JPH0579500A - サイクロンポンプ - Google Patents
サイクロンポンプInfo
- Publication number
- JPH0579500A JPH0579500A JP26709791A JP26709791A JPH0579500A JP H0579500 A JPH0579500 A JP H0579500A JP 26709791 A JP26709791 A JP 26709791A JP 26709791 A JP26709791 A JP 26709791A JP H0579500 A JPH0579500 A JP H0579500A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylindrical container
- air
- fluid inlet
- pump
- primary fluid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cyclones (AREA)
- Jet Pumps And Other Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 流体の総圧よりも低圧の他の流体をも吸引で
き、吸引と混合の両機能を有するサイクロンポンプを提
供するとともに、その適用技術を提供するものである。 【構成】 円筒状容器に、この円筒状容器の周壁にほぼ
接線方向に開口する一次流体入口と、円筒状容器の周壁
にほぼ接線方向に開口する流体出口と、円筒容器のほぼ
中心軸上に開口する二次流体入口とを設け、前記一次流
体入口から一次流体を導入して前記円筒状容器内に渦を
生じさせることにより、前記円筒状容器内の中心軸部を
低圧とし、前記二次流体入口から二次流体を吸引するこ
とを特徴とするサイクロンポンプである。また、このサ
イクロンポンプを適用した内燃機関の省エネルギー装
置、空調装置及び冷却装置である。
き、吸引と混合の両機能を有するサイクロンポンプを提
供するとともに、その適用技術を提供するものである。 【構成】 円筒状容器に、この円筒状容器の周壁にほぼ
接線方向に開口する一次流体入口と、円筒状容器の周壁
にほぼ接線方向に開口する流体出口と、円筒容器のほぼ
中心軸上に開口する二次流体入口とを設け、前記一次流
体入口から一次流体を導入して前記円筒状容器内に渦を
生じさせることにより、前記円筒状容器内の中心軸部を
低圧とし、前記二次流体入口から二次流体を吸引するこ
とを特徴とするサイクロンポンプである。また、このサ
イクロンポンプを適用した内燃機関の省エネルギー装
置、空調装置及び冷却装置である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この出願の発明は、流体の流れ
が、他の流体の流れの速度によって引き起こされる圧力
降下によって誘起されるポンプの発明、及びこのポンプ
の適用技術の発明に関する。さらに詳細には、この出願
の発明は、サイクロンによって流体の渦を生じさせ、こ
の渦流(旋回流)によって引き起こされる中心部の低圧
部を利用して、他の流体を吸引するサイクロンポンプの
発明、及びこのサイクロンポンプを内燃機関、空調装置
及び冷却装置に適用する発明に関する。
が、他の流体の流れの速度によって引き起こされる圧力
降下によって誘起されるポンプの発明、及びこのポンプ
の適用技術の発明に関する。さらに詳細には、この出願
の発明は、サイクロンによって流体の渦を生じさせ、こ
の渦流(旋回流)によって引き起こされる中心部の低圧
部を利用して、他の流体を吸引するサイクロンポンプの
発明、及びこのサイクロンポンプを内燃機関、空調装置
及び冷却装置に適用する発明に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、流体の流れが他の流体の流れ
の速度によって引き起こされる圧力降下を利用して流体
を移送・吸引するポンプとして、ジェットポンプ、エジ
ェクターポンプなどが知られている。また、サイクロン
内の渦流を利用した技術としては、パーチクル・セパレ
ータ、流体ダイオード装置などがある(例えば実開昭58
-20400号等がある)。
の速度によって引き起こされる圧力降下を利用して流体
を移送・吸引するポンプとして、ジェットポンプ、エジ
ェクターポンプなどが知られている。また、サイクロン
内の渦流を利用した技術としては、パーチクル・セパレ
ータ、流体ダイオード装置などがある(例えば実開昭58
-20400号等がある)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
ジェットポンプにあっては、二次流体を吸引するための
一次流体の助走区間を長くしなければならないためスペ
ース上不利となる欠点がある等の理由により、活用分野
が限られており、流体の移送・吸引手段としては、機械
駆動のポンプが一般的に利用されているのが現状であ
る。
ジェットポンプにあっては、二次流体を吸引するための
一次流体の助走区間を長くしなければならないためスペ
ース上不利となる欠点がある等の理由により、活用分野
が限られており、流体の移送・吸引手段としては、機械
駆動のポンプが一般的に利用されているのが現状であ
る。
【0004】この出願の発明の目的は、上記課題等を解
決すべく、従来のポンプと基本原理を異にして、吸引と
混合の両機能を有するポンプを提供するとともに、その
適用技術を提供するものである。
決すべく、従来のポンプと基本原理を異にして、吸引と
混合の両機能を有するポンプを提供するとともに、その
適用技術を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため、この出願の発明は、サイクロンポンプとして、円
筒状容器2 に、該円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に
開口する一次流体入口3 と、前記円筒状容器2 の周壁に
ほぼ接線方向に開口する流体出口4 と、前記円筒容器2
のほぼ中心軸状に開口する二次流体入口5 とを設け、前
記一次流体入口3 から一次流体を導入して、前記円筒状
容器2 内に渦を生じさせることにより前記円筒状容器2
内の中心軸部を低圧とし、前記二次流体入口5から二次
流体を吸引するものである。
ため、この出願の発明は、サイクロンポンプとして、円
筒状容器2 に、該円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に
開口する一次流体入口3 と、前記円筒状容器2 の周壁に
ほぼ接線方向に開口する流体出口4 と、前記円筒容器2
のほぼ中心軸状に開口する二次流体入口5 とを設け、前
記一次流体入口3 から一次流体を導入して、前記円筒状
容器2 内に渦を生じさせることにより前記円筒状容器2
内の中心軸部を低圧とし、前記二次流体入口5から二次
流体を吸引するものである。
【0006】また、内燃機関の省エネルギー装置とし
て、内燃機関11、21、31と、円筒状容器2 に、前記円筒状
容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3
と、前記円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する
流体出口4 と、前記円筒容器2のほぼ中心軸状に開口す
る二次流体入口5 とを設け、前記一次流体入口3 から流
体を導入して前記円筒状容器2 内に渦を生じさせること
により前記円筒状容器2内の中心軸部を低圧とし、前記
二次流体入口5 から上記内燃機関11、21、31の排気ガスを
二次流体として吸引するサイクロンポンプとにより構成
したものである。
て、内燃機関11、21、31と、円筒状容器2 に、前記円筒状
容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3
と、前記円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する
流体出口4 と、前記円筒容器2のほぼ中心軸状に開口す
る二次流体入口5 とを設け、前記一次流体入口3 から流
体を導入して前記円筒状容器2 内に渦を生じさせること
により前記円筒状容器2内の中心軸部を低圧とし、前記
二次流体入口5 から上記内燃機関11、21、31の排気ガスを
二次流体として吸引するサイクロンポンプとにより構成
したものである。
【0007】さらに、空調装置として、空気源41と、空
調対象匡体43と、円筒状容器2 に、該円筒状容器2 の周
壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3 と、前記円
筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口4
と、前記円筒容器のほぼ中心軸上に開口する二次流体入
口5 とを設け、前記一次流体入口3 から上記空気源41か
らの空気を導入して前記円筒状容器2 内に渦を生じさせ
ることにより、前記円筒状容器2 内の中心軸部を低圧と
し、前記二次流体入口3 から上記空調対象匡体43からの
循環空気を二次流体として吸引し、前記流体出口4 から
上記空調対象匡体43に供給することを特徴とするサイク
ロンポンプ1 とにより構成したものである。
調対象匡体43と、円筒状容器2 に、該円筒状容器2 の周
壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3 と、前記円
筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口4
と、前記円筒容器のほぼ中心軸上に開口する二次流体入
口5 とを設け、前記一次流体入口3 から上記空気源41か
らの空気を導入して前記円筒状容器2 内に渦を生じさせ
ることにより、前記円筒状容器2 内の中心軸部を低圧と
し、前記二次流体入口3 から上記空調対象匡体43からの
循環空気を二次流体として吸引し、前記流体出口4 から
上記空調対象匡体43に供給することを特徴とするサイク
ロンポンプ1 とにより構成したものである。
【0008】冷却装置として、空気移送手段51と、冷却
対象匡体52、53 と、円筒状容器2 に、該円筒状容器2 の
周壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3 と、前記
円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口
4 と、前記円筒容器4 のほぼ中心軸上に開口する二次流
体入口5 とを設け、前記一次流体入口3 から上記空気移
送手段51により空気を導入して前記円筒状容器2 内に渦
を生じさせることにより、前記円筒状容器2 内の中心軸
部を低圧とし、前記二次流体入口5 から空気を吸引して
上記冷却対象匡体52、53 に供給することを特徴とするサ
イクロンポンプとにより構成したものである。
対象匡体52、53 と、円筒状容器2 に、該円筒状容器2 の
周壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口3 と、前記
円筒状容器2 の周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口
4 と、前記円筒容器4 のほぼ中心軸上に開口する二次流
体入口5 とを設け、前記一次流体入口3 から上記空気移
送手段51により空気を導入して前記円筒状容器2 内に渦
を生じさせることにより、前記円筒状容器2 内の中心軸
部を低圧とし、前記二次流体入口5 から空気を吸引して
上記冷却対象匡体52、53 に供給することを特徴とするサ
イクロンポンプとにより構成したものである。
【0009】
【効果】この出願の発明は以上の様に構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。まず、円筒状容器中
心部を低圧とすることにより、たとえ一次流体の総圧が
二次流体の圧力より高くとも、中心部の一次流体圧力が
二次流体圧力よりも低いことを利用して、この二次流体
を吸引できる効果が奏される。すなわち、総圧の高い流
体であっても該流体の運動エネルギを利用することによ
り、該流体の総圧よりも低い圧の流体をも吸引できる効
果を奏し、種々の適用例において有効性を発揮して省エ
ネルギ効果を発揮する。また、一次流体により二次流体
を吸引することにより、同一流体または異種流体を混合
できる効果も奏される。しかも、ジェットポンプが二次
流体が完全に混合するまでにかなりの長さの混合領域を
必要とするのに対して、この発明のサイクロンポンプで
は円筒容器内部でほぼ完全な混合を行うことが可能とな
る。
で、以下に記載する効果を奏する。まず、円筒状容器中
心部を低圧とすることにより、たとえ一次流体の総圧が
二次流体の圧力より高くとも、中心部の一次流体圧力が
二次流体圧力よりも低いことを利用して、この二次流体
を吸引できる効果が奏される。すなわち、総圧の高い流
体であっても該流体の運動エネルギを利用することによ
り、該流体の総圧よりも低い圧の流体をも吸引できる効
果を奏し、種々の適用例において有効性を発揮して省エ
ネルギ効果を発揮する。また、一次流体により二次流体
を吸引することにより、同一流体または異種流体を混合
できる効果も奏される。しかも、ジェットポンプが二次
流体が完全に混合するまでにかなりの長さの混合領域を
必要とするのに対して、この発明のサイクロンポンプで
は円筒容器内部でほぼ完全な混合を行うことが可能とな
る。
【0010】内燃機関の排気をサイクロンポンプの二次
流体として吸引することにより、この内燃機関の背圧が
大気圧より低下して、燃焼効率が向上し、内燃機関の省
エネルギ効果が奏される。空調対象匡体からの循環空気
をサイクロンポンプによって吸引することにより、別途
循環手段を設けなくともこの空気を循環できるととも
に、空気源からの空気とこの循環空気とを良好に混合で
きる効果が奏される。さらに、冷却対象匡体からの空気
をサイクロンポンプにより吸引することにより、所定動
力でより多くの流量を確保し得るものであり、かつ、最
も効率の良い領域での作動点を選択可能となり効果的な
冷却が達成できる。
流体として吸引することにより、この内燃機関の背圧が
大気圧より低下して、燃焼効率が向上し、内燃機関の省
エネルギ効果が奏される。空調対象匡体からの循環空気
をサイクロンポンプによって吸引することにより、別途
循環手段を設けなくともこの空気を循環できるととも
に、空気源からの空気とこの循環空気とを良好に混合で
きる効果が奏される。さらに、冷却対象匡体からの空気
をサイクロンポンプにより吸引することにより、所定動
力でより多くの流量を確保し得るものであり、かつ、最
も効率の良い領域での作動点を選択可能となり効果的な
冷却が達成できる。
【0011】
【実施例】以下に、この出願の発明の実施例・適用実施
例を図1から図33に基づいて説明する。 [実施例1]図1及び図2は、基本的実施例のサイクロ
ンポンプの外形図である。略円筒状のポンプ容器2 の周
壁に、その円筒接線方向に一次流体入口3 、流体出口4
とを設け、円筒中心軸上近傍に二次流体入口5 を設けて
いる。一次流体入口3 から導入された一次流体は、ポン
プ容器2 内で渦を生じて、このうず流により中心部付近
に低圧部を生じさせ、二次流体を吸引する。一次流体と
二次流体はポンプ容器2 内で混合して、流体出口4 から
排出される。一次流体入口3 、流体出口4 及び二次流体
入口5 は必要に応じて複数設けてもよい。また二次流体
入口5 には、逆止弁6 を設けて、一次流体の流量が減少
した場合に、中心部圧が上昇して二次流体の逆流が生ず
ることを防止することが望ましい。二次流体入口5 はポ
ンプ容器2 内の最も低圧な部分に設けることが望まし
い。一次流体の流れによって生じる渦は、ポンプ容器2
の全領域に存在するので、二次流体入口5 はポンプ容器
2 の両端面のいずれかに配しても、あるいは両端面に配
してもよいが、両端面に配する場合には、二次流体の導
入によってもなお他端面において、渦の強さ(中心部圧
力)が有効に活用し得る場合に限られる。また同様の概
念によって、図3に示す様に、二次流体入口5 をポンプ
容器2 に対し円筒の中心軸近傍に添って内部まで挿入し
配置してもよい。
例を図1から図33に基づいて説明する。 [実施例1]図1及び図2は、基本的実施例のサイクロ
ンポンプの外形図である。略円筒状のポンプ容器2 の周
壁に、その円筒接線方向に一次流体入口3 、流体出口4
とを設け、円筒中心軸上近傍に二次流体入口5 を設けて
いる。一次流体入口3 から導入された一次流体は、ポン
プ容器2 内で渦を生じて、このうず流により中心部付近
に低圧部を生じさせ、二次流体を吸引する。一次流体と
二次流体はポンプ容器2 内で混合して、流体出口4 から
排出される。一次流体入口3 、流体出口4 及び二次流体
入口5 は必要に応じて複数設けてもよい。また二次流体
入口5 には、逆止弁6 を設けて、一次流体の流量が減少
した場合に、中心部圧が上昇して二次流体の逆流が生ず
ることを防止することが望ましい。二次流体入口5 はポ
ンプ容器2 内の最も低圧な部分に設けることが望まし
い。一次流体の流れによって生じる渦は、ポンプ容器2
の全領域に存在するので、二次流体入口5 はポンプ容器
2 の両端面のいずれかに配しても、あるいは両端面に配
してもよいが、両端面に配する場合には、二次流体の導
入によってもなお他端面において、渦の強さ(中心部圧
力)が有効に活用し得る場合に限られる。また同様の概
念によって、図3に示す様に、二次流体入口5 をポンプ
容器2 に対し円筒の中心軸近傍に添って内部まで挿入し
配置してもよい。
【0012】[実施例2]図4乃至図6は、他の実施例
のポンプ形状を示す図である。一次流体の角運動量を増
加すべく、すなわちポンプ容器2 円筒の中心軸に対する
モーメントアームを大とすべく、ポンプ容器2 の円筒の
上部に渦巻室7 を設けている。また、渦の均一化を図る
ため複数の一次流体入口3 、二次流体入口管5 を均等に
配置している。その際、ポンプ容器2 内の一次流体の流
量を増加させるため、流体出口4 の総面積は一次流体入
口3 の総面積よりも大とすることが望ましい。この渦巻
室7は、図7に示す如く上部7a及び下部7bに設けても良
く、また、上部7aのみに設けても良い。この入口部の渦
巻室7 は、渦室の半径を大とすることにより、流入角運
動量を増加させて渦の増強を図るものである。
のポンプ形状を示す図である。一次流体の角運動量を増
加すべく、すなわちポンプ容器2 円筒の中心軸に対する
モーメントアームを大とすべく、ポンプ容器2 の円筒の
上部に渦巻室7 を設けている。また、渦の均一化を図る
ため複数の一次流体入口3 、二次流体入口管5 を均等に
配置している。その際、ポンプ容器2 内の一次流体の流
