JPH0572377A - プラント状態表示装置 - Google Patents

プラント状態表示装置

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JPH0572377A
JPH0572377A JP3232698A JP23269891A JPH0572377A JP H0572377 A JPH0572377 A JP H0572377A JP 3232698 A JP3232698 A JP 3232698A JP 23269891 A JP23269891 A JP 23269891A JP H0572377 A JPH0572377 A JP H0572377A
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plant
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plant status
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JP3232698A
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Juichiro Ito
壽一郎 伊藤
Akira Sakuma
晃 佐久間
Kazuo Kadota
一雄 門田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、現在のプラント状態を引き起
こしている原因や現状から目指すべき目標状態などの抽
象度の高い情報を提供するプラント状態表示装置を提供
することにある 【構成】プラントからのプロセス値を入力するプロセス
信号入力手段と、このプロセス信号を評価しプラント状
態を認識するプラント状態評価手段と、前記プロセス信
号とプラントの状態評価結果を受け取りプラント状態表
示用データを作成する表示データ作成手段と、このプラ
ント状態表示用データにより表示を行うプラント状態情
報表示手段と、表示画面を選択する対話用情報処理手段
とを具備して成るプラント状態表示装置において、プラ
ントの手段から目的に至る概念を機能毎に段階分けし、
それぞれの概念に基づき情報を提供する目的および提供
すべき情報の内容から表示画面の構造および内容を決定
しプラントの状態を表示すること特徴とするプラント状
態表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計算機システムを用い
てプラントの運転操作を制御するプラントシステムに係
り、プラント運転操作を行う運転員へプラント情報を提
供するプラント状態表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントのように、膨大な情
報量を含み、かつ安全が要求されるようなプラントの運
転では、運転員の役割が重要となっている。特に、プラ
ントに与える影響の大きさから操作間違いなどの人間が
引き起こす問題は、その防止方法が重要な課題となって
いる。
【0003】プラントの運転員は、制御盤上のプラント
情報表示機器から得られた情報を基に、プラントがどの
ような状態にあるのかを解釈すること(以下、プラント
状態解釈という)により、必要なプラント操作を行う。
このとき、単純な間違いによる操作ミス、あるいはプラ
ント状態解釈が不十分であるために予期せぬ結果を生じ
ることがある。このプラント状態解釈の不十分さは、メ
ータ・レコーダ等の従来の表示機器から情報間の相互の
関連づけを運転員の頭の中のみで行なうことが困難であ
ることに起因している。
【0004】このようなプラント状態解釈の不十分さに
よる誤操作の防止方法として、プラント状況を表現する
ためにプラントを構成する機器の動作状態をCRT画面
で表示する手段などがある。この様なプラントの機器の
動作状態を示す画面は一般にP&ID画面と呼ばれてい
る。
【0005】しかし、このP&ID画面による情報表示
では、プラント構成機器の個別の動作状態は示す事は可
能であるが、総合的なプラント状態解釈には必ずしも充
分ではない。例えば、複雑に絡み合うサブシステム間の
副次的な影響に対して情報を伝達するには不十分であ
る。つまり、個々の要素を詳細に正確に述べる事に重点
がおかれ周囲の状況・理由・目的などの全体をとらえる
ための情報が充分ではない。このため、プラントの状態
に対するイメージが描きにくくなる。従って、従来のP
&ID画面タイプの表示では単にどのように対応すれば
よいかを示すのみであり、現在のプラント状態を引き起
こしている原因や現状から目指すべきプラントの目標状
態などの抽象度の高い概念的な情報は運転員が頭の中で
描かなくてはならなかった。
【0006】また、プラントが標準の手順書に規定され
ていない状況下に陥り、情報表示されている以上の情報
が必要となった場合、運転員が自分自身で持っているプ
ラントのシステムに対する概念に基づいて対応動作を作
り出して行かなくてはならない。しかし、このような場
合現状の情報表示では、周囲の状況・理由・目的などの
情報を基に全体をとらえるという、人間の行なう問題解
決における情報処理に十分適合した情報表現が取り入れ
られていない。また、プラントの状況表現として広く認
められた原理・法則の直接的表現も充分なされていな
い。このように、運転員が概念に基づいて思考作業を行
うことは、大変困難なものである。
【0007】ところで、人間は問題解決において一つの
システム表現から他のシステム表現に変更を要求されて
もそれに対処するのが難しい。特にプラントの異常状態
に対する対応のように複雑な問題を解決しなくてはいけ
ない状況下において以前実施したことのない手段である
機能を達成するために物理的な対象を用いる必要がある
場合機能的固着(functional fixation )が起きる。こ
