JPH0580050A - 肝機能検査用キツト - Google Patents
肝機能検査用キツトInfo
- Publication number
- JPH0580050A JPH0580050A JP27047091A JP27047091A JPH0580050A JP H0580050 A JPH0580050 A JP H0580050A JP 27047091 A JP27047091 A JP 27047091A JP 27047091 A JP27047091 A JP 27047091A JP H0580050 A JPH0580050 A JP H0580050A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fucose
- free
- inspection
- loading
- sample
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 安全かつ簡便な肝機能検査用キットを提供す
る。 【構成】 負荷用遊離型L−フコース剤と、該L−フコ
ース検出用試薬を含有する肝機能検査用キット。負荷用
剤は、遊離型L−フコース単独でも、製剤化したもので
もよい。経口負荷、尿試料定量の組合せが好ましい。 【効果】 特に大量検出における非観血的検査、また治
療のモニタリングに有用である。
る。 【構成】 負荷用遊離型L−フコース剤と、該L−フコ
ース検出用試薬を含有する肝機能検査用キット。負荷用
剤は、遊離型L−フコース単独でも、製剤化したもので
もよい。経口負荷、尿試料定量の組合せが好ましい。 【効果】 特に大量検出における非観血的検査、また治
療のモニタリングに有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肝機能を検査するための
キットに関し、更に詳細には遊離型L−フコース負荷試
験用キットに関する。
キットに関し、更に詳細には遊離型L−フコース負荷試
験用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】高等動物の生体内には糖タンパク質や糖
脂質等、様々な形態の複合糖質が存在する。これらの複
合糖質はその糖鎖の構成糖としてL−フコースを含むも
のが多い。糖鎖中にL−フコースを含む複合糖質の代表
的な例としては、例えば、胃粘膜を防御する粘液糖タン
パク質や顎下腺から分泌される粘液糖タンパク質、肝臓
で合成、分泌されるα1 −酸性糖タンパク質、β2−糖
タンパク質、骨髄で形成される赤血球膜表面の糖タンパ
ク質、γ−グロブリン、あるいは細胞膜表面に存在する
糖タンパク質や糖脂質が挙げられる。このように、生体
内にはL−フコースを含む複合糖質が多量に存在する。
一方、特定の疾病において、L−フコースを含む複合糖
質糖鎖の構造が変化を起こしたり、体液中の複合糖質の
量が変化することが知られている。例としては、胃潰
瘍、胃ガンにおける粘液糖タンパク質の分泌量の低下、
肝硬変、肝ガンにおけるα1 −酸性糖タンパク質等の糖
タンパク質の分泌量の低下、細胞のガン化に伴う細胞膜
表面の糖タンパク質及び糖脂質の糖鎖構造の変化等の報
告がある。また、L−フコースの代謝異常を伴う特定の
疾病、例えば胃潰瘍、胃ガン、肝硬変、肝ガン及びその
他のガン患者由来の生体試料中には、正常人の生体試料
中よりも多量の遊離型L−フコースが存在することも知
られている(特開平1−244741号公報)。このL
−フコースの代謝異常を伴う疾病の一つの肝硬変は、進
行性の経過を示す重篤な疾病であり、その病因はウイル
ス性、アルコール性に区分される。肝硬変と診断された
患者の治療法はその病因により大きく異なり、その病因
別早期診断方法の確立が望まれていたが、本発明者ら
は、その病因により尿試料中の遊離型L−フコース量に
顕著な差があることを見出し、肝硬変の簡便な病因別確
定診断方法も提供した(特願平3−69401号)。
脂質等、様々な形態の複合糖質が存在する。これらの複
合糖質はその糖鎖の構成糖としてL−フコースを含むも
のが多い。糖鎖中にL−フコースを含む複合糖質の代表
的な例としては、例えば、胃粘膜を防御する粘液糖タン
パク質や顎下腺から分泌される粘液糖タンパク質、肝臓
で合成、分泌されるα1 −酸性糖タンパク質、β2−糖
