持つニューロンの群として構築され
    るものである自動調整システム。
  6. 【請求項6】請求項1において、予測特性判定手段は、
    調整前の運転特性と上記特性改善量の予測値との差を求
    めて、今回の調整による運転特性の予測値を求める機
    能、および、この予測値と、目標値とを比較して、予測
    値が目標に達しているか否か判定する機能を有するもの
    である自動調整システム。
  7. 【請求項7】請求項1において、最適調整量演算手段
    は、初期値に、上記再帰動作を繰り返すことにより得ら
    れた1以上の仮の調整量を加算して、最適調整量を求め
    るものである自動調整システム。
  8. 【請求項8】請求項1において、上記入力処理手段から
    入力された、計測された特性が目的の特性となっている
    か否かの判定を行う運転特性評価手段をさらに備える自
    動調整システム。
  9. 【請求項9】請求項8において、最適調整量の表示出力
    を少なくとも行う出力処理手段をさらに備える自動調整
    システム。
  10. 【請求項10】請求項9において、出力処理手段は、調
    整対象に調節操作を行うように操作信号を出力する機能
    をさらに有する自動調整システム。
  11. 【請求項11】運転特性の調整を必要とする対象につい
    て、最適調整量を出力する自動調整システムにおいて、 計算機システムと、この計算機システムに周辺装置とし
    て接続される、入力装置、表示装置および外部記憶装置
    とを備え、 計算機システムは、中央処理装置、主記憶、インタフェ
    ースおよび内部バスを有し、対象からの特性データの入
    力処理を行う入力処理と、過去の事例に基づいて調整量
    の仮決定を行う調整量仮決定処理と、仮決定された調整
    量による特性改善量の予測を行う特性改善量予測処理
    と、予測された特性改善量に基づいて対象について予測
    される特性が目的の特性に達しているか否かを判定する
    予測特性判定処理と、最適調整量を求める計算を行っ
    て、最適調整量を出力する最適調整量演算処理とを行
    い、上記予測特性判定処理では、予測される特性が目的
    の特性に達していない場合、調整量仮決定処理を起動
    し、予測される特性が目的の特性に達した場合、最適調
    整量演算処理を起動することを特徴とする自動調整シス
    テム。
  12. 【請求項12】請求項3において、調整を必要とする対
    象が、タービン発電機のバランスウェートであり、調整
    すべき運転特性が振動であって、 タービン発電機の各部に配置される振動計測部を有し、 上記入力処理手段は、振動計測部からの計測データを取
    り込むと共に、周波数分析を行って、振動の周波数成分
    と位相角とを求める機能を有し、 上記調整量仮決定手段は、過去の調整作業で蓄積された
    調整前の振動特性とバランスウェートの調整量との対応
    関係を予め学習させたニューラルネットワークを有し、 上記特性改善量予測手段は、過去の調整作業で蓄積され
    たバランスウェートの調整量と調整後の振動特性改善量
    との対応関係を予め学習させたニューラルネットワーク
    を有し、 上記最適調整量演算手段は、仮決定された調整量に基づ
    いて、バランスウェートの最適調整量を算出するもので
    ある、自動調整システム。
  13. 【請求項13】対象が目的の特性となるように調整する
    方法であって、最適調整量を決定するために、次の手順
    を含むことを特徴とする特性調整方法。 a.調整対象からその特性の計測結果を収集する。 b.計測に結果に基づいて調整量を仮に決定する。 c.決定された調整量による特性改善量を予測する。 d.予測された特性が目的の特性に至っているか否かを
    判定し、予測された特性が目的の特性に至るまで、上記
    c、dおよびeの手順を繰り返えす。 e.予測特性が目的の特性になったとき、仮調整量の累
    積和を求めて、最適調整量を算出する。
  14. 【請求項14】請求項13において、調整後の特性を計
    測し、その計測結果が目的の特性となっているか否か判
    定し、目的の特性になっていないとき、目的の特性にな
    るまで上記bからeの手順を繰り返す、特性調整方法。
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