れは、人間が陥る問題点は問題解決のための最終目標が
変化していくのに対応して現実に見える世界に対する認
識を変更していくことが困難な点に起因している。つま
り、人間は問題の捕え方を固定してしまう傾向があり、
この傾向が問題の捕え方を変更する必要がある状況で人
を困難に陥れる原因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにプラン
トにおける従来のプラント状態表示装置及び表示方法で
は人間の認知過程に適合した情報表示が十分でない。こ
のため、不十分なプラントの状況解釈や不完全な状況予
測によるプラントの操作対応ミスが発生し、プラントに
悪影響を及ぼす恐れがある。特に、異常時対応などの人
間の認知上の作業負荷が高くなる状況下では、人間の問
題のとらえ方の柔軟性を発揮するための情報表示形態が
十分でなく機能的固着を引き起こす可能性が高いといえ
る。
【0009】また、人間が理解しようとするメカニズム
には、分脈の中で現象を捉えようとする・まとまりを見
ようとする、という特徴がある。つまり個々の要素の意
味を理解するより先に前後の流れや周囲の環境の中で全
体の意味を認識する傾向がある。従って、プラントシス
テムのような構造と機能を明確に表現する場合に於いて
も、部分の動きと全体の動きの関連付け・部分同士の関
連付け・システムの動作イメージが具体的に理解できる
表現が必要といえる。つまり、人間の認知過程に適合し
た適切な情報表現方法が必要とされるが、それが十分に
達成されていない。プラントを構成する機器の動作状態
の表示などに重点がおかれ、人間がプラントの状態を把
握するための本来のプラントの原理・法則という直接的
な表現は表示されていなかった。
【0010】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、人間の行なう問題解決における情報処理に適合
したプラントの情報表示を可能とし、プラントの機器等
のハードウェアに依存しない抽象度の高い表現を行な
い、原理原則を直感的にわかるように表現することによ
るプラントの目的の実現機構をより明確にすることを可
能とし運転員の誤判断を防止しプラントの不必要なトラ
ブル発生を防止するプラント状態表示装置を提供する事
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、プラントからのプロセス値を入力するプ
ロセス信号入力手段と、このプロセス信号入力手段から
のプロセス信号を評価しプラント状態を認識するプラン
ト状態評価手段と、前記プロセス信号入力手段からのプ
ロセス信号と前記プラント状態評価手段からプラントの
状態評価結果を受け取りプラント状態表示用データを作
成する表示データ作成手段と、この表示データ作成手段
にて作成されたプラント状態表示用データにより表示を
行うプラント状態情報表示手段と、このプラント状態情
報表示手段の表示画面を選択する対話用情報処理手段と
を具備して成るプラント状態表示装置において、プラン
トの手段から目的に至る概念を機能毎に段階分けし、こ
の段階分けされたそれぞれの概念に基づき情報を提供す
る目的および提供すべき情報の内容から表示画面の構造
および内容を予め決定し、プラントの状態表示を前記表
示画面により表示すること特徴とする。また、前記表示
画面はプラントにおける物質とエネルギーの流れ及び均
衡状態を表象化して表示することを事を特徴とする。さ
らに、前記表示画面はプラントを構成するうえで用いら
れている基本的な原理・法則を表象化して表すことを特
徴とする。
【0012】
【作用】このように構成されたプラント状態表示装置に
おいては、プラントの手段から目的に至る概念を機能毎
に段階分けし、この段階分けされたそれぞれの概念に基
づき情報を提供する目的および提供すべき情報の内容か
ら表示画面の構造および内容をあらかじめ決定し、プラ
ントの状態表示を前記表示画面により表示するので人間
の行なう問題解決における情報処理に十分適合した情報
表現をする事ができるようになり、単にどのようにすれ
ばよいかを示す従来の表示の様に、現在の状態を引き起
こしている原因や現状から目指すべき目標状態など概念
の抽象度の高い情報を運転員が頭の中で描くことが不要
になる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。図1に本発明の一実施例に係るプラント状
態表示装置のブロック構成図を示す。図1において、プ
ラント状態表示装置1は操作対象となるプラント2から
プロセス信号を入力するプロセス信号入力装置3、この
プロセス信号入力装置3からのプロセス信号からプラン
ト状態の評価を行うプラントデータ状態評価装置4、プ
ロセス信号及びプラント状態評価装置4からのプラント
状態評価結果から表示データを作成する表示データ作成
装置6、この表示データ作成装置6で作成された表示デ
ータを表示するプラント状態情報表示装置7及び運転員
からの指令を入力し処理する対話用情報処理装置9から
主に構成されている。
【0014】プラント状態評価装置4では、プロセス信
号入力装置3から入力されたプラントのプロセス信号を
評価し、プラント状態の認識を行う。このプラント状態
評価装置4にはプラント状態を同定するための知識を格
納する状態評価知識ベース5が接続され、この状態評価
知識ベース5を用いてプラント状態の認識を行う。
【0015】プラント状態評価装置4からプラントの状
態評価結果を受け取った表示データ作成装置6がプラン
ト状態表示用データを作成する。この表示データ作成装
置6には、プロセス状態を表示する際の色の変化等を管
理するためのプラント設定値データベース7が接続され
ている。
【0016】図2にプラント状態評価装置と表示データ
作成装置の処理のアルゴリズムを示す。図2に示される
ように、まず、プラント状態評価装置により異常が生じ
ている場合には異常部位の決定(ステップ100)を行