タンパク質、骨髄で形成される赤血球膜表面の糖タンパ
ク質、γ−グロブリン、あるいは細胞膜表面に存在する
糖タンパク質や糖脂質が挙げられる。このように、生体
内にはL−フコースを含む複合糖質が多量に存在する。
一方、特定の疾病において、L−フコースを含む複合糖
質糖鎖の構造が変化を起こしたり、体液中の複合糖質の
量が変化することが知られている。例としては、胃潰
瘍、胃ガンにおける粘液糖タンパク質の分泌量の低下、
肝硬変、肝ガンにおけるα1 −酸性糖タンパク質等の糖
タンパク質の分泌量の低下、細胞のガン化に伴う細胞膜
表面の糖タンパク質及び糖脂質の糖鎖構造の変化等の報
告がある。また、L−フコースの代謝異常を伴う特定の
疾病、例えば胃潰瘍、胃ガン、肝硬変、肝ガン及びその
他のガン患者由来の生体試料中には、正常人の生体試料
中よりも多量の遊離型L−フコースが存在することも知
られている(特開平1−244741号公報)。このL
−フコースの代謝異常を伴う疾病の一つの肝硬変は、進
行性の経過を示す重篤な疾病であり、その病因はウイル
ス性、アルコール性に区分される。肝硬変と診断された
患者の治療法はその病因により大きく異なり、その病因
別早期診断方法の確立が望まれていたが、本発明者ら
は、その病因により尿試料中の遊離型L−フコース量に
顕著な差があることを見出し、肝硬変の簡便な病因別確
定診断方法も提供した(特願平3−69401号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】肝硬変のような重篤な
肝疾患の場合は、尿試料中の遊離型L−フコースは有意
な高値を示すが、急性肝炎のような肝疾患の場合は、尿
試料中の遊離型L−フコース値は低い。例えば健常人5
8例、ウイルス性肝硬変患者17例、アルコール性肝硬
変患者7例、急性肝炎患者6例の尿中遊離型L−フコー
スを測定した場合、L−フコース値は対照の健常人にお
いて144±30(平均値±標準偏差値:以下同様)、
ウイルス性肝硬変患者においては268±41、アルコ
ール性肝硬変患者において350±84であり、急性肝
炎患者においては168±30である。肝疾患は、早期
発見がなされれば病状の進展、治療に有効に対処するこ
とができる。したがって、肝機能の客観的かつ正確な診
断が重要である。肝機能検査法として最もよく使用され
ているものにBSP( Bromosulphalein )試験、ICG
( Indocyanine green )試験があるが、これらの試験に
おいては安全性の点で問題があり、かつ採血も必要であ
った。本発明の目的は、安全かつ簡便な肝機能検査用キ
ットを提供し、対照の遊離型L−フコース量と差の少な
い肝疾患の早期診断法を確立することにある。
肝疾患の場合は、尿試料中の遊離型L−フコースは有意
な高値を示すが、急性肝炎のような肝疾患の場合は、尿
試料中の遊離型L−フコース値は低い。例えば健常人5
8例、ウイルス性肝硬変患者17例、アルコール性肝硬
変患者7例、急性肝炎患者6例の尿中遊離型L−フコー
スを測定した場合、L−フコース値は対照の健常人にお
いて144±30(平均値±標準偏差値:以下同様)、
ウイルス性肝硬変患者においては268±41、アルコ
ール性肝硬変患者において350±84であり、急性肝
炎患者においては168±30である。肝疾患は、早期
発見がなされれば病状の進展、治療に有効に対処するこ
とができる。したがって、肝機能の客観的かつ正確な診
断が重要である。肝機能検査法として最もよく使用され
ているものにBSP( Bromosulphalein )試験、ICG
( Indocyanine green )試験があるが、これらの試験に
おいては安全性の点で問題があり、かつ採血も必要であ
った。本発明の目的は、安全かつ簡便な肝機能検査用キ
ットを提供し、対照の遊離型L−フコース量と差の少な
い肝疾患の早期診断法を確立することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は肝機能検査用キットに関し、負荷用遊離型L−フ
コース剤と、該L−フコース検出用試薬を含有すること
を特徴とする。
発明は肝機能検査用キットに関し、負荷用遊離型L−フ
コース剤と、該L−フコース検出用試薬を含有すること
を特徴とする。
【0005】本発明に使用する遊離型L−フコースはB
SPやICGと異なり、生体内にも存在する安全性の高