量を増加させるため、流体出口4 の総面積は一次流体入
口3 の総面積よりも大とすることが望ましい。この渦巻
室7は、図7に示す如く上部7a及び下部7bに設けても良
く、また、上部7aのみに設けても良い。この入口部の渦
巻室7 は、渦室の半径を大とすることにより、流入角運
動量を増加させて渦の増強を図るものである。
【0013】[実施例3]さらに他のポンプ形状の態様
としては、図8に示すように、ポンプ容器2 の中央部8
の径を絞って鼓状としたものがある。この鼓状の最小径
部9 でより低い圧を実現するものであって、最小径部8
の中心軸領域に二次流体入口5 を設けるものである。最
小径部9 の半径は圧損との兼ね合いにより決定される。
としては、図8に示すように、ポンプ容器2 の中央部8
の径を絞って鼓状としたものがある。この鼓状の最小径
部9 でより低い圧を実現するものであって、最小径部8
の中心軸領域に二次流体入口5 を設けるものである。最
小径部9 の半径は圧損との兼ね合いにより決定される。
【0014】[実施例4]図9は、流体出口4 を円筒軸
方向に取り付けたものであって、取り付けスペースの関
係等からこの流体出口4 を接線方向に取りつけ得ない場
合等に適用できるものである。かかる場合にあっては、
図9のAA断面を表す図10に示すように、ポンプ容器
底部に整流板10を設けることが望ましい。なお、以上の
実施例においては、一次流体入口管断面形状として、円
形、角形等を選択できるが、一次流体流入角運動量をよ
り多く得る手段としては矩形、台形状等の方が望まし
い。
方向に取り付けたものであって、取り付けスペースの関
係等からこの流体出口4 を接線方向に取りつけ得ない場
合等に適用できるものである。かかる場合にあっては、
図9のAA断面を表す図10に示すように、ポンプ容器
底部に整流板10を設けることが望ましい。なお、以上の
実施例においては、一次流体入口管断面形状として、円
形、角形等を選択できるが、一次流体流入角運動量をよ
り多く得る手段としては矩形、台形状等の方が望まし
い。
【0015】この出願の発明のサイクロンポンプを用い
た性能試験を行ったところ、以下の結果が得られ、サイ
クロンポンプの有効性が確認された。図8の形状のポン
プ(D2 /D1 =0.5)を用い、絶対圧3気圧の空気
を一次流体として、二次流体のない条件でのサイクロン
ポンプの中心圧は絶対圧約0.6気圧(0.4気圧の負
圧)となった。一次流体流量(W1 )と二次流体流量
(W2 )の比(W2 /W1)が小さい程、当然より大き
な負圧が維持できることとなるが、流量比0.8程度ま
で二次流体(空気)が増加してもなお0.1気圧程度の
負圧を維持できた。この性能値(負圧)は、上述の各実
施例のポンプ容器形状によって異なるが、図8の例では
より小さいD2 /D1 値を選択することによりさらに高
い値が期待できる。また、D2 /D1 =1においても、
流量比W2/W1 =1に近い値が得られる。
た性能試験を行ったところ、以下の結果が得られ、サイ
クロンポンプの有効性が確認された。図8の形状のポン
プ(D2 /D1 =0.5)を用い、絶対圧3気圧の空気
を一次流体として、二次流体のない条件でのサイクロン
ポンプの中心圧は絶対圧約0.6気圧(0.4気圧の負
圧)となった。一次流体流量(W1 )と二次流体流量
(W2 )の比(W2 /W1)が小さい程、当然より大き
な負圧が維持できることとなるが、流量比0.8程度ま
で二次流体(空気)が増加してもなお0.1気圧程度の
負圧を維持できた。この性能値(負圧)は、上述の各実
施例のポンプ容器形状によって異なるが、図8の例では
より小さいD2 /D1 値を選択することによりさらに高
い値が期待できる。また、D2 /D1 =1においても、
流量比W2/W1 =1に近い値が得られる。
【0016】[適用例]次に上記に記載のサイクロンポ
ンプの適用実施例を以下に示す。 [適用例1](航空機用レシプロエンジンヘの適用例) 図11に航空機用レシプロエンジンにこの出願の発明の
サイクロンポンプを適用した場合の配置図を、図12に
図11のAA部の詳細系統図を示す。本適用例は、ピス
トン12、排気バルブ13、排気管14を備えるピストンエン
ジンと、該ピストンエンジンの排気管14に接続された出
力回収用タービン15と、前記出力回収タービン15に接続
されたサイクロンポンプ1 からなり、航空機ナセル16先
端部から取り入れた空気を前記サイクロンポンプ1 の一
次流体入口3 に導入して、前記出力回収タービン15の排
気ガスを前記サイクロンポンプ1 の二次流体入口5 から
吸引し、前記サイクロンポンプ1 の流体出口4 から排気
する航空機用レシプロエンジンの背圧減少装置(排気ガ
スのエネルギ回収装置)である。サイクロンポンプの流
体出口4 は主翼前縁上面部17の負圧分布の深い領域に配
することが望ましい。また、機関背圧減少の効果が著し
い場合は、出力回収タービンを多段軸流反動タービンと
することが好ましい。
ンプの適用実施例を以下に示す。 [適用例1](航空機用レシプロエンジンヘの適用例) 図11に航空機用レシプロエンジンにこの出願の発明の
サイクロンポンプを適用した場合の配置図を、図12に
図11のAA部の詳細系統図を示す。本適用例は、ピス
トン12、排気バルブ13、排気管14を備えるピストンエン
ジンと、該ピストンエンジンの排気管14に接続された出
力回収用タービン15と、前記出力回収タービン15に接続
されたサイクロンポンプ1 からなり、航空機ナセル16先
端部から取り入れた空気を前記サイクロンポンプ1 の一
次流体入口3 に導入して、前記出力回収タービン15の排
気ガスを前記サイクロンポンプ1 の二次流体入口5 から
吸引し、前記サイクロンポンプ1 の流体出口4 から排気
する航空機用レシプロエンジンの背圧減少装置(排気ガ
スのエネルギ回収装置)である。サイクロンポンプの流
体出口4 は主翼前縁上面部17の負圧分布の深い領域に配
することが望ましい。また、機関背圧減少の効果が著し
い場合は、出力回収タービンを多段軸流反動タービンと
することが好ましい。
【0017】従来、レシプロエンジンは、気筒温度を一
定温度以下に保持することがデトネーション防止上必要
であり、このため気筒冷却用の空気が多量に用いられ
る。この冷却空気は、通常ナセルのカウル・フラップか
ら大気へ放出していた。しかしながら、従来この放出空
気は冷却以外に有効に利用されることなく大気へ放出し
ていた。本適用例ではこの冷却空気を一次流体として利
用して、レシプロエンジンの排気ガスを排気管14からサ
イクロンポンプ1 により吸引して、エンジンの背圧を低
下せしめるものである。
定温度以下に保持することがデトネーション防止上必要
であり、このため気筒冷却用の空気が多量に用いられ
る。この冷却空気は、通常ナセルのカウル・フラップか
ら大気へ放出していた。しかしながら、従来この放出空
気は冷却以外に有効に利用されることなく大気へ放出し
ていた。本適用例ではこの冷却空気を一次流体として利
用して、レシプロエンジンの排気ガスを排気管14からサ
イクロンポンプ1 により吸引して、エンジンの背圧を低
下せしめるものである。
【0018】上記の構成とすることにより、従来利用さ
れずに排出されていた気筒冷却用空気を有効利用して、
エンジンの燃焼効率を向上して省エネルギ効果を奏する
ものである。すなわち、航空機に搭載したサイクロンポ
ンプ1 の一次流体に空気を導入することは、一般に空気
抵抗は増大することとなるが、前述のように気筒冷却用
空気を一次流体として利用することにより、航空機全体
の空気抵抗は従来とかわることなく、機関背圧減少によ
る出力増加をそのまま生かすものである。特に、レシプ
ロエンジンの場合は、二次流体となるエンジン排気流量
は少ないため、好都合となる。また、サイクロンポンプ
での空気希釈によりエンジンの排気温度の低温化が図ら
れる。特に戦闘機用に供される航空機等にあっては、エ
ンジン排気がミサイルの赤外線探知機によって追尾され
るが、この排気温度の低温化によって、ステルス性が向
上する効果が奏される。
れずに排出されていた気筒冷却用空気を有効利用して、
エンジンの燃焼効率を向上して省エネルギ効果を奏する
ものである。すなわち、航空機に搭載したサイクロンポ
ンプ1 の一次流体に空気を導入することは、一般に空気
抵抗は増大することとなるが、前述のように気筒冷却用
空気を一次流体として利用することにより、航空機全体
の空気抵抗は従来とかわることなく、機関背圧減少によ
る出力増加をそのまま生かすものである。特に、レシプ
ロエンジンの場合は、二次流体となるエンジン排気流量
は少ないため、好都合となる。また、サイクロンポンプ
での空気希釈によりエンジンの排気温度の低温化が図ら
れる。特に戦闘機用に供される航空機等にあっては、エ
ンジン排気がミサイルの赤外線探知機によって追尾され
るが、この排気温度の低温化によって、ステルス性が向
上する効果が奏される。
【0019】背圧を低下することによる省エネルギ効果
を図13、図14に基づき説明する。図13は背圧が大
気圧の場合(P=P1 )、図14は背圧が負圧の場合
(P=P2 )のピストンエンジンの指圧線特性概念図で
ある。背圧が、負圧の場合には、図14に示す様に、指
圧線図の行程が過給機関のそれと同様となる。すなわ
ち、ポンプサイクルとしては、背圧が大気圧の場合には
負の仕事(図13のB部)であったものが、背圧が負圧
の場合には、正の仕事(図14のB部)に逆転すること