い、次に異常部位に応じた注意の対象の選定(ステップ
101)が行われる。この選定はプラント状態評価装置
で得られたプラント状態を基に運転員が注意を向けるべ
きプラント部分とその機能的な表現形態を、例えばマル
チレベルフローモデルなどを用いることによりプラント
状態評価装置内で決定される。表示データ作成装置で
は、運転員に提示すべき表現内容と表現形態をさらに明
確にするため接続されているプラント設定データベース
を用いて注意対象に関する表示パラメータの決定(ステ
ップ102)を行い、さらに、表示パラメータの設定値
に基いて色コードの決定(ステップ103)、表示パラ
メータの表現形態の決定(ステップ104)、表現画面
の組み合わせ決定(ステップ105)を行う。このよう
に表示作成データ作成装置ではプラント状態表示の色コ
ードなど表示画面内の表示要素の具体的な表現形態が決
定される。
【0017】そして、プラント状態情報表示装置13
は、表示データ作成装置6にて作成されたプラント状態
をCRTなどの情報表示手段により運転員に表示する。
この、プラント状態情報表示装置13には、2次元情報
体系データベース8が接続されている。
【0018】また、対話用情報処理装置9は、プラント
状態情報表示装置13と共に運転員とのインタフェース
部分を構成している。この対話用情報処理装置9は、運
転員への提示情報に関連した情報の検索等の働き掛けや
運転員からの操作信号を運転操作装置に転送する。この
対話用情報処理装置9には、CRTに表示されたマウス
等の位置指示装置の動きと運転員の意図を関係付ける対
話内容に関する知識ベースである対話内容知識ベース1
0が接続されている。なお、プラントへの操作信号は運
転操作出力装置12から操作機器毎の信号をプラントに
転送する。次に、上記のように構成されたプラント状態
表示装置の画面表示方法を説明する。
【0019】本実施例では、プラントシステムを手段−
目的次元と全体−部分次元の2次元から捕え、この手段
−目的次元に沿ってそのシステムの目的・機能・物理的
な構成要素の組み合わせで記述し、同時に、全体−部分
次元に沿ったいくつかのレベルにおいて分解された単位
を対象にして目的・機能・物理的な構成要素の組み合わ
せ表現を行う。
【0020】図3に運転員の異常時対応などにおける問
題解決で用いられる問題空間を手段−目的と全体- 部分
(Means − Ends vs Whole − Part )の2次元体系
における表を示す。図3では、手段−目的を抽象−具体
の次元として示してある。
【0021】例えば原子力発電プラントのように大規模
なシステムの監視制御では、運転員は意思決定における
視点の位置を図3に示すような手段−目的に対し全体−
部分のマトリクス空間上で移動することにより問題を解
決する。ここで、縦軸方向の手段−目的(概念レベル)
は意思決定過程における抽象化の度合いを表し、横軸方
向の全体−部分(対象レベル)は運転員の注意の焦点を
表す。
【0022】すなわち、運転員は作業の目的や内容に応
じて対象を選択し、全体−部分の軸で示される対象の広
がりを設定する。また、運転員は一つの対象に対して手
段−目的の軸で示されるいくつかの抽象度の異なる捉え
方から成る概念レベル(以下世界感という)を持ってお
り、問題解決の視点に応じてこの世界感を使い分ける。
運転員の意思決定では、各過程において選択された手段
−目的と全体−部分上のマトリクス空間を対象として問
題解決を遂行し、行き詰まった場合には上位の世界感に
移行して問題を解決する。
【0023】運転員の意思決定が適正に実行されるため
には、プラントを様々な視点から眺めた世界感を運転員
に提供し、同時に世界感の移動が容易な手段を提供する
ことが必要である。この情報提供は、対象となる世界感
を可視化することにより運転員のメンタルモデルの形成
を容易にするものであり、意思を決定する過程に沿った
対象の世界感の移動が要求される。
【0024】なお、運転員の問題空間は、図3に示され
るマトリクスのすべての空間を移動するわけではなく、
図3において丸印で示された領域を移動することが認知
タスク分析の結果から得られている。情報提供では運転
員の意思決定に必要な空間の情報を提供すればよく、本
発明ではこの領域に関する情報を展開する。まず、概念
レベルの手段−目的の各々について世界感の表現を定義
し、さらに、各概念レベルについて対象レベルの全体−
部分の情報を展開する。
【0025】以上の定義により各概念レベルの表現は以
下のような情報を提供する。 (1)機能目的 対象プランとの目的制約の状態が理解される情報を提供
する。 (2)抽象機能 対象プラントの物質とエネルギーの均衡状態(以下マス
エネルギーバランスという)を提供し、運転員のトポグ
ラフィックサーチ(地誌的探索)を支援する。 (3)一般的機能 対象プランとの機能を実現するための入出力関係の理解
に必要な情報を提供し、運転員のシンプトマティックサ
ーチ(徴候的探索)を支援する。 (4)物理的機能 対象プラントの使用に十分な情報を提供し、プラントの
操作を支援する。なお、物理的形状レベルの情報は従来
より提供されてきたプラントの保守に係わる情報であ
る。 また、各概念レベルの表現は完全に独立したものでな
く、抽象機能の構成装置の表現は物理的機能の表現に近
づくことになる。
【0026】以上の概念レベルの表現に基づいて提供す
べき情報の基準をより具体的に述べる。図4に手段−目
的次元の各概念レベルにおける情報提供基準の表を示
す。プラントの運転員は、知識に基づく行動が必要とな
るような状況では様々な概念レベルの知識・情報を用い
て問題を解決する。運転員は意思決定の各過程でメンタ
ルモデルを形成し、知識・経験・情報に基づき認知し得
る経路を経て、目標状態に達する。また、各過程で行き
詰まった場合には、そのときの概念レベルよりも上位の
レベルに立ち返り問題を解決する。このような運転員の