い物質であり、例えば市販品(和光純薬製、ファンステ
ィール研究所製等)を用いれば良い。本発明で使用する
場合、遊離型L−フコースは単独又は賦形剤あるいは担
体と混合して、投与経路に応じて、経口剤、注射剤、坐
剤などとして作成すれば良い。賦形剤及び担体として
は、薬剤学的に許容されるものであれば良く、その種類
及び組成は、投与経路や投与方法によって決まる。例え
ば、液状担体として水、アルコール若しくは大豆油、ピ
ーナッツ油、ゴマ油、ミネラル油等の動植物油、又は合
成油が用いられる。固体担体としては、アミノ酸類、ヒ
ドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、
ステアリン酸マグネシウムなどの有機酸塩などが使用さ
れる。注射剤の場合一般に水、生理食塩水、各種緩衝
液、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
グリコール類が望ましい。また、フェニルアラニン等の
アミノ酸類の賦形剤と共に凍結乾燥製剤とし、それを投
与時に注射用の適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩
水、電解質溶液、アミノ酸等の静脈投与用液体に溶解し
て投与することもできる。経口剤の場合、一般に水、炭
酸水に溶解し、食添として許容されている各種物質によ
り飲み易いように加工された液剤、前記固体担体若しく
は液状担体と共に錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液
剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられる。
SPやICGと異なり、生体内にも存在する安全性の高
い物質であり、例えば市販品(和光純薬製、ファンステ
ィール研究所製等)を用いれば良い。本発明で使用する
場合、遊離型L−フコースは単独又は賦形剤あるいは担
体と混合して、投与経路に応じて、経口剤、注射剤、坐
剤などとして作成すれば良い。賦形剤及び担体として
は、薬剤学的に許容されるものであれば良く、その種類
及び組成は、投与経路や投与方法によって決まる。例え
ば、液状担体として水、アルコール若しくは大豆油、ピ
ーナッツ油、ゴマ油、ミネラル油等の動植物油、又は合
成油が用いられる。固体担体としては、アミノ酸類、ヒ
ドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、
ステアリン酸マグネシウムなどの有機酸塩などが使用さ
れる。注射剤の場合一般に水、生理食塩水、各種緩衝
液、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の
グリコール類が望ましい。また、フェニルアラニン等の
アミノ酸類の賦形剤と共に凍結乾燥製剤とし、それを投
与時に注射用の適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩
水、電解質溶液、アミノ酸等の静脈投与用液体に溶解し
て投与することもできる。経口剤の場合、一般に水、炭
酸水に溶解し、食添として許容されている各種物質によ
り飲み易いように加工された液剤、前記固体担体若しく
は液状担体と共に錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液
剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられる。
【0006】製剤中における遊離型L−フコースの含量
は製剤により種々に異なるが、通常0.01〜100重
量%、好ましくは0.1〜100重量%である。例え
ば、注射液の場合には、通常0.1〜5重量%の本化合
物を含むようにすることがよい。経口用液剤の場合0.
1〜10重量%が良い。カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉
剤の場合は、一般に本化合物の含量は約3〜100重量
%、好ましくは5〜100重量%であり、残部は担体で
ある。
は製剤により種々に異なるが、通常0.01〜100重
量%、好ましくは0.1〜100重量%である。例え
ば、注射液の場合には、通常0.1〜5重量%の本化合
物を含むようにすることがよい。経口用液剤の場合0.