により、内燃機関の効率向上が図られる。
を図13、図14に基づき説明する。図13は背圧が大
気圧の場合(P=P1 )、図14は背圧が負圧の場合
(P=P2 )のピストンエンジンの指圧線特性概念図で
ある。背圧が、負圧の場合には、図14に示す様に、指
圧線図の行程が過給機関のそれと同様となる。すなわ
ち、ポンプサイクルとしては、背圧が大気圧の場合には
負の仕事(図13のB部)であったものが、背圧が負圧
の場合には、正の仕事(図14のB部)に逆転すること
により、内燃機関の効率向上が図られる。
【0020】また、図15に示すように、上記一次流体
空気として上記冷却空気を使用する代わりに、専用のフ
ァン18、圧縮機等のガス移送手段を別途設けてサイクロ
ンポンプ の一次流体を導入してもよい。この場合に
は、当然ファン、圧縮機の動力が必要となるが、上述の
背圧減少効果が大きい場合には、かかる方法でも有効と
なり得る。また本サイクロンポンプは、航空機以外のピ
ストンエンジンを有する高速の走行体(自動車、鉄道車
両)にも同様に適用可能である。さらには、この様に専
用のファン、圧縮機等を設ければ、静止状態で設置され
たガスタービンを含む内燃機関であっても、機関出力の
増加が図られる効果がある。
空気として上記冷却空気を使用する代わりに、専用のフ
ァン18、圧縮機等のガス移送手段を別途設けてサイクロ
ンポンプ の一次流体を導入してもよい。この場合に
は、当然ファン、圧縮機の動力が必要となるが、上述の
背圧減少効果が大きい場合には、かかる方法でも有効と
なり得る。また本サイクロンポンプは、航空機以外のピ
ストンエンジンを有する高速の走行体(自動車、鉄道車
両)にも同様に適用可能である。さらには、この様に専
用のファン、圧縮機等を設ければ、静止状態で設置され
たガスタービンを含む内燃機関であっても、機関出力の
増加が図られる効果がある。
【0021】[適用例2](APUガスタービンエンジ
ンへの適用例) ガスタービンに対する適用例を、図16から図18に示
す航空機の飛行時に利用する補助動力装置(APU)の
ガスタービンエンジンを例にとって説明する。APUは
航空機のメインエンジンに比較して極めて小型のため、
エンジン空気流量が少ないため、本技術の適用に好都合
となる。図16から図18に、サイクロンポンプをAP
Uのガスタービンエンジンに適用する場合の配置図を示
す。APUの搭載される場所は、機体によって様々であ
るが、本適用例では機体22の胴体下面23に搭載される例
を示すが、位置的には後述するように、機首に近い位置
が境界層の厚さが薄く、飛行速度の動圧を活用しうるの
で好ましい。本適用例は、前述の適用例1の様に、AP
Uガスタービンエンジン21と、前記ガスタービンエンジ
ン21の排気管24をポンプ容器2 の中心軸上に挿入するサ
イクロンポンプからなり、飛行中の動圧を利用して外気
を胴体下面23からサイクロンポンプの一次流体入口3 に
導入し、前記ガスタービンエンジン21の排気ガスを二次
流体入口を兼ねるガスタービンエンジンの排気管24から
吸引し、一次流体空気によりガスタービンエンジン21の
背圧を低下させて、旋回流に沿う整流板25を設けたサイ
クロンポンプの流体出口4 から排気するガスタービンエ
ンジンの背圧減少装置である。サイクロンポンプ流体出
口4 端は、例えば適度に胴体コンターにより盛り上がっ
た排気管フェアリング26によって負圧にすることがで
き、この差圧によって、一次流体を流し、ガスタービン
エンジンの排気管24の端部をより深い負圧にすることが
できる。
ンへの適用例) ガスタービンに対する適用例を、図16から図18に示
す航空機の飛行時に利用する補助動力装置(APU)の
ガスタービンエンジンを例にとって説明する。APUは
航空機のメインエンジンに比較して極めて小型のため、
エンジン空気流量が少ないため、本技術の適用に好都合
となる。図16から図18に、サイクロンポンプをAP
Uのガスタービンエンジンに適用する場合の配置図を示
す。APUの搭載される場所は、機体によって様々であ
るが、本適用例では機体22の胴体下面23に搭載される例
を示すが、位置的には後述するように、機首に近い位置
が境界層の厚さが薄く、飛行速度の動圧を活用しうるの
で好ましい。本適用例は、前述の適用例1の様に、AP
Uガスタービンエンジン21と、前記ガスタービンエンジ
ン21の排気管24をポンプ容器2 の中心軸上に挿入するサ
イクロンポンプからなり、飛行中の動圧を利用して外気
を胴体下面23からサイクロンポンプの一次流体入口3 に
導入し、前記ガスタービンエンジン21の排気ガスを二次
流体入口を兼ねるガスタービンエンジンの排気管24から
吸引し、一次流体空気によりガスタービンエンジン21の
背圧を低下させて、旋回流に沿う整流板25を設けたサイ
クロンポンプの流体出口4 から排気するガスタービンエ
ンジンの背圧減少装置である。サイクロンポンプ流体出
口4 端は、例えば適度に胴体コンターにより盛り上がっ
た排気管フェアリング26によって負圧にすることがで
き、この差圧によって、一次流体を流し、ガスタービン
エンジンの排気管24の端部をより深い負圧にすることが
できる。
【0022】本適用例にあっては、サイクロンポンプの
一次流体入口3 に動圧、流体出口4に負圧をかけること
によって流体を流しているため、飛行時においてのみサ
イクロンポンプ1 が働き、適用例1の様に、ガスタービ
ンエンジンの背圧を減少する様に働く。地上において
は、ガスタービンエンジン排気管24からの排気はそのま
ま排気管24により同軸線上に排気され、サイクロンポン
プ1 は働かない様に構成されている。
一次流体入口3 に動圧、流体出口4に負圧をかけること
によって流体を流しているため、飛行時においてのみサ
イクロンポンプ1 が働き、適用例1の様に、ガスタービ
ンエンジンの背圧を減少する様に働く。地上において
は、ガスタービンエンジン排気管24からの排気はそのま
ま排気管24により同軸線上に排気され、サイクロンポン
プ1 は働かない様に構成されている。
【0023】本適用例は以上の様に構成されているの
で、まず、適用例1と同様に、APUガスタービンエン
ジンの燃焼効率を向上して省エネルギ効果を奏する。そ
の際、特にAPU補助動力を多量に必要とする飛行時の
みにサイクロンポンプ1 が働くが、このサイクロンプの
排出部構造は地上時及び、飛行時両者に適合する効果を
保有する。即ち地上使用時においては、APU排気管24
をサイクロンポンプの中心軸上に挿入し配置することに
より、排気管24からの排気ガスのエグゼクタ効果により
一次流体入口3 の空気を吸引することとなり、この一次
流体入口3 に加熱されたAPU排気ガスが逆流すること
もない効果が奏される。また、飛行時においては排気に
よる抵抗を軽減する目的のため、流体出口4 に整流板25
を設けることにより、流体出口4 端末に至った流れを、
この整流板25に添って旋回流を形成したまま流出させ、
ダクトがある場合と同様な流れとして容易に流体出口4
から排気することができ、サイクロンポンプ内の流れを
容易にする効果を奏する。本整流板の設置により、排気
の抵抗は、従来技術の後方へ排出する排気管の場合と同
程度のものとすることができる。
で、まず、適用例1と同様に、APUガスタービンエン
ジンの燃焼効率を向上して省エネルギ効果を奏する。そ
の際、特にAPU補助動力を多量に必要とする飛行時の
みにサイクロンポンプ1 が働くが、このサイクロンプの
排出部構造は地上時及び、飛行時両者に適合する効果を
保有する。即ち地上使用時においては、APU排気管24
をサイクロンポンプの中心軸上に挿入し配置することに
より、排気管24からの排気ガスのエグゼクタ効果により
一次流体入口3 の空気を吸引することとなり、この一次
流体入口3 に加熱されたAPU排気ガスが逆流すること
もない効果が奏される。また、飛行時においては排気に
よる抵抗を軽減する目的のため、流体出口4 に整流板25
を設けることにより、流体出口4 端末に至った流れを、
この整流板25に添って旋回流を形成したまま流出させ、
ダクトがある場合と同様な流れとして容易に流体出口4
から排気することができ、サイクロンポンプ内の流れを
容易にする効果を奏する。本整流板の設置により、排気
の抵抗は、従来技術の後方へ排出する排気管の場合と同
程度のものとすることができる。
【0024】[適用例3](ターボプロップ・エンジン
への適用例) 図19乃至図21にサイクロンポンプをターボプロップ
・エンジンの背圧減少装置に適用する場合の配置図を示
す。本適用例は、ナセル32に設けられたガスタービンエ
ンジン31と、該ガスタービンエンジン31の排気管33に接
続したサイクロンポンプ1 とからなり、動圧のかかる空
気取入口34から取り入れた空気をサイクロンポンプ1 の
一次流体入口3 に導入し、前記ガスタービンエンジン31
の排気口33から排気ガスを二次流体として吸引し、流体
出口4 から、図示する様に主翼38上面(あるいは主翼下
面)に排出するターボプロップ・エンジンの背圧減少装
置である。なお、サイクロンポンプの詳細構造は図22
(正面図)、図23(側面図)に示す通りである。
への適用例) 図19乃至図21にサイクロンポンプをターボプロップ
・エンジンの背圧減少装置に適用する場合の配置図を示
す。本適用例は、ナセル32に設けられたガスタービンエ
ンジン31と、該ガスタービンエンジン31の排気管33に接
続したサイクロンポンプ1 とからなり、動圧のかかる空
気取入口34から取り入れた空気をサイクロンポンプ1 の