行動を支援するため、機能目的から物理的機能に至る4
つの概念レベルのプラント情報を提供する。
【0027】各概念レベルの情報は一つの対象プラント
を異なる世界感で眺めたものであり、図4に示されるよ
うに概念レベルに応じて情報提供の目的・内容・構成要
素・表示構造・対象に差異が生じる。以下各レベルの情
報提供について述べる。
【0028】(1)機能目的レベル 機能目的レベルでは、対象状態の全体感を示し、対象に
対する状況解釈ならびに運転目標が選定できることを目
的とする。ここで提示される情報には、対象の設計情報
(たとえば目的、運転制限等)、運転目標及びその状
態、対象を構成する機能の状態が含まれる。例えば、対
象をプラント全体としたときには、電力生産・停止状態
及び放射能防護状態、プラント運転目標(定格運転
等)、プラントを構成する原子炉・発電機・隔離壁状態
及びプラント内外の放射能状態を表示する。
【0029】ここで表示されるプラント構造は、目標に
対する機能状態で表される。すなわち、電力生産に対し
てはエネルギー発生(原子炉)及び電力生成(発電機)
の状態、放射能隔離に対しては各隔離壁の状態で構造が
表現される。
【0030】また、プラント運転に用いられる機能目的
レベルの情報は、図3より、プラント全体・構成システ
ムを対象レベルとする情報に限られており、機能目的レ
ベルではこれらの情報を提供する。
【0031】(2)抽象機能レベル 抽象機能レベルでは、物理的機能及び一般的機能レベル
で解釈し得ないような状況において、異常状態の探索、
異常影響の評価、運転目標の選定を可能にすることを目
的とする。この抽象機能レベルでは、知識に基づく行動
となり、対象における物理的法則に立ち返って対象をト
ポグラフィック(地誌的)に解釈し、意思決定が行われ
る。そこで、このレベルの情報提供では、対象を構成す
るマス(物質)とエネルギーのフロー(流れ)の構造な
らびに状態、マスとエネルギーのバランス、フロー(流
れ)における構成機能の状態を提示し、運転員のトポグ
ラフィックサーチを支援する。
【0032】ここで表示されるプラント構造は、マスと
エネルギーの流れの構造であり、構成要素はマス・エネ
ルギーフローに関する機能である。このような情報の提
供を支援するため、物質とエネルギーの流れとバランス
のモデルに基づく構造を情報として提供する。
【0033】抽象機能の情報提供では、図3より、プラ
ント全体・構成システム・構成装置が対象レベルとなる
が、構成装置ではマス・エネルギーフロー構造が物理的
構造に近づき、提供情報が物理的機能レベルの情報に近
づく。その場合には、物理的機能の情報でこのレベルの
情報を表現する。また、構成システムは対象によりさら
に下位のシステムであるサブシステムを持つ構造となる
こともあり、階層的に表現されることもある。
【0034】(3)一般的機能レベル 一般的機能レベルでは、対象の機能に基づく異常状態の
探索、運転戦略の選定を可能にすることを目的としてお
り、運転員のシンプトマティックサーチ(徴候的探索)
を支援する。プラントは、目標を達成するための機能を
実現するシステム・装置から構成されており、使用目的
に対する機能の階層で表現することができる。ここで
は、プラントの監視・制御を目的とする情報を提供し、
対象機能を実現する補助機能の入出力関係(構成及び影
響)、対象機能・補助機能の状態、制御の入出力関係、
及び制御における制限項目を機能状態を表すプロセス量
と共に提示する。
【0035】一般的機能で表示されるプラント構造は、
使用目的である機能の階層構造であり、構成要素は対象
機能を実現する補助機能である。機能階層はプラントの
必須機能(クリティカル・ファンクション)に基づき展
開する。
【0036】対象レベルは、図3より、抽象機能と同
様、プラント全体・構成システム・構成装置であり、構
成システムは複数の機能階層に分類されることもある。
また、構成装置レベルでは表現が物理的機能に近づき、
提供情報に差異が見られないときは物理的機能の表現で
代用する。
【0037】(4)物理的機能レベル 物理的機能では、プラント運転操作の実行、操作手順の
生成を可能にすることを目的とする。ここでは、プラン
ト操作の実行ならびに実行結果が理解し得る情報を提供
し、対象の構造及び状態を提示する。
【0038】物理的機能レベルで表示されるプラント構
造は、プラントのシステムまたは機器の構成そのもので
あり、P&ID及び単線結線図に基づく機械的・電気的
結合構造となり、プラントシステム・装置を構成要素と
して表現する。また図3より、ここでの対象レベルは構
成システム・構成装置である。次に上述したプラントの
情報表示の一例を示す。
【0039】図5は運転員の問題解決における認知の過
程に沿った情報展開におけるプラント全体表示を示した
表示画面である。これは、プラントの電力生産目標達成
のためのエネルギー変換過程全体の機能状態を表示して
おり、各機能とそのサポートの正常・異常・停止(トリ
ップ)を明示し、異常伝播の場合の発生源の同定に関す
る監視をサポートする。図5において、プラント全体表
示21は炉熱発生(ソース)部22、熱エネルギー移送
(分配)部23、蒸気−回転エネルギ変換(分配)部2
4、発電(分配)部25、排熱(捨て場所)部27、除
熱(分配)部26部をそれぞれのイメージ表示(以下ア
イコンという)から構成されており、各機能に対してさ
らに展開した情報を提供するサポートアイコンを付加し
ている。各アイコンは、その機能に関係するプラント状
態に応じて色を変化させる。ここに示したアイコンでは
以下のようなプラント状態が対応する。 ・炉熱発生 :スクラム時 ・熱エネルギー移送 :MSIV閉時 ・蒸気−回転 エネルギ変換 :タービントリップ時 ・発電 :発電機トリップ時 ・除熱 :コンデンサトリップ時
【0040】この様なアイコンのプラント状態に関連す
る色変えに加え、アイコンまたは画面全体に関する情報
