JPH056468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、電気配線構造を工夫したマニホール
ド電磁弁装置に関する。

【従来の技術】

従来の電磁弁装置は、外部と電気接続するに当
たり、コイルの外側上面に別体のソケツトを装着
し、このソケツトを介して外部と電気配線してい
たため、ソケツトが弁本体の上面高さより突出
し、その分だけ設置スペースを多く必要としてい
た。特に、１個のベース上に複数の弁本体を並列
設置したマニホールド型のものにおいては、各弁
本体のコイルに１対１の関係でソケツトを装着し
ており、コイルからのリード線を集約することに
よる配線上のミスは少ないものの、ソケツトの装
着作業に手間がかかるに加え、多数本のリード線
がマニホールドベースの一側方または両方から分
散して引き出され、電気配線に多くのスペースを
要し、特に小型の弁本体にとつては、ソケツトと
リード線が全体の設置スペースのかなりの部分を
占め、マニホールド構造の小型化の障害となつて
いた。 一方、実開昭58−72503号公報に開示されてい
るように、マニホールド構造のものとして、複数
の電磁弁ソレノイドからのリード線をマニホール
ド本体の一側に設けた配線用ダクト内へ一括して
収容し、該配線用ダクト内に装着した端子台を介
して外部と接続できるようにしたものがあつた。 しかし、これでは、電磁弁ソレノイドと端子台
とを、リード線を介ししかもリード線１本ごとに
接続しなければならず、その接続作業が非常に面
倒であり、弁本体を交換したときはかかるリード
線接続作業をやり直さなくてはならなく、かつ接
続ミスが生じやすいばかりでなく、接続状態が不
安定であつた。

【考案が解決しようする課題】

本考案の目的は、従来のこのような問題に鑑
み、マニホールド構造の電磁弁装置において、全
弁本体の外部との電気配線をマニホールドベース
で一括して行え、かつ各弁本体をマニホールドベ
ース上に単に載置するだけでマニホールド側と内
部接続され、従つて各弁本体とマニホールドベー
スとの間ではリード線による内部接続作業は全く
不要で、弁本体の交換が非常に容易であり、しか
もその内部接続を安定した状態でしかも的確に行
えるすることにある。また、マニホールドベース
と外部との外部電気接続部を保護できるに加え、
該外部電気接続部からのリード線の引き出し方向
を選択できるようにすることにある。更に、リー
ド線以外に抵抗やバリスタ等の電気素子も接続で
きるとともに、その接続部も同様に保護できるよ
うにすることにある。

【課題を解決するための手段】 本考案によるマニホールド電磁弁装置は、 各弁本体２の一端に取り付けられたコイルブ
ロツク１３の平らな下面に複数の板状の雄端子
金具１４を垂下突設したこと、 マニホールドベース１の一側部に、該マニホ
ールドベース１に設けられた外部接続ポート３
の軸線と平行にマニホールドベース１を貫通し
て該マニホールドベース１の両側に引出口５を
有するリード線引出路６を設けたこと、 該リード線引出路６の上側に、複数の弁本体
２にそれぞれ対応する複数の方形の端子台挿着
孔７を、リード線引出路６の軸線方向に所定の
間隔をおいて設けたこと、 平面方形の絶縁端子台８を、その上面を上記
マニホールドベース１の上面と面一にしかつ下
端部をリード線引出路６に突入させて各端子台
挿着孔７に回転不能に挿着固定したこと、 各絶縁端子台８に、複数の雌端子金具９の上
端のＵ字状部を含む大部分を当該絶縁端子台８
の上面より下方に離して埋設し、雌端子金具９
の下端部９ａを、上記リード線引出路６内で絶
縁端子台８の下端部の表面に露出させたこと、 各絶縁端子台８の上面に、上記複数の雄端子
金具１４を受け入れて上記雌端子金具９のＵ字
状部との嵌合を案内する複数の差込孔１０を設
けたこと、 上記リード線引出路６内において上記雌端子
金具９の下端部９ａにリード線１１を接続し、
該リード線１１を上記引出口５から引き出した
こと、 上記絶縁端子台８の下面と上記リード線引出
路６の内底面との間に、上記リード線１１を挿
通させても十分に余りがある空間を形成したこ
と、 を特徴とする。