一次流体入口3 に導入し、前記ガスタービンエンジン31
の排気口33から排気ガスを二次流体として吸引し、流体
出口4 から、図示する様に主翼38上面(あるいは主翼下
面)に排出するターボプロップ・エンジンの背圧減少装
置である。なお、サイクロンポンプの詳細構造は図22
(正面図)、図23(側面図)に示す通りである。
【0025】前述の通り、ガスタービンエンジンの排気
空気流量は大であるので、サイクロンポンプ1 の中心部
圧を低下させるためには多量の一次流体空気を必要とす
る。このため、大きな一次流体専用の空気取入口を必要
とし、したがって空気抵抗が増加する欠点が一般には生
ずる。しかしながら、前述の適用例に示した通り、ター
ボプロップ・エンジンにあっても、背圧減少装置にサイ
クロンポンプを用いれば、エンジンの出力向上の効果が
期待できる他、後述の様に排気温度の低減によるステル
ス性が向上し、かつ空中始動機能が向上する利点が生ず
るという効果も生ずるため、総合的な性能評価が必要と
なる。
空気流量は大であるので、サイクロンポンプ1 の中心部
圧を低下させるためには多量の一次流体空気を必要とす
る。このため、大きな一次流体専用の空気取入口を必要
とし、したがって空気抵抗が増加する欠点が一般には生
ずる。しかしながら、前述の適用例に示した通り、ター
ボプロップ・エンジンにあっても、背圧減少装置にサイ
クロンポンプを用いれば、エンジンの出力向上の効果が
期待できる他、後述の様に排気温度の低減によるステル
ス性が向上し、かつ空中始動機能が向上する利点が生ず
るという効果も生ずるため、総合的な性能評価が必要と
なる。
【0026】本適用例にあっては、上記の構成とするこ
とにより、以下の効果が生ずる。まず、サイクロンポン
プによって、ガスタービンの背圧が減少することにより
タービンの膨張比が増加し、これに基づきタービンの仕
事は増加する。したがって、タービン出口排気ガス温度
はタービン仕事の増分に応じて低下する。更に、サイク
ロンポンプの一次流体と混合してガスタービン排気ガス
流の温度は著しく低下する。そのうえ、この排気ガスを
主翼の上面の比較的幅広い範囲で機外に排出する場合に
は、ここでもただちに拡散し、ミサイルなどの赤外線探
知機によっても捕捉し得ない状態になり、ステルス性向
上に最適となる。また、主翼上面で後方に排気流を排出
することは、周知のBLC(Boundary Lay
er Control)の一種となり、主翼の失速マー
ジンは若干向上する効果が期待できる。
とにより、以下の効果が生ずる。まず、サイクロンポン
プによって、ガスタービンの背圧が減少することにより
タービンの膨張比が増加し、これに基づきタービンの仕
事は増加する。したがって、タービン出口排気ガス温度
はタービン仕事の増分に応じて低下する。更に、サイク
ロンポンプの一次流体と混合してガスタービン排気ガス
流の温度は著しく低下する。そのうえ、この排気ガスを
主翼の上面の比較的幅広い範囲で機外に排出する場合に
は、ここでもただちに拡散し、ミサイルなどの赤外線探
知機によっても捕捉し得ない状態になり、ステルス性向
上に最適となる。また、主翼上面で後方に排気流を排出
することは、周知のBLC(Boundary Lay
er Control)の一種となり、主翼の失速マー
ジンは若干向上する効果が期待できる。
【0027】また、ガスタービンエンジンの空中再始動
は、スタータによる場合とウィンドミルによる場合の2
つの手法が従来技術としてあるが、本適用例は、これを
ウィンドミルのみで、支障なく可能とする効果を奏する
ものである。これにより、現行のスタータ及び多くの関
連部品の搭載を不要とし、始動系統の重量軽減、運行コ
スト(補用部品調達、メインテナンス不要のため)の低
減、系の簡素化による信頼性、安全性の向上に寄与する
ものである。航空機用ガスタービンエンジンは空中再始
動において、着火とその後のアイドル回転への円滑な加
速のための最小回転数が存在し、運用上はこの回転数以
上において始動操作が行われる。最小回転数に達してい
ない時は、スタータの作動を行い始動するかまたは機速
を増加させエンジンのウィンドミル回転数を上げ、始動
最小回転数に達した後、始動操作に入る。しかしなが
ら、これらの操作は、最小回転数のみならず高度、温度
などの制約もあり、当業者において公知のスターティン
グ・エンベロープに示されるもので、低速域においては
ほとんどのエンジンがウィンドミル回転数不足のため、
スタータによる加速が必要となる。本適用例はガスター
ビンエンジンの排気口にサイクロンポンプを配すること
によって、機速を増大したと同様にガスタービン前後の
差圧を大とし、エンジンのウィンドミル回転数を増加さ
せるものである。
は、スタータによる場合とウィンドミルによる場合の2
つの手法が従来技術としてあるが、本適用例は、これを
ウィンドミルのみで、支障なく可能とする効果を奏する
ものである。これにより、現行のスタータ及び多くの関
連部品の搭載を不要とし、始動系統の重量軽減、運行コ
スト(補用部品調達、メインテナンス不要のため)の低
減、系の簡素化による信頼性、安全性の向上に寄与する
ものである。航空機用ガスタービンエンジンは空中再始
動において、着火とその後のアイドル回転への円滑な加
速のための最小回転数が存在し、運用上はこの回転数以
上において始動操作が行われる。最小回転数に達してい
ない時は、スタータの作動を行い始動するかまたは機速
を増加させエンジンのウィンドミル回転数を上げ、始動
最小回転数に達した後、始動操作に入る。しかしなが
ら、これらの操作は、最小回転数のみならず高度、温度
などの制約もあり、当業者において公知のスターティン
グ・エンベロープに示されるもので、低速域においては
ほとんどのエンジンがウィンドミル回転数不足のため、
スタータによる加速が必要となる。本適用例はガスター
ビンエンジンの排気口にサイクロンポンプを配すること
によって、機速を増大したと同様にガスタービン前後の
差圧を大とし、エンジンのウィンドミル回転数を増加さ
せるものである。
【0028】たとえば、Mach=0.2での総圧とM
ach=0.4での総圧の差は、10000ftの高度
で約0.06気圧でしかなく、本技術によって容易に達
成できる範囲にある。すなわち、ガスタービンの始動時
の空気(二次流体)流量(W2 )は極めて少なく、一次
流体流量(W1 )に対する比W2 /W1 はほぼ0と考え
れば、ガスタービンエンジンの出口部(サイクロンポン
プ中心圧)の圧力変化は無視し得る程少ない。以上から
始動系統の内、点火装置以外の従来技術で必要とされた
機械的あるいは電気的なスタータを含む系の多くは不要
となる。一方、地上での始動は、ガスタービン翼に圧縮
空気を当てることにより始動するいわゆるインピンジメ
ントスタートをするか、あるいは本適用例の一次流体入
口に所要量の圧縮空気を導入することにより、エンジン
流入空気を生じせしめてエンジンを回転させ、始動サイ
クルを完了させることが容易となる。これらの操作を行
うにはいずれもGSE(Ground Support
Equipment)を必要とするが、GSEの保有
台数は航空機の運行機数と比較し、極めてわずかであり
経費削減に寄与するものである。
ach=0.4での総圧の差は、10000ftの高度
で約0.06気圧でしかなく、本技術によって容易に達
成できる範囲にある。すなわち、ガスタービンの始動時
の空気(二次流体)流量(W2 )は極めて少なく、一次
流体流量(W1 )に対する比W2 /W1 はほぼ0と考え
れば、ガスタービンエンジンの出口部(サイクロンポン
プ中心圧)の圧力変化は無視し得る程少ない。以上から
始動系統の内、点火装置以外の従来技術で必要とされた
機械的あるいは電気的なスタータを含む系の多くは不要
となる。一方、地上での始動は、ガスタービン翼に圧縮
空気を当てることにより始動するいわゆるインピンジメ
ントスタートをするか、あるいは本適用例の一次流体入
口に所要量の圧縮空気を導入することにより、エンジン
流入空気を生じせしめてエンジンを回転させ、始動サイ
クルを完了させることが容易となる。これらの操作を行
うにはいずれもGSE(Ground Support
Equipment)を必要とするが、GSEの保有
台数は航空機の運行機数と比較し、極めてわずかであり
経費削減に寄与するものである。
【0029】次に、図24にサイクロンポンプ一次流体
の空気取入口34の詳細を示す。空気取入口34の中段に設
けた圧縮機35等の空気移送手段と、前記空気取入口34の
入口に設けた空気取入口ドアー36と、前記空気取入口ド
ア36を開閉するアクチュエータ37から構成されている。
空気取入口34に圧縮機35を設けることにより、圧縮機35
を地上始動用の空気圧送にも用いることができる。この
場合にはGSEとして、圧縮機35駆動のための電源のみ
を設備すれば足りる効果を奏する。またこの圧縮機35
は、飛行中の一次流体流量の増量及び加圧用としても用
いることができる。これにより、前述の始動機能及びそ
の他の排気ステルス性向上等を図ることができ、これら
の機能を優先する場合には、この圧縮機35を搭載するこ
とが望ましい。一次流体の空気取入口ドア36は、ガスタ
ービンエンジンの停止した場合に、このエンジンのウィ
ンドミル抵抗を過度に増大させないためのものである。
この空気取入口ドア36は、圧縮機35が単に排気ステルス
性向上と始動機能改善のみが目的である場合には、圧縮
機の作動が必要な時のみに開とし、その必要のない時は