の展開ができるようにする。表現画面全体での展開は、
問題解決の2つの次元すべての方向に展開可能とする。
流れや分配を表現するアイコンからは、対応する一般的
機能または物理的機能表現を提供し、対象が静的(原子
炉、格納容器等)及び環境の場合には機能目的レベルの
情報を提供する。
【0041】さらに、サポートアイコンからも情報の展
開を計ることとし、同一抽象度の情報の範囲内での情報
展開を行う。図6にサポートアイコンからの展開図の一
例を示す。これは炉熱発生時に炉熱発生サポートアイコ
ンを展開したものであり、この場合制御棒駆動制御や原
子炉圧力を展開することも考えられるが、本例では、原
子炉の炉熱発生に影響を及ぼす原子炉圧力を中心とした
物質とエネルギーの流れを示す情報表現へと展開してい
る。また、この展開された情報からもさらに情報の展開
を行うことができる。
【0042】次に、プラントのプロセスで広く認められ
たマスとエネルギーのバランスおよび動作流体の蒸気サ
イクルに対する原理・法則を用いてプラントのプロセス
情報の直接的表現を表示したー例を図7に示す。図7は
プラントのマスエネルギーバランスと動作流体の上記サ
イクルを直接的に表示した一例である。
【0043】この画面は、情報表示体系の全体感を示す
画面として位置づけられ、従来の物理的機能レベルの表
示が単に「操作」を示すのみであり、その目的とする
「理由」や「到達点」に関しては、運転員が頭の中に描
き出さねばならなかったのに比べ、抽象レベルの高い画
面によりプラントの仕組み・機能レベルでの因果関係を
表現し、プラント性能の変化や制御が直接認知できるこ
とが期待される。
【0044】図7において、それぞれ太い点線の矢印は
エネルギーの流れ、太い実線は水の流れ、細い実線の矢
印はエンタルピの流れを示している。また矢印に設けら
れた符号は剰算,加算,減算などの演算を示している。
【0045】この情報画面は大きく2部分から構成され
ている。これはプラントにおけるエネルギー流やエネル
ギーバランスを示す部分とプラント全体の水のマスバラ
ンスを示す部分から構成される。
【0046】プラントにおけるエネルギー流やエネルギ
ーバランスを示す部分は炉心部におけるランキンサイク
ルを示す炉心部ランキンサイクル部と再循環流量とサブ
クール温度のバランス関係を示す表示部41、入力エネ
ルギーと出力エネルギーとの均衡を示すエネルギーバラ
ンス表示部42、タービン熱エンジンサイクル表示部4
3、電気出力および排熱を表示するエネルギーシンク表
示部44から成りこれらの相互関係を示している。この
ように、エネルギー変換過程における、基本原理に基づ
く因果関係・手段目的関係の表示を行なうことにより、
プラント全体の状態のモデルベース統合表示となる。
これは運転員の知覚力活用にも用いられる。つまり、運
転目標達成のための「なぜ」「何を」「どうする」とい
う思考の流れの直感的把握を助けるものである。例え
ば、ランキンサイクル表示における「現状の効率からサ
イクル状態を知り制御量を決定する」といった流れを把
握することである。さらに、表示シンボルからの思考実
験による知識ベース行動の支援を行なうための運転員の
メンタルモデルを適切に醸成するのを支援する。また、
制御変数間のバランス・繋がりを明確にするものであ
る。
【0047】プラント全体の水のマスバランスを示す部
分は炉水位を示す炉容器マスバランス表示部45と復水
器の水位を示す復水器マスバランス表示部46から構成
されている。このように、エネルギーの変換過程をサポ
ートするマスフローバランスの表示を行うことにより運
転員の知覚力活用を目指す。表示シンボルからの思考実
験による知識ベース行動の支援を行なうための運転員の
メンタルモデルを適切に醸成するのを支援する。
【0048】以下に、図7に示された画面のプラントの
プロセスで広く認められたマスとエネルギーのバランス
および動作流体の蒸気サイクルに対する原理・法則を用
いてプラントのプロセス情報の直接的表現を行なう表示
を実現するうえで必要になるデータ・計算式をまとめて
示す。 (A)プラントにおけるエネルギー流、エネルギーバラ
ンス (a)炉出力Qについてはプラント信号を用い、バーチ
ャート表示を行う。 (b)炉心部ランキンサイクル部 炉心部におけるランキンサイクル拡大部と再循環流量と
サブクール温度のバランス関係を明示的なモデルで表示
する。図8にこの拡大図を示す。 縦軸:温度、炉圧、飽和蒸気エンタルピー 横軸:ランキンサイクルでは、本来エントロピーで表示
されるがが任意でよい。よって、数値は入れず炉心出口
クオリティXeで表示する。 (i) 炉心サブクール(Δh):Δh=hf−hw ここで、hfは飽和水エンタルピー、hwは給水エンタ
ルピーである (ii) 飽和水線、一定クオリティ(Xe)線:原子炉の
温度から蒸気表を用いて計算する。 (iii)飽和温度:蒸気表から圧力換算にて求める。 (iv) 炉心出口クオリティ : Xe=水蒸気になった水Mg/炉心に入ってきた水m3
【0049】炉心出口クオリティXeは再循環流量m3
1の単位流量当たりの蒸発割合で、次式の様に炉出力
Q,炉圧p,炉心入り口流量m31,炉心流体温度Ti
nとの関係で表される。 Xe=Fn(炉出力Q,炉圧p,炉心入り口流量m3
1,炉心流体温度Tin) 炉出力Q,炉圧p,炉心入り口流量m31を例えば10
0%出力と固定した場合XeとTinの関係が求められ
る。
【0050】炉心に入ってきた水を飽和した水にするた
めに必要な熱量は:Δh・m31で表され、水蒸気になっ
た水は:Mg=(Q−Δh・m31)/hfgで求められ
る。また、気化熱:hfg=hg(飽和蒸気エンタルピ
ー)−hf(飽和水エンタルピー)である。従って、次
式より炉心出口クオリティXeが求められる。
【0051】
【数1】 Xe=(Q−Δh・m31)/(hfg*m31) 0≦Xe≦1
【0052】Xeは再循環流量m31の単位流量当たり
の蒸発割合であり、ランキンサイクルでは一般にはこの
