JPH0562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野及び考案の概要］ 本考案は、ハンガーの衣服掛止桟、特に衣服ハ
ンガーの下部に設けられているズボン掛等の、す
べり止め層を具備する衣服掛止桟に関するもので
あり、前記衣服掛桟の後方域をすべり止め層の非
形成域とすることにより、ズボン等衣服のすべり
落ちを防止した上で衣服のハンガーから取り外し
を容易ならしめるものである。

［従来技術及びその問題点］ ハンガーの衣服掛止桟として、実願昭59−
81734号（実開昭60−193175号）のものをすでに
提案した。このものは、ハンガーの衣服との接触
部全域に弱い粘着性のあるすべり止め層を形成し
たもので、衣服のすべり落ちを防止するととも
に、このすべり止め層を交換することなく長時間
使用できるようにしたものである。

ところが、前記先行技術のものでは、衣服掛止
桟にかけたスラツクス等の衣服のすべり落ちは十
分防止することができたが、逆に、衣服をハンガ
ーから取り外す際、すべり止め層に引つ掛かつて
スムーズに取りにくいという問題があつた。

［技術的課題］ 本考案は、このような『棒状横桟の表面にその
長手方向に沿つてすべり止め層２２を具備させ、
ズボン等の衣服を二つ折り状態に掛止する形式の
ハンガーの衣服係止桟』において、衣服掛止桟に
衣服を掛けた状態ではすべり落ちを確実に防止す
るとともに、前記衣服をハンガーから取り外す際
には、前記衣服掛止桟による衣服の引つ掛かかり
が生じることなく、スムーズに衣服の取り外し作
業が行えるようにするため、衣服を前方に引き出
す際にはこの衣服がすべり止め層に接触しないよ
うにすることをその技術的課題とする。

［技術的手段］ 上記技術的課題を解決するために講じた本考案
の技術的手段は『衣服掛止状態における衣服掛止
桟２と衣服との接触部の内、衣服掛止桟２の断面
における前方域をすべり止め層２２の形成域とす
るとともにその後方域をすべり止め層２２の非形
成域とした』ことである。

［作用］ 本考案の上記技術的手段は次のように作用す
る。

衣服掛止桟２の断面における前方域にはすべり
止め層２２が施されているため、衣服掛止桟２に
スラツクス等の衣服を掛けた場合、衣服はその掛
止部で前記すべり止め層２２に沿つて屈曲し垂れ
下がる。そして、衣服等はすべり止め層２２との
接触によつてすべり落ちが防止される。

ズボン等の衣服を衣服係止桟２から取外すに
は、二つ折り状態に掛止されている衣服の内、す
べり止め層２２側へ垂れ下がつている方を上方へ
持ちあげる。すると。衣服と衣服掛止桟２のすべ
り止め層２２との接触は解除される。すなわち、
この状態では、衣服と衣服掛止桟２との接触部
は、すべり止め層２２の施されていない部分のみ
となる。

［効果］ 本考案は上記構成であるから次の特有の効果を
有する。

衣服を衣服掛止桟２に掛けた場合には、すべり
止め層２２が衣服に対してすべり止め効果を発揮
して、先行技術と同様にスラツクス等の衣服のす
べり落ちが防止でき、しかも、衣服を衣服掛止桟
２から取り外す際には、衣服と、衣服掛止桟２の
すべり止め層２２とが接触することがないから、
衣服等が簡単に取り外せる。すなわち、すべり落
ちにくく、取り外し易いものとなる。

［実施態様］ 本考案の実施態様は、『衣服掛止桟２の前半部
に形成したすべり止め層２２の断面形状を凹凸状
とするとともに、この凹凸の外周輪郭とすべり止
め層非形成部のそれとほぼ一様に連続する円弧状
とした』ことである。

この実施態様によれば、すべり止め層２２の断
面が凹凸の連続するものであるから、すべり止め
効果が一層向上し、しかも、凹凸の外周輪郭とす
べり止め層非形成部のそれとほぼ一様に連続する
円弧状としたから、衣服等の取り外しの容易性は
損なわれないものとなる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を第１図から第３図に基
いて説明する。

第１図に示す実施例のものは、通常の衣服ハン
ガーのハンガー主体１の下辺に設けられている衣
服掛止桟２に実施したもので、ハンガー主体１の
両端近傍に設けた垂下舌片、１１，１１間にこの
衣服掛止桟２が架設されており、前記衣服掛止桟
２の内、ハンガー主体１の正面側に位置する部分
にのみすべり止め層２２を配設させたものであ
る。