閉として機体抵抗を減少させる効果を奏する。
の空気取入口34の詳細を示す。空気取入口34の中段に設
けた圧縮機35等の空気移送手段と、前記空気取入口34の
入口に設けた空気取入口ドアー36と、前記空気取入口ド
ア36を開閉するアクチュエータ37から構成されている。
空気取入口34に圧縮機35を設けることにより、圧縮機35
を地上始動用の空気圧送にも用いることができる。この
場合にはGSEとして、圧縮機35駆動のための電源のみ
を設備すれば足りる効果を奏する。またこの圧縮機35
は、飛行中の一次流体流量の増量及び加圧用としても用
いることができる。これにより、前述の始動機能及びそ
の他の排気ステルス性向上等を図ることができ、これら
の機能を優先する場合には、この圧縮機35を搭載するこ
とが望ましい。一次流体の空気取入口ドア36は、ガスタ
ービンエンジンの停止した場合に、このエンジンのウィ
ンドミル抵抗を過度に増大させないためのものである。
この空気取入口ドア36は、圧縮機35が単に排気ステルス
性向上と始動機能改善のみが目的である場合には、圧縮
機の作動が必要な時のみに開とし、その必要のない時は
閉として機体抵抗を減少させる効果を奏する。
【0030】[適用例4](航空機の空調装置への適用
例) サイクロンポンプの航空機の空調装置への適用例の系統
を図25に示す。本適用例は、高圧空気源41からの空気
をACM(エアーサイクルマシーン) 42 を経由してサ
イクロンポンプ1 の一次流体入口3 からサイクロンポン
プ1 に導入し、サイクロンポンプの流体出口4 からの空
気をキャビン43等の冷却対象機器室に導入し、冷却対象
機器室からの出口ガスの一部を与圧制御弁44により大気
に放出し、その他の空気をエアーフィルタ45、 弁46、逆
止弁47を経由して、上記サイクロンポンプ1 によって二
次流体入口5 から吸引して、高圧空気源からの空気と混
合してなる航空機の空調装置である。
例) サイクロンポンプの航空機の空調装置への適用例の系統
を図25に示す。本適用例は、高圧空気源41からの空気
をACM(エアーサイクルマシーン) 42 を経由してサ
イクロンポンプ1 の一次流体入口3 からサイクロンポン
プ1 に導入し、サイクロンポンプの流体出口4 からの空
気をキャビン43等の冷却対象機器室に導入し、冷却対象
機器室からの出口ガスの一部を与圧制御弁44により大気
に放出し、その他の空気をエアーフィルタ45、 弁46、逆
止弁47を経由して、上記サイクロンポンプ1 によって二
次流体入口5 から吸引して、高圧空気源からの空気と混
合してなる航空機の空調装置である。
【0031】本適用例にあっては上記の構成によって、
ACM42からサイクロンポンプ1 に流入する一次流体に
よって引き起こされる渦の中心圧を、キャビン43内の圧
力よりも低くする事を可能とするものであって、この結
果循環ファンはなくてもキャビン43とサイクロンポンプ
1 の中心圧との差圧によって、必然的に循環空気が、こ
の空気混合マニホールドの機能を有するサイクロンポン
プ1 に吸引されるものである。航空機の空調系統は、主
として、エンジンの抽気が空気源として用いられること
が多い。従来技術の一例として、例えばUSP4517
813号に開示される技術は、空気源からの空気をAC
Mから空気混合・水分離マニホールドに導入し、前記空
気混合・水分離マニホールドからの空気を、一旦キャビ
ンに導入し、該キャビンからの空気を再循環ファンによ
って、前記ACMからの流路に合流させ、再び前記空気
混合・水分離マニホールド内に送気させ、省エネルギの
ためのミキシングと水分離を可能とする空調系統を提供
するものである。この従来技術にあっては、空気混合・
水分離マニホールドに混合すべき流体を個々に再循環フ
ァンによって加圧し、移送管を経由して移送し、空気混
合・水分離マニホールド内で混合するものである。この
ため、複数の再循環ファンとその動力源が必要となる。
ACM42からサイクロンポンプ1 に流入する一次流体に
よって引き起こされる渦の中心圧を、キャビン43内の圧
力よりも低くする事を可能とするものであって、この結
果循環ファンはなくてもキャビン43とサイクロンポンプ
1 の中心圧との差圧によって、必然的に循環空気が、こ
の空気混合マニホールドの機能を有するサイクロンポン
プ1 に吸引されるものである。航空機の空調系統は、主
として、エンジンの抽気が空気源として用いられること
が多い。従来技術の一例として、例えばUSP4517
813号に開示される技術は、空気源からの空気をAC
Mから空気混合・水分離マニホールドに導入し、前記空
気混合・水分離マニホールドからの空気を、一旦キャビ
ンに導入し、該キャビンからの空気を再循環ファンによ
って、前記ACMからの流路に合流させ、再び前記空気
混合・水分離マニホールド内に送気させ、省エネルギの
ためのミキシングと水分離を可能とする空調系統を提供
するものである。この従来技術にあっては、空気混合・
水分離マニホールドに混合すべき流体を個々に再循環フ
ァンによって加圧し、移送管を経由して移送し、空気混
合・水分離マニホールド内で混合するものである。この
ため、複数の再循環ファンとその動力源が必要となる。
【0032】これに対して本適用例は、ひとつの動力源
により空調空気を循環させるものであって、動力源の数
の差と渦室内の旋回流の強さをサイクロンポンプの形状
によって制御して、極めて良好な混合を、流体のいかん
にかかわらず実現する手段を提供するものである。これ
により、ファンの搭載を不要とし、安価なシステムとす
ることができ、重量と消費電力の低減効果、運行費並び
に整備費低減(ファンの調達、定期整備の不要)効果を
奏するものである。なお、サイクロンポンプ内の、旋回
流の強さは、ポンプ容器を鼓形あるいは一次流体入口の
角運動量を増すことによって、中心部の圧力をより低く
することが可能となり、このため、半径方向の圧力分布
は極めて大きな傾斜を保有する事となる。これによっ
て、各方向の速度分布は増大し、ポンプ容器内の混合を
より向上させる役割を果たす。したがって動力源の減少
による省エネルギー効果と混合性能向上効果を有すると
ともに、他の付随的効果(コスト削減、重量軽減系統の
簡素化に伴う安全性、信頼性向上)が得られる。空調装
置利用の本技術の適用例を図26に示す。リターングリ
ル56から、二次流体を取り込み、ディフューザ54からグ
リル55を介して空気を吹き出すものである。従来技術と
しては、図27及び図28に示す如く空気吹出装置とし
てディフューザが用いられ、このディフューザ部で誘導
効果によってリサーキュレーションフローを誘起せし
め、吹出し空気温度が過度に室内空気温度と異ならない
よう適切な混合を行わしめるものが一般的であるが、本
技術による渦室による吸引効果によっても同様な効果が
得られる。なお、図26の一点鎖線部は、ディフューザ
部にリサーキュレーションを誘起するケースである。
により空調空気を循環させるものであって、動力源の数
の差と渦室内の旋回流の強さをサイクロンポンプの形状
によって制御して、極めて良好な混合を、流体のいかん
にかかわらず実現する手段を提供するものである。これ
により、ファンの搭載を不要とし、安価なシステムとす
ることができ、重量と消費電力の低減効果、運行費並び
に整備費低減(ファンの調達、定期整備の不要)効果を
奏するものである。なお、サイクロンポンプ内の、旋回
流の強さは、ポンプ容器を鼓形あるいは一次流体入口の
角運動量を増すことによって、中心部の圧力をより低く
することが可能となり、このため、半径方向の圧力分布
は極めて大きな傾斜を保有する事となる。これによっ
て、各方向の速度分布は増大し、ポンプ容器内の混合を
より向上させる役割を果たす。したがって動力源の減少
による省エネルギー効果と混合性能向上効果を有すると
ともに、他の付随的効果(コスト削減、重量軽減系統の
簡素化に伴う安全性、信頼性向上)が得られる。空調装
置利用の本技術の適用例を図26に示す。リターングリ
ル56から、二次流体を取り込み、ディフューザ54からグ
リル55を介して空気を吹き出すものである。従来技術と
しては、図27及び図28に示す如く空気吹出装置とし
てディフューザが用いられ、このディフューザ部で誘導
効果によってリサーキュレーションフローを誘起せし
め、吹出し空気温度が過度に室内空気温度と異ならない
よう適切な混合を行わしめるものが一般的であるが、本
技術による渦室による吸引効果によっても同様な効果が
得られる。なお、図26の一点鎖線部は、ディフューザ
部にリサーキュレーションを誘起するケースである。
【0033】[適用例5](航空機の電子室等の冷却装
置への適用例) 図29乃至図33にはサイクロンポンプの航空機の電子
室等の冷却系統への適用例を示す。図29及び図30に
示す様に、本適用例は、ブロア等のガス移送手段51と、
サイクロンポンプ1 と、電子機器などの冷却対象を設け
た複数の冷却区画52、53 とからなる冷却系統であって、
ガス移送手段51からの空気をサイクロンポンプ1 の一次
流体入口3 に導入し、空気を二次流体入口5 から吸引し
て、流体出口4 からの空気を前記冷却区画52、53 に供給
する冷却系統である。このうち図29の適用例は、一台
のサイクロンポンプ1 によって構成するのに対し、図3
0の適用例は各冷却区画ごとにサイクロンポンプ1 設け
るものである。
置への適用例) 図29乃至図33にはサイクロンポンプの航空機の電子
室等の冷却系統への適用例を示す。図29及び図30に