1〜10重量%が良い。カプセル剤、錠剤、顆粒剤、粉
剤の場合は、一般に本化合物の含量は約3〜100重量
%、好ましくは5〜100重量%であり、残部は担体で
ある。
【0007】投与量は、被検者の年齢、体重、検査目的
により決定されるが、1回当りの負荷量は、大人の場合
一般に、0.01〜10g/人で、負荷による変化が明
確に確認できる量であれば良く、0.1〜10mg/k
gが好ましい。
により決定されるが、1回当りの負荷量は、大人の場合
一般に、0.01〜10g/人で、負荷による変化が明
確に確認できる量であれば良く、0.1〜10mg/k
gが好ましい。
【0008】本発明の肝機能検査の方法としては、遊離
型L−フコース負荷前後の試料、例えば尿試料中の遊離
型L−フコース濃度の変化、該試料中への排泄量の変化
を追跡するものであればどの様な方法であっても良い。
また、負荷後、一定時間の蓄尿を行い、その尿試料の遊
離型L−フコースの総量から判断しても良い。例えば、
遊離型L−フコースを経口的に負荷した場合、体内への
吸収が起こり、投与前後の変化が最も大きくなる様、一
定時間経過後に試料のサンプリングを行い、試料中の遊
離型L−フコース濃度を測定すればよい。なお尿試料と
はヒト尿から得られるものであり、通常は尿そのもの
を、また場合によっては一定量のろ紙などの吸着材に染
みこませ、ここから抽出する方法などによって調製し用
いることもできる。該試料の採取には採血の操作も不要
であり、大量試料が処理される集団検診においても、そ
の簡便性、大量処理能力、コストの点などで好適であ
る。
型L−フコース負荷前後の試料、例えば尿試料中の遊離
型L−フコース濃度の変化、該試料中への排泄量の変化
を追跡するものであればどの様な方法であっても良い。
また、負荷後、一定時間の蓄尿を行い、その尿試料の遊
離型L−フコースの総量から判断しても良い。例えば、
遊離型L−フコースを経口的に負荷した場合、体内への
吸収が起こり、投与前後の変化が最も大きくなる様、一
定時間経過後に試料のサンプリングを行い、試料中の遊
離型L−フコース濃度を測定すればよい。なお尿試料と
はヒト尿から得られるものであり、通常は尿そのもの
を、また場合によっては一定量のろ紙などの吸着材に染
みこませ、ここから抽出する方法などによって調製し用
いることもできる。該試料の採取には採血の操作も不要
であり、大量試料が処理される集団検診においても、そ
の簡便性、大量処理能力、コストの点などで好適であ
る。
【0009】試料中の遊離型L−フコース量は例えば前
出特開平1−244741号公報に記載の方法、クリニ
カル ケミストリー( clinical chemistry ) 、第36
巻、第474〜476頁(1990)に記載の方法で測
定すれば良く、また、HPLCを用いる方法、例えば特
開昭64−10177号公報に記載の方法に準じ、尿試
料中の遊離型L−フコースの2−ピリジルアミノ化を行
い、次いでHPLCで検出する方法でもよく、試料中の
遊離型L−フコースを効率よく検出する方法ならすべて
使用することができる。
出特開平1−244741号公報に記載の方法、クリニ
カル ケミストリー( clinical chemistry ) 、第36
巻、第474〜476頁(1990)に記載の方法で測
定すれば良く、また、HPLCを用いる方法、例えば特
開昭64−10177号公報に記載の方法に準じ、尿試
料中の遊離型L−フコースの2−ピリジルアミノ化を行
い、次いでHPLCで検出する方法でもよく、試料中の
遊離型L−フコースを効率よく検出する方法ならすべて
使用することができる。
【0010】前出クリニカル ケミストリーに記載の方
法は、尿中に存在する遊離型L−フコースにNAD+ 及
びフコースデヒドロゲナーゼを作用させ、産生するNA
DHの増加量を波長340nmの吸光度変化として測定
し、遊離型L−フコースの定量を行うものであり、尿試
料にNAD+ 及びフコースデヒドロゲナーゼを反応さ
せ、同様にフコース標準液を用いて操作し、吸光度変化
を自動分析装置にて分析するという簡便かつ迅速な方法
である。また尿量の補正を行うために同時に尿試料中ク
レアチニン(Cr)値をヤッフェ( Jaffe')法〔クリニ
カル ケミストリー、第17巻、第696〜700頁
(1971)〕で測定し、尿試料中遊離型L−フコース
値として、μmol/g・Crで表示する。
法は、尿中に存在する遊離型L−フコースにNAD+ 及
びフコースデヒドロゲナーゼを作用させ、産生するNA
DHの増加量を波長340nmの吸光度変化として測定
し、遊離型L−フコースの定量を行うものであり、尿試
料にNAD+ 及びフコースデヒドロゲナーゼを反応さ
せ、同様にフコース標準液を用いて操作し、吸光度変化
を自動分析装置にて分析するという簡便かつ迅速な方法
である。また尿量の補正を行うために同時に尿試料中ク
レアチニン(Cr)値をヤッフェ( Jaffe')法〔クリニ
カル ケミストリー、第17巻、第696〜700頁
(1971)〕で測定し、尿試料中遊離型L−フコース
値として、μmol/g・Crで表示する。
【0011】遊離型L−フコースを負荷する方法は、遊
離型L−フコースを確実に体内に投与できるものであれ
ば、どの様な方法であっても良い。例えば経口的に、若
しくは静注、点滴静注、筋注などの注射により行うこと
ができるが、より好ましくは、被検者に対する負担の少
ない経口的な方法である。
離型L−フコースを確実に体内に投与できるものであれ
ば、どの様な方法であっても良い。例えば経口的に、若
しくは静注、点滴静注、筋注などの注射により行うこと
ができるが、より好ましくは、被検者に対する負担の少