軸がエントロピーとなるがエントロピーの代わりに出口
クオリティーを用いている。また、 Xe=0:飽和水線、 Xe=1.0:飽和蒸気線 となるが、表示ではこの間を等分割する。次に再循環流
量とサブクール温度のバランス表示であるが、図8に従
って説明する。
【0053】再循環流量を線分hiでバーチャート表示
する。このバーチャートの先には線分hdで表示される
一定の長さの線分を用意する。この線分の先端には回転
可能なボールがセットされているという状況を想定可能
な表示を行なう。この線分hdが線分jkで示される傾
斜面を支えているというアイコンを考える。傾斜面jkは
現在の表示では角度θで線分hdに支えられている。こ
の状態において、線分abは給水流量mfに給水エンタ
ルピーhwを掛け合わせた量に対応したものであり、線
分acが給水流量mfに飽和水エンタルピーhfを掛け
合わせた量に対応したものとなるように表示する。この
時、点bから垂線を傾斜面jkに下ろし交点eで水平に
線分が折れ曲がるように表示を行なう。その線分がサブ
クール温度表示と交差する点をfとすると線分jfと線
分hiと線分hdと角度θとの間には以下の関係が成り
立つ。
【0054】
【数2】tan θ= 線分h’d・線分hi=サブクール温
度・mf(hf−hw)
【0055】この関係を維持しつつ表示を行なうこと
で、線分mlとそれに平行に引いた線分noを表示し炉
心に入って来る水と出ていく水(蒸気)の関係を物理的
な関係を保持した一貫した関係で表示することができ
る。 (v) 炉容器圧力p:測定値を用いる また、飽和蒸気エンタルピー[hg(p)]は炉容器圧
力pが決まれば蒸気表から決定できる。例えば圧力67.8
kg/cm2 では、662kcal/kgと与えられる。 (c)エネルギーバランス図
【0056】初期値はこの画面が呼ばれたときの炉心圧
力に比例した値を設定することにより表示する。例えば
通常出力時が70気圧であれば初期値を70とした表示
を行なう。その後の(エネルギーの蓄積に伴う)圧力の
変動分をここから補正するため、数値積分が必要とな
る。もちろん入口エネルギー流と出口エネルギー流のバ
ランスがとれていれば蓄積はないためエネルギー蓄積量
の変動はない。主蒸気流量、給水流量によるドリフト
(ゆらぎ)は水位で校正し、炉出力によるドリフト(ゆ
らぎ)は炉出力自身で校正する。
【0057】(d)タービン熱エンジンサイクル図 図9にタービン熱エンジンサイクル図の拡大図を示す。
図7および図9では給水に係わるポンプ仕事を省略して
いる。以下、この表示に関する表示方法を説明する。 (i) 飽和水線、飽和蒸気線:理論値であり蒸気表か
ら理論的に計算し固定表示とする。 (ii) 飽和温度線:蒸気温度に対応する値を炉心圧力
を基に蒸気表から計算する。 タービン熱エンジンサイクル図のエントロピー値を表示
するために以下の測定値および計算値を用いる。 (iii) b2エントロピー値 主蒸気流量をM1、高圧一段抽気点抽気蒸気量mH2とす
ると次式が成立する。 (M1−mH2)・M1=線分(3) e1/線分(2) e1 これより、(3) b2点を求める。但し、 M2=(M1−mH2) とする。 (iv) b3エントロピー値 高圧二段抽気点抽気蒸気量mH3とすると次式が成立する (M2−mH3)・M2=線分(5) e2/線分(4) e2 これより、(5) b3点を求める。ここで、 M3=(M2−mH3) とする。 (v) b4エントロピー値 低圧一段抽気抽気蒸気量mH4とすると次式が成立する (M3−mH4)・M3=線分(7) e3/線分(6) e3 これより、(6) b4点求める。ここで、 M4=(M3−mH4) とする。 (vi) b5 エントロピー値 低圧二段抽気蒸気量mH5とすると次式が成立する (M4−mH5)・M4=線分(9) e4/線分(8) e4 これより、(9) b5点を求める。ここで、 M5=(M4−mH5) とする。 (vii)b6 エントロピー値 低圧三段抽気蒸気量mH6とすると次式が成立する (M5−mH6)・M5=線分(11)e5/線分(10)e5 これより、(11)b6点を求める。ここで、 M6=(M5−mH6) とする。 (viii) b7エントロピー値 低圧四段抽気蒸気量mH7とすると次式が成立する (M6−mH7)・M6=線分(13)e6/線分(12)e6 これより、(13)b7点を求める。
【0058】なお、タービン抽気量は、各段のタービン
圧力、蒸気流量、抽気量の関係から計算で求める。これ
ら各段のタービン圧力、蒸気流量、抽気量の関係を図1
0に示す。図10に示されるように、抽気圧力は、最終
段の値Pn (復水器の圧力)が与えられるとして、上流
側に下記に示すStodola の式で求める。
【0059】
【数3】 Pi ={Ci i 2 ( Ti + 273.15 )+Pi+1 2 1/2 ここで i = n−1〜 1 ・・・・・ (1)
【0060】Ci は定数で定格点での関係から前持って
設定する。Ti は蒸気温度であり、蒸気表から圧力Pi
とエンタルピーhi を基に計算する。 ここで、Ti =F(Pi , hi ) タービン蒸気流量は、既に示したように上流側より次の
ような関係から求める。
【0061】
【数4】 M2 =M1 −mH23 =M2 −mH3 : Mi+1 =Mi −mHi+1 : MHn=Mn-1 最終値の蒸気は全て復水器で凝縮される。タービン抽気
圧(給水加熱器の抽気)は、タービン圧力で決定する。
また、抽気量とその段の圧力は
【0062】
【数5】mHi=CHii の関係にあり、CHi は定数で定格点での値を基に設定
する。Ci , CHi定数は定格点での、P1 ,M1
2 ,mH2, ...,P1 ,mHi, ....,Pn ,mHn を用
いて、次式から求める。
【0063】
【数6】 抽気蒸気のエンタルピーは、各段でのエンタルピー落差