示す様に、本適用例は、ブロア等のガス移送手段51と、
サイクロンポンプ1 と、電子機器などの冷却対象を設け
た複数の冷却区画52、53 とからなる冷却系統であって、
ガス移送手段51からの空気をサイクロンポンプ1 の一次
流体入口3 に導入し、空気を二次流体入口5 から吸引し
て、流体出口4 からの空気を前記冷却区画52、53 に供給
する冷却系統である。このうち図29の適用例は、一台
のサイクロンポンプ1 によって構成するのに対し、図3
0の適用例は各冷却区画ごとにサイクロンポンプ1 設け
るものである。
【0034】従来は、冷却系統の流路抵抗、ファン特
性、必要所要流量、効率等の各種パラメータをベースと
して最適条件を選定して、冷却系統の設計が行われてい
る。本適用例は、同一ファン所要電力に対して、従来技
術よりも多くの流量を確保し得るものであって、かつ、
最も効率の良い領域での作動点を選択可能とするもので
ある。本技術適用の場合には、系の流路特性は若干変化
し、ミクロ的には、所要電力も変化するが、流量増加に
対する影響に対して無視し得る程少なく、ファンとして
の新たな作動点は、系の圧損増加に伴い若干マイナス側
に移動するが、系の総流量は大きく増加する。系の圧力
損失については、本技術によるポンプ容器以後の総圧力
損失をダクト系の拡径により低減することが可能で実質
的にファンの作動点を殆ど変化させないことも可能であ
る。この様に本適用例は、循環量の増加あるいは各種発
熱体あるいは発熱機器の冷却流量増加、消費流量の増加
等が必要な分野において、供給エネルギーをさして変化
させることなく、達成することができるものである。逆
に同一流量であるならば、供給エネルギを減少させるこ
とができるものである。
性、必要所要流量、効率等の各種パラメータをベースと
して最適条件を選定して、冷却系統の設計が行われてい
る。本適用例は、同一ファン所要電力に対して、従来技
術よりも多くの流量を確保し得るものであって、かつ、
最も効率の良い領域での作動点を選択可能とするもので
ある。本技術適用の場合には、系の流路特性は若干変化
し、ミクロ的には、所要電力も変化するが、流量増加に
対する影響に対して無視し得る程少なく、ファンとして
の新たな作動点は、系の圧損増加に伴い若干マイナス側
に移動するが、系の総流量は大きく増加する。系の圧力
損失については、本技術によるポンプ容器以後の総圧力
損失をダクト系の拡径により低減することが可能で実質
的にファンの作動点を殆ど変化させないことも可能であ
る。この様に本適用例は、循環量の増加あるいは各種発
熱体あるいは発熱機器の冷却流量増加、消費流量の増加
等が必要な分野において、供給エネルギーをさして変化
させることなく、達成することができるものである。逆
に同一流量であるならば、供給エネルギを減少させるこ
とができるものである。
【0035】本適用例の別の態様としては図31のもの
がある。上記適用例と同様にブロア等の空気移送手段51
と、サイクロンポンプ1 と、電子機器などの冷却対象を
設けた複数の冷却区画52、53 とからなる冷却系統であっ
て、ガス移送手段51からの空気を前記冷却区画のいずれ
かの冷却区画52に導入し、前記冷却区画52からの空気を
サイクロンポンプ1の一次流体入口3 に導入し、他の冷
却区画53からの空気を二次流体入口5 から吸引して、流
体出口4 から空気を排出する冷却系統である。また、図
32に示す様に、いずれかの冷却区画52からガス移送手
段51で空気を吸引し、前記ガス移送手段51からの空気を
サイクロンポンプ1 の一次流体入口3導入し、他の冷却
区画53からの空気をサイクロンポンプ1 の二次流体入口
5 から吸引し、流体出口4 から空気を排出する冷却系統
としてもよい。なお、上記冷却区画はかならずしも、仕
切られて別の区画となっている必要はなく、図33の様
に冷却区画に出口を複数設けて、上記と同様に冷却を行
っても良い。
がある。上記適用例と同様にブロア等の空気移送手段51
と、サイクロンポンプ1 と、電子機器などの冷却対象を
設けた複数の冷却区画52、53 とからなる冷却系統であっ
て、ガス移送手段51からの空気を前記冷却区画のいずれ
かの冷却区画52に導入し、前記冷却区画52からの空気を
サイクロンポンプ1の一次流体入口3 に導入し、他の冷
却区画53からの空気を二次流体入口5 から吸引して、流
体出口4 から空気を排出する冷却系統である。また、図
32に示す様に、いずれかの冷却区画52からガス移送手
段51で空気を吸引し、前記ガス移送手段51からの空気を
サイクロンポンプ1 の一次流体入口3導入し、他の冷却
区画53からの空気をサイクロンポンプ1 の二次流体入口
5 から吸引し、流体出口4 から空気を排出する冷却系統
としてもよい。なお、上記冷却区画はかならずしも、仕
切られて別の区画となっている必要はなく、図33の様
に冷却区画に出口を複数設けて、上記と同様に冷却を行
っても良い。
【0036】上記の構成により、サイクロンポンプによ
る空気の必要量をより少ない動力で達成すると共に、冷
却空気の区画からの出口の数を複数保有することによっ
て、区画内のホットスポットの発生を防止し、効果的な
冷却が達成できる。なお、冷却対象機器の例としては、
例えば、電子機器、各種モータ、ポンプ、機械的駆動機
構、熱交換機等が挙げられる。
る空気の必要量をより少ない動力で達成すると共に、冷
却空気の区画からの出口の数を複数保有することによっ
て、区画内のホットスポットの発生を防止し、効果的な
冷却が達成できる。なお、冷却対象機器の例としては、
例えば、電子機器、各種モータ、ポンプ、機械的駆動機
構、熱交換機等が挙げられる。
【図1】本発明の一実施例のサイクロンポンプの側面図
【図2】図1の実施例の装置の上面図
【図3】図1の実施例の二次流体入口管の挿入位置を示
す図
す図
【図4】本発明の他の実施例のサイクロンポンプの側面
図
図
【図5】図4の実施例の装置の上面図
【図6】図4の実施例の装置の下面図
【図7】本発明の他の実施例のサイクロンポンプの側面
図
図
【図8】本発明の他の実施例のサイクロンポンプの側面
図
図
【図9】本発明の他の実施例のサイクロンポンプの側面
図
図
【図10】図9の実施例のAA断面図
【図11】航空機のレシプロエンジンにサイクロンポン
プを適用した一適用例の断面図
プを適用した一適用例の断面図
【図12】図11の適用例のAA部の詳細系統図
【図13】エンジンの背圧減少に伴う省エネルギ効果を
示す図であって、背圧が大気圧の場合のピストンエンジ
ンの指圧線特性図
示す図であって、背圧が大気圧の場合のピストンエンジ
ンの指圧線特性図
【図14】エンジンの背圧減少に伴う省エネルギ効果を
示す図であって、背圧が負圧の場合のピストンエンジン
の指圧線特性図
示す図であって、背圧が負圧の場合のピストンエンジン
の指圧線特性図
【図15】図11の適用例の装置の他の実施例の系統図
【図16】航空機のガスタービンエンジンにサイクロン
ポンプを適用した一適用例の配置図
ポンプを適用した一適用例の配置図
【図17】図16の適用例の装置の下面図
【図18】図16の適用例の排気管の詳細斜視図
【図19】航空機のターボプロップ・エンジンにサイク
ロンポンプを適用した一適用例の配置図
ロンポンプを適用した一適用例の配置図
【図20】図19の適用例の装置の下面図
【図21】図19の適用例の装置の正面図
【図22】図19の適用例の装置のサイクロンポンプの
詳細正面図
詳細正面図
【図23】図19の適用例の装置のサイクロンポンプの
詳細側面図
詳細側面図
【図24】図19の適用例の空気取入口の詳細断面図
【図25】航空機の空調装置にサイクロンポンプを適用
した一適用例の系統図
した一適用例の系統図
【図26】航空機の空調装置にサイクロンポンプを適用
した他の適用例の系統図
した他の適用例の系統図
【図27】図26の適用例の従来系統図
【図28】図26の適用例の従来系統図
【図29】航空機の電子室の冷却装置にサイクロンポン
プを適用した一適用例の系統図
プを適用した一適用例の系統図
【図30】図29の適用例の装置の他の実施例の系統図
【図31】図29の適用例の装置の他の実施例の系統図
【図32】図29の適用例の装置の他の実施例の系統図
【図33】図29の適用例の装置の他の実施例の系統図
1 サイクロンポンプ 2 ポンプ容器 3 一次流体入口 4 流体出口 5 二次流体入口 11 レシプロエンジン 21 APUガスタービンエンジン 31 ガスタービンエンジン 41 高圧空気源 43 キャビン 51 空気移送手段 52、53 冷却区画
Claims (4)
- 【請求項1】円筒状容器に、該円筒状容器の周壁にほぼ
接線方向に開口する一次流体入口と、前記円筒状容器の
周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口と、前記円筒容
器のほぼ中心軸上に開口する二次流体入口とを設け、前
記一次流体入口から一次流体を導入して前記円筒状容器
内に渦を生じさせることにより、前記円筒状容器内の中
心軸部を低圧とし、前記二次流体入口から二次流体を吸
引することを特徴とするサイクロンポンプ。 - 【請求項2】内燃機関と、円筒状容器に、該円筒状容器
の周壁にほぼ接線方向に開口する一次流体入口と、前記
円筒状容器の周壁にほぼ接線方向に開口する流体出口
と、前記円筒容器のほぼ中心軸上に開口する二次流体入
口とを設け、前記一次流体入口から一次流体を導入して
前記円筒状容器内に渦を生じさせることにより、前記円