ない経口的な方法である。
【0012】健常人及び肝疾患者に遊離型L−フコース
100mgを経口的に負荷した場合の負荷前後の尿中遊
離型L−フコース量を図1に示す。すなわち図1は負荷
前後の健常人、肝疾患者別の尿中遊離型L−フコース量
を示す図である。図1に示す様に負荷前には、健常人と
の差が少ない場合も、遊離型L−フコースの負荷によ
り、健常人値との差が顕著となり、肝機能の検査を簡便
に測定することができる。また、肝疾患治療後は遊離型
L−フコース負荷による尿中遊離型L−フコースの上昇
は認められず、治療のモニタリングにも有用である。
100mgを経口的に負荷した場合の負荷前後の尿中遊
離型L−フコース量を図1に示す。すなわち図1は負荷
前後の健常人、肝疾患者別の尿中遊離型L−フコース量
を示す図である。図1に示す様に負荷前には、健常人と
の差が少ない場合も、遊離型L−フコースの負荷によ
り、健常人値との差が顕著となり、肝機能の検査を簡便
に測定することができる。また、肝疾患治療後は遊離型
L−フコース負荷による尿中遊離型L−フコースの上昇
は認められず、治療のモニタリングにも有用である。
【0013】本発明の負荷用遊離型L−フコース剤と、
試料中の遊離型L−フコース検出用試薬をキットにする
ことにより、肝機能を簡便に検査することができる。本
発明で使用する負荷用遊離型L−フコース剤は、遊離型
L−フコース単独でも良く、前述のように製剤化してお
いてもよい。
試料中の遊離型L−フコース検出用試薬をキットにする
ことにより、肝機能を簡便に検査することができる。本
発明で使用する負荷用遊離型L−フコース剤は、遊離型
L−フコース単独でも良く、前述のように製剤化してお
いてもよい。
【0014】遊離型L−フコース検出用試薬は、例えば
酵素法で測定するための試薬、HPLCで測定するため
の試薬等をそろえておけばよい。試薬は溶液でもよい
し、凍結乾燥物でもよい。
酵素法で測定するための試薬、HPLCで測定するため
の試薬等をそろえておけばよい。試薬は溶液でもよい
し、凍結乾燥物でもよい。
【0015】
【実施例】以下に本発明を、実施例をもって説明する
が、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるもの
ではない。
が、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるもの
ではない。
【0016】実施例1 尿中遊離型L−フコース測定を次の様に行った。 負荷前に採尿し負荷前の試料とした。 遊離型L−フコース(ファンスティール研究所製)
100mgを780gの飲用水に溶解し、溶解液を飲用
した。 15分、30分、60分、120分、240分、3
60分、480分ごとに採尿し、負荷後の試料とした。 遊離型L−フコースの測定は自動分析装置(日立7
150型)を用いて下記の様に行った。
100mgを780gの飲用水に溶解し、溶解液を飲用
した。 15分、30分、60分、120分、240分、3
60分、480分ごとに採尿し、負荷後の試料とした。 遊離型L−フコースの測定は自動分析装置(日立7
150型)を用いて下記の様に行った。
【0017】尿10μlをA試薬〔100mM リン酸
カリ緩衝液(pH8.0)、0.1%ブリジ( Brij )
35界面活性剤、0.05% NaN3 〕300μlに
混合し、37℃に5分間保温し、次に340nmの吸光
度を測定する(吸光度:A1 )。次にこれにB試薬〔A
試薬1ml中に60単位のL−フコースデヒドロゲナー
ゼ(宝酒造社)、5μMのNAD+ を含有〕100μl
を添加し、更に37℃、5分間保温し、次に340nm
の吸光度を測定する(吸光度:A2 )。尿中L−フコー
スの存在による340nmの吸光度の増加(A3 )は下
記式(数1)により求められる。
カリ緩衝液(pH8.0)、0.1%ブリジ( Brij )
35界面活性剤、0.05% NaN3 〕300μlに
混合し、37℃に5分間保温し、次に340nmの吸光
度を測定する(吸光度:A1 )。次にこれにB試薬〔A
試薬1ml中に60単位のL−フコースデヒドロゲナー
ゼ(宝酒造社)、5μMのNAD+ を含有〕100μl
を添加し、更に37℃、5分間保温し、次に340nm
の吸光度を測定する(吸光度:A2 )。尿中L−フコー
スの存在による340nmの吸光度の増加(A3 )は下
記式(数1)により求められる。
【0018】
【数1】 A3 =A2 −(300+10)A1 /(10+300+100)
【0019】前記の反応系において尿の代りに、水及び
1mMのL−フコースを用い、340nmの吸光度を測
定し、L−フコースの検量線を測定し、その検量線と求
めたA3 より尿中L−フコース量を求める。
1mMのL−フコースを用い、340nmの吸光度を測
定し、L−フコースの検量線を測定し、その検量線と求
めたA3 より尿中L−フコース量を求める。
【0020】健常人4例、肝疾患者6例の遊離型L−フ
コース負荷前及び負荷後120分後の尿中遊離型L−フ
コース値を表1に示す。
コース負荷前及び負荷後120分後の尿中遊離型L−フ
コース値を表1に示す。
【0021】
【表1】 表 1 ─────────────────────────────────── 尿中遊離型L−フコース量(μmol/g・Cr) 試料由来 負荷前 120分試料 ─────────────────────────────────── 健常人 1 170 392 2 167 479 3 162 440 4 102 399 急性肝炎 221 1294 慢性肝炎1 257 1059 2 257 897 肝ガン 404 911 ウイルス性肝硬変 147 1118 アルコール性肝硬変 507 1478 ───────────────────────────────────