【作用】

各弁本体をマニホールドベース上に載置固定す
るに当たり、各弁本体のコイルブロツクの下面に
植設された雄端子金具を絶縁端子台の差込孔に差
し込むと、該絶縁端子台に埋設された雌端子金具
のＵ字状部と差込孔内で係合され、つまり各弁本
体のコイルが、雌端子金具と電気的にしつかりと
内部で接続され、同時に該コイルがリード線引出
路の引出口から引き出されているリード線を介し
て外部と電気接続される。この場合、コイルブロ
ツクの下面は平らであり、また絶縁端子台の上面
はマニホールドベースの上面と面一であるため、
コイルブロツクの下面を絶縁端子台の上面と密着
させることができ、しかも雄端子金具を、差込孔
を通じて雌端子金具のＵ字状部と絶縁端子台の内
部で係合させるため、その係合を安定保持できる
とともに、その係合部を保護できる。 また、端子台挿着孔及びこれに挿着する絶縁端
子台はいずれも方形で、絶縁端子台はマニホール
ドベースに回転不能に固定されるため、絶縁端子
台をマニホールドベースに安定した状態で保持で
きる。 リード線引出路は、マニホールドベースの側面
に設けられた外部接続ポートの軸線と平行に貫通
してマニホールドベースの両側に引出口を有する
ため、リード線を外部接続ポートからの配管と並
行に引き出すことができるとともに、その引き出
し方向を選択できる。 雌端子金具とリード線とはリード線引出路内で
接続されているため、その接続部が露出すること
はなく、その接続部を保護できるとともに、安全
である。 絶縁端子台の下面とリード線引出路の内底面と
の間に、リード線を挿通させても十分に余りがあ
る空間が形成されているため、この空間を利用し
て雌端子金具の下端部に抵抗やバリスタ等の電気
素子を接続できるとともに、それを保護できる。 装置本体からみて電気接続部全体（内部接続部
と外部接続部の双方）が、弁本体の外郭及びマニ
ホールドベースの外郭内に納まつて内蔵された形
態となるので、凹凸が少なくて設置スペースの小
さい小型のマニホールド構造にできる。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。 第１図はマニホールドベース１上に２個の弁本
体２を設置した組み立て状態の一例の断面図、第
２図は３個の弁本体２を設置した状態の平面図、
第３図はマニホールドベース１の斜視図である。
先ず、マニホールドベース１から説明すると、そ
れは弁本体２を３個並列に設置できる大きさにな
つており、その一側面（第２図で前面）には、３
個の弁本体２に対して共通する入力・出力・排出
の３個の外部接続用ポート３が設けられ、また上
面には、各弁本体２についてそれぞれ所定複数個
ずつ対応して各弁本体２と各列個別に接続される
３列の連通ポート４が一定の間隔で設けられてい
る。 更に、マニホールドベース１の一側部（第３図
で右側）には、外部接続ポート３の軸線と平行に
貫通してマニホールドベース１の前後両側に引出
口５を有するリード線引出路６が設けられてい
る。そして、このリード線引出路６の上側に、３
個の弁本体２にそれぞれ対応する３個の方形な端
子台挿着孔７が、リード線引出路６の軸線方向に
一定の間隔（３列の連通ポート３の間隔と同じ）
をおいて穿設されている。この端子台挿着孔７は
マニホールドベース１の上面に開口するととも
に、リード線引出路６と連通している。 各端子台挿着７に方形な絶縁端子台８が回転不
能に挿着固定され、該絶縁端子台８の上面はマニ
ホールドベース１の上面と面一になつており、ま
た下端部はリード線引出路６内に突入している。
各絶縁端子台８には、例えば３個の雌端子金具９
が90度の位相差をもつて当該絶縁端子台８の上面
より下方に離して埋設（溝内に挿着）されてい
る。該雌端子金具９を挿着する３個の溝の上端
は、絶縁端子台８の上面に開口して後述する雄端
子金具を受け入れる３個の差込孔１０となつてい
る。 雌端子金具９の上端部はＵ字状をなし、また下
端部９ａは、リード線引出路６内で絶縁端子台８
の下端部の表面に露出している。そして、その露
出した下端部９ａにリード線１１が止めネジ１２
によつて接続されている。リード線１１は引出口
５から引き出されている。その引き出し方向は、
引出口５がマニホールドベース１の前後両側に形
成されているため、前方にするか後方にするかを
選択できる。 絶縁端子台８の下面とリード線引出路６の内底
面との間には、リード線１１を挿通させても十分
に余りがある空間が形成されている。 一方、各弁本体２の一端には、コイルを合成樹
脂でモールドしたコイルブロツク１３が取り付け
られ、該コイルブロツク１３の平らな下面には、
３個の板状雄端子金具１４が90度の位相差をもつ
て植設（垂直に突設）されている。 各弁本体２をマニホールドベース１上に載置固
定するに当たり、その雄端子金具１４を絶縁端子
台８の差込孔１０に差し込むと、該絶縁端子台８
に埋設された雌端子金具９と差込孔１０内で係合
され、つまり各弁本体２のコイルが雌端子金具９
と電気的に内部接続され、同時に該コイルがリー
ド線引出路６の引出口５から引き出されているリ
ード線１１と電気接続される。 なお、上記実施例では、弁本体２の一端に１個
のコイルブロツク１３を取り付けたシングルソレ
ノイド型の電磁弁に適用した場合であるが、本考
案は、弁本体２の一端に２個のコイルブロツク１
３を並列に取り付けたダブルソレノイド型の電磁
弁に対しても適用できる。この場合、弁本体２側
の雄端子金具１４は２個のコイルブロツク１３に
別々に設けたものでも、また共通して設けたもの
のいずれであつてもよい。