より求まる。入口のエンタルピーを h1 とし、断熱変
化を仮定すると
【0064】
【数7】 Pv r =C , dh=(1/J)vdP, dh=(1/J) C(1/r) -(1/r) dP の関係から
【0065】
【数8】 となり、この式より各段の圧力{Pi }{i =1 〜n-1
}が既に求まっているものとして推定される。ここに
i は、比容積でありr=Cp /Cv でCp :定圧比熱
v :定容比熱である。今、
【0066】
【数9】湿り蒸気で r= 1.035 + 0.1x 過熱蒸気で r= 1.3 であるがタービンでの蒸気は純粋蒸気と仮定し湿り蒸気
乾き度xを1.0 とし定数とする。
【0067】上式は理想的な断熱変化を仮定した場合に
成り立つ式であるが,実際は理想的には仕事をしないた
め効率ηを定義しエンタルピーの値を補正する。最終段
の理想的なエンタルピーを上式で求めh' n とすると、
効率ηは次式で与えられる。
【0068】
【数10】 この値を各段で一定として、式(3)にて与えられる各
段の蒸気エンタルピーにかけ合わせることで現実の蒸気
エンタルピー{hi }を求める。上記(1)式,(3)
式,(4)式と蒸気表から{Pi }{hi }{Ti }列
を順次求め、以下のような繰り返し手順で抽気蒸気量を
計算する。
【0069】ステップ1 :式(1)を用い{Pi }を
求める。この際{Ti }の推定値としては得られた{P
i }{hi}に対応する蒸気温度を蒸気表から用いる
が、初期推定に於いては{Pi }に対する飽和蒸気温度
を用いる。 ステップ2 :各段の圧力{Pi }から(3)式,
(4)式を用いて蒸気エンタルピー{hi }を求める。 ステップ3 :各段の圧力{Pi }、蒸気エンタルピー
{hi }を用いて、蒸気表から各段の温度{Ti }を求
める。
【0070】この3ステップを、前回の値との差が一定
となるまで推定を繰り返す。最終的に得られた各段の圧
力{Pi }と(2)式を用いてタービン各段からの抽気
蒸気量推定値を計算する。
【0071】以下は、温度表示に関する説明であるが、
図9に示したe1〜e7の値の計算(測定値)方法を示
す。なお、表示に当たってはe1〜e7に到る温度の色
表示を変え対応するタービン熱エンジンサイクル図にお
けるランキンサイクル表示図の抽気各段の色と対応が取
れるようにする。 (ix) 温度:e7 温度:e7には復水器蒸気温度(又は復水温度)を用い
る (x) 温度:e1 第一段給水加熱器 給水側出入口温度 ドレン水温度を
第一段 給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表
示e1に用いる (xi) 温度:e2 第二段給水加熱器 給水側出入口温度 ドレン水温度を
第二段 給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表
示e2に用いる (xii)温度:e3 第三段給水加熱器 給水側出入口温度 ドレン水温度を
第三段 給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表
示e3に用いる (xiii)温度:e4 第四段給水加熱器 給水側出入口温度 ドレン水温度を
第四段 給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表
示に用いる:e4 (xiv) 温度:e5 第五段給水加熱器 給水側出入口温度 ドレン水温度を
第五段 給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表
示e5に用いる (xv) 温度:e6 第六段給水加熱器 給水エンタルピー ドレン水温度を
第六段給水加熱器通過後の給水エンタルピー・温度表示
e6に用いる (xvi)タービン効率 η BWR 原子力発電所の表面給水加熱器再生サイクルを例に
取って説明すると以下の式で求められる。
【0072】
【数11】 η=1-( hc-hc'-Sum(i=1-n){ gi(hc-hn')})/( ha-h1') ここに、 hc:タービン出口蒸気エンタルピー hc': 復水器出口給水エンタルピー hn': 第n 段給水加熱器出口部給水エンタルピー ha:タービン入り口蒸気エンタルピー h1': 原子炉入り口部の給水エンタルピー gm: 第m段抽気の全蒸気量に対する割合
【0073】
【数12】 gm=( hm'-hm+1')/(hm- hm') -Sum(i=1-m-1){gi*( hi-1'- hi')/( hi-hi')} , ( hn+1'=hc') ( g1 =( h1'- h2')/( h1-h1')) この様な理論計算だけでなく、面積計算にても効率は求
められる。面積計算の場合、タービン効率 ηは次式に
て求められる。 タービン効率 η=( 面積e1baAB−面積e6b6(13)(14))
・面積e1baAB (xviii)循環水入口温度・循環水出口温度
【0074】これらの表示は、循環水入口温度・循環水
出口温度測定値を用い直線で結ぶことで両者の差異を分
かるように表示する。もちろん対応する色を用い温度軸
上に色付きのバー表示を重ねることも可能である。 (e)エネルギーシンク 電気出力・排熱を以下の式にて求め表示する。 電気出力=(炉容器出口エネルギー流×効率η or 実
測値) 排熱 =(炉容器出口エネルギー流×(1-η) or
実測値) (A)プラント全体の水のマスバランス、流量 (a)炉容器マスバランス (i) 給水流量:実測値を用いる。 (ii) 主蒸気流量:実測値または再循環流量×Xeで求
める。 (iii)炉水位:測定値を用い表示する。 (b)再循環水流量 測定値を用い表示する。 (c)復水器マスバランス (i) 入口流量:タービン入口流量、蒸気乾燥器ドレン
流量、バイパス流量、補充流量を合計する。 (ii) 給水流量:測定値を用い表示する。 (iii)復水器水位:測定値を用い表示する。 (d)復水器循環水流量 測定値を用い表示する。