【0022】表1を健常人例、肝疾患例別にプロット
したのが図1であり、図1で明らかな様に尿中遊離型L
−フコース値が正常域に位置する肝疾患においても、経
口投与による遊離型L−フコース負荷試験を行うことに
よって、健常者の値と顕著に解離させることができる。
したのが図1であり、図1で明らかな様に尿中遊離型L
−フコース値が正常域に位置する肝疾患においても、経
口投与による遊離型L−フコース負荷試験を行うことに
よって、健常者の値と顕著に解離させることができる。
【0023】実施例2 肝機能検査用キットとして、表2に示すキットを作成し
た。A剤で経口負荷し、B〜E剤を用いて負荷前、負荷
後の試料中の遊離型L−フコース量を自動的に分析する
ことができる。
た。A剤で経口負荷し、B〜E剤を用いて負荷前、負荷
後の試料中の遊離型L−フコース量を自動的に分析する
ことができる。
【0024】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明により簡便かつ安全性に優れた肝
機能検査用キットが提供できる。特に、負荷用遊離型L
−フコース剤の経口負荷、尿試料中の遊離型L−フコー
スの定量の組合せにおいては、静注、採血の必要もな
く、集団検診等の大量処理時の非観血的検査として有用
である。
機能検査用キットが提供できる。特に、負荷用遊離型L
−フコース剤の経口負荷、尿試料中の遊離型L−フコー
スの定量の組合せにおいては、静注、採血の必要もな
く、集団検診等の大量処理時の非観血的検査として有用
である。
【図1】遊離型L−フコース負荷前後の尿中遊離型L−
フコース量を示す図である。
フコース量を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 郁之進 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 寳酒造 株式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 負荷用遊離型L−フコース剤と、該L−
フコース検出用試薬を含有することを特徴とする肝機能
検査用キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27047091A JP3226943B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 肝機能検査用キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27047091A JP3226943B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 肝機能検査用キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0580050A true JPH0580050A (ja) | 1993-03-30 |
JP3226943B2 JP3226943B2 (ja) | 2001-11-12 |
Family
ID=17486760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27047091A Expired - Fee Related JP3226943B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 肝機能検査用キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3226943B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP27047091A patent/JP3226943B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3226943B2 (ja) | 2001-11-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Fabre et al. | The kidney in maturity onset diabetes mellitus: a clinical study of 510 patients | |
Middelkoop et al. | Platelet-poor plasma serotonin in normal and preeclamptic pregnancy | |
Hamilton et al. | Intestinal permeability in coeliac disease: the response to gluten withdrawal and single-dose gluten challenge. | |
Polito et al. | Idiopathic hypercalciuria and hyperuricosuria: family prevalence of nephrolithiasis | |
Lim et al. | Intestinal permeability and function in patients infected with human immunodeficiency virus: a comparison with coeliac disease | |
