JPH05715Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は玩具銃における連射機構に関するもの
であり、ゼンマイ駆動機構と連係して回転する打
出し片によつて、弾丸を連射できるようにしたも
のである。

〔従来の技術〕

従来の連射式玩具銃としては遊戯場で使用され
るものが知られている。この玩具銃は高圧の空気
を使用して玩具銃の発射孔から弾丸を連射するも
のであるが、銃本体とは別に高圧の空気を送風す
る装置が必要であつて携帯性が要求される玩具銃
には不適当なものであつた。また、一般の玩具銃
では１回のトリガー操作で複数の弾丸が連射でき
るものはなかつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記一般に使用されている玩具銃は、トリガー
を操作して１発ずつ弾丸を発射するものや、弾丸
やトリガーをリセツトするためにレバー操作や銃
身を折曲げるタイプのものが多く見られる。これ
らの銃玩具はいずれもトリガーを１回操作する度
に１発の弾丸が発射されるものであり、トリガー
を引いている間、弾が連発される連射装置を備え
た玩具銃が要望されていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記従来技術の問題点を勘案してなさ
れたものであり、弾倉から誘導管によつて供給さ
れる弾丸をゼンマイ駆動機構と連係して回転する
回転板の外周縁に突設した打出し片によつて発射
管に打出すものであり、前記回転板は弾丸が自重
で落下してくるタイミングを計るためにガバナ機
構と間欠的に係合する係合機構を備えてあり、更
に、回転板にはトリガーと係脱する係止機構を備
えたものである。

〔作用〕

ゼンマイ駆動機構に駆動力を蓄勢し、トリガー
を操作することにより、外周縁に打出し片を突設
した回転板が回転し、弾倉から誘導管に導かれた
弾丸は１個ずつ回転板の外周面に落下して、打出
し片によつて発射管に打出されるものである。そ
して、前記発射機構はトリガーが引かれている間
継続して作動するものであり、弾丸は連射される
ことになる。

〔実施例〕

銃本体１は小型の機関銃の形状に形成されてお
り、銃本体１の上部には弾倉５が形成されてい
る。弾倉５は内部が中空状であり、多数の弾丸３
２…が収納可能に設けてある。

弾丸３２…は合成樹脂で球状に形成されてい
る。

弾倉５の上部にはガイド溝５ａが形成されてお
り、該ガイド溝５ａには蓋板６ａが摺動自在に嵌
合している。摘み６は蓋板６ａに突設されていて
外部から操作して開閉動自在に設けてある。

そして、弾倉５の底部は傾斜面に形成されてお
り、該傾斜面の最低部には溝状の誘導管３４の上
端部が連通している。この誘導管３４は弾丸を１
列縦隊で通過させる幅員を有している。従つて、
弾倉５内に収納された弾丸３２…は弾倉５の底部
の傾斜面によつて転動し、誘導管３４内を通つて
自重で後述する発射機構に落下することになる。

銃本体１の側面には円形の通孔１ａが開設され
ている。この通孔１ａには上面にゼンマイを巻締
めるための摘み６を突設した円板７が回転自在に
嵌合している。そして、円板７の中央部には角孔
８が穿設されており、該角孔８にはゼンマイ１０
を巻装する角軸１１が軸着されている。ゼンマイ
１０の内方端は円板７の中央部に立設した突片９
に係止しており、ゼンマイ１０の外方端は銃本体
１の内壁面に係止している。そして、角軸１１の
中間部は銃本体１の内部に固着した支持板３８に
回転自在に軸承されており、角軸１１の上端部に
は歯車１２が軸着されてりる。歯車１２は銃本体
１の内壁面に立設した支軸３９に回転自在に遊嵌
した小歯車１３と噛合している。小歯車１３の側
面には円弧状の弾性片１４が接着されており、弾
性片１４の先端には上面が所定方向に傾斜した係
止突起１５が突設されている。更に、支軸３９に
は回転板１６が回転自在に遊嵌されている。この
回転板１６の側面には前記弾性片１４の係止突起
１５が嵌合する複数の通孔１５…が円弧状に穿設
されている。そして、支軸３９の上端部には回転
板１６の軸方向の摺動を阻止するための鍔板（図
示しない）を軸着し、支軸３９の下部には小歯車
１３を上方へ押上げるコイルスプリング（図示し
ない）を巻装してある。従つて、回転板１６と小
歯車１３に接着した弾性片１４は摺接した状態で
支軸３９に回転自在に軸支されている。

そして、摘み６を回わしてゼンマイ１０を巻締
めると、歯車１２と噛合する小歯車１３が回転
し、該小歯車１３に接着した弾性片１４も回転す
る。弾性片１４の先端に設けた係止突起１５は回
転板１６の通孔１９…に脱嵌可能に設けてあり、
摘み６をゼンマイ１０が巻締められる方向に回転
させると、係止突起１５の上面に形成した傾斜面
が通孔１９…の周縁に乗り上げるために、弾性片
１４は撓んで回転板１６の側面に摺接して回転す
る。そして、ゼンマイ１０が解旋するときは、係
止突起１５が通孔１９…内に嵌合しており、ゼン
マイ１０の駆動力は回転板１６に伝達されること
になる。