【0075】また、図11にタービン熱エンジンサイク
ル図を表示する他の表示例を示す。給水加熱による温度
表示は図7と同一の表示方式とするがタービン蒸気の抽
気による仕事の減少分を明示し抽気各段の表示を簡略化
した例である。
【0076】以上のように本発明のプラント状態表示装
置によれば、抽象機能を表現することで、現状の目的達
成のためのエネルギー変換過程全体を機能状態として表
現できる。また、プランと全体の状態をモデルに基づき
統合表示できる。さらに、運転員の知覚力を活用でき、
前持って全ての状況に対する予測をし支援のための情報
を用意しておく必要がない。運転目標達成のための、効
率−サイクル状態−制御量の関係が直感的に把握でき
る。表示シンボルを用いた思考実験を可能にするため、
運転員の適切なメンタルモデル構築を助ける。そして、
抽象度の高い情報を基本としたプラントの仕組みの表現
やプラントを稼働させている機能間の関係を直感的に表
現することが可能になり、運転員の頭の中で考えている
ことに近い表現で情報がCRT上に表示されるため、プ
ラントの性能の変化や制御の方法が直接(直感的に)認
知できる。
【0077】
【発明の効果】これにより、人間の行なう問題解決にお
ける情報処理に適合したプラントの情報表示を可能と
し、プラントのハードウェアに依存しない抽象度の高い
表現を行ない、原理・法則を表象化し直感的にわかるよ
うに表現することによるプラントの目的の実現機構のホ
ワイトボックス化を可能とし、運転員の誤判断を防止し
プラントの不必要なトラブル発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるプラント状態表示装
置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施例に係わるプラント状態表示装
置の処理のアルゴリズムを示すブロック図。
【図3】運転員の問題空間と問題解決において使用され
る移動空間を示す説明図。
【図4】手段−目的次元の各概念レベルにおける情報提
供基準を示す説明図。
【図5】本発明の一実施例に係わるプラント状態表示装
置における表示画面の1例を示す表示画面図。
【図6】図5の表示画面図を展開した展開図。
【図7】本発明の一実施例に係わるプラント状態表示装
置における表示画面の1例を示す表示画面図。
【図8】図7の炉心部におけるランキンサイクル部と再
循環流量とサブクール温度のバランス関係示す表示部の
の拡大図。
【図9】図7のタービン熱エンジンサイクル図の拡大
図。
【図10】タービン抽気圧を求めるためのタービン圧
力,蒸気流量,抽気量の関係を示す関係図。
【図11】図7のタービン熱エンジンサイクル図の他の
表示例を示す表示画面図。
【符号の説明】
1…プラント状態表示装置 2…プラント 3…
プロセス信号入力装置 4…プラント状態評価装置 5…状態評価知識ベース 6…表示データ作成装置 7…プラント設定値デー
タベース 8…2次元情報体系データベース 9…対話用情報処
理装置 10…対話内容知識ベース 11…運転員 12…運
転操作出力装置 13…プラント状態情報表示装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントからのプロセス値を入力するプロ
    セス信号入力手段と、このプロセス信号入力手段からの
    プロセス信号を評価しプラント状態を認識するプラント
    状態評価手段と、前記プロセス信号入力手段からのプロ
    セス信号と前記プラント状態評価手段からプラントの状
    態評価結果を受け取りプラント状態表示用データを作成
    する表示データ作成手段と、この表示データ作成手段に
    て作成されたプラント状態表示用データにより表示を行
    うプラント状態情報表示手段と、このプラント状態情報
    表示手段の表示画面を選択する対話用情報処理手段とを
    具備して成るプラント状態表示装置において、プラント
    の手段から目的に至る概念を機能毎に段階分けし、この
    段階分けされたそれぞれの概念に基づき情報を提供する
    目的および提供すべき情報の内容から表示画面の構造お
    よび内容を予め決定し、プラントの状態表示を前記表示
    画面により表示すること特徴とするプラント状態表示装
    置。
  2. 【請求項2】前記表示画面はプラントにおける物質とエ
    ネルギーの流れ及び均衡状態を表象化して表示すること
    を事を特徴とする請求項1記載のプラント状態表示装
    置。
  3. 【請求項3】前記表示画面はプラントを構成するうえで
    用いられている基本的な原理・法則を表象化して表すこ
    とを特徴とする請求項1記載のプラント状態表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2706062A1 (fr) * 1993-05-26 1994-12-09 Toshiba Kk Système d'affichage de conditions d'une installation.
JPH08152913A (ja) * 1994-11-30 1996-06-11 Toshiba Corp プラント監視装置
JP2013073584A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Yokogawa Electric Corp 運転状態監視装置および運転状態監視方法
JP2016170047A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 株式会社東芝 原子炉圧力容器内水位推定装置および原子炉圧力容器内水位推定方法

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