筒状容器内の中心軸部を低圧とし、前記二次流体入口か
ら上記内燃機関の排気ガスを二次流体として吸引するこ
とを特徴とするサイクロンポンプとからなる内燃機関の
省エネルギー装置。 - 【請求項3】空気源と、空調対象匡体と、円筒状容器
に、該円筒状容器の周壁にほぼ接線方向に開口する一次
流体入口と、前記円筒状容器の周壁にほぼ接線方向に開
口する流体出口と、前記円筒容器のほぼ中心軸上に開口
する二次流体入口とを設け、前記一次流体入口から上記
空気源からの空気を導入して前記円筒状容器内に渦を生
じさせることにより、前記円筒状容器内の中心軸部を低
圧とし、前記二次流体入口から上記空調対象匡体からの
循環空気を二次流体として吸引し、前記流体出口から上
記空調対象匡体に供給することを特徴とするサイクロン
ポンプとからなる空調装置。 - 【請求項4】空気移送手段と、冷却対象匡体と円筒状容
器に、該円筒状容器の周壁にほぼ接線方向に開口する一
次流体入口と、前記円筒状容器の周壁にほぼ接線方向に
開口する流体出口と、前記円筒容器のほぼ中心軸上に開
口する二次流体入口とを設け、前記一次流体入口から上
記空気移送手段により空気を導入して前記円筒状容器内
に渦を生じさせることにより、前記円筒状容器内の中心
軸部を低圧とし、前記二次流体入口から空気を吸引して
上記冷却対象匡体に供給することを特徴とするサイクロ
ンポンプとからなる冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26709791A JPH0579500A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | サイクロンポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26709791A JPH0579500A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | サイクロンポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0579500A true JPH0579500A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17440017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26709791A Pending JPH0579500A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | サイクロンポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0579500A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2450203A1 (en) * | 2009-06-29 | 2012-05-09 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Aspirator and vehicle air-conditioning device using same |
JP2015099813A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | シチズンホールディングス株式会社 | Led素子を用いた発光装置 |
CN111237260A (zh) * | 2020-01-18 | 2020-06-05 | 香港環能有限公司 | 一种涡旋锥引射器 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4876364A (ja) * | 1972-01-11 | 1973-10-15 | ||
US4388045A (en) * | 1976-01-30 | 1983-06-14 | Martin Marietta Corporation | Apparatus and method for mixing and pumping fluids |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP26709791A patent/JPH0579500A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4876364A (ja) * | 1972-01-11 | 1973-10-15 | ||
US4388045A (en) * | 1976-01-30 | 1983-06-14 | Martin Marietta Corporation | Apparatus and method for mixing and pumping fluids |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2450203A1 (en) * | 2009-06-29 | 2012-05-09 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Aspirator and vehicle air-conditioning device using same |
EP2450203A4 (en) * | 2009-06-29 | 2014-04-30 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ASPIRATOR AND VEHICLE AIR CONDITIONER THEREWITH |
US9085217B2 (en) | 2009-06-29 | 2015-07-21 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Jet pump having scroll shaped flow path |
JP2015099813A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | シチズンホールディングス株式会社 | Led素子を用いた発光装置 |
CN111237260A (zh) * | 2020-01-18 | 2020-06-05 | 香港環能有限公司 | 一种涡旋锥引射器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6942181B2 (en) | Passive cooling system for auxiliary power unit installation | |
EP0626039B1 (en) | Exhaust eductor cooling system | |
US5357742A (en) | Turbojet cooling system | |
EP0743247B1 (en) | Passive cooling device and method for cooling an auxiliary power unit on an airoplane | |
US6092360A (en) | Auxiliary power unit passive cooling system | |
US6434968B2 (en) | Cooling air arrangement for a heat exchanger of an aircraft air conditioning unit | |
CN105408611A (zh) | 用于喷气发动机的次级喷嘴 | |
CA2502816A1 (en) | Forced air cooling system | |
JPH0672570B2 (ja) | ガスタービンエンジンのファンダクト底面圧抗力を低減する装置 | |
EP0778199B1 (en) | Ram air drive laminar flow control system | |
US4642997A (en) | Process and apparatus for power-and air conditioning-fresh air generation in aircraft | |
CN107303951A (zh) | 利用增强型压缩机的环境控制系统 | |
US11840344B2 (en) | Aircraft environmental control system | |
EP0975862B1 (en) | Improved integrated environmental and secondary power system | |
JPH0579500A (ja) | サイクロンポンプ | |
US6045088A (en) | Aircraft air conditioning energy recovery device | |
EP0974515A2 (en) | Aircraft airconditioning energy recovery device | |
US20240308671A1 (en) | Air-conducting structure for an aircraft, air ejector or ejector pump, and aircraft | |
CN114144354A (zh) | 包括机动压缩机和空气循环涡轮机的飞行器机舱电气空调系统 |