そして、トリガー３が操作されるとストツパー
ピン１７と回転レバー２１の係止機構が解除さ
れ、回転板１６は通孔１９…に嵌合した弾性片１
４の係止突起１５によつて回転されることにな
る。従つて、この回転板１６と弾性片１しスリツ
プタイプの１方向クラツチの機能を有するもの
で、玩具のゼンマイ駆動機構として一般的に使用
されている技術である。

回転板１６の上面に立設した係合ピン１８は、
支持板３８に立設した支軸２７に回転自在に軸支
した歯車２８の側面に刻設した送り歯２９と係合
可能に設けてある。そして、歯車２８は爪車３０
と同軸に設けた小歯車と噛合しており、爪車３０
には揺動部材３１に設けた一対の爪が交互に噛合
するように構成されている。前記歯車２８、爪車
３０および揺動部材３１はゼンマイ駆動機構のガ
バナ機構として一般に使用されているものであ
る。

回転板１６に立設したストツパーピン１７は下
端にトリガー３を突設した回動レバー２１に穿設
した凹陥部２４と係合する。回動レバー２１の基
端部には筒体２２が立設しており、該筒体２２は
支持板３８に立設した支軸２３が遊嵌しており、
回動レバー２１は支軸２３を支点として回動自在
である。そして、回動レバー２１の下端には係止
片２５が突設しており、該係止片２５と銃本体１
内に突設した係止片３７間には引きバネ２６が張
設されている。この引きバネ２６によつて、回動
レバー２１には支軸２３を支点として第４図示の
時計方向に回転力が付勢されている。従つて、ト
リガー３が操作されない第４図示の状態では、回
転板１６に立設したストツパーピン１７は回動レ
バー２１の凹陥部２４に嵌合して停止している。
そして、回転板１６に突設した打出し片２０は誘
導管３４の下部解放端を塞いだ状態となつてお
り、弾丸３２は誘導管３４からの落下を阻止され
ている。そして、この打出し片２０は発射管３６
の基端部に配設されており、実際に弾丸３２を打
出す打出し片２０の前方の端面は発射管３６内に
位置している。

そして、トリガー３を引くことにより、回動板
２１が第４図示の反時計方向に回転し、回動板２
１の凹陥部２４とストツパーピン１７で構成され
る係止機構が解除し回転板１６は前記ゼンマイ駆
動機構の解旋力で回転することになる。回転板１
６が回転することにより、打出し片２０が誘導管
３４の下部解放端が解放され、弾丸３２が自重で
回転板１６の外周面上に落下する。この打出し片
２０の高さは弾丸３２の直径と略等しく形成して
あり、回転板１６の外周面上には１個の弾丸が落
下することになる。

そして、ゼンマイ駆動機構の解旋に伴つて回転
する回転板１６は、係合ピン１８がガバナ機構３
３を構成する送り歯２９に係合して回転速度が１
時的に低下する。これは弾丸３２が誘導管３４か
ら落下しないうちに打出し片２０が回転してきて
空打ち状態になることを防止するものである。こ
のようにして、弾丸３２…の落下のタイミングを
計つて回転する打出し片２０によつて弾丸３２…
は確実に発射管３６に打出されることになる。上
記発射機構は実測によれば１秒間に５乃至６発の
連射能力を有するものである。

〔考案の効果〕

ゼンマイ駆動機構に駆動力を蓄勢し、弾倉に多
数の弾丸を収納し、トリガーを操作することによ
り、ゼンマイ駆動機構が解旋して打出し片が回転
して、弾丸発射管に打出すものである。そして、
トリガーを戻さない限り弾丸は１秒間に５〜６発
の連射速度で発射されるものであり、簡単な構造
であるにも拘わらず優れた機能を有する玩具銃の
連射機構を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであり、第１
図は銃本体の外観斜視図、第２図は内部機構を分
解して示す斜視図、第３図は銃本体の片側とトリ
ガーを除去して示す上面図、第４図は発射機構の
要部を示す拡大上面図である。 １……銃本体、３……トリガー、５……弾倉、
１０……ゼンマイ、１６……回転板、１７……ス
トツパーピン、１８……係合ピン、２０……打出
し片、３３……ガバナ機構、３４……誘導管、３
５……発射管、３２……弾丸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 銃本体の上部には複数の弾丸を収納する弾倉を
   設け、前記弾倉の下部には発射機構に弾丸を供給
   する誘導管を設け、前記誘導管の下部解放端には
   外周縁に打出し片を突設した回転板を配設し、該
   打出し片は銃本体の発射管の基端部に臨ませ、前
   記回転板はゼンマイ駆動機構と連係すると共に、
   ガバナ機構と間欠的に係合する係合機構と、トリ
   ガーとの係止機構を備えたことを特徴とする玩具
   銃における連射機構。