この衣服掛止桟２は公知の押し出し成形により
製作されたもので、第２図のように、すべり止め
層２２を配設させる部分は二重断面構造を呈する
が、芯材２１の肉厚は該すべり止め層２２配設域
のみ薄肉に設定されて、すべり止め層２２形成域
の断面外周の輪郭と非形成域のそれとほぼ等しい
円弧となつている。又、この実施例では、衣服掛
止桟２の断面における前方上部のみをすべり止め
層２２の形成域としたが、衣服掛止桟２の断面に
おける少なくとも後方上部がすべり止め層２２の
非形成域とし、これ以外の部分にすべり止め層２
２を形成してもよい。

こうして形成された長尺材を所定の寸法に裁断
して、垂下舌片１１，１１の下部に形成した透孔
１２に、すべり止め層２２がハンガー主体１の正
面側となるように回り止め状態でその両端を嵌合
せしめることにより、衣服掛止桟２が完成する。

又、この断面は、芯材２１の外周の一部分に凹
凸断面形状のすべり止め層２２を１体的に形成し
たもので、このすべり止め層２２は、例えば、ス
チレンブタジエンラバー、エチレン酢ビコポリマ
ー、プロセスオイルを主成分とし、これに所定の
添加剤を配合したもので、成分的には通常の粘着
剤と同系統に属するものである。かかる素材とし
ては、例えば、振興化成株式会社製のT22160−
60号のものが採用可能である。要するに、このす
べり止め層２２用の素材としては、基本的には粘
着剤としての特性があり、その粘着力が極端に低
いもの、例えば、衣服を接触させた状態において
その表面に起毛した繊維素のみが粘着するととも
に、この繊維素が拭き取られる程度のもので十分
である。

この実施例のものでは、衣服掛止桟２がその両
端で垂下舌片１１，１１の下部にすすみ対偶する
ことから、これ自体の回転がなく、常時すべり止
め層２２を配設した面がハンガー主体１の正面側
に位置することとなる。

従つて、衣服掛止桟２に衣服を掛けると、上記
すべり止め層２２のすべり止め効果により衣服の
すべり落ちは防止でき、衣服を取り外すには、第
３図のように、ハンガー主体１の手前側から衣服
をやや上方に持ち上げて引つ張る。すべり止め層
２２形成域の断面の外周の輪郭と非形成域のそれ
とほぼ一様に連続する円弧となつているため、芯
材２１にすべり止め層２２を突設させた場合にお
ける衣服とすべり止め層２２との引つ掛かりもな
く、衣服は衣服掛止桟２のすべり止め層２２形成
域に接触せずに、スムーズに衣服をハンガーから
取り外せる。

尚、前記芯材２１としては、硬質塩化ビニール
樹脂等通常の合成樹脂材料が採用可能であり、。
すべり止め層２２に比べてすべり易い材質のもの
であればよい。又、ハンガー主体１が、他の形式
のものにも本考案は採用可能である。

さらに、この実施例では、第２図に示すよう
に、衣服掛止桟２の断面の頂部における芯材２１
の露出域と衣服掛止桟２との境界部に凹部２３を
形成した場合、一層、衣服等の取り外しがスムー
ズでしかも、掛止時においてすべり落ちにくいも
のとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の説明図、第２図はＸ−
Ｘ端面図、第３図は使用状態の説明図であり、図
中、 １……ハンガー主体、２……衣服掛止桟、２２
……すべり止め層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 棒状横桟の表面にその長手方向に沿つてすべ
   り止め層２２を具備させ、ズボン等の衣服を二
   つ折り状態に掛止する形式のハンガーの衣服係
   止桟において、衣服掛止状態における衣服掛止
   桟２と衣服との接触部の内、衣服掛止桟２の断
   面における前方域をすべり止め層２２の形成域
   とするとともにその後方域をすべり止め層２２
   の非形成域としたハンガーの衣服掛止桟。 衣服掛止桟２の前半部に形成したすべり止め
   層２２の断面形状を凹凸状とするとともに、こ
   の凹凸の外周輪郭とすべり止め層非形成部のそ
   れとをほぼ一様に連続する円弧状とした実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のハンガーの衣服
   掛止桟。