【考案の効果】

本考案によれば次のような効果がある。 (1) 全弁本体の外部との電気配線をマニホールド
ベースで一括して行える。 (2) 各弁本体をマニホールドベース上に載置固定
するに当たり、各弁本体のコイルブロツクの下
面に植設された雄端子金具を絶縁端子台の差込
孔に差し込むと、該絶縁端子台に埋設された雌
端子金具のＵ字状部と差込孔内で係合され、つ
まり各弁本体のコイルが雌端子金具と電気的に
しつかりと絶縁端子台の内部で接続され、同時
に該コイルがリード線引出路の引出口から引き
出されているリード線を介して外部と電気接続
される。従つて、各弁本体をマニホールドベー
ス上に単に載置するだけでよく、各弁本体とマ
ニホールドベースとの間ではリード線による内
部接続作業は全く不要で、弁本体の交換が非常
に容易である。 (3) コイルブロツクの下面は平らであり、また絶
縁端子台の上面はマニホールドベースの上面と
面一であるため、コイルブロツクの下面を絶縁
端子台の上面と密着させることができる。 (4) 雄端子金具を差込孔を通じて雌端子金具のＵ
字状部と絶縁端子台の内部で係合させるため、
その係合を安定保持できるとともに、その係合
部を保護できる。 (5) 方形の絶縁端子台を同じく方形の端子台挿着
孔に回転不能に挿着固定するため、絶縁端子台
自体もマニホールドベースに対して安定保持で
きる。 (6) リード線引出路は、マニホールドベースの側
面に設けられた外部接続ポートの軸線と平行に
貫通してマニホールドベースの両側に引出口を
有するため、リード線を外部接続ポートからの
配管と並行に引き出すことができるとともに、
その引き出し方向を選択できる。 (7) 雌端子金具とリード線とはリード線引出路内
で接続されているため、その接続部が露出する
ことはなく、その接続部を保護できるととも
に、安全である。 (8) 絶縁端子台の下面とリード線引出路の内底面
との間に、リード線を挿通させても十分に余り
がある空間が形成されているため、この空間を
利用して雌端子金具の下端部に抵抗やバリスタ
等の電気素子を接続できるとともに、それを保
護できる。 (9) 弁本体の一端に１個のコイルブロツクを取り
付けたシングルソレノイド型の電磁弁ばかりで
なく、弁本体の一端に２個のコイルブロツクを
並列に取り付けたダブルソレノイド型の電磁弁
に対しても、同じマニホールドベースで対応で
き、また同じマニホールドベース上にシングル
ソレノイド型とダブルソレノイド型の両型の電
磁弁を並列設置することもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は組み
立て状態の一例の断面図、第２図はその平面図、
第３図はマニホールドベースの斜視図である。 １……マニホールドベース、２……弁本体、３
……外部接続ポート、４……連通ポート、５……
引出口、６……リード線引出路、７……端子台挿
着孔、８……絶縁端子台、９……雌端子金具、１
０……差込孔、１１……リード線、１３……コイ
ルブロツク、１４……雄端子金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 マニホールドベース１の側面に、複数の弁本体
   ２に対して共通の外部接続ポート３を設けるとと
   もに、該マニホールドベース１の上面に各弁本体
   ２と個別に連通させる連通ポート４を設け、一端
   にコイルブロツク１３を取り付けた複数の弁本体
   ２を、それぞれ上記連通ポート４と連通させてマ
   ニホールドベース１上に並列に載置固定するマニ
   ホールド電磁弁装置において、 前記各弁本体２のコイルブロツク１３の平らな
   下面に複数の板状の雄端子金具１４を垂下突設し
   たこと、 前記マニホールドベース１の一側部に、前記外
   部接続ポート３の軸線と平行にマニホールドベー
   ス１を貫通して該マニホールドベース１の両側に
   引出口５を有するリード線引出路６を設けたこ
   と、 該リード線引出路６の上側に、上記複数の弁本
   体２にそれぞれ対応する複数の方形の端子台挿着
   孔７を、リード線引出路６の軸線方向に所定の間
   隔をおいて設けたこと、 平面方形の絶縁端子台８を、その上面を上記マ
   ニホールドベース１の上面と面一にしかつ下端部
   をリード線引出路６に突入させて各端子台挿着孔
   ７に回転不能に挿着固定したこと、 各絶縁端子台８に、複数の雌端子金具９の上端
   のＵ字状部を含む大部分を当該絶縁端子台８の上
   面より下方に離して埋設し、雌端子金具９の下端
   部９ａを、上記リード線引出路６内で絶縁端子台
   ８の下端部の表面に露出させたこと、 各絶縁端子台８の上面に、上記複数の雄端子金
   具１４を受け入れて上記雌端子金具９のＵ字状部
   との嵌合を案内する複数の差込孔１０を設けたこ
   と、 上記リード線引出路６内において上記雌端子金
   具９の下端部９ａにリード線１１を接続し、該リ
   ード線１１を上記引出口５から引き出したこと、 上記絶縁端子台８の下面と上記リード線引出路
   ６の内底面との間に、上記リード線１１を挿通さ
   せても十分に余りがある空間を形成したこと、を
   特徴とするマニホールド電磁弁装置。