Matusiewicz et al. | Plasma lactate dehydrogenase: a marker of disease activity in cryptogenic fibrosing alveolitis and extrinsic allergic alveolitis? | |
Ghoos et al. | A mixed-triglyceride breath test for intraluminal fat digestive activity | |
Dwenger et al. | Bronchoalveolar lavage fluid and plasma proteins, chemiluminescence response and protein contents of polymorphonuclear leukocytes from blood and lavage fluid in traumatized patients | |
Domschke et al. | Decrease in plasma amino acid level after secretin and pancreozymin as an indicator of exocrine pancreatic function | |
Alsteirgren et al. | Determination of temporomandibular joint fluid concentrations using vitamin B12 as an internal standard | |
US20080090268A1 (en) | Method for the diagnosis of Helicobacter pylori infection, and a diagnostic kit for performing the method | |
Tajima et al. | Diabetes mellitus in cattle infected with bovine viral diarrhea mucosal disease virus | |
Stenhamma et al. | Intestinal permeability to inert sugars and different-sized polyethyleneglycols in children with celiac disease | |
EP2016416B1 (de) | In vitro verfahren zur erkennung und früherkennung und zur begleitenden kontrolle der therapie von arznei- und suchtmittelinduzierten leberschäden | |
Doehring et al. | Proteinuria, hematuria, and leukocyturia in children with mixed urinary and intestinal schistosomiasis | |
Raghow et al. | High-performance liquid chromatographic assay of tolbutamide and carboxytolbutamide in human plasma | |
JP3226943B2 (ja) | 肝機能検査用キット | |
CN101038275A (zh) | 一种分离肝癌α1-抗胰蛋白酶异质体、转铁蛋白异质体的凝集素亲和层析离心柱方法 | |
Sommers et al. | Laboratory measures of alcohol (ethanol) consumption: strategies to assess drinking patterns with biochemical measures | |
Hampson et al. | Effects of paraquat on canine bronchoalveolar lavage fluid | |
Gallice et al. | 23Na nuclear magnetic resonance study of Na+-K+ pump inhibition by a fraction from uremic toxins. | |
Friedman | 21 Laboratory Assessment and Investigation of Renal Function | |
Fujimura et al. | Simultaneous quantitative estimation of galactose-1-phosphate and galactose in blood for the diagnosis of galactosemia | |
Ganji et al. | Identification of Urinary Reducing Substances by Thin Layer chromatography: An Observational study at a pediatric tertiary care hospital | |
Pollok et al. | Dilutional diarrhoea: under-diagnosed and over-